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『エイリアン:ロムルス』

『エイリアン:ロムルス』(原題:Alien: Romulus)
監督:フェデ・アルバレス
出演:ケイリー・スピーニー,デヴィッド・ジョンソン,アーチー・ルノー,イザベラ・メルセド,
   スパイク・ファーン,エイリーン・ウー,ダニエル・ベッツ,トレバー・ニューリン他
 
109シネマズ箕面にて。
 
子どもの頃から長らくホラー作品を避けてきたせいで、“エイリアン”シリーズは基本的に未見なのです。
ようやく観るようになったのが『プロメテウス』(2012)から。
これはシリーズ第1作『エイリアン』(1979)の前日譚で、
『エイリアン:コヴェナント』(2017)はその『プロメテウス』の続編という位置づけでした。
 
本作は第1作と第2作『エイリアン2』(1986)の間に起きたことという想定なのだそうです。
“エイリアン”シリーズがいったい何作あったのかも知らない私はそう聞いても?ですが、
全然知らなくても楽しめるのではないかと思います。グロいけど(笑)。
 
レインが暮らすジャクソン星は、劣悪な環境にある。
ウェイランド・ユタニ社の鉱山で働くことに疲れ果て、労働契約期間を満了した今、ユヴァーガ星への移住を希望するが、
契約内容が変わったとかで、この先5~6年は移住を認めないと理不尽に言われてしまう。
 
レイン同様にジャクソン星での日々に不満を持つタイラーほか3人から呼び出されて行ってみると、
タイラーたちはジャクソン星の軌道上で漂流するユタニ社製の宇宙船を見つけたと言う。
放置されたままのこの宇宙船に乗ればユヴァーガ星にたどり着けるはずだと。
 
レインには弟分のアンディがいる。アンディはユタニ社製の旧式アンドロイド。
宇宙船のシステムには人間は侵入することができず、アンディならそれができるから、
いくら旧式で頼りないアンディであっても、今回はその力が必要。
 
こうしてレインとアンディ、タイラー、ビヨン、ナヴァロ、妊娠中のケイの計6名は宇宙船へ。
ユヴァーガ星に到達するための燃料を探していると、休眠していたエイリアンが覚醒して……。
 
鑑賞後にいろいろ読んでみると、レインとタイラーがかつて恋人状態にあったり、
レインの亡き父親がアンディの任務として「レインの安全確保」をプログラムしていたり、
“エイリアン”シリーズを観ている人のほうがうんと楽しめそうではあります。
 
それでも、『ドント・ブリーズ』(2016)や『蜘蛛の巣を払う女』(2018)のフェデ・アルバレス監督の力量は確かだから、
画面から一時も目が離せず、ドキドキしながら最初から最後まで。
 
アルバレス監督はウルグアイモンテビデオのご出身。
スペイン語圏とポルトガル語圏の作品が大好きな私ゆえ、この監督の作品も好きなのかなぁと思いますが、どうなんでしょ。
ちなみにこの監督、好きな映画を問われて『オールド・ボーイ』(2003)を挙げていらっしゃいます。
そりゃそれを挙げる監督は面白いやろと思わずにはいられません。
 
最後に登場するデカすぎるエイリアン、オフスプリングが実写で撮影されていると知ってビックリ。
ルーマニアのバスケットボールの選手で、身長2m31cmですと。ひょえー。

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『越境者たち』

『越境者たち』(原題:Les Survivants)
監督:ギヨーム・レヌソン
出演:ザール・アミール=エブラヒミ,ドゥニ・メノーシェ,ヴィクトワール・デュボワ,
   オスカー・コップ,ルカ・テラッチャーノ,ロクサーヌ・バラズー他
 
前週末公開になった作品を2本ハシゴしようと思っていたのに、
イオンシネマ茨木が20時以降の上映をストップ。ひと晩だけかけて改装工事をするそうな。
というわけでこの日は本作1本のみ鑑賞。
 
本作が長編デビュー作となるギヨーム・レヌソン監督によるフランス作品。
主演はイランテヘラン出身女優、ザール・アミール=エブラヒミ。美人。
もうひとりの主演はフランスの人気俳優、ドゥニ・メノーシェ
 
交通事故で妻を亡くした中年男サミュエルは、まだ幼い娘のレアとふたり暮らし。
自らも負傷してプールでリハビリを続ける日が続いていたが、復職の許可が出る。
まだ仕事に戻る気にはなれず、休暇を延長してレアを弟に預けるとアルプスへ。
フランスからイタリアに入ったサミュエルは、山小屋へと向かう。
 
その夜、物音に気づいて起きると、見知らぬ女性が忍び込んでいた。
どうやら密入国者で、追っ手から逃げているらしい。
最初は敵意をむき出しにしていた彼女だが、サミュエルが助けてくれると考え、
山を越えるために道案内をしてほしいと言う。
 
