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今年観た映画50音順〈た行〉

《た》
『タナー・ホール 胸騒ぎの誘惑』(原題:Tanner Hall)
2009年のアメリカ作品を今ごろDVD化。
今夏開催の“カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2018”にて上映。
ニューイングランド州にある全寮制の女学校タナーホール。
最終学年を迎えたフェルナンダは、親友たちと毎日を楽しく過ごしていたが、
幼なじみで今は疎遠となっていたヴィクトリアが転入してくる。
社交的で誰をも惹きつける力を持っているヴィクトリア。
しかし彼女の邪悪な面を知っているフェルナンダは警戒。
そんなフェルナンダは、母親の友人の夫ジオと偶然会ったのをきっかけに不倫関係に。
それを知ったヴィクトリアは、フェルナンダの邪魔をしようとする。
一方、フェルナンダの親友、ケイトはうぶな男性教師の気を引こうとしたり、
ルカスタは男性とのキスを拒む自分の性的志向を疑いはじめ……。
ヴィクトリアがめちゃくちゃ嫌な女なのです。見るのをやめたくなるぐらい(笑)。
幼い頃、祖母の可愛がっていたインコをヴィクトリアがわざと逃がしたのを目撃したフェルナンダは、
ヴィクトリアのことを見た目とはちがう意地悪な子だと思っていました。
そのとおり嫌な子なのですが、最後の最後が秀逸。
「インコを逃がしたら、そのすぐ後におばあちゃんが死んじゃった」と
ヴィクトリアがつぶやくのを聞いて、ずっと気にしていたことがわかるのです。
30過ぎても高校生役ができるルーニー・マーラ、すごいなと思ったけれど、
10年近く前の映画ですもんね、まだ20代前半か。納得。

《ち》
『ちょっとまて野球部!』
2017年の日本作品。
原作はゆくえ高那の同名コミック。監督は『孤独のグルメ』の宝来忠昭
強くも弱くもない県立神弦高校野球部の1年生、大堀、秋本、宮田。
3年生部員の最後の夏が終わり、これで広々と部室を使えると思いきや、
2年生部員から「1年生が使えるのはここだけな」と使用範囲を制限される。
とはいうものの、部活が楽しくて仕方ない3人だったが、揃いもそろっておバカ。
特に大堀にいたっては、追試まで赤点を取ってしまい、
もしも再追試で合格点を取れなければ、夏の合宿に参加できないことに。
大堀に試験勉強に集中させるため、秋本と宮田は大堀を無視するのだが……。
野球のシーンはほとんどなく、おバカぶりを見せられるだけの作品。
でもなかなかに楽しくて、後味も悪くない。バカやってられるのっていいなぁ。

《つ》
『月と雷』
2016年の日本作品。
角田光代の同名小説の映画化。
普通の家庭を知らずに育った泰子(初音映莉子)。母親は彼女が幼いころに出て行った。
当時、父親(村上淳)の浮気相手・直子(草刈民代)とその息子・智が転がり込んできたが、
直子と智は半年ほどで出て行ってしまったという思い出がある。
ところが、そんなふうに20年前に突然来ては去って行った智(高良健吾)がまた突然現れて泰子は動揺。
智の勧めで実母を捜すために公開番組に出演したところ、
実母は再婚していたうえに異父妹・亜里砂(藤井武美)の存在も判明。
そうこうしているうちに、智のみならず直子と亜里砂までが泰子のもとへ。
不可思議な同居生活が始まり……。
男を渡り歩く草刈民代の演技に脱帽。彼女だけでも見る価値あり。

《て》
『天使たちのビッチ・ナイト』(原題:The Little Hours)
2017年のカナダ/アメリカ作品。
家庭の事情により、修道院に預けられた3人の女性。
いずれも処女、性に関する興味は膨らむばかり。
しかし雑用係のオッサンが話しかけてくるのは許しがたく、神父にクビにしてもらう。
オッサンに代わってやってきた雑用係は若いイケメン。
実は彼は近所の領主の使用人だったが、領主の妻と寝たのがばれ、
領主に追われて命からがら逃げてきたところ、神父とバッタリ。
酔っぱらって困ったことになっていた神父を助けたため、
神父が詳しい事情は聞かずに彼を受け入れたのだ。
神父は「修道女たちは男から話しかけられるのを嫌うから」と、彼に聾唖のふりをしろと言う。
それに従って雑用の仕事に従事したものの、修道女たちから次々と迫られ……。
神父役にジョン・C・ライリーが出ていますから、B級というわけではありません。
こうしてあらすじだけだとエロそうですが、脱ぐシーンもほぼないただのコメディ。
だけど、最初はまったく笑えなくて、挫折しそうになりました。
途中から観るに耐える程度にはなり、最後は爽快感すらあるんだから不思議(笑)。

