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『走れ!T校バスケット部』

『走れ!T校バスケット部』
監督:古澤健
出演:志尊淳,佐野勇斗,早見あかり,戸塚純貴,佐藤寛太,鈴木勝大,西銘駿,
   阿見201,竹内涼真,千葉雄大,真飛聖,YOU,椎名桔平,竹中直人他

たいがいヘロヘロでしたが、気持ちを奮い立たせて109シネマズ箕面へ。
「日曜日16時の晩ごはん後に映画もう1本」のパターンです。

原作は松崎洋のデビュー作にしてベストセラーとなった小説。
映画化されるまで全然知らなかったので、
松崎さんって若い人なのかと思っていたらそうではなく、
しかも5年近く前にご病気でお亡くなりになっていました。
シリーズ化されていた原作の結末部分は書き終えていなかったそうですが、
松崎さんから構想を聴いていた息子さんが完結させたとのこと。
読みたいけれど、10巻って。手を出しづらい。

田所陽一(志尊淳)は幼い頃からバスケが得意。
彼のいちばんの理解者でありファンであった母親(真飛聖)が亡くなった後は、
それまで仕事人間だった父親(椎名桔平)が奮闘。
良き親子関係を保ったまま、陽一は高校生に。

バスケより勉強だと実は父親が願っていることを知りながらも
バスケの強豪・白瑞高校に入学した陽一は、
1年生のときからレギュラー入り、エースとして活躍していたが、
いじめに遭っていた友だちをかばったことから、今度は自分が標的に。
陰湿ないじめを繰り返される中でのバスケはつらいものになってしまう。

その事実を知った父親はすぐに学校に訴えにいくが、
学校の対応は陽一に責任があるとでも言いたげ。
父子で自主退学を決めると、通称T校、多田野高校に転入する。

転校生は白瑞のバスケ部エースだった田所くん。
それに気づいたバスケ部マネージャーの佐藤浩子(早見あかり)は、
弱小バスケ部をなんとか勝てるチームにしようと、陽一の勧誘に必死。
しかし、もう二度とバスケはしないと決めている陽一はつれない。

バスケ部員の中で唯一上手い矢嶋俊介(佐野勇斗)は、
陽一の手など借りずとも大丈夫だと息巻いていたが、そうも言っていられない。
あるとき陽一に声をかけると、勝負を挑む。
バスケ部員をチームに分けた中に陽一を入れ、3対3で勝負。
もしも俊介が勝てば陽一は入部、陽一が勝てば好きにしろ。
そう言われて始めた試合は、思いのほか楽しく……。

白瑞の監督はまるで某大学アメフト部を思わせます。「つぶせ」って。(–;
よくもこんな嫌な感じに描けるもんだ。
いじめる側の生徒たちもホントに嫌な感じ。あぁヤダヤダ。

それも含めて王道のスポ根。
カワイイ男子とカワイイ女子が頑張る姿を見たら、ええなと思うに決まってる。
竹内涼真が浩子の兄役で、千葉雄大が多田野高校の教師役で友情出演。
竹内くんのもみあげの長さが左右ちがうのが気になったのは私だけやろか。
顧問のYOUはどことなく落ち着かない。
デカい1年生(阿見201)が素人くさいのだけは気になります。

隣席の高校生女子二人組はよく笑って泣いていました。
私はそこまでは行かなかったけれど、まぁこんなもんでしょ。

竹中直人が超オイシイ。笑いました。
—–

『スマホを落としただけなのに』

『スマホを落としただけなのに』
監督:中田秀夫
出演:北川景子,千葉雄大,バカリズム,要潤,高橋メアリージュン,
   酒井健太,筧美和子,原田泰造,成田凌,田中圭他

TOHOシネマズ伊丹にて、『ビブリア古書堂の事件手帖』とハシゴ。

原作は志駕晃の同名デビュー小説。
『このミステリーがすごい!』大賞には大賞と優秀賞のほかに
「隠し玉」という賞が設定されています。
第1回(2002年)からあった賞ではなく、第6回(2007年)に新設された賞。
落選は落選なんだけど本にしないのはもったいない、みたいな作品で、
基本的には『このミス』を創設した宝島社から出版される様子。

