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『五等分の花嫁*』

『五等分の花嫁*』
監督:宮本幸裕
声の出演: 松岡禎丞,花澤香菜,竹達彩奈,伊藤美来,佐倉綾音,水瀬いのり他
 
TOHOシネマズ西宮にて。
 
なんだかわからないまま観に行った『五等分の花嫁∽』(2022)。
が釣り上げたオンクレの景品の中にそれらしきものがなければスルーしていたでしょう。
 
相変わらずなんだかよくわからないのですが、とにかく五つ子ちゃんがいる。
中野一花、二乃、三玖、四葉、五月という女ばかりの五つ子で、顔は同じ、髪型だけちがう。
彼女たちの家庭教師を務めるのが上杉風太郎。
 
風太郎の使命は勉強嫌いの5人の面倒を見て、落第なしで高校を卒業させること。
その使命を無事に果たしたのでしょう、本作ではハワイ新婚旅行とな。
え、えっ、五つ子のうち誰と結婚したんかいなと思ったら、四葉らしい。
 
新婚旅行だからといってふたりきりで行くわけじゃあない。
五つ子全員と風太郎がハワイへ行き、四葉と風太郎が同じ部屋、あとの4人がまとめて別の部屋。
ところが到着してすぐに五つ子の父親(たぶん(笑))に捕まった風太郎は、
娘たちがトラブルに巻き込まれそうだからよろしく頼むと言われてワインをがぶ飲み。
そのままバタンキューとなり、初夜も何もあったもんやありません。
 
街をぶらついていた折に現地の少女から声をかけられたのは五つ子のうちの誰だったか覚えてない。(–;
少女が想いを寄せる日本人少年とのデートが上手く行くようにアドバイスがほしいと言われたけれど、
英語で話しかけられたものだから、何を言われているのかわからずにOKとだけ返事してしまう。
この局面を風太郎指揮のもと、五つ子総動員の入れ替わり作戦で乗り切ります。
 
こんな感じの話かと思うのですが、原作読んでない、TVアニメ版も観ていないとなるとわからんわからん。
わからんわりには楽しめたけど、五つ子に家庭教師ひとりで新婚旅行って、
なんか生々しい設定だと思うのは、こっちがオバハンだからでしょうか。(^^;

—–

『スオミの話をしよう』

『スオミの話をしよう』
監督:三谷幸喜
出演:長澤まさみ,西島秀俊,松坂桃李,瀬戸康史,遠藤憲一,小林隆,
   坂東彌十郎,戸塚純貴,阿南健治,梶原善,宮澤エマ他
 
普通であれば封切り日に観に行っても不思議はないところ、
なんとなくビミョーな出来のような気がして、公開から5日経ってからようやく腰を上げ。
イオンシネマ茨木にて、前述の『シサム』の後に。
 
著名な詩人(相田みつをみたいな詩)・寒川しずお(坂東彌十郎)の妻・スオミ(長澤まさみ)が前日から行方不明。
当の夫は「どうせすぐ帰ってくる」とまったく心配していない様子だが、
スオミの元夫である刑事・草野圭吾(西島秀俊)は気が気でなく、後輩刑事・小磯杜夫(瀬戸康史)を連れて寒川邸へ。
 
寒川邸では、わがまま言い放題のしずおに仕える乙骨直虎(戸塚純貴)の姿があり、
てっきり秘書だと思っていたら、どこぞの出版社の編集担当者らしい。
ということを教えてくれたのは、寒川邸の使用人・魚山大吉(遠藤憲一)で、実はスオミの最初の夫。
 
やがて寒川邸にやってきたのは草野の上司・宇賀神守(小林隆)。
彼もまたスオミと結婚していたことがあり、本人は2番目の夫だと思っているが、
魚山によれば、自分と宇賀の間にはインフルエンサーの夫・十勝左衛門(松坂桃李)がいる。
 
つまり、1番目=魚山、2番目=十勝、3番目=宇賀、4番目=草野という4度の離婚歴がスオミにはあり、
5度目の結婚相手が今の夫、寒川だと知って驚く小磯。
しかもそれぞれに話を聞くと、スオミ像がまるで異なる。
宇賀に至ってはスオミと日本語で会話をしたことはなく、彼女は中国語しかしゃべれないと思っていたらしい。
5人とも、我こそがスオミのことを理解していると思い込んでいて……。
 