《と》
『トーナメント』(原題:Midnighters)
2016年のアメリカ作品。
7月に全国のミニシアター系劇場で公開され、9月にはDVDレンタル開始。
新年のカウントダウンパーティーに出席した30代とおぼしき夫婦。
共に酒を飲んでいたが車で帰途に就く。運転席に夫ジェフ、助手席に妻リンジー。
暗闇の中、飛び出してきた男を轢いてしまい、救急車を呼ぼうとするが携帯が圏外。
自分たちの車に載せて運んでいたところ、車中で男が息を引き取る。
死んだのをこれ幸いと事故の隠蔽を図るが、ナンバープレートを現場に落としたことに気づく。
自宅ガレージに死体を隠し終わった頃、警官がプレートを届けにやってくる。
鹿を轢いたという嘘を信じた警官が帰り、事なきを得たはずが、
死んだ男のポケットを探ると、なぜかこの家の住所を書いたメモが。
夫婦の家に居候中のリンジーの妹ハンナに問うと、身に覚えがあるようで……。
上記3人ともう1人、ハンナの恋人が生き残りをかけて殺し合います。
そういう意味ではトーナメント戦なのかもしれないけれど、
原題も邦題も、ポスターやDVDジャケットの画像も、
そのどれも内容とは合っておらず、売り方に苦心した様子が窺えます。
ちなみに生き残るのは当然のことながら主人公のリンジー。
しかしハッピーエンドとは程遠く、ものすごく嫌な終わり方。誰にも共感できず。
—–

今年観た映画50音順〈さ行〉

《さ》
『裁き』(原題:Court)
2014年のインド作品。
ムンバイで下水清掃人パワルの死体が発見され、初老の民謡歌手カンブレが逮捕される。
カンブレの歌がパワルを自殺に駆り立てたという理由で。
人権意識の高い若手弁護士が裁判に臨むが、奮闘するだけむなしい状況。
インドの下級裁判所の裁判ってこんな具合なのかと唖然。
女性検察官はカンブレを有罪にすることだけが目的で、見ていて嫌になるほど。
目撃者は雇われで、あちこちの裁判でも証言。
裁判で年齢を尋ねられてもわからないと答えるパワルの妻。だいたい30歳ぐらいって。
夫が死んだというのに家から直ちにいなくなったり、いろいろと衝撃的な状況が多すぎる。
保釈されてもまた何かと理由をつけて拘束される。テロリストとまで呼ばれて。
法廷が長く暗転した後に映し出される裁判官の日常も含めて消化しきれません。

《し》
『シンクロナイズドモンスター』(原題:Colossal)
2016年のカナダ作品。
失業中に酒に溺れ、恋人から部屋を追い出されたグロリア(アン・ハサウェイ)。
故郷の田舎町に帰り、実家で一人暮らしを始めたところ、幼なじみのオスカーと再会。
オスカーが営むバーで働かせてもらうことに。
そんななか、韓国のソウルに巨大な怪獣が出現。
驚いたことに画面に映し出されたその怪獣が、なぜかグロリアと同じ仕草をしている。
グロリアが手を挙げれば怪獣も挙手。面白くてそれをオスカーに打ち明ける。
ところが怪獣のライバルとして現れたロボットがオスカーとシンクロして……。
なんでしょうね、このイカレ具合は。奇抜すぎます。
スペイン出身のナチョ・ビガロンド監督、絶対変人。でも嫌いじゃない。
人にお薦めしたら、私も変人と思われること確定(笑)。誰か観て。