そんな隠し玉として第15回(2016年)に選ばれたのが本作でした。
受賞時のタイトルは『パスワード』。確かにそれじゃ売れんだろ。
当たり前のことですが、映画も本もタイトルのセンスって大事なんだなぁ。
原作を読んだときのレビューはこちら

都内の会社に勤務するOL・稲葉麻美(北川景子)。
以前勤務先が同じだったサラリーマン・富田誠(田中圭)と交際中。

ある日、富田はタクシーの中にスマホを置き忘れる。
そうとは知らずに麻美が富田の携帯に電話をかけると、聞き慣れない声が。
相手は富田のスマホを拾って交番に届けずに持ち帰ったらしい。
親切にも近所のカフェのレジに預けておいてくれるとのこと。
麻美はさっそく引き取りに行き、その連絡を受けた富田も大感謝。

ところがそれ以降、ふたりの周辺で嫌なことが起きまくる。
身に覚えのないクレジットカードの請求書が富田に届いたことから、
セキュリティ会社を経営しているという麻美の先輩に相談。
先輩本人は出張で来られない代わりに社員・浦野(成田凌)がやってくる。
浦野は瞬時に問題を解決、富田と麻美は安心する。

しかし、その後も続く不可解な出来事。
SNSで友達承認した人からしつこく誘われたり、妙な写真が送られてきたり。
そのせいでふたりの間に誤解が生じ、ついには喧嘩。
もやもやするなか、自分のアカウントが乗っ取られたことを悟った麻美は、
再び浦野に相談するのだが……。

麻美の同僚で親友役に高橋メアリージュン
学生時代の先輩でとっても嫌なモテ男に要潤
富田の会社の先輩にはバカリズム。

富田と麻美の周辺で起きる出来事と並行して、連続殺人事件の捜査が進められます。
刑事には原田泰造、その部下の新人刑事に千葉雄大で良い味。

レビューサイトでは相当手厳しい評価が下されていますが、普通におもろいやん。
映画に余韻を求めるならば、そんなものは本作に全然ないですけれど、
キャストがみんなピッタリはまっているし、何より楽しんで演技していそう。
そもそも原作からして深みや厚みはないのですから(笑)、
中田秀夫監督はエンターテインメントに徹して正解だと思います。
犯人との対決の場は原作とは異なり、映画ならでは場所。

終盤のあるシーンではしっかり涙ぐんでしまった私です。
これ以上、この映画に何を求めるっちゅうねん。十分で~す。(^o^;
—–

『ビブリア古書堂の事件手帖』

『ビブリア古書堂の事件手帖』
監督:三島有紀子
出演:黒木華,野村周平,成田凌,夏帆,東出昌大,桃果,渡辺美佐子他

ムビチケか何か、前売り券を購入しようと思ったのに、ない。
公式サイトに「チケット予約」のボタンがあって、
どこの劇場で観る場合もそこから予約できるようになっています。
こんなの初めて観ました。なんだこりゃ。でも定価だし。
そこから予約する意味がないので、普通にTOHOシネマズのページから伊丹を選択、
楽天Payで楽天スーパーポイントを使って予約。

三島有紀子監督は同窓生ゆえ、応援したい気持ちは十二分にあるけれど、
これまでの作品はどうもファンタジックなところとか
登場人物の言葉遣いがお上品すぎて鼻につき(笑)、イマイチ好きになれず。
本作はお上品すぎることにはならない(?)野村周平のせいかおかげか、
三島監督の作品の中ではいちばん普通に思えて気に入りました。
単に私が野村くん贔屓だからかもしれません。(^^;

五浦大輔(野村周平)は、亡くなった祖母・絹子(渡辺美佐子)の遺品を整理中、
夏目漱石の『それから』にサインがあるのを発見。
その真贋を確かめてもうらおうと、古書店“ビブリア古書堂”を訪ねる。

