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『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』

『ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ』
監督:阪元裕吾
出演:髙石あかり,伊澤彩織,水石亜飛夢,中井友望,飛永翼,大谷主水,かいばしら,カルマ,前田敦子,池松壮亮他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
阪元裕吾監督のオリジナル脚本による大大大好きな“ベイビーわるきゅーれ”シリーズ第3弾。
第1弾の『ベイビーわるきゅーれ』(2021)に私はぞっこんで、
そこまでではなかったけれど第2弾の『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』(2023)も楽しかった。
可愛くてカッコイイ殺し屋コンビを演じる髙石あかりと伊澤彩織の大ファンになりました。
前作まではミニシアターの上映だったのが、本作はシネコンへの拡大上映が嬉しすぎます。
 
プロの殺し屋コンビ、杉本ちさと(髙石あかり)と深川まひろ(伊澤彩織)は宮崎に出張中。
宮崎入りした昨日は到着早々に仕事を片づけ、今日はすでに観光モード。
もう1件の仕事もちゃっちゃと片づけて今夜は宮崎牛を食べに行こうとウキウキ。
 
休日の人気(ひとけ)のない宮崎県庁にターゲットの松浦(かいばしら)が潜んでいるとの情報。
ところが早速見つけた松浦は、別の殺し屋・冬村かえで(池松壮亮)に殺されかけているところだった。
 
ちさととまひろが殺し屋協会に所属する「真っ当な殺し屋」であるのに対し、
冬村は協会に所属していない「野良の殺し屋」。同じく野良の広川(カルマ)の仲介で殺しの依頼を引き受けているらしい。
 
どちらも松浦の殺害を引き受けたのだから、自分が松浦を殺さなければミッション完遂にならない。
松浦を取り合って逃げられてしまったため、野良に面子を潰されたと憤る協会から次の指示が出る。
それは松浦の殺害よりも先に冬村を始末するようにとのことで、
宮崎県の殺し屋コンビ、入鹿みなみ(前田敦子)と七瀬(大谷主水)と共にチームを組んで対処するように命じられて……。
 
冬村は一匹狼の殺し屋で、今まで仲間がいたことがありません。
だから、ちさととまひろを見てなんだか羨ましく思う。
あきらかに狂っている彼だけど、その羨ましげな表情を見ていると憎めないんですよねぇ。
 
このシリーズは毎度テンポがいい。
ちさととまひろのキャラが面白いのはもちろんのこと、敵もあっぱれ。
殺し合いにもお互い敬意を持って臨んでいます。
わりと最近『フォールガイ』『侍タイムスリッパー』を観たばかりだからか斬られ役に目が行き、
殺陣の美しさにも見入ってしまいました。この人、殺され方が巧いなぁとか。
 
まだ20歳になったばかりという設定のふたり。初めての飲酒にまずそうな顔をするのもカワイイ。
池松くんって、華奢なのかと思ったら堂々の殺し屋の体つきじゃあないか。脱いでるところは初めて見たかも。
 
彼女たちも歳を取って行くから、そんなに長く続けられるシリーズではないかもしれないけれど、
三十路ぐらいまでは続けてもらってもかまいません(笑)。

—–

『憐れみの3章』

『憐れみの3章』(原題:Kinds of Kindness)
監督:ヨルゴス・ランティモス
出演:エマ・ストーン,ジェシー・プレモンス,ウィレム・デフォー,マーガレット・クアリー,
   ホン・チャウ,ジョー・アルウィン,ママドゥ・アチェイ,ハンター・シェーファー他
 
前述の『傲慢と善良』を観た後、109シネマズ大阪エキスポシティから109シネマズ箕面へ移動して。
 
イギリス/アイルランド作品で、監督はギリシャ出身のヨルゴス・ランティモス
『籠の中の乙女』(2009)を観たときにこの監督は絶対に変人だと思いました。
『ロブスター』(2015)でやっぱり変人だと思い、『女王陛下のお気に入り』(2018)はグロさ控えめ。
今年公開で批評家から絶賛された『哀れなるものたち』は変だけど相当面白かった。
 
そして本作。どうですか。もうどうしてよいかわからないほどの変人ぶりを発揮しています。
変態を自認する人は観に行けばいいと思うけど、そうじゃない人には鑑賞をお勧めしません(笑)。
 