《す》
『スターシップ9』(原題:Orbita 9)
2016年のスペイン/コロンビア作品。
監督は本作で長編デビューしたスペイン映画界の俊英とのこと。
エレナは恒星間飛行を続ける宇宙船の中で生まれて二十数年。
酸素不足を懸念する両親は、せめてエレナだけでも生きられるようにと、
とっくの昔に船外へ出たから、エレナはたった一人で暮らしている。
システムにトラブル発生、救難信号を発したところ、エンジニアのアレックスが対応。
エレナは両親以外の人間に初めて接したわけで、一目で恋に落ちるのだが……。
宇宙船の中だというのは実は大嘘で、政府の一大プロジェクト。
生存期間をシミュレーションするためのモルモットとしてこの世に生を受けたエレナ。
彼女に恋をしたアレックスに連れ出され、初めて雷の音を耳にし、
雨に濡れて幸せを感じるシーンが素敵でした。
アテム・クライチェ・ルイス=ソリヤ監督、確かに今後を期待したくなる俊英かと。

《せ》
『セブン・シスターズ』(原題:What Happened to Monday?)
2016年のイギリス/アメリカ/フランス/ベルギー作品。
人口過密のため、ひとりっ子政策が施行されている2073年の欧州連邦。
2人目以降は強制的に児童分配局に連行され、
世界の人口が落ち着いて平和になるまで冷凍保存される。
そんな中、セットマン家に生まれた7つ子の姉妹。
母親は彼女たちを出産すると同時に死亡、祖父は分配局の目を欺いて七つ子を育てる。
七つ子に付けられた名前は「月曜」から「日曜」まで。
7人ともカレン・セットマンを名乗り、頭脳と体力を鍛え上げ、
それぞれ名前の曜日に1人だけが出かけるという暮らしで30歳まで生き延びる。
ところがある日、「月曜」が夜になっても帰宅せず……。
ノオミ・ラパスの1人7役。見た目はそっくりでも性格は異なる7人を演じ分けます。
分配局の偉いさんにグレン・クローズ、祖父にウィレム・デフォー。面白い!

《そ》
『ソウル・ステーション/パンデミック』(英題:Seoul Station)
2016年の韓国作品。
『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016)のヨン・サンホ監督が、
その前日譚をアニメーション作品で描いています。
ある夏の夜のソウル駅近く、死んだと思われたホームレスの老人が生き返る。
老人に噛まれた人々はゾンビとなり、その数はどんどん増えてゆく。
そんななかで逃げ惑う元風俗嬢ヘスンと、彼女を探すヒモの恋人キウン。
キウンはヘスンの父親だという男と出会い、一緒にヘスンを追う。
ようやく3人が会えたと思ったら、ヘスンの父親を名乗っていた男は風俗店店長。
金を返せと迫る男は、ある意味ゾンビより怖い。
そして最後は皆ゾンビにやられておしまいという救いのなさ。
社会派のアニメって、まだそれほど多くはないと思うのですが、本当に面白い。
—–

今年観た映画50音順〈か行〉

《か》
『南瓜とマヨネーズ』
2017年の日本作品。
魚喃キリコの同名コミックを冨永昌敬監督が実写映画化。
ツチダ(臼田あさ美)はミュージシャン志望のせいいち(太賀)と同棲中。
スランプに陥っているせいいちは仕事もせずに毎日ダラダラ。
生活費のためにツチダはキャバクラに勤め、客(光石研)と愛人関係に。
それを知ったせいいちはツチダの稼いだ金を拒絶し、バイトを始める。
そんな折り、ツチダはかつての恋人ハギオ(オダギリジョー)と再会して……。
観終わっても「南瓜とマヨネーズ」の意味はわかりませんでした。
南瓜のサラダが出てくるわけでもありません。
茹でて和えるだけ、簡単だけどほっこり甘くてちょっと酸味、みたいなイメージなのかな。
世間にマヨラーは多いけど、マヨネーズが嫌いな人も結構多いから、
そんな人たちにしてみれば、タイトルを聞いただけで「うげっ」となりそう。
ハギオの「あの頃、おまえ、俺のことすっげー好きだったよな。
おまえといても全然楽しくなかったもん」がキツイ。(^^;

