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『バーン・クルア 凶愛の家』

『バーン・クルア 凶愛の家』(英題:Home for Rent)
監督:ソーポン・サクダピシット
出演:ニッター・ジラヤンユン,スコラワット・カナロス,ペンパック・シリクン,ナムフォン・パクディー他
 
数カ月前にチラシを目にしてからめっちゃ気になっていました。イオンシネマ茨木にて。
 
タイで大ヒットしたというホラー作品。
絶対覚えられそうにない名前の監督ソーポン・サクダピシットはホラーを中心に活躍している人だそう。
同じく俳優の名前も絶対おぼえられそうにありません。
主演女優の名前はニッター・ジラヤンユンって、無理無理。日本語にはない綴りは難しい。
眉が若干ボーボーなのが気になるけれど(って私が言うな(^^;)、美人さんです。
 
保険外交員の女性ニンは、夫クウィンと一人娘インとバンコク郊外の一軒家で暮らしている。
ある日、ニンが独身時代に購入して賃貸に出していたマンションの一室について、不動産屋のトムから連絡がある。
トムによれば、借主が賃貸契約満了により部屋を出たが、修復不可能なほど汚して退出したらしい。
ニンが行ってみると、窓ガラスやテレビは叩き割られ、壁紙は切り裂かれて絨毯はびしょびしょ、ゴミも散乱。
借主はすでに海外に渡っており、弁償を求めるのは無理だと言う。
 
トムは、とりあえずこの部屋のほうを住める程度に改修して一軒家のほうを賃貸に出せばどうかと提案。
幸い、素性の確かな女医母娘が一軒家に興味を示しており、貸し出せば定収入が見込めますよと。
クウィンは他人に家を貸すことを嫌がるが、ニンが説き伏せてとりあえずは女医ラトリーとその娘ヌッチに内覧することに。
 
内覧当日、再就職の面接のために出かけていたニンのもとへクウィンから電話があり、
やはりこの家は誰にも貸したくないから断ってほしいと言う。
慌てて家に帰ると、そこにはすでにトムの案内でラトリー母娘が来ていた。
「いつから借りられるか」と問われ、ニンが詫びて断ろうとすると、クウィンが「来月から」と答えるではないか。
どういう気持ちの変化なのかわからないが、クウィンが承諾してくれたのは嬉しい。
マンションに引っ越したことでインの通学も楽になってありがたい。
 
ところが、引っ越してからというものインの寝つきが悪く、クウィンの様子もおかしい。
クウィンはラトリーから貰ったという本をリュックの中にしまい込み、ご丁寧に鍵までかけている。
毎日まだ夜も明けぬ時間にアラームをセットして出かけているようで、
不審に思ったニンがこっそり後をつけてみると、屋上に座り込むクウィンの姿があり……。
 
めちゃめちゃオカルト。怖い。けれど本国で大ヒットするだけあって凄く面白かった。
 
ラトリーは霊感の持ち主で、怪しげなカルト教団の教祖のような存在。
亡くなった人を呼ぶ力を持っています。
クウィンはラトリーに魔術でもかけられて変になっちゃったのかと思ったら、ラトリーを信じてしまう理由がある。
インもまた霊力を持っていて、そのせいである目的を遂行しようとしているラトリーに目をつけられます。
 
マンションの部屋の荒れぶりは何だったのかという疑問もちゃんと回収され、伏線が次々と明らかになっていくのも◯。
しかしカルト教団って怖い。その人もそうだって一見わかりませんもんね。
 
同じくタイの大ヒットホラー『女神の継承』(2023)のようにバッドエンドということもなくて、
子どもを亡くした親、親と離ればなれになった子どもの切なさも感じられる良質ホラーです。
エンディングシーンには胸を鷲掴みにされました。
 
あなたの中で生きている。

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『あたしの!』

『あたしの!』
監督:横堀光範
出演:渡邉美穂,木村柾哉,齊藤なぎさ,小田惟真,笠井悠聖,藤田ニコル,山中柔太朗他
 
スルーしかけていましたが、貯まったポイントを使って109シネマズ箕面にて。
オンライン予約時に「もしやまた客わたしひとりでは」と思っていたら、やっぱりそう。
今年14度目の“おひとりさま”でした。大丈夫か!?映画館。(T_T)
 
