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『ファウンダーズデイ/殺戮選挙』

『ファウンダーズデイ/殺戮選挙』(原題:Founders Day)
監督:エリック・ブルームクイスト
出演:ナオミ・グレイス,デヴィン・ドルイド,アンドリュー・スチュワート=ジョーンズ,オリヴィア・ニッカネン,
   エミリア・マッカーシー,タイラー・ジェームズ・ホワイト,エリック・ブルームクイスト,アダム・ウェップラー,
   ケイト・エドモンズ,エイミー・ハーグリーヴス,キャサリン・カーティン,ジェイス・バルトーク,ウィリアム・ラス他
 
観るか観まいか迷っていて、翌週でいいやと思って先延ばしにしていたら、なんと1週間限定公開。
箕面で一緒に飲むはずだった姐さんに急遽予定変更を申し出て、
イオンモール茨木で一緒に食事してからイオンシネマ茨木にてレイトショーにもおつきあいいただきました。
 
しょうもないB級ホラーだと思っていたけれど、キャストの名前を書きはじめたら、削る人おらんやん。
みんなそれなりの役割を果たした、削りがたい役者ばかり。
でも、もともと名前を知っていた役者は誰ひとりとしていません(笑)。
 
アメリカ・ニューイングランドの小さな町フェアウッドは、設立300周年を祝う祭りの直前であると同時に、
町長選挙の熾烈なキャンペーンが繰り広げられている真っ最中。
現職の女性町長ブレア・グラッドウェルと対立候補のハロルド・フォークナーの間に飛び交う火花。
 
親が敵同士の影響はその子どもたちにも及び、ハロルドの息子アダムはブレアの娘リリーと別れた。
また、ハロルドの娘メリッサはレズビアンで、同級生のアリソンと交際中だが、
世間の目を気にするハロルドはメリッサが外出するのを阻止しようとする。
そんな父親を振り払ってアリソンと出かけるメリッサ。
 
ようやくふたりきりになったとき、アリソンの目の前でメリッサが仮面の人物に襲いかかられる。
その人物は裁判官の衣装を着て、手に持っていたガベル(=ハンマー)でメリッサを叩きのめす。
アリソンが動けないでいると、どうやら男はメリッサを橋から川に向かって放り投げた様子。
 
警察が捜査を開始するもメリッサの遺体は見つからず。
そればかりか、これを最初に同じ人物によって次々と町の人が殺されてゆく。
祭りなどしている場合ではないと言う住民と、こんなときだからこそ祭りをしようと言う住民に分かれ、
町全体が騒然とするなか、ブレアの娘リリーまで殺されて……。
 
導入部の話の流れが悪くてわかりにくく、やはりB級か!?と思いましたが、
徐々に様相が判明して楽しむことができました。
 
巷の評価は低いようですが、こんなもんでしょう(笑)。
ストーリーも犯人もありそうでなかったもので、音楽が無駄にオシャレなのも可笑しい。
 
犯人はいちばん怪しくなさそうなジャクソン先生かなぁ、
でも彼はそれなりに年寄りだから、殺人犯のごとく機敏な動きはできないよねぇと思ったら。
 
ネタバレしちゃってもいいですよね。
憲法何条かにあるらしい「継承権」というのがキモになっていて、
候補者がみんなこの世から消えればジャクソン先生が町長になるそうな。
町の未来を危惧する面子が揃って面倒な奴み~んな殺しちゃえということになったみたい(笑)。
メリッサはアダムと組んで死んだふり。警察官とブレアの側近もグルで、それがバレないように協力。
仮面の人物の正体はメリッサでした。だけど彼女も最後に死んじゃいます。
 
つまらないと叩かれるほどにはつまらなくないし、むしろハードルが下がっていたおかげで面白かった。
思惑通りにジャクソン先生が町長に就任した1年後のフェアウッドは実に平和です。
アリソンもグッジョブ。