もはやランティモス監督作品の常連となったエマ・ストーンウィレム・デフォー
常々マット・デイモンを不細工にしたみたいな顔だなと思っているジェシー・プレモンス
アンディ・マクダウェルの娘マーガレット・クアリーは普通路線を行く美人女優だと思いきや、きっと本作で変態の仲間入り(笑)。
よくは知らないけれどどこかで見たことはある演技達者な顔ぶれが3つの章で別のキャラクターを演じています。
 
以下、ネタバレ全開です。
 
第1章は、上司(ウィレム・デフォー)にすべて支配される男(ジェシー・プレモンス)が主役。
妻(ホン・チャウ)となる女性に声をかけたのも、夫婦の間に子どもをつくらなかったのも、
妻とのセックスも日々の食事も何もかも、上司が指示するとおり。
ついには上司からある車に衝突して運転している人物を殺害するように言われます。
1度目の衝突では相手は死なず、再び試みるように上司から命じられて断ると、解雇を言い渡されます。
街角で見初めた女性(エマ・ストーン)が自分の代わりに上司からのミッションを果たそうとして失敗したのを知り、
入院中で意識不明のターゲットを外へ引っ張り出して轢き殺します。
 
第2章は、海で行方不明になった妻(エマ・ストーン)が生還して喜ぶも、
どうも顔が同じだけの別人に違いないという疑惑に駆られる警察官の夫(ジェシー・プレモンス)の話。
夫が好きな曲を間違えたり、チョコレートは嫌いだったはずなのに冷蔵庫のチョコレートを全部たいらげたり、
とにかくこれは絶対に俺の嫁じゃないと思い込みます。
虐げれば白状するだろうと、妻に自身の指を切り落としてそれとカリフラワーと共に炒めろと命じる。
その通りにする妻が痛々しいのなんのって。
夫の要求はさらにエスカレートして、最後は妻が自分の肝臓を包丁で取り出すという。(T_T)
 
第3章は、亡くなった人を生き返らせる能力を持つ人物を探しつづける女性(エマ・ストーン)が主役。
それもこれもカルト教団の教祖夫妻(ウィレム・デフォー&ホン・チャウ)のため。
終盤、ようやく見つけた獣医(マーガレット・クアリー)がまさしく探していた人物で、
薬を持って彼女を拉致し、教祖夫妻のもとへ連れて行こうとするも、よそ見運転で事故を起こす。
結果、後部座席で眠らされていた獣医はフロントガラスを突き破って死亡というオチで。
 
グロさはかなりのもので、観ていて楽しい話ではありません。
老体ウィレム・デフォーのヌードなんて見たくないし、彼とエマ・ストーンのキスシーンにはオエーッ。
 
これをスタイリッシュというのかどうか。
まったく、この監督の頭の中はどうなっているのかと思います。
それを観て絶賛する人の頭の中もどうなっているのか。(^^;
 
165分の大長編。ところどころ居眠りしましたが、ほぼ起きていられたのが不思議。
やっぱり面白いということなのでしょうか。好きではないですけどねぇ。

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『傲慢と善良』

『傲慢と善良』
監督:萩原健太郎
出演:藤ヶ谷太輔,奈緒,倉悠貴,桜庭ななみ,阿南健治,宮崎美子,菊池亜希子,西田尚美,前田美波里他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
好きというわけではないのに読んでしまう作家のひとりが辻村深月です。
原作が文庫化された2年前に購入済みですが、まぁまぁ分厚いことに怯んで積んだまま。
 
若くして地ビール会社のオーナーを務める西澤架(かける)(藤ヶ谷太輔)は、
長年つきあっていた彼女のアユこと三井亜優子(森カンナ)にフラれたのをきっかけに、
マッチングアプリに登録して婚活を開始、数十人と会うもピンと来ない。
 
イケメンで社長で人当たりも良い架にいくら相手が目を輝かせたところで、架にとってはみんな似たり寄ったり。
アプリで理想の相手とめぐり逢うのは無理だとあきらめかけたとき、
待ち合わせ場所にいる坂庭真実(奈緒)を見て電撃が走る。今度こそ、アタリ。
 
ふたりの交際が始まり、あっというまに1年が経過。
架は友人たちが集まるホームパーティーに真実を連れて行き紹介するが、真実が帰ると、
架の男友達は「いい子だな」という一方で、女友達の美奈子(桜庭ななみ)らはケチョンケチョンに言う。
元カノのアユのほうがよかったとか、真実は架に気に入られようと必死だとか、そんなこと。
 