原作は2017年から2019年にかけて『別冊マーガレット』で連載された幸田もも子の同名漫画。
登場人物のうち主たる4人を演じるのは元日向坂46の渡邉美穂とINIの木村柾哉、
元LOVEの齊藤なぎさ、M!LKの山中柔太朗とあるんですが、
映画で見たことのある齊藤なぎさちゃんしか知らないどころか、INIとかM!LKとか初めて聞きました。すんません。
過去にMV(ミュージックビデオ)などの制作を手がけてきた横堀光範監督はこれが商業映画デビュー作なのだそうです。
 
高校生の関口あこ子(渡邉美穂)と谷口充希(齊藤なぎさ)は小学3年生からの大親友。
おとなしい充希がいじめられているところを勝ち気なあこ子が助けたのがきっかけ。
 
新学期、あこ子と充希のクラスに学校一のモテ男子・御共直己(木村柾哉)がやってくることに。
帰国子女の直己は勉強もできるはずなのに、サボリ具合を間違えて留年になったらしい。
これまで100人以上が直己に告白してフラれたと知りつつ、あこ子はすぐさま直己にゾッコンに。
 
友情にヒビが入るのは嫌だから、充希の気持ちを確認。
すると充希は、直己に憧れの気持ちはあるけれど好きとは別だと言う。
それを聞いて安心するあこ子だったが、充希が本当の想いを隠しているだけだと気づいてしまう。
 
こんなことで友情が壊れるわけはない、正々堂々ライバルとして戦うとふたりで決めるが、
いつもはおとなしい充希が意外にも攻めに出てあこ子はビックリ。
自分も攻めて優位に進めなければと、直己の親友・成田葵央(山中柔太朗)に直己のことを根掘り葉掘り聞いて……。
 
巷のレビューを見るとものすごい高評価なのですが、私は観に行ったことを心底後悔しました。
もうずっとイライラしっぱなしでたまに怒りすら感じる(笑)。
 
そら女子も男子も可愛いですよ。それを見ているだけでも目の保養になるし、いいんです。
でもこんな騙し討ちみたいな恋愛合戦にはうんざり。
 
やっぱり時代が違うのかなぁ。
イケメン男子が同じクラスに来るとわかった途端、教室で念入りにメイクを直す女子たち。
私らの時代にそんな女子はいないわけで、なんかもうついていけない。
 
高校生の青春恋愛ものを観るのをやめればいいかと思ったりもするけれど、
『矢野くんの普通の日々』なんてとても楽しかったし、観る前からスルーを決め込むのは寂しい。
結局、とりあえず観てみようかということになるのですよね。
 
目を見張る演技もないし、客がほかにいないのをいいことにスマホ見まくりでした。ごめんちゃい。
ファンならば楽しいと思います。この手の作品はそれだけでいいのかも。
いやいやいや、私も楽しめる青春恋愛ものがきっと今後もあるはずだ!待ってます。
……という作品は、イマドキの男子や女子が観ても楽しくないのかしら?

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『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』

『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』
監督:上田慎一郎
出演:内野聖陽,岡田将生,川栄李奈,森川葵,後藤剛範,上川周作,
   鈴木聖奈,真矢ミキ,皆川猿時,神野三鈴,吹越満,小澤征悦他
 
午前中に森ノ宮のコインパーキングに車を駐めに行き、環状線と東西線を乗り継いで北新地へ。
ひとりランチの後、晩にCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールで“中川家と観る寄席 in 大阪”を観る前に、
大阪ステーションシティシネマで本作を観る。
 
韓国ドラマ『元カレは天才詐欺師 38師機動隊』を上田慎一郎監督がリメイク。
めちゃくちゃ面白かった。好きだなぁ、こんなクライムエンターテインメント作品は。
 
真面目なだけが取り柄の税務署員・熊沢二郎(内野聖陽)は、車が故障したと妻から聞かされる。
彼女が見つけてきた個人売買サイトで89万円の中古車を買うことにしたが、そのサイト自体が偽物。
あっけなく騙され、全額を持って行かれてしまう。
 
