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『最高の花婿』

『最高の花婿』(原題:Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu?)
監督:フィリップ・ドゥ・ショーヴロン
出演:クリスチャン・クラヴィエ,シャンタル・ロビー,アリ・アビタン,メディ・サドゥン,
   フレデリック・チョー,ヌーム・ディアワラ,フレデリック・ベル,ジュリア・ピアトン,
   エミリー・カン,エロディ・フォンタン,パスカル・ンゾンジ,サリマタ・カマテ他
シネ・リーブル梅田で4本ハシゴの4本目。
この日の1本目がオランダ、2本目がデンマーク、3本目がノルウェーで、4本目はフランス。
ヨーロッパ三昧、しかもハズレなしのなんとも幸せなハシゴとなりました。
甲乙付けがたい4本でしたが、久々に涙が出るほど笑ったのはこの4本目。
2014年のフランスで興行成績1位の大ヒットを飛ばした作品だそうです。
フランスのロワール地方シノンに暮らす敬虔なカトリック教徒、ヴェルヌイユ夫妻。
自然に囲まれた広い屋敷で、夫クロードと妻マリーは富裕ながら浮かない顔。
それというのも娘たちの結婚相手のせい。
夫妻の4人の娘は揃いもそろって美人だが、
長女イザベルの夫ラシッドはイスラエル出身のアラブ人、
次女オディルの夫ダヴィドはアルジェリア出身のユダヤ人、
三女セゴレーヌの夫シャオは中国人。
四女ロールだけが未婚で、今度こそカトリック教徒をと夫妻は願っている。
差別する気はないから、娘たちの結婚を許してきたが、
顔を合わせれば文化のちがいを痛感し、
冗談のつもりが冗談にならないこともしょっちゅう。
たまにはみんなで会おうとパリで集まったときも心労でへとへと。
だが、にぎやかだった家から娘たちが出て行って、
大きな屋敷に夫婦ふたりきりでは寂しさを感じる。
婿たちと一緒だと疲れるからとはいえ、このまま孫にろくに会えないのも嫌だ。
一念発起したクロードとマリーは、シノンにみんなを招くことに。
しんどい思いをした甲斐があり、楽しく過ごす。
長女、次女、三女が帰ったあと、四女が話があると言う。
結婚することにしたとのこと、しかも相手は悲願のカトリック教徒。
大喜びする夫妻だったが、挨拶にきた婚約者シャルルを見て仰天。
彼はコートジボワール出身の黒人だったのだ。
自分たちのことを棚に上げて、これ以上問題が起きては大変と、
3人の婿たちまでもが結婚に反対。
また、寛容だと聞いていたシャルルの両親も大反対で……。
生まれた国も宗教もちがう男性を婿にしたことで巻き起こる騒動。
もう可笑しいのなんのって。笑い通しでした。
最初はロールの両親もシャルルの両親も大反対しますが、
一旦腹を括ると母親のほうが凄い。
父親は体裁を気にして意固地になりますが、
母親は「差別したくない。子どもの結婚をぶちこわしたくない」と、
反対する父親と離婚をもしかねない雰囲気。
万人が抱きがちな民族に対するイメージを上手く使い、
笑わせつつもいろんなことに気づかせてくれます。
聞く耳さえ持てば、なんとかなることだっていっぱいある。
まずは受け入れる気持ちを。
ものすごくいいハシゴ4本でした。大満足。

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