ビミョーそうという予想は当たっていて、あんまり面白くない。
全然面白くないとは言いませんが、スベり気味のコントを見せられている気分です。
スベっているのは脚本のせいなのか、男性陣のコメディの資質のせいなのか。
西島秀俊にこういう役はかなりツライ気がします。
いちばん上手いのはもしかすると瀬戸康史なんじゃないでしょうか。
 
どの結婚時も登場する女性・薊(宮澤エマ)がキーになっていそうだけど、ソウルメイトと言われてもなぁ。
結局のところ、私がいちばん好きな三谷幸喜監督作品は『12人の優しい日本人』(1991)。
あっちもこっちも、出演者の皆さんがものすごく楽しかっただろうことは想像できます。

—–

『シサム』

『シサム』
監督:中尾浩之
出演:寛一郎,三浦貴大,和田正人,坂東龍汰,平野貴大,サヘル・ローズ,
   藤本隆宏,山西惇,佐々木ゆか,古川琴音,要潤,富田靖子,緒形直人他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
寛一郎の顔がちょっと苦手でパスしようかと思っていましたが、親の七光りという感じでもなくなり、
『ナミビアの砂漠』の勘違い男の役もなかなかよかったからやっぱり観る。
 
北海道が蝦夷地と呼ばれていた江戸前期、松前藩の収入の柱となっているのはアイヌとの交易。
松前藩士・高坂孝二郎(寛一郎)の家も、アイヌとの交易を生業とする。
父親が亡くなり、息子たちに期待を寄せる母親(富田靖子)に応えようと、
孝二郎は初めて兄の栄之助(三浦貴大)と共に交易の旅に出る。
 
蝦夷地に足を踏み入れた夜、荷をあらために行った栄之助が戻ってこない。
すると、栄之助がいるはずの小屋から火の手が上がり、そこには首を斬られた栄之助が倒れていた。
使用人の善助(和田正人)の仕業だ、奴を追えと言い残して息を引き取る栄之助。
 
森の中で善助と向かい合う格好になった孝二郎は、攻撃を受けて川に転落。
目が覚めるとそこはアイヌのコタン(=村)だった。
アイヌの人々から手厚く介抱された孝二郎は、しばらくここにとどまることになり……。
 
「シサム」とはアイヌの言葉で「よき隣人」の意味なのだそうです。
当時の日本人はアイヌの人々のことを「蝦夷」と呼んでおり、
孝二郎も同じように呼んでいましたが、それが心ない蔑称だと知る。
「人」を意味する「アイヌ」と呼び方を変えると同時に、彼らへの認識も変化を見せます。
 
善助がなぜ栄之助を殺してしまったのかが明らかになると、
兄の敵を討ちたい気持ちが消えたわけではないけれど、松前藩の過ちを正さねばならないとも思う。
実話を基にしたフィクションとのこと、本当に孝二郎のように行動した人がいたのでしょうかね。
 
戦いは世界のどこかで今も必ず起きていることだけど、刃を向け合わずになんとかならないものなのか。

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『ぼくのお日さま』

『ぼくのお日さま』
監督:奥山大史
出演:越山敬達,中西希亜良,山田真歩,潤浩,若葉竜也,池松壮亮他
 
仕事帰りにテアトル梅田で2本ハシゴの2本目。
 
奥山大史監督の前作『僕はイエス様が嫌い』(2019)はとても苦手でした。
なんだか宗教色が濃かったのを覚えています。
本作もそんなだったらツライなぁと思っていましたが、予告編を観るかぎりそうではなさそうで。
ロケ地は北海道内各地とのこと。
 
スケートリンクがある北国の田舎町。

小学6年生のタクヤ(越山敬達)は軽度の吃音症ではあるもの、それが原因でいじめを受けたりはしていない。
しかし身体能力が高いとは言えず、夏の野球も冬のアイスホッケーもド下手で笑われる。
 
ある日、タクヤはフィギュアスケートの練習をするさくら(中西希亜良)にひと目惚れ。
彼女のように飛んだり回ったりしてみたいと、ひとりで練習を始める。
その様子に気づいたのが、さくらのコーチを務める荒川(池松壮亮)。
ホッケー靴のままでは無理だと、昔自分が使っていたスケート靴をタクヤに差し出す。
 
以降、みんながスケートリンクから帰ってから、荒川がタクヤの指導をするように。
荒川はふと思い立ち、さくらとタクヤにペアでアイスダンスに挑戦しないかと提案するのだが……。
 