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『シュリ』【デジタルリマスター版】

『シュリ』(英題:Swiri)
監督:カン・ジェギュ
出演:ハン・ソッキュ,キム・ユンジン,チェ・ミンシク,ソン・ガンホ,ユン・ジュサン,パク・ヨンウ他
 
10月24日をもって営業を終了してしまうシネマート心斎橋にて。
韓国映画といえばここと思うぐらいで、いつもよく客が入っている印象だったから、
この閉館は本当に驚きだし、とても寂しいことです。
この日も平日の昼間にもかかわらず8割方客席が埋まっていました。
 
カン・ジェギュ監督の名を不動のものにした『シュリ』(1999)のデジタルリマスター版。
本国韓国では『タイタニック』(1997)の動員記録を塗り替えたとして大変話題に。
日本で韓国作品が当たることはまだなかった時代、異例の大ヒットを飛ばしました。
 
韓国では1993年以降毎年、要人の暗殺事件が起きている。
事件には北朝鮮のイ・バンヒなる女性狙撃手が関わっていると見られ、
韓国の情報部員ジュンウォン(ハン・ソッキュ)とその相棒イ・ジャンギル(ソン・ガンホ)が追う。
 
やがて、イ・バンヒが北朝鮮随一の精鋭部隊に所属することが判明。
同じ部隊のリーダーは皮肉にもかつてジュンウォンが取り逃がしたパク・ムヨン(チェ・ミンシク)だった。
 
ムヨンらの狙いは韓国の科学研究所が開発した液体爆弾CTX。これを強奪してテロを企んでいるらしい。
両国首脳が列席するサッカー南北交流試合を舞台に選んでいることにジュンウォンは気づき……。
 
ジュンウォンとジャンギルの行動が敵に筒抜けになっていて、内通者がいることを疑います。
情報部員とは悲しいもので、相棒のことすら疑わざるをえない。
誰が裏切り者なのかと思っていたら、ジュンウォンの婚約者イ・ミョンヒョン(キム・ユンジン)でしたというもの。
 
ハン・ソッキュがそんなに男前とは言えないので、これ、イ・ビョンホンのほうがよかったかなと今さら思う(笑)。
今も昔もこんな役のチェ・ミンシクはあまり歳を取ったと思えないけれど、
ソン・ガンホはめちゃくちゃ若いですよねぇ。30年経つんだから当たり前か。
 
いま観てもとても面白い。
出演していることに気づけなかった俳優もいそうなので、公開中にもういっぺん観たいです。

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『本日公休』

『本日公休』(原題:本日公休)
監督:フー・ティエンユー
出演:ルー・シャオフェン,フー・モンボー,ファン・ジーヨウ,アニー・チェン,
   シー・ミンシュアイ,リン・ボーホン,チェン・ボーリン他
 
9月2度目の3連休に予定を詰め込みすぎなのがわかっていたので、
週明けの火曜日も前もって有休を申請し、朝ちょっとゆっくりすることに。
ところがふと映画の上映スケジュールを見ると、前週末に公開になったばかりの本作が1日2回の上映のみ。しかも朝イチと昼間。
どうしても観たかったので、8時すぎに家を出てテアトル梅田に行くべしだったのに、そんなに早起きできませんでした。
あきらめようと思ったけれど、9時すぎに出発すればシネマート心斎橋の上映に間に合うじゃあないか。
 
というわけで、まだ通勤ラッシュで渋滞気味の新御を走り抜け、なんとか本編開始前に到着。
台湾の俊英と言われるフー・ティエンユー監督による温かい作品です。
 
台中の下町で理髪店を営んで40年になる女性アールイ(ルー・シャオフェン)。
夫を亡くし、3人の子どもたちは独立して家を出ている。
 
都会の美容院に勤務する長女リン(ファン・ジーヨウ)はバツイチ。
車の修理工場を営むチュアン(フー・モンボー)と結婚して息子アンアンも授かったのに離婚。
次女シン(アニー・チェン)はスタイリストとして撮影現場でてんてこ舞い。
長男ナン(シー・ミンシュアイ)は近所に住んでいるものの、楽して儲けることばかり考えては失敗。
今は太陽光パネルで一儲けしようと実家への設置を母親に勧めるが、アールイは素っ気ない。
 