《き》
『キュート・リトル・バニーズ』(原題:Cute Little Buggers)
2017年のイギリス作品。日本では未公開。
人口減に悩む異星人が、地球の女性を拉致して妊娠させることを画策。
種付け部隊として解き放たれたのは、見た目はキュートなウサギ。
かわいいウサギの前で人間が無防備になった瞬間、
恐ろしい人食いの様相(“仮面ライダー”のイソギンチャックみたい)に。
喉や腹を引き裂かれた男性の死体が次々に発見されるが、
地元の夏祭りに忙しい警察幹部は事故死として処理しようとする。
しかしその夏祭りにもウサギが乱入して血祭りに。
事態を察した一部の男性陣が女性の救出に立ち上がるのだが……。
ウサギは「おしっこ」をかければ死ぬことが判明。
みんな武器として尿を携えるというアホくささ。
エログロの超B級。公開したところで誰も観に行かなかったでしょう(笑)。

《く》
『クズ・ゾンビ』(原題:Attack of The Southern Fried Zombies)
2017年のアメリカ作品。日本では未公開、当たり前(笑)のC級。
邦題から、ゾンビをゴミ呼ばわりしているのだと思ったらクズ違い、葛(くず)でした。
アジアからアメリカ南部に飼料用作物として持ち込まれた葛が想定外に繁殖。
バイオ研究所が新たに開発した駆除剤クアドキシンの撒布実験をおこなう。
ところがクアドキシンには葛の寄生力を増幅させる副作用があり、
なんと人間の体内で繁殖できる変異種が発生。
実験地に近い町でヤクを売っていた男性が寄生されてゾンビと化し、
彼からヤクを買おうと訪ねてきた若者たちに襲いかかる。
町の広場では盛大に夏フェス開催中。ゾンビがどんどん増えてゆくのだが……。
誰も知っている役者はいないし、グロいだけで話に新鮮みも面白みも無し。
外来種を不用意に叩こうとすれば自分が食われるという教訓、なんてあるわけないやろ!
ミシシッピ州タラハチー郡チャールストン市の話ということになっていて、
ここはジャズピアニストのモーズ・アリソンの故郷らしい。
で、モーズ・アリソンに捧ぐとなっているのですけれど、こんな映画を捧げられても迷惑やと思う。

《け》
『消された女』(英題:Insane)
2016年の韓国作品。
警察署長の継娘カン・スアが署長を射殺したとして逮捕されるが、
スアは殺人事件が起きる日まで精神病院に監禁されていたと主張。
しかし、その病院は火災で焼失したうえに、スアの入院記録も見当たらず。
監禁中の日記とおぼしき手帳を受け取った報道番組プロデューサーのナ・ナムスは、
アシスタントとともにこの事件を調べはじめるのだが……。
韓国の精神病院って、保護義務者2人と精神科専門医1人の同意があれば、
患者本人の同意がなくても強制的に入院させることができるのだそうです。
つまり、マトモな人間であっても、親と医者が「この人おかしい」とさえいえば、
精神病院に入院させることが可能。そんな法律をモチーフにしているとのこと。
警察署長と精神病院院長と製薬会社の儲け話が絡み、臓器売買問題まで出てきて怖すぎる。
嫌だなぁ、路上でいきなり拉致されて精神病院に連れて行かれたら。

《こ》
『コンフィデンシャル/共助』(英題:Confidential Assignment)
2017年の韓国作品。
北朝鮮のエリート刑事イム・チョルリョンは、
極秘任務中に上官チャ・ギソンの裏切りに遭い、同僚だった妻を目の前で殺される。
ギソンは元特殊部隊員らを従えて偽札の原板を盗み、韓国で売るつもりらしい。
原板奪還を命じられたチョルリョンは韓国へと派遣される。
それを受けて、北朝鮮と韓国で異例の南北共助捜査をおこなうことになったため、
韓国側からは冴えない庶民派刑事カン・ジンテが選出されるのだが……。
チョルリョン役にはヒョンビン、ジンテ役にはユ・ヘジン
後者が笑わせてくれるのはいつものとおりですが、
前者がカッコイイのもいつものとおり。なんでヒョンビンってこんなにカッコイイの。
キレ味の良いアクションにコメディ要素と泣ける要素も加わり、大満足の1本です。
韓流ならばイ・ビョンホンと思っていましたが、今ならヒョンビンのほうがいいかも。
—–

今年観た映画50音順〈あ行〉

17回目となりました恒例におつきあいください。
毎年12月22日からこれを始めることに決めていたのですが、
今年は『ボヘミアン・ラプソディ』を観すぎたせいなのか、
収拾がつかなくなり(笑)、今日まで開始をひっぱりました。

