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『芳華 Youth』

『芳華 Youth』(原題:芳華)
監督:フォン・シャオガン
出演:ホアン・シュエン,ミャオ・ミャオ,チョン・チューシー,ヤン・ツァイユー,
   リー・シャオファン,ワン・ティエンチェン,ヤン・スー,チャオ・リーシン他
 
平日に休みを取り、京都・東福寺で女子会ランチ
12時に東福寺駅で待ち合わせていたから、その前に1本映画を観ることは可能だったけれど、
前日晩に『ドント・ウォーリー』、前々日晩には2本観ているから、
ええ加減、体がしんどい。無理をするのは止めて、10時過ぎまではごろごろしていました。
 
美味しくごはんを食べて昼酒も呑み、京都駅のイノダコーヒでお茶。
名古屋からわざわざ日帰りで来てくれている友人を見送って解散。私は大阪へ戻る。
 
まっすぐ帰ろうかなぁ、1本観て帰ろうかなぁとまた悩む。
どうしても観たかった本作は、この日観ておかなければ機会を逃しそう。
えいっ、観逃して後悔するのは嫌だから、しんどくても行ってやる。
 
文化大革命のさなか、1970年代の激動の中国が舞台。
原作は『妻への家路』(2014)のゲリン・ヤン。
あの頃、初恋を心に秘めて、あなただけをみつめていた――。」
このキャッチコピー、グッと来ませんか。
予告編から想像していた物語とは少し異なる青春群像劇でした。
 
文化大革命の末期、17歳のホー・シャオピンはダンスの才能を認められ、
軍の歌劇団“文芸工作団(文工団)”に入団する。
故郷ではつらい目にばかり遭ってきたシャオピンは、
新しい生活に夢と期待を抱き、意気揚々。
 
離れざるを得なかった実父に自分の軍服姿を見せたいと思っていたのに、
入団当日には軍服が支給されず。
支給を待てない、どうにも待ちきれないシャオピンは、
同室のリン・ディンディンの軍服をこっそり持ち出して写真館へ。
実父に送る写真を撮り、元の場所へ返したから大丈夫。
しかしそれがバレていじめられるはめに。
 
体臭がきついと陰口どころか面と向かって言われ、
ダンスのさいに組んでくれる相手もいない。
周囲になじめずにいる彼女に、唯一優しくしてくれたのが模範兵のリウ・フォン。
フォンに対して恋心が芽生えるが、フォンはディンディンのことが好きで……。
 
予告編を観た折、てっきりシャオピンが主役だと思っていました。
始まってみると、語り手は同じ文工団のエース的存在シャオ・スイツ。
彼女の目線を通してシャオピンやそのほかの団員のことが描かれ、
スイツ自身の切ない想いも。シャオピンとスイツ、ふたつの片想い。
 
青く切ない恋の話ばかりではありません。
1979年に起きた中越戦争が描かれるシーンは、『オーヴァーロード』よりもグロいほど。
全身にやけどを負ったり、手足がもげたりする様子に目を覆いたくなります。
 
故郷を抜け出せば幸せになれると思っていた少女が、
いじめに遭い、戦争を体験し、一気に英雄扱いされ、精神に異常を来す。
自分の想いを打ち明けられないままに迎える人生の終盤。
静かに実った恋が嬉しい。
 「すべての人々の輝かしい青春時代に捧ぐ」。
 
なぜフォンがディンディンみたいな性悪を好きになったかだけは解せませんけどね。(^^;

—–

『ドント・ウォーリー』

『ドント・ウォーリー』(原題:Don’t Worry, He Won’t Get Far on Foot)
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ホアキン・フェニックス,ジョナ・ヒル,ルーニー・マーラ,ジャック・ブラック,
    マーク・ウェバー,ウド・キア,キャリー・ブラウンスタイン他
 
前夜に続いてこの日も終業後すぐには帰宅する気になれず。
なぜって、巨人vs阪神があるから。
前夜はなんとか逆転勝ちして今季初の勝利を収めたものの、
ウチが巨人に連勝するなんてこと、考えられないじゃないですか。
しかも向こうの投手は菅野やし。とても怖くて中継を観られない。
現実を直視する勇気はなく、109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
上映開始までしばらく時間があったので、駐車場でラジオ中継を聴きました。
初回に3点も先取している。ミラクル。でもそのまま勝てるとは思えない。
やっぱり怖いから、そこで聴くのを止めて劇場ロビーで読書。
あきらかな現実逃避です(笑)。
 