親友で刑事の八木晋平(皆川猿時)の協力を得て、その詐欺師が氷室マコト(岡田将生)であることを突き止める。
氷室をとっ捕まえるため、八木と熊沢が張り込んでいたところ、
八木が用を足しに車から降りた隙に乗り込んできたのがなんと氷室本人。
 
八木が動いていることに気づいた氷室は、「こうなると足がつくのは早いから」と熊沢にあっさり金を返し、
これだけで許してもらえないのならとある取引を持ちかけてくる。
それは、一見慈善事業家、その実体は極悪な脱税王である橘大和(小澤征悦)から14億円を騙し取ろうというもの。
 
橘は8億円もの脱税を働いているのだが、政治家や警察官僚に太いコネがあり、誰も強制捜査に踏み切らない。
熊沢の部下で血気盛んな望月さくら(川栄李奈)が橘に物申したところ、望月の昇進話がなくなってしまう。
部下をなんとか救いたいと橘に頭を下げに行った熊沢は橘から酷い目に遭わされた。
かと言って橘を騙すなどという犯罪行為に加担することはできないと考えるが、
熊沢のかつての同僚が税務署を解雇されたうえに自殺したのが橘の罠だったと知り、氷室の話に乗ると決める。
 
氷室の案は、橘から14億円を騙し取って未納の税金もきっちりそこから頂こうと。
七変化を見せる役者・白石美来(森川葵)や偽造なら何でもおまかせの丸健太郎(上川周作)、当たり屋の村井竜也(後藤剛範)、
資金を提供する姉妹・五十嵐ルリ子(真矢ミキ)と薫(鈴木聖奈)がチームを組み、大がかりな詐欺計画を開始するのだが……。
 
汚い金持ち権力者が完全に騙されて悔しそうにする姿を見るのがどれだけ気持ちいいことか。
絶対ハッピーエンドだとわかっているからこそ楽しい。
一瞬失敗!?と思わされても、そんなことになるはずもない。
 
先日高畑充希との結婚を発表した岡田くん。
昔は性格のいい子ばかりを演じていたのに、最近は悪役も多くなりました。
本作も最初はヤな奴の顔も似合っているけどやっぱりイケメン。
橘のブレーンを務める酒井恵美子(神野三鈴)が「イケメン♪」と顔を撫でる仕草には見ているこちらもゾワっとしたけれど(笑)、
エンディングを迎えてみればそうだったのねと愉快な気分に。
 
しかし上はみんな繋がっているのですね。ヤダわ。
金持ちからこそちゃんと税金を取って。
 
韓国作品の『スウィンダラーズ』(2017)を思い出しました。あの面白さの再来。
痛快という言葉はこんな作品のためにある。

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『海の沈黙』

『海の沈黙』
監督:若松節朗
出演:本木雅弘,小泉今日子,清水美砂,仲村トオル,菅野恵,石坂浩二,萩原聖人,
   村田雄浩,佐野史郎,田中健,三船美佳,津嘉山正種,中井貴一他
 
3回目の『ラストマイル』を観た後、同じくTOHOシネマズ伊丹にて。
 
倉本聰の脚本を『空母いぶき』(2019)や『Fukushima 50』(2019)の若松節朗監督が映画化。
倉本聰は東大卒業、ニッポン放送勤務、フリーになって『北の国から』が大ヒット。
脚本家や俳優を志望する人たちのための養成所“富良野塾”を私財を投じて主宰。
凄い経歴の持ち主の彼は元日生まれ。年が明けたら90歳だそうです。
 
高名な画家・田村修三(石坂浩二)の作品を目玉にした展覧会が大々的に開催されるが、
会場に足を運んだ田村は、内1枚は自分の描いたものではない、贋作だと断言。
大騒動に発展すると、作品の所有者だった美術館の館長・村岡(萩原聖人)が責任を感じて自殺する。
 
海外で発見されたゴッホなどの作品の贋作について調べていた清家(仲村トオル)は、
田村の作品の贋作が同じ人物によって描かれたものではないかと考える。
そしておそらくその人物とは、かつて田村をも凌駕する天才画家と称されながら、
ある事件をきっかけにこの世界から姿を消してしまった津山竜次(本木雅弘)ではないかと。
 