20日までに劇場で観た作品についてはすべてUP済みで、
ここに挙げるのはそれ以外のDVDで観たものばかりです。
だから正確には、「今年DVDで観た映画50音順」。
あくまで書きそびれていた作品を挙げているだけなので、
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年DVD化されたセルorレンタル作品です。
ネタバレ御免。

《あ》
『あしたは最高のはじまり』(原題:Demain Tout Commence)
2016年のフランス作品。
南仏コートダジュールの海辺の町で観光ヨットの雇われ船長を務めるサミュエルは、
バカンスに訪れる女性たちにモテモテ、気ままなプレイボーイ生活を送っている。
ところがある日、昨夏に関係を持ったという女性クリスティンが、
「あなたの子どもだ」と言って生後3カ月の女児グロリアを置き去りにしてゆく。
慌ててロンドンまで彼女を追いかけるが見つからない。
グロリアを連れたまま途方に暮れていたところ、
サミュエルに一目惚れしたらしいTVプロデューサーでゲイのベルニーに救われる。
ベルニーから住居とスタントマンの仕事を世話され、グロリアを育てて8年が経過。
明るく聡明に育ったグロリアに、母親については嘘をつきつづけている。
そんな折り、突然クリスティンが現れて、グロリアを引き取りたいと言い……。
アメリカでもヒットしたメキシコ作品のリメイクだそうで、この手の話は世界的にウケるよう。
サミュエル役には『最強のふたり』(2011)のオマール・シー
愛情あふれる愉快なベルニー役のアントワーヌ・ベルトランがサイコー。
グロリアが病気で亡くなる結末ながら、そこを映さないからお涙頂戴には走らず○。

《い》
『インフォ・メン 獣の笑み、ゲスの涙。』
2017年の日本作品。
フリーターの悟志(鈴木勤)は、学生時代のマドンナ・ゆかり(岸明日香)と同窓会で再会。
泥酔した後は記憶なく、ゆかりから妊娠したと告げられる。
責任を取るように詰め寄られ、闇金から300万円を借りるが紛失。
窮地に陥った悟志が就職したのは大阪・ミナミの無料案内所“インフォ・メン”で……。
十三の第七藝術劇場で上映していたときに見逃しました。
ナナゲイのすぐ近所にもある無料案内所、どんなところか気になります。
私が入ってみるわけにもいかず、興味を惹かれてレンタル。
要はここへ行けば店を紹介してもらえるわけですね。
多少割高になったとしても、無料案内所を通せばぼったくられる危険はないから安心。
なるほどなぁと勉強にはなりましたが、何もかもが超B級。
主演の鈴木くんの顔もタイプじゃなければ、大阪弁がまるで駄目。
無料案内所の女店長カオリ役の逢澤みちるは凄みがあってよかったです。

《う》
『ウェディング・バトル アウトな男たち』(原題:Why Him?)
2016年のアメリカ作品。日本では未公開。
地方の印刷会社の社長・ネッド(ブライアン・クランストン)は、
家族や従業員たちが開いてくれた誕生パーティーのさい、
親元を離れてスタンフォード大に通う長女・ステファニー(ゾーイ・ドゥイッチ)とスカイプ。
ところがその画面にステファニーの恋人・レアード(ジェームズ・フランコ)が下半身丸出しで映る。
レアードのことをきちんと紹介したいというステファニーの言葉に、
クリスマス休暇を利用してネッドとその妻・バーブ(ミーガン・ムラリー)、
息子・スコッティ(グリフィン・グラック)はステファニーのもとへ。
レアードは若くしてシリコンバレーの億万長者ながら、ぶっ飛んだ奴。
とても愛娘との結婚など許せる相手ではないと思うのだが……。
最後にキッスのジーン・シモンズとポール・スタンレーがカメオ出演。
億万長者のレアードがサプライズプロポーズのために呼び寄せたのに、
娘のステファニーよりも、もともとキッスの大ファンのネッド夫妻が狂喜、私も興奮(笑)。
あくまでそこそこの面白さだけど、このラストはめちゃめちゃ楽しかった。