アメリカ・オレゴン州出身の風刺漫画家ジョン・キャラハン。
2010年に59歳で他界した彼の半生をガス・ヴァン・サント監督が描きます。
最初に監督に映画化について相談したのは故ロビン・ウィリアムズだそうで。
存命ならばロビンがジョン役を演じていたことでしょう。
 
母親に捨てられ、養父母に育てられたジョンは、13歳で酒をおぼえる。
立派なアルコール依存症になり、酒を切らすと手の震えが止まらない。
 
あるパーティーで知り合ったジョンとデクスターは意気投合、飲み歩いてべろべろに。
意識も定かでないのにデクスターが運転する車で走り、電信柱に激突。
デクスターは奇跡的に軽傷で済んだが、ジョンは上肢の一部と下肢が麻痺。
車椅子生活を余儀なくされる。
 
自分で歩けなくなってからもアルコールを断てないジョン。
アルコールを摂取できないと、同居している介護士ティムに八つ当たり。
そんなジョンに呆れたティムがしばらく出かけたところ、
ジョンは信じがたい深遠な体験をする。
忘れたくても忘れられない母親の幻覚を見たのだ。
 
断酒のグループセラピーに参加する決意を固めたジョン。
主催者のドニーに連絡を取り、断酒に取り組むとともに、
持ち前の辛辣なユーモアを駆使して風刺漫画を描きはじめる。
 
時系列がぐちゃぐちゃで、時折前後がわからなくなるのですが、それが嫌じゃない。
ジョンが思い返しているのであろう時期に、鑑賞者も飛び込むことができます。
 
数多くの作品に登場する断酒会のシーン。
正直に言って、今まではあまり良い印象がありませんでした。
とても表面的なつきあいに思えて、こんなんでほんとに断酒できるのかと思っていました。
それが本作のドニー主催の断酒会なら可能だと思える。
 
驚いたのはドニー役のジョナ・ヒル
ちょっぴりおデブで、知的だけど格好良くはない人、そうでしょ?
ところが本作の彼は金髪の美形。
えーっ、こんなに美男子だったのかとビックリ。
体型はそうそうは変わらないから、ずんぐりむっくりのままなんですが、
本作ではそれも隠れる服装が多くて、最初は誰だかまったくわからず。
 
そして言うまでもなく、ジョン役のホアキン・フェニックスは素晴らしい。
お兄さんのリヴァー・フェニックスが23歳の若さで亡くなってから25年が過ぎました。
ホアキンの風貌を見るたびに、リヴァーも長生きしたらこんな感じになったのかしらんと微妙な思い(笑)。
 
歳を取ると、長らく会わなくなって気がかりな人が何人かいます。
ジョンがひとりひとりに会いに行く姿に共感。
事故に遭ったことを恨まずに、幸せを感じて生きていく。
 
優しく温かい作品でした。
生きるうえでの心持ちも教えてもらえたような気がします。

—–

『オーヴァーロード』

『オーヴァーロード』(原題:Overlord)
監督:ジュリアス・エイヴァリー
出演:ジョヴァン・アデポ,ワイアット・ラッセル,マチルド・オリヴィエ,ピルー・アスベック,
   ジョン・マガロ,イアン・デ・カーステッカー,ジェイコブ・アンダーソン他
 
終業後にしんどい思いをしながらも2本観ることにしたのに、
前述の『映画 賭ケグルイ』が個人的に今年ワースト級に駄目でした。
30分後にTOHOシネマズ伊丹の同じシアター、同じ席にて、
身も心も疲れきった状態で2本目に突入。
そうしたら、これがめっちゃ面白くて元気復活。
 
ヒットメーカーとして名高いJ・J・エイブラムスの製作。
ポスターを見て戦争ものだと思っていたら、ホラーだという。
いったいどこからホラーになるのかとドキドキしながら鑑賞。
 
連合軍によるノルマンディー上陸作戦の開始直後、
ドイツに占領されたフランスの小さな村を目指すアメリカ軍第101空挺師団
彼らが命じられた極秘任務は、村の教会の電波塔を爆破すること。
ナチスが占拠して基地として使用しているため、通信網を遮断したいのだ。
 
降り立つはずだった場所でドイツ軍の激しい攻撃に遭い、
空挺師団の兵士たちは散り散りバラバラに。命を落とした者も多数。
そんななか、かろうじて降下に成功した二等兵エドは、
同じく生き延びたティベット、チェイスとともに、
伍長フォードの指揮の下、教会を目指して歩きはじめる。
 