ある日、シンが実家に戻ると母親がいない。
表に「本日公休」の札を掛けて車で出かけたようだが、スマホを置き忘れている。
それを聞いてナンも実家にやってくるが、母親の居場所に心当たりなし。
ふたりして仕事中のリンに電話をかけると、弟妹両方からの連絡にリンは何事かと怒り出し……。
 
というのが冒頭のシーン。アールイの行動があきらかになったのちにまたこのシーンに戻ります。
 
序盤の、開店前から戸をがんがん叩いて駆け込んでくる老人とのやりとりでもう涙目。
「こんな朝早くからどうしたんですか」と尋ねるアールイに、
「亡くなった女房が夢に出てきて、あなたの髪がそんなに白くなっちゃったらあなただとわからないと言われた、
あの世で会ったときに女房に見つけてもらえるように、髪を染めてほしい」ですから。
 
さてさて、場面が変わると、アールイの商売の仕方がなんとも古くて娘たちは呆れてばかり。
電話帳を繰りながら、常連客ひとりひとりに連絡を取り、「そろそろ散髪する頃ですよ」。
勤務先の美容院で顧客の奪い合いに悩むリン曰く、女の客が面倒くさい。
男の客は一旦担当が決まればそのままを通すから、アールイは安泰らしく。
実際、アールイの店の客たちはみんないたって素直だし、客同士みんな仲良し。
散髪が終わるとその場でラーメンをすすっていたりして、どんなのどかやねんと思う(笑)。
 
リンの元夫チュアンがこのうえなくいい奴で、離婚後も孫を見せるために父子そろって散髪にやってきます。
アールイがリンとチュアンの復縁を願うのも当然だし、リンよりむしろチュアンを信頼している。
だから、子どもたちが誰も母親の行方を知らないというのに、チュアンだけは知っています。
 
チュアンが言うには、アールイは常連客だった歯医者の出張散髪に出かけていると。
歯医者宅に電話をしたらその娘が出て、父親は病床にあって散髪に行ける状態ではないと言う。
それを聞いたアールイは、出張散髪に行こうと決めるのです。
 
弟が長らくかよっていた美容院へ散髪に行きたいと言い、ひとりでは車の運転が心配だからと私が付き添い。
最期の散髪になるであろうことを覚悟していた弟のことを思い出すとやっぱり泣けてきます。
私は自分がお世話になっていた美容院には申し訳なくも失礼して、
あれからずっと、弟の髪を切ってくれていた美容師さんのところへかよっています。
 
商売のあり方、人としての心のあり方を考えさせられる作品でした。

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『トランスフォーマー/ONE』〈字幕版〉

『トランスフォーマー/ONE』(原題:Transformers One)
監督:ジョシュ・クーリー
声の出演:クリス・ヘムズワース,ブライアン・タイリー・ヘンリー,スカーレット・ヨハンソン,
     キーガン=マイケル・キー,スティーヴ・ブシェミ,ローレンス・フィッシュバーン,ジョン・ハム他
 
塚口サンサン劇場で『お隣さんはヒトラー?』を観たあと、北新地でひとりランチ。
私にアルコールを飲まないという選択肢はなく、またしても酔っぱらってTOHOシネマズ梅田へ。
 
実写版“トランスフォーマー”シリーズをプロデュースしてきたスティーヴン・スピルバーグマイケル・ベイが、
“トランスフォーマー”のはじまりの物語をCGアニメで描く本作もプロデュース。
監督は『トイ・ストーリー4』(2019)のジョシュ・クーリー。
この人、『インサイド・ヘッド』(2015)の脚本を担当されていた方なんですね。
 
仕事帰りに寄りやすい劇場では吹替版の上映しかありません。
オプティマスプライムのクリス・ヘムズワース、メガトロンのブライアン・タイリー・ヘンリー
アルファトライオンのローレンス・フィッシュバーン、センチネルプライムのジョン・ハムの声が聴きたくてまずは字幕版を観る。
 