《え》
『絵文字の国のジーン』(原題:The Emoji Movie)
2017年のアメリカのアニメーション作品。
少年アレックスのスマホの中にある、絵文字たちが暮らす町“テキストポリス”。
「ふーん」担当のジーンは不機嫌顔しかしてはいけないのに、
初仕事の日に緊張のあまり、いろんな顔をしてしまったために町は大混乱。
不具合として消去されそうになったジーンは、絵文字ハイタッチの協力を得て、
天才ハッカーのジェイル・ブレイクに不具合を修正してもらおうとするのだが……。
絵文字を主人公にするなんて、ものすごく斬新なアイデア。
なのに評判最悪。要は企画倒れなんですねぇ。
これを思いついただけで凄いことだと思うのに、なんとも残念。

《お》
『おとなの恋の測り方』(原題:Un Homme a la Hauteur)
2016年のフランス作品。
バツイチ女性ディアーヌは、離婚後も元夫と共同で弁護士事務所を経営しているが、
公私ともにあらゆる方針が合わずにイライラ。そんな折り、携帯を紛失。
拾得者だという男性アレクサンドルからの電話に好印象を受けて会うことに。
目の前に現れた彼はシブイ美男なのに、なんと身長が136センチ。
一流の建築家で紳士的、ユーモアのセンスにも溢れる彼に魅了されるものの、
規格外の背の低さがひっかかり、両親にも友人にも紹介できない。
一緒に出かければ周囲から好奇の目を向けられ、交際の継続に迷うのだが……。
ユーミンの“5cmの向こう岸”も真っ青の身長差30cm。しかも女のほうがデカイ。
お調子者の秘書の「あなたの心が小さい」という言葉が印象に残ります。
人は「みんなと同じがいい」という先入観を植え付けられている。
軽いラブコメながら、普通とは何かを考えさせられました。
アレクサンドルの息子役のセザール・ドンボワ、色っぽい優男。ちょっとイイ。
—–

10回目の『ボヘミアン・ラプソディ』

10回目の『ボヘミアン・ラプソディ』は、最強だと思っているIMAXシアターで。
ここ109シネマズ大阪エキスポシティでは5回目を観たときにボロ泣きしました。
そのときと同じくIMAXレーザーGT2D版を。

10回のうち8回はひとりで鑑賞。
6回目に初めて友人と観て、10回目はその友人を含む職場の人4名と一緒に。
内2名はこの日が初の『ボ・ラプ』鑑賞。
このシアターに関しては、エグゼクティブシートよりもさらに後方の席のほうが観やすいと思うのですが、
109シネマズ自体初めての人が2名いるので、どうせならエグゼクティブシートに座ってみてほしい。
で、オンライン予約開始の午前0時、目覚ましをかけて(23時に一旦就寝したので)起き、
5名分のエグゼクティブシートを確保して鑑賞に臨みました。
5人で映画を観に行ったことなんて、学生時代を振り返ってみてもあったかなぁ(笑)。

10回観ても飽きないのはなぜなのか。
1回観て十分だという人に聞かれたとしても、答えられません。よくわからない。
でも何度観ても135分あっちゅうま。
後述する(年が明けてから)『アリー/スター誕生』は136分が長く感じられて仕方なかったのに。

私にとっては退屈なシーンがないんです。
確かにラミ・マレックの顔は変だ(笑)。これは何度観ても見慣れない。
メアリーが勤める店で服を試着するさいの鏡に映る顔など、やめてと言いたくなる。(^^;
それでも何度でも観たい気持ちのほうがはるかに勝ります。

脚本に関してはジューダス・プリーストをモデルにした『ロック・スター』(2001)のほうがずっといい。
これも何度か観た映画。でも10回は観ていない。
完全なドキュメンタリーならば『アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち』(2009)もすごくよかった。
クイーンと同時代のバンドの話で、大好きだったからDVDを買いました。
でもやっぱり、10回は観ていない。

どうして10回も観る気になったのか考えたら、音楽の使い方なのかなぁ。
音楽の使い方というのか、シーンへのかぶせ方が大好きです。
「かぶせ方」だなんて、こんな言い方でわかってもらえるかしらん。
シーンが切り替わるときに、前のシーンの最後に曲がかかりはじめて次のシーンに入る、
その使われ方がすごく好きなんです。だからまったくダレない。