その途中、教会の近くに住む女性クロエと出会い、案内を頼む。
彼女はまだ幼い弟ポールと重病の叔母の面倒を見ており、
とりあえずの隠れ場所としてエドらを自宅へ招き入れる。
クロエによれば、ナチスは村人を次々と拉致して教会へ連行しているらしい。
その大半は帰って来ず、帰ってきた叔母は病を患って口を利かない。
 
付近の様子を探りに出たエドは、予期せず教会に潜り込むはめに。
そこで彼が見たものは、おぞましい人体実験で……。
 
クロエの叔母の存在が明らかになる辺りからがしっかりホラー。
でもそこまでは史実に基づいた戦争ものなんです。ド迫力。
 
そしてホラーになってからは座席から飛び上がること数回
人体実験でものすごいことになった化け物が、飛ぶぐらい速く移動(笑)。
もう怖いのなんのって、おもろすぎ。
フォードを演じるのはワイアット・ラッセル。カート・ラッセルゴールディ・ホーンの息子。
鬼の伍長でありながら、優しい面も持ち合わせていて◎。
ティベット役のジョン・マガロもよかった。
そしてクロエ役のマチルド・オリヴィエ、美人♪
 
エンディングは悲しくも良い話。
実際にこんなことがあったかもしれないなんて思わされます。
宣伝やってるわけでもなし、きっとあまり観る人いないだろうなぁと思うけど、こんな快作、もったいない。
『賭ケグルイ』でガッカリしたまま帰らなくてよかった。
だから映画を観るのはやめられない。

—–

『映画 賭ケグルイ』

『映画 賭ケグルイ』
監督:英勉
出演:浜辺美波,高杉真宙,宮沢氷魚,福原遥,伊藤万理華,松田るか,岡本夏美,柳美稀,
   松村沙友理,小野寺晃良,池田エライザ,中村ゆりか,三戸なつめ,矢本悠馬,森川葵他
 
ダンナが出張中でちょうどTOHOシネマズデーだったから、
平日の終業後に2本観るのはツライなぁと思いつつも、
その日のナイター中継を聴きたくなかったこともあり、TOHOシネマズ伊丹へ。
 
2本ハシゴの1本目は私の今年のワーストになりそう。
睡魔に襲われることはなく、ただただ不愉快うざい腹立たしい(笑)。
ま、世間の評価は高いようなので、おかしいのは私。(^^;
 
同名人気コミックの実写映画版で、原作もTVアニメ版も知らないため、
下記の認識が誤っているかもしれません。お許しを。
 
学業もスポーツもいくらできようが関係ない私立百花王学園。
ギャンブルの強さのみで生徒の階級が決まる高校。
生徒会長に君臨する桃喰綺羅莉(池田エライザ)は当然ギャンブルの腕もいちばん。
 
生徒は生徒会に上納金を払わねばならず、
払わない者は非協力者としてマークされ、綺羅莉と対決。
勝った場合は人生計画が白紙のノートを手に入れることができるが、
負けた場合は借金を背負い、一生ひれ伏して生きていかねばならない。
 
そんな学園に転校してきた蛇喰夢子(浜辺美波)は凄まじい強さを発揮。
見た目は清楚な美少女だが、リスクが高いほど興奮するギャンブル狂。
強者どもを瞬く間に倒してゆく。
 
夢子に生徒会が危険を感じはじめた頃、
学園にギャンブルは不要、生徒会にも服従しないと宣言する集団“ヴィレッジ”が出現。
生徒会はヴィレッジの解体と夢子抹殺を目論み、
「生徒代表指名選挙」というギャンブルイベントの開催を決定。
全校生徒が2人1組で参加し、かつ勝者を予想して賭けるのだ。
夢子も同級生の鈴井涼太(高杉真宙)とペアを組んで参加するのだが……。
 
何がこんなに私を不愉快にさせるのか。
シンプルに賭け事の心理作戦の話のみならば私は楽しめたと思います。
 
が、冒頭、非協力者が「ミケ」とか「ポチ」とかの名札を首からぶらさげ、
四つん這いになって背中に脚を置かれているシーンがもう嫌。
生徒会が生徒のひれ伏す人生を決めるなんてのも吐き気がする。
 