と書いてはみたものの、シリーズを一通り観ているだけで熱狂的なファンとは言えないから、それぞれの名前をうろ覚え。
誰が味方で誰が敵かも観ているうちに思い出すだけ。
オプティマスプライムとメガトロンは親友だったのに、トランスフォームの力を手にしたことによりその関係が変化。
いかにして宿敵になったかを描いているのが本作。
 
酔っぱらいゆえ、案の定序盤爆睡した部分はあるものの、中盤以降に無事覚醒しました。
バンブルビーが気を失っている間もやかましいという台詞にはふきだしてしまいます。
これはしらふのときにぜひもう一度観たいと思う。次は吹替版にするか、もう一度字幕版か。
 
しかしいい加減、飲んで映画を観に行くのはやめたほうがよさそうな。
がら空きの劇場ならまだしも、これなんて小さめのシアター6で満席でしたから、少なくとも隣席の人には寝てるのバレてる?

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『お隣さんはヒトラー?』

『お隣さんはヒトラー?』(原題:My Neighbor Adolf)
監督:レオン・プルドフスキー
出演:デヴィッド・ヘイマン,ウド・キア,オリヴィア・シルハヴィ,キネレト・ペレド他
 
塚口サンサン劇場はロードショー作品を公開するかたわら、
こうしてちょっとだけ遅れて「あれ観たかったのよ」という作品も上映してくれるのがありがたい。
数カ月前に大阪市内で見逃していたイスラエル/ポーランド作品を鑑賞することができました。
 
ポーランド系ユダヤ人のマレク・ポルスキーは、ホロコーストで家族全員を失う。
ひとり生き延びた彼は、1960年、南米コロンビアの町外れの一軒家で暮らしている。
チェスを除けば、妻が好きだった黒いバラの手入れにしか興味が持てない。
 
ある日、長らく空き家だった隣家にドイツ人のヘルマン・ハルツォーグが越してくる。
その飼い犬がマレク宅に勝手に侵入して粗相したことに腹を立て、ヘルマンに文句を言いに行って呆然。
ヘルマンは戦前のチェス大会で見かけたアドルフ・ヒトラーと瓜二つだったのだ。
 
隣家の事務諸手続きをおこなうカルテンブルナー夫人はまるでゲシュタポの弁護士のようだし、
最近ニュースでアドルフ・アイヒマンが捕縛されたと言っていた。
隣家の住人は実はヒトラーで、身を隠すためにここに来たに違いないとマレクは考える。
 
さっそくイスラエル大使館へ乗り込んだマレクは、隣人は絶対にヒトラーだから捕まえろと主張。
しかし担当の情報局責任者は、ヒトラーは死亡していると言って取り合ってくれない。
ヘルマンがヒトラーである証拠を掴むため、マレクは隣人をひそかに調査しはじめるのだが……。
 
冒頭に映し出されるのは、1930年代初めのポルスキー一家の幸せそうな様子。
大家族が集まって、慣れないカメラに戸惑いながら記念撮影。
次に映るのはすっかり偏屈になったマレクがオンボロ一軒家でひとり過ごすところ。
 
ヒトラーは1945年に死んだと聞いても受け入れられないマレクは、
家族全員を奪ったヒトラーをとっ捕まえて償わせたい。
隣人がヒトラーであると証明することが彼の生き甲斐となります。
そのために、ヘルマンに絵を描かせたり字を書かせたりしようとする。
ところが、ヒトラーは嫌煙家で酒も飲まないはずだったのに、ヘルマンはそうじゃない。
あれれ違うのかなという思いがよぎるも、マレクとしては彼がヒトラーであってほしいわけです。
 
終盤に明らかになる事実。
ネタバレになりますが、ヘルマンはヒトラーのボディダブル(=影武者)でした。
ヒトラーと似ているというだけで徹底的に彼の真似をさせられ、なりきることを命じられる。
顔も表情も仕草も、言動のすべてをヒトラーのように。
 
戦争に翻弄されたのは自分だけではなかったとマレクは知ります。
しかし自分が大使館に乗り込んだせいで、やがてヘルマンが戦犯者として終われることに。
 
マレク役のデヴィッド・ヘイマン、ヘルマン役のウド・キア、どちらも凄くよかった。
別れが切ない。

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