たとえば、スマイルにフレディが加入して初ライブする会場のシーンから
ディーキーのヴァンが到着するのを待つシーンまでかかっている“Keep Youeself Alive”。
ヴァンを売ってスタジオで初レコーディングする前からかかる“Seven Seas of Rhye”。
全米ツアーに出るときは“Fat Bottomd Girls”。
ロックフィールド農場で風景シーンからピアノが聞こえる“Love of My Life”や“Bohemian Rhapsody”。
その“Bohemian Rhapsody”のロックパートをかぶせてツアーシーンが始まる。
“Under Pressure”の「チッ♪チッ♪」でフレディがマイアミのオフィスに座るシーンに変わるのも好き。

実は字幕がそれほど親切ではないということは1回目から思っています。
何回観てもわからない「ヒステリー女王は俺の役」然り。
リムジンの中でジョン・リードがフレディの怒りを買うシーンも、
メンバーの間でさも問題があるかのようにポール・プレンターがジョン・リードに伝えていたことは、
その前のシーンの会話をよくよく聴いていなきゃわからない。
フレディがソロアルバムを出すことを皆に告げるシーンでも、
ロジャーが「空港で拾ってやったのに」というところ、1回目に観たときは「はぁ?」でした。
よくよく聴いたら、「俺たちがチャンスをやる前はヒースローで働いていたくせに」。
とはいうものの、長い台詞を限られた文字内で字幕にしなきゃいけないわけですから、仕方ないんだろうなぁ。

マイアミのオフィスでフレディが話をするときも、
「ロジャーのように反対意見を出したり、ブライアンのようにリライトしたり、
ディーキーのように不満顔をしたり」ときっちり一人ずつに対して話しているのが好きです。
でも字幕にはそれぞれの名前は出てこない。全部出すのはそれこそ無理か。
マイアミといえば、ブライアンたち3人がオフィスに入ってきたとき、
「teaでもcoffeeでもbloody weaponでも」というのも何気なく可笑しくて好き。

ロジャーの“Bo・Rhap, period!”が「ボ・ラプだ」と翻訳されるのだけは、
なんとかならんかったんでしょうか。味気ないんだもん。

逆に好きな翻訳だと思ったのは、雨中のフレディとポールの会話。
「俺の人生から出て行け」と言われたポールが「全部僕のせいかよ」とキレたのに対し、
フレディの“I blame myself.”が「俺のせいだ」じゃなくて「自分を責めてる」と訳されているのが好き。

フレディがほかの3人より早く現場入りしたのは2度だけ。
1度目は冒頭に書いたヴァンを待つシーン。このときは「遅い」なんて偉そうに言ってますよね(笑)。
2度目はマイアミのオフィスで許しを請うとき。
そうそう、フレディがポールの暴露番組を見ながらマイアミに電話するシーンも好きだなぁ。
「マイアミ」と呼びかけて、電話の切りぎわは「ありがとう、ジム」とちゃんと名前を呼ぶ。グッと来る。

いつも口が半開きのロジャー、可愛すぎて好き。
「ドンドンパッ」のシーンなんてめちゃくちゃ楽しそうで。
ブライアン役のグウィリム・リーもすごくイイ。
ロジャーが「何百万人もの前で演奏するなんて」と言ったときに
「正確には15億人」と即座に訂正するところとか、算数苦手な私は憧れます。
しかし、ロジャー役のベン・ハーディって、私、絶対ほかの映画で観ているんですよね。
グウィリム・リーは『ツーリスト』(2010)も見ているし、
ベン・ハーディは今年『オンリー・ザ・ブレイブ』でも見ているはずなのに、全然思い出せません。
ってことは、役柄と髪型が変わればアウト・オブ・眼中ですね、間違いなく(笑)。

もっと整然と書きたかったのですけれども、思いつくままに書いたら、
「好き」「好き」ばっかりになりました。(^^;

誰かと一緒に観て、上映終了後にあれがよかったこれがよかったと喋るのも楽しい。
ひとりで観るのとはまたちがったよさがあります。
この日一緒に観た人たちとは、今週、応援上映に行くことになりました。(^o^)

〈追記〉その後さらに何度か観て、マイアミの台詞「teaでもcoffeeでもbloody weaponでも」は、
    「bloody weapon」じゃなくて「blades and weapons」ですね。
    マイアミのキャラ的には「bloody weapon」であってほしかった(笑)。
—–