山小屋へ来る前に偶然会ったサミュエルの知人は、密入国者を目の敵にしている。
彼女の存在を知ればすぐに追いかけてくるに違いない。
放り出すわけにも行かず、サミュエルは彼女を連れてフランスを目指すのだが……。
 
彼女はアフガニスタン人の元教師という設定で、名前はチェレー。
最初はサミュエルのことを警戒して、名乗ろうともしません。
雪山を歩くうち、ふたりの間に信頼関係が芽生えます。
 
道案内をしてほしいと言われても、チェレーが軽装備すぎることをサミュエルは指摘。
しかしそう言うサミュエルだって、あんな雪深いところを歩くほどの装備はない。
しかもドゥニ・メノーシェのことをご存じの方であれば容易に想像できると思いますが、巨漢なんです。
そのうえ脚の傷はまだ痛むから若干引きずっている。
デブで、歩けばすぐに息が上がって、脚を引きずっていて、たいした装備もなくて、
こんなふうに歩けると思いますか。無理やろ~。
食べ物も飲み物もないのに、何日歩いたことになるのか。
 
追いかけてくる3人、ジュスティーヌとヴィクターとステファノは、
いくらサミュエルと知り合いであっても、密入国者の味方をする者は許しません。怖い怖い。
隠れたところでデブだもの、どこかにぶち当たって音を立てそう。
およそ逃げられる気はしないけれど、映画ですもん、ちゃんと逃げおおせます。
 
ムリムリムリ~と思いつつも最後までわりと楽しく観ました。
 
きちんと別れも告げることができないまま立ち去ったチェレーがサミュエルに残したもの。
ちょっとジーンと来ました。

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『YOLO 百元の恋』

『YOLO 百元の恋』(原題:熱辣滾燙)
監督:ジャー・リン
出演:ジャー・リン,ライ・チァイン,チャン・シャオフェイ,シャー・イー,
   チャオ・ハイイエン,ブー・ユー,シュー・ジュン・チュン,ヤン・ズー他
 
どうしても見逃したくなくて、日曜日の昼間、これ1本だけ観にシアターセブンへ。
 
大好きだった『百円の恋』(2014)を中国でリメイクしたら空前の大ヒットを飛ばしたとか。
監督と主演を『こんにちは、私のお母さん』(2021)のジャー・リンが務めています。
彼女、『こんにちは、私のお母さん』のときのデータではジア・リンとなっているのですが、
本作ではジャー・リン、別名ジア・リンとなっています。
シュー・グァンハンのように中国人俳優は名前を使い分けることが多いのでしょうか。
でも、ジャーとジアでは、単にカタカナ表記の問題のような気もするし。
 
そんなことはさておき、本作の話。
 
32歳のドゥ・ローインは無職、実家で食っちゃ寝するだけのひきこもり
体重100キロを超える巨漢で、出かけるときは外食が目的。
見かねたローインの出戻りの妹・ローダンが、テレビ局勤務のいとこ・ドゥドゥに連絡を取り、
無職の人に仕事を紹介する番組にローインを出演させるよう依頼する。
テレビになんか出たくないと、ローインは取材を拒否。
ローダンと大喧嘩になり、ローインはあてもないのに出て行くことに。
 
母からもらった金でとりあえず部屋を借り、飲食店でバイトを始めたローインは、
店の近所のボクシングジムでトレーナーを務めるハオ・クンに一目惚れ。
ある日クンから誘われて、てっきりデートだと思って出かけたところ、ジム会員の勧誘。
それでも嬉しくて、クンのトレーニングを受けようと入会する。
 
酔っぱらったクンと勢いで一夜を共にし、有頂天になるローイン。
クンはローインのアパートに転がり込んで、ふたりは同棲を始める。
クンがジムを代表して試合に出場することになると、ローインはすっかり女房気取り。
しかし、八百長試合の話を受けたクンとの仲がいつしかこじれる。
 
クンと別れた後、ボクサーとなることを目指し、本格的にトレーニングを開始したローインは……。
 
あれれ、ジャー・リンってぽっちゃりした人だったよね?
ポスターの写真はめちゃくちゃ引き締まった体つき。
本作のために痩せるにしても、こんなに痩せるのは無理でしょう。
ということは、太っている間の顔と体型は特殊メイクなのかしら
その割にものすごく自然なメイクだわと思ったら。
 
実際に50キロ落としたとエンドロールで知って驚きました。恐るべき女優魂。いや、監督魂か。
日々体重計に乗り、トレーニングを続け、痩せてボクサーとなる。
その様子はすべて本当で嘘がないから、当たり前だけどものすごくリアルで驚嘆、いや感嘆。
 
ようやく選手として試合に出場できることになった彼女の対戦相手は10戦全勝のプロ。
打たれても打たれても立ち上がる彼女を見ていたら涙が出ました。
 
大好きだと言いつつ『百円の恋』は1回観ただけなので、
リメイクの本作とどの辺りが違うのかはほとんどわかりません。
おそらくオリジナルのほうがもっと好きだったとは思うけど、
自ら監督しながら役者としても50キロの減量に挑み、
なおかつ完璧にアスリートの体型になったジャー・リンに驚くばかりです。
 