その昔、竜次の恋人だった安奈(小泉今日子)は今は田村の妻。
清家から別の贋作を見せられた安奈は、これは竜次の描いたものだと断言する。
竜次の居場所を見つけようとする安奈。
 
一方、北海道の浜辺でクラブのママ・牡丹(清水美沙=清水美砂から改名)の遺体が発見される。
入水自殺した模様で、着物で隠れた全身に刺青が入っていた。
誰も牡丹の素性を知らなかったが、フランスでは知る人ぞ知る人物だったらしく、
彫り師と共に現れる彼女は、刺青を希望する客にカタログとして身体を見せる役目を果たしていたのだ。
 
実は竜次の亡き父親は彫り師で、その血を引く竜次は牡丹をキャンバス代わりに刺青を彫っていた。
竜次の世話をするスイケン(中井貴一)から用済みを言い渡された牡丹が命を絶ち、
新しく竜次のキャンバスとなるのは刺青を希望するバーテンダー・あざみ(菅野恵)で……。
 
まぁまぁ以上に期待して鑑賞に臨みましたが、ずいぶんとっちらかった印象です。
中井貴一は相変わらずシブイけど、スイケンなんて結局何者だったのかさっぱりわからない。
命が途絶えたはずの竜次が現れるところがファンタジー仕立てにされていたりして、
男の人ってこういう展開が好きなんだなぁ、ロマンを感じるのかなぁなどと思いました。
 
そして私はキャストにも疑問を感じます。
キョンキョン、嫌いじゃないです。でもこの役ははたして彼女で合っているのか。
映画でも本でも私がいちばんに願う「切なさ」が彼女からは感じられません。
そりゃ年齢のわりに綺麗だし可愛いけれど、彼女と竜次が若かりし頃に燃えるような恋愛をしたとは思えなくて。
だって刺青彫られそうになって逃げ出したんでしょ。この再会はあんまり切なくない。
 
んー、イマイチ。
白髪でもシワが増えてもモッくんはモッくんだったけど、それだけ。
懐かしい面々を見られた気がするのはよかったです。

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3回目の『ラストマイル』は火野正平を悼んで。

『ラストマイル』は2回観たので、もういいかなと思っていました。
だけど11月に届いた火野正平の訃報にもう一度観ておきたくなってTOHOシネマズ伊丹へ。
これが彼の遺作になったのですね。
 
火野正平といえば昭和のモテ男。
歳を取ってからの彼しか知らない世代の人には嘘みたいな話でしょうが、
ホントにモテモテだったのですよね。
プレイボーイなどという言葉は今は死語か。でもその言葉が似合う。
 
すっかり好々爺といってもよい風貌になりました。
そんな彼が本作で演じたのは、宅配業者の委託ドライバー
火野正平の息子役が宇野祥平で、平仮名で書けば一字違いというのが私のツボでした。
 
まるで本物の親子のように見えます。
息子が勤めていた家電メーカーは、家電量販店の台頭で勢いに圧されて倒産。
致し方なく息子は父親と共に委託ドライバーの仕事をすることになりました。
 
たとえ1個配達して150円しかもらえなくても、
荷物の到着を楽しみにしてくれているお客さんのために一刻も早く届けたいという父親。
弁当すらゆっくり食べさせてもらえない事態をぼやく息子。
40を過ぎて親父に蹴られるなんてと言う息子と、40過ぎた息子を蹴らなきゃならないなんてというやりとりに笑ってしまう。
 
大事には至らなかったけれど、荷物が爆発したときに息子を心配する父親の様子、
そして、みんな無事でよかったと安堵する様子には涙が出ます。
 
エンディング間近のシーン、「10年後はどうなっているかなぁ」とか「父さんが長生きしてくれればいい」の会話。
「遺言みたいだね」というのが本当になってしまいました。
 
プレイボーイ・火野正平のイメージは私にもありません。
本作の穏やかで心優しい親父さんとしての彼を覚えておきたい。
心からご冥福をお祈りします。
 
これ、ブラックフライデー開催中のいま観たい作品ですよね。

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