酷い言われように架が不満げでいたところ、真実から電話がかかる。
切羽詰まった声で「ストーカーに狙われている」と言う真実を心配し、一緒に暮らすことに。
そしてついに架は真実にプロポーズする。
 
ところが、勤務先の英会話教室を寿退社する真実が送別会に出た翌日、姿を消す。
思い当たるふしはなく困惑する架は、真実の姉・希実(菊池亜希子)に相談。
姉妹の実家である前橋に出向き、両親(阿南健治宮崎美子)と会う。
母親の勧めで真実が見合いしたことがあると知り、仲人の小野里(前田美波里)から話を聴くのだが……。
 
真面目で清楚な真実がいなくなり、調べてみたら自分の知る彼女と全然違った、という話かと思っていました。
そういうわけでもないんですね。
真実は真実、ただ、架をつなぎ止めようと必死だったのは事実で、嘘をついてしまった。
その嘘を美奈子たちには簡単に見抜かれて、挙げ句の果てに架が真実のことを70点だと言っていたと聞いてしまう。
居たたまれずに架のもとを離れ、仙台ボランティアとして逃げ込みます。
 
純粋な気持ちからボランティアに臨んだのではなかったけれど、温かく迎え入れてくれる町の人々。
西田尚美倉悠貴がその役を良い感じに演じています。
 
女友達のえげつなさは際だっていて、イケメンの異性の友達には気をつけなあかんなと思いました。
ほんとは自分が彼女になりたかったのにそうはなれなくて、イケメンが連れてきた子に文句をつける。
そういうことなのかしら。性格ゆがんでる。(^^;
 
私が思う辻村深月の話とはちょっと違う。たぶん彼女の真意を映像化するのは難しい。
それを知りたいから、早いこと原作を読もうと思います。

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『サウンド・オブ・フリーダム』

『サウンド・オブ・フリーダム』(原題:Sound of Freedom)
監督:アレハンドロ・モンテベルデ
出演:ジム・カヴィーゼル,ミラ・ソルヴィノ,ビル・キャンプ,エドゥアルド・ベラステーギ,ハビエル・ゴディーノ,
   ホセ・ズニーガ,クリスタル・アパリチ,ルーカス・アヴィラ,スコット・ヘイズ,カート・フラー他
 
よしもと漫才劇場となんばグランド花月をハシゴする前にTOHOシネマズなんば別館で映画を観る。
そんな話題作とは知らず、劇場に着いてからチケットを買えばいいよねと思いつつ、
家を出る前に混雑状況をなんとなく確かめたら、やばい、8割方席が埋まっているではないですか。
慌てて貯まったポイントを使ってオンライン購入。
 
国際的性犯罪から少年少女を救い出すために戦う実在の人物ティム・バラード。
2013年に彼が挑んだあまりに過酷なミッションを描いています。
 
ホンジュラスの首都テグシガルパに暮らすロベルト・アギラルは、まだ幼い子どもふたりを育てるシングルファーザー
金はなくとも穏やかな毎日を送っていたが、あるとき、娘ロシオの歌声を聞いたという女性ジゼルがやってくる。
ジゼルはロシオをスター発掘のオーディションに連れて行くべきだと言い、ロシオ自身も乗り気。
娘の喜ぶ顔を見ては断れず、その場にいた息子ミゲルも一緒にオーディション会場へ行くことに。
 
会場となっている建物の部屋は保護者の立ち入り厳禁で、晩に改めて迎えに来るよう言われる。
言われたとおりの時刻に迎えに行ったところ、何十人もいたはずの子どもはひとりもおらず、部屋はもぬけのから。
オーディションなど嘘で、子どもたちが拉致されたうえに売り飛ばされたことに気づく。
 
こういった犯罪を追っていたDHS(アメリカ合衆国国土安全保障省)の捜査官ティム(ジム・カヴィーゼル)は、
児童買春のサイトの管理者を見つけ、顧客の数百人を捕まえることに成功。
しかし、買い手を何人とっ捕まえようが、子どもたちはひとりも救えていないのが実情。
そこで上司を説得してアメリカから単身で飛び出すと、事件の温床となっているコロンビアに潜入。
地元警察に勤める旧知の警察官ホルヘ(ハビエル・ゴディーノ)と、
彼から紹介された元マフィアのヴァンピロ(ビル・キャンプ)の協力を得る。
友人の若手実業家パオロ(エドゥアルド・ベラステーギ)に連絡を取ると資金提供を頼み、
ペドファイル(小児性愛者)を一所に集めるため、ホテル建設まで検討するのだが……。
 