これはかなり好きでした。
ゆるゆると穏やかに話が進むのかと思っていたら、想定外の厳しさ。
 
もともと一流のフィギュアスケーターだった荒川は都会で暮らしていましたが、
さくらの母親(山田真歩)から娘のスケート指導を請われ、この町にやってきます。
 
荒川はゲイで、家業のガソリンスタンドを継いだ五十嵐(若葉竜也)と同棲中。
ふたり仲睦まじく居たところをさくらが見かけてから暗雲が立ちこめる。
さくらには男同士の恋愛感情など理解できないから、
荒川がタクヤをフィギュアスケートに引き入れたのはタクヤをそういう目で見ているからなのではと考えます。
 
不潔、汚らしい、気持ち悪い。そんな感情を隠せず、荒川に毒を吐く。
見られていたことなど知らない荒川は、急に辞められて戸惑います。
ペアダンスの受験会場にさくらが現れてくれることを願いましたが叶わず。
 
荒川もタクヤも打ちひしがれているはずなのに、本作では誰も泣きわめいたりしない。
ただ現状を受け入れて、淡々と日々を過ごす。それが切ない。
 
いつかわかってくれる日が来ますように。
北海道の風景がとても美しいです。

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『チャイコフスキーの妻』

『チャイコフスキーの妻』(原題:Zhena Chaikovskogo)
監督:キリル・セレブレニコフ
出演:アリョーナ・ミハイロヴァ,オジン・ルンド・バイロン,フィリップ・アヴデーエフ,ミロン・フョードロフ,
   ヴァルヴァラ・シュミコワ,ウラジーミル・ミシュコーフ,アレクサンドル・ゴルチーリン他
 
仕事帰りにテアトル梅田にて2本ハシゴの1本目。
 
眠くなりそうで避けていたロシア/フランス/スイス作品なのですが、
その昔、が自分のお葬式ではチャイコフスキーの曲をかけてほしいと言っていたため、
ならばチャイコフスキーの映画を観ておこうと思い直して。
 
ロシアの天才作曲家と崇められるピョートル・チャイコフスキーは、
その妻アントニーナとの関係に苦しんだことで知られています。
と言っても私は知らなかったので、鑑賞前にウィキを読み、付け焼き刃の知識のみ。
 
ある宴に出席したさい、アントニーナは輪の中心にいたピョートルにひと目惚れ。
8つ上の彼になんとか振り向いてほしいと思い、ラブレターを送り続けると、
女性にはまるで興味のなかったピョートルがやってきて、
兄妹のような関係ということでよいならばとアントニーナに求婚する。
 
1877年に挙式して夫婦となるが、ピョートルにとっては苦痛でしかない時間が始まる。
彼に尽くそうとするアントニーナのことがただただ鬱陶しいうえに、
一応は地方貴族だった彼女が用意するはずだった持参金が聞いていた額と違う。
ひとりならば働かずともなんとかなっていた暮らしの質がどんどん下がり、
このままでは家ごとアントニーナに持って行かれそうだと考え、離婚を願う。
 
アントニーナの顔も見たくないピョートルは家を出たまま帰らず、
ふた月ともたずにふたりの結婚生活は破綻。
しかしアントニーナは「チャイコフスキーの妻」であることに固執して……。
 
演奏のシーンはほとんどないので、音楽映画をイメージして観に行くと残念に思うでしょう。
チャイコフスキーの即興演奏や、モスクワ音楽院に学んだアントニーナのささやかなピアノ演奏、
あとはいくつかの演奏会のシーンがあるのみです。
 
アントニーナは悪妻と言われているようですが、きっと誰と結婚してもチャイコフスキーは変わらなかった。
結婚そのものが彼には不向きで、家族も友人たちもそれをわかっているから、
別れるようにとアントニーナに忠告するけれど、彼女は聞き入れることができません。
 
そもそも彼女がここまで彼に入れ込む理由がわかりません。
ほかに類を見ない大人の男性を感じたからなのか、チャイコフスキーだから近づいたのか。
彼が偉大な音楽家だなんて私は知らなかったのよと言うけれど、嘘ですよね。
 
冒頭はチャイコフスキーの葬儀のシーンで始まります。
あくまで彼の妻としての存在感を放っていたかったのに、死んだ彼から顔も見たくないと言われる。
ここまで嫌われても愛し続けるのは、イカれているとしか言えないかも。
 
彼の死後はほとんど精神病院で過ごしたというアントニーナ。哀れです。
本作の鑑賞前日に観た『アビゲイル』では“白鳥の湖”が流れていたのが奇遇。
私がチャイコフスキーに呼ばれたか。

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