店主の篠川栞子(黒木華)は物静かで人見知りのようだが、
古書のこととなると我を忘れて話し続ける不思議な女性。その知識に圧倒される大輔。
栞子はサインを贋物と断言するが、そこに絹子の秘密が隠されていると口をすべらす。
大輔が問うと、絹子のプライバシーに関わることだから話せないと言う。

しかし、就職浪人中だった大輔は、栞子の妹・文香(桃果)の強引な誘いもあって、
ビブリア古書堂でアルバイトをすることに。
栞子から少しずつサインの謎を聴くように。
そこには絹子が死ぬまで家族にもひた隠しにしてきた悲恋が……。

若かりし頃の絹子に夏帆、道ならぬ恋の相手に東出昌大
ネット専門のコミックショップの経営者に成田凌
その客に『検察側の罪人』で快演を見せた酒向芳など。
それにしてもこの公式サイト、キャストを端折りすぎでは。
紹介されているのはわずか5人で、渡辺美佐子すらないんですから。

私は「普通っぽい三島監督作品」で悪くないと思いましたが、
原作ファンには評判が悪いようですね。
あまりに売れた本で、気づいたときには何巻にも及んでいたため、
私はまだ1冊も読んでいないのです。それがよかったのかも。

とはいうものの、思ったよりよかったという程度。
栞子を襲う事件の犯人がサイコすぎて、作品の雰囲気と合っていない。
しかも放火して殺人未遂まで起こしているのに逮捕もされないなんて。
この辺りはやはり今までの三島監督の作品と同じく、現実離れしているかと。

悲恋のシーンはよかったし、映像も美しかった。
なんだかんだで上品、その中にサイコがあってアンバランス。
そんな印象です。ただ、原作は読みたくなりました。
—–

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』

『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』
監督:波多野貴文
出演:波瑠,西島秀俊,岡山天音,深水元基,戸田昌宏,朝倉えりか,
   久保酎吉,コング桑田,中村倫也,濱田マリ,橋本愛,柄本明他

TOHOシネマズ伊丹で2本ハシゴの2本目。

原作は小森陽一の『オズの世界』と聞いても、
その小森さんとやらのお名前を私は聞いたことがなく、どんな人だろうと調べたら、
小説家で漫画原作者で脚本家なのですと。
“海猿”シリーズ、“S―最後の警官―”シリーズの原案や脚本を担当。
『252 生存者あり』(2008)もこの人の原作なのだそうな。
前述の『あいあい傘』の宅間孝行といい、多才な人だらけ。

大学を卒業し、超一流ホテルチェーンに就職した波平(波瑠)。
ここを就職先に決めたのは、大好きな彼氏(中村倫也)が勤めているから。
これで会社でも会えると喜んでいたのに、配属先はまさかの地方都市。
系列会社が運営する遊園地“グリーンランド”勤務の辞令が下りる。

嫌々たどり着いた“グリーンランド”ではみんながハイテンション。
しょっぱなからサプライズイベントに参加させられるはめになったり、
名前は「なみひら」なのにユニフォームに「なみへい」と縫い付けられていたり、
波平にとってはすべてが面白くない。

上司の小塚(西島秀俊)は魔法使いの異名を持つほどの凄い人らしいが、
彼から命じられる仕事といえば園内のゴミ拾いなど雑用ばかり。
波平と一緒に配属された同じく新人社員の吉村(岡山天音)は
文句も言わずに四苦八苦しながらもむしろ楽しそうで呆れてしまう。

不満しかない波平だったが、あるとき自分の未熟さを悟ることに。
それを認め、日々のどんな仕事にも真面目に取り組むようになってから、
職場で過ごす時間がどんどん密度の濃いものになってゆくのだが……。