ちなみに“Yolo”は本作がアメリカで公開されたときの英語タイトルでもあり、
“You Only Live Once”、つまり「人生は一度きり」。
ジャー・リンが観客に伝えたいメッセージなのだそうです。

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『うんこと死体の復権』

『うんこと死体の復権』
監督:関野吉晴
 
さほど興味はなかったのに『アイ・アム・ア・コメディアン』を観に行ったのは、
そのあとに第七藝術劇場で本作の上映があったからです。
 
映画であればどんなジャンルの作品も観たいとは思っていますが、
行き過ぎたう◯こネタゲロネタは大の苦手です。
スカトロマニアでもあるまいし、何が嬉しくて金払ってう◯こやゲロを観なあかんのか。
 
あ、タイトルに「うんこ」とあるのですから、わざわざ「う◯こ」と伏せ字にする必要はないですね(笑)。
うんこは観たくない。けれど本作は真面目にうんこを取り上げている。
ならばやっぱり観ておくかと意を決して十三まで出向いたのでした。
 
関野吉晴監督は“グレートジャーニー”で知られる冒険家
彼はアマゾンの奥地狩猟採集民と生活を共にし、自然とヒトとの関係について考えています。
そして彼が2015年から始めたのが“地球永住計画”というプロジェクト。
我々が地球で生きて行くためにはどうすればいいかを考えるというプロジェクトです。
 
このプロジェクトで関野監督が出会ったのが本作に登場する3人。
「糞土師」を名乗る伊沢正名氏は、1970年代から今まで野糞することにこだわり、
トイレで排便したのはわずかに13回という強者。
誰でも自由に野糞できるように山を買って「プープランド」と名付けています。
プープランドで野糞してはどんな虫がどのように分解されるのかをつぶさに調査。
 
あとの2人は、うんこから生き物と自然について考察する生態学者の高槻成紀氏と、
死体を喰らう生き物を観察して描く絵本作家の舘野鴻氏。
 
いつでも退席できるように、最後列の出口脇の席を取りました。
私にはやっぱりうんこを大画面で観るのは無理で、直視できず。
これは立派なうんこだとか、人のうんこを見て褒め称えるなんて、オエーッ(笑)。
何週間か経ち、完全に土と化したものを食べて爽やかだとか、うーむ。
 
とはいうものの、どんな虫が寄ってきたとか分析するのはつまらなくはありません。
直視はしがたいけれど、その研究に対する熱意には頭が下がる思い。
ただ、後半は特に編集がほどこされているとも思えない映像が続き、いささか退屈。
したがって眠気に誘われてしまうのでした。
 
マニアックなドキュメンタリー作品を観る機会に恵まれたのはよかった。
でもうんこを観る機会はもう要らない。
 
ちなみに、この記事を投稿するさいに作品名にハッシュタグを付けようとしたらはねられました。
「タグ名:うんこと死体の復権は、受け付けられません」ですって。
「うんこ」がダメなの? たぶんそうじゃなくて「死体」のほうかな。

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『アイアム・ア・コメディアン』

『アイアム・ア・コメディアン』
監督:日向史有
 
シアターセブンにて。
 
『東京クルド』(2021)の日向史有監督がお笑いコンビ“ウーマンラッシュアワー”の村本大輔に密着。
時間的に合ったので観に行きましたが、ウーマンラッシュアワーを好きなわけじゃなし、村本大輔のこともほぼ知らず。
だから、彼のネタが政治的すぎるとして炎上したことも知らず、
超売れっ子だったのにいつのまにかテレビに出演することがなくなっていたのも知りません。
こんなふうに何も知らない状態からですから、逆に興味深く観ることができました。
 
東日本大震災の被災者が仮設住宅で不自由な暮らしを続けているというのに、
世の中は東京オリンピックに向かって盛り上がり、新国立競技場に莫大な予算を割いている。
そんな話だとか、在日の人の話だとか、テレビではおよそタブー視されてきたであろうことを
村本は臆することなく漫才やトークのネタとして喋りつづける。
そりゃテレビでは使われなくなりますよねぇ。何を言うかわからない芸人なのですから。
 
彼の心意気は凄いと思うし、何も間違ったことは言ってない。
ただ、好きかと聞かれると、私には面白いとは思えません。
単純に、芸として面白いと思えなくて、笑えないのです。
 
大阪に生まれ、大阪で育ち、これまでの人生を大阪以外で過ごしたことがない私は、
やっぱり関西弁が好きで、関西弁の芸人が好き。
アメリカのスタンダップコメディの面白さはまったくわからないし、それを村本がやったところで同様。
 
彼がやりたいことは真っ当で、応援もしたい。
だけど面白くはないから笑えない。
彼の話で笑える人たちでどうぞ、と思ってしまうのでした。
でも本作を観たら、彼の今後の活動は気になると思います。

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