中途半端に暴力的で、男女とも生徒の表情、しぐさ、声、ぜんぶ嫌。
福原遥松田るか森川葵矢本悠馬、みんな笑えない。
高杉真宙くんをウザイと思ったことは過去にありませんでしたが、
途中でもうしゃべらんといてと言いたくなったぐらい。
 
最後の最後だけかなぁ、ちょっと和んだのは。
勝利した村雨天音(宮沢氷魚)のリクエスト、美味しいスイーツ
あ、ネタバレ御免。(^^;

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『轢き逃げ 最高の最悪な日』

『轢き逃げ 最高の最悪な日』
監督:水谷豊
出演:中山麻聖,石田法嗣,小林涼子,毎熊克哉,水谷豊,檀ふみ,岸部一徳他

もうほっんと、飲んだ土曜日の翌日(って毎週やん(^^;)は、
近場の劇場へしか行けなくなりました。
飲む前は「明日は絶対梅田まで行こ」とか思っているのですが、
夜中に「やっぱり無理かも」と思い、日曜日の朝は「無理!」となっている。
この日もどうにもしんどくて、109シネマズ箕面で1本だけ。
 
『TAP THE LAST SHOW』(2017)で監督デビューを飾った水谷豊が、
本作では脚本もみずから手がけたそうで。長編第2作です。
小説や漫画を原作とする映画が多い昨今、オリジナル脚本は貴重。
その意欲、買いたいですねぇ。
 
やたら客が高齢層。水谷豊ファンなのでしょうか。
それはいいんですけれど、足下がおぼつかない人も多くて、
座席にたどり着くまでに転びそうになる人が続出。
劇場に慣れていない人も多そうで、来たからにはポップコーンと思うのか、
高年夫婦の奥様が買ってきたポップコーンの量に旦那さんが驚いている。
「こんなにあるんか。お腹いっぱいになるやないか」。
「お腹いっぱいになったっていいじゃない」。会話がワラける。
 
大手ゼネコンの若きエリート社員・宗方秀一(中山麻聖)は、
逆玉に乗って副社長の一人娘・白河早苗(小林涼子)と3日後に挙式の予定。
披露宴で司会を務める学生時代からの親友で同僚・森田輝(石田法嗣)とともに、
打ち合わせのために式場へと秀一の運転する車で向かう。
 
ところが道路は大渋滞。
そもそも輝が待ち合わせに遅れてきたせいで、時間どおりに式場に着くのは無理。
早苗をそんなには待たせられないと、抜け道はないものか考える。
助手席に座る輝がふと思いついた道を通れば少しは早く着けるのでは。
脇道にそれて空いた道を走るが、そこで信じられないことが起きる。
定休日の喫茶店“スマイル”の前に差しかかったとき、目の前に現れた女性を撥ねてしまったのだ。
 
女性にまだ意識があるのかどうかもわからない。
もしも警察に自首すれば、人生は終わる。
秀一と輝はそこにしばしたたずむも逃げることを決意。
何事もなかったように式の打ち合わせに臨む。
 
しかし後日、ふたりの自宅の郵便受けに脅迫状めいたものが投函され……。

被害女性の両親役に水谷豊と檀ふみ
事故現場にも自宅にも娘のスマホが残されておらず、
それを探すさいに娘の日記を読んだ父親、つまり水谷豊が、
事故に疑念を抱いて調べるうち、真相にたどり着きます。
 
交通事故を起こして轢き逃げした若者の胸中だとか、
愛娘を失って気持ちの整理をつけようとする親の日々だとか、
そういうものが描かれているのだと思ったら、意外な展開にびっくり。
後半はかなりサスペンス、そしてサイコです。ドン引きするほど。(^^;
 
刑事コンビに岸部一徳毎熊克哉
毎熊克哉は『全員死刑』(2017)の嫌なイメージがいまだに払拭できず、
あまり好きな俳優ではなかったのですが一転。
正義感強く、でもチャラっぽいところもある、バランス絶品の刑事。
彼の出演シーンはクスッと笑えて、重い内容を少し和らげてくれます。
それでも、「五十年刑事をしてきて、むなしくない事件なんてひとつもない」という、
岸部一徳演じるベテラン刑事の台詞は心に刺さる。
 
中山麻聖って、知らんなと思ったら、三田村邦彦の息子だったのですね。へ〜っ。
 
ところでゼネコンってほんとにこんな感じなのですか。
出てくるのは性格悪い社員ばっかり。アンマリだ(笑)。
同族企業の派閥争い、えげつない。

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