序盤のふてくされた態度の波瑠にはイライラします(笑)。
仕事に優劣をつけて、嫌な仕事は手を抜きまくり。
そんな彼女に接するほかの従業員の優しいこと。みんな器がデカい。
この従業員たちの役に橋本愛深水元基濱田マリなど。
遊園地の園長を演じるのは柄本明

西島秀俊のこんな明るい役を見るのは久しぶりな気がしますし、
橋本愛もどちらかといえば暗めのおとなしい役が多かったから、明るさ全開で意外。

波平がどんどん変わってゆく様子が気持ちいい。
人を笑わせることって、こんなにも大変で素敵なこと。

かなり楽しく観ていましたが、個人的には最後のサプライズは不愉快。
あんな意味深に進める必要があったかどうか疑問です。
あれがなければ文句なしの楽しさだったのですけれど。

でも、遊園地に行きたくなる映画です。
人に夢と喜びを与える仕事。
—–

『あいあい傘』

『あいあい傘』
監督:宅間孝行
出演:倉科カナ,市原隼人,入山杏奈,高橋メアリージュン,やべきょうすけ,
   越村友一,サブリナ・サイン,トミーズ雅,立川談春,原田知世他

TOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。

俳優で、脚本家で、演出家で、映画監督の宅間孝行
脚本家としてはサタケミキオのペンネームでも知られていましたが、
約10年前からその名前の使用は止め、宅間孝行に統一。
これは自身の劇団“東京セレソンデラックス”の舞台劇で、
同様に舞台劇を映画化した作品としては『くちづけ』(2013)があります。

『旅猫リポート』で泣くまいとしていたように、
これはなんだかものすごく泣きそうな宣伝をしていたのが嫌で、
やはり泣くもんかと思っていました。泣きました(笑)。

毎年恒例の夏祭りが迫った田舎町で塾を経営する六郎(立川談春)。
彼と内縁関係にあるのは、恋園神社からほど近い茶屋“恋園庵”の女将・玉枝(原田知世)。
玉枝の一人娘・麻衣子(入山杏奈)は、生まれたときから家に居る六郎のことを慕いつつも、
なぜいつまで経ってもふたりが籍を入れないのかが気がかり。
そのせいで、ついつい六郎に対して冷たく当たってしまう。

祭りを盛り上げようと集うのは、テキ屋の清太郎(市原隼人)のほか、
バカップルの日出子(高橋メアリージュン)と力也(やべきょうすけ)など。

ある日、清太郎がタイプど真ん中のさつき(倉科カナ)から声をかけられる。
カメラマンのさつきは祭りの取材にやってきたのか、清太郎に町を案内してほしいと言う。
喜んで引き受けた清太郎は、さつきと結婚までできる気でいる。
あんな美人が何の魂胆もなく清太郎に近づくわけがない、そう考えた日出子が、
こっそりさつきを呼び出して尋ねたところ、仰天。

さつきは25年前に自分と母親の前から姿を消した父親を探しにきたらしい。
六郎こそがその父親なのだとわかり……。

大好きだったお父さん。今もお父さんのことを待っているお母さん。
お父さんがいなくなってからどれほど辛い思いをしたことか。
それでもお父さんを待ち続けるお母さん。
失踪して、どうしようもなく落ちぶれていればいい。
そうしたら、私がお母さんのもとへ連れ帰ってあげる。また三人で暮らそう。
そう思っていたのに。

父親は別の家庭を築いている。
可愛い麻衣子と、これ以上にないほど大らかで優しい玉枝を前にして
どうしようもない気持ちになるさつきを倉科カナが好演。

序盤はいかにも舞台劇的な台詞のやりとりで、
特に立川談春の話し方はまるで落語だから、映画では少し違和感がありました。
そこに良い感じでなだれ込んでくるのは高橋メアリージュン。
これまでの彼女の出演作の中で、この役が私はいちばん好きかも。
原田知世の心遣いを知ったときにも泣かずにいられません。

これに文句を言う人はひねくれていると思う(笑)。
『旅猫リポート』と同じく、素直に泣きましょうね。
人の温かさに触れられます。
—–