世界で数百万人の子どもたちが毎年行方不明になっているとのこと。
単純に働き手として誘拐される場合もあれば、本作のように性奴隷として買われる場合もある。
 
たまたまティムが最初に救出したのがミゲルで、心身ともに傷を負ったミゲルは、
「お姉ちゃんを助けてほしい」とティムに訴えます。
ペドを何百人も逮捕したのだからお手柄だし役目はじゅうぶん果たしたという上司に、ティムは言います。
拉致されたのが自分の子どもでもそう言えるかと。
そして、「この仕事は心が折れる。けれど子どもたちの救出は折れた心を元に戻してくれるんだ」と。
 
ヴァンピロは訳ありの元マフィアですが、児童買春に心を痛め、子どもたちを買っては解放しています。
そんなことが知れたら潰されるから、自分もペドのふりをしてこっそりと。
 
良心を持つ人が協力すれば、なんとかなることもあるのだと思わされます。
子どもたち全員は救えないとしても、まずは目の前にいる子どもをひとりだけでも
 
余談だけど、久しぶりに見たジム・カヴィーゼルがとてもかっこよかった。その妻役のミラ・ソルヴィノも美しい。
 
こんな現実があることを本作を観てできるだけ多くの人に知ってほしい。

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『マミー』

『マミー』
監督:二村真弘
 
気分のよくない話に決まっているからスルーするつもりでしたが、
ヤジウマ根性が出てしまい、第七藝術劇場へ。
 
その前に、十三へ行くときはたまに寄るがんこで食事しようとしたら満席。
どの席も宴会中で凄い盛り上がりを見せていて、しばらく空きそうにない。
付近で軽く飲んで食べられそうな店を探したけれど、それも空席なし。
仕方なくファミマで唐揚げ2個と缶ビールを買ってナナゲイのロビーへ。
同じフロアのボウリング場も大入りらしく、あちこちで歓声が上がっています。
ナナゲイのスタッフに「土曜日の晩っていつもこんな感じなんですか」と尋ねると、
だいたいそうだけどこの日は特に騒がしかったようです。
「どこも混んでいて晩ごはん難民になったので、ここでビール飲ませてもらいました」と告白(笑)。
 
1998(平成10)年7月に起きた和歌山毒物カレー事件。
住宅街の夏祭りで提供されたカレーに混入していた砒素により、67人が中毒を発症。
小学生を含む 4人が死亡したという凄惨な事件です。
 
逮捕されたのは、近隣に住む主婦・林眞須美。
容疑を否認するものの、2009(平成21) 年に最高裁で死刑が確定しました。
最初から一貫して無実を訴え続けて四半世紀経った今、
本作は目撃証言や科学鑑定への反証を試みて、最高裁の判決に異議を唱えるというもの。
母親の無実を信じる息子が胸の裡を明かします。
 
冤罪は絶対に生んではいけないと思うのですけれど、
本作を観ると林眞須美と健治夫婦を信じるのはどうにも難しい。
 
眞須美は健治にも砒素を盛って保険金詐欺を働いていたと言われていますが、
本作では健治自身が砒素を盛っていたと話しています。
金を手に入れるには保険金をもらうのが手っ取り早いと砒素を服用したら、
高度障害が認められ、2億円を受け取ることに成功。
「日本生命が簡単に払いましたよ」と笑いながら言うんだもの。
その後、眞須美の母親が亡くなったときには1億5千万円の死亡保険金を受け取るも、
ギャンブル好きの健治があっというまに競馬で4千万円をすり、
眞須美に怒られたものだから、また砒素を服用して高度障害保険金を得る。
 
息子が言うには、両親はどうやって保険金詐欺を働くかをよく話していたらしい。
原付で田んぼに突っ込んで怪我したらいくらになるとか。深刻にではなく、あっけらかんと。
 
保険金詐欺と殺人は違う、詐欺を働いた者が人を殺すわけではない。
それとこれとは話が別と言いたいのでしょうけれど、そう思えますか。
保険金を得たことを自慢げに話す人物をどうやって信用しろと。
でも、普通の感覚であれば隠しそうなことをあんなふうに話す人だからこそ、
殺人は犯していないのかもしれないと思わないこともない。
 
なんとも言えません。

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