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『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』

『ヴァイオレット・エヴァーガーデン 外伝 永遠と自動手記人形』
監督:藤田春香
声の出演:石川由依,寿美菜子,悠木碧,子安武人,内山昂輝,遠藤綾他
 
後述の作品をTOHOシネマ梅田で観るつもりでいたのに、
当日の朝にオンライン予約しようとしたら、シアター6の最前列しか空いていない。
それは嫌だと他の上映劇場を探したら、109シネマズ大阪エキスポシティで上映中。
11:45からの上映前にもう1本、時間的に合う作品が本作でした。
 
京都アニメーションの制作で、3週間限定上映とのこと。
悲しい放火事件のせいで公開があやぶまれていたところ、
多くの激励の声が寄せられ、なんとか公開の運びに。
藤田春香監督の希望により、事件の犠牲者を含むスタッフ全員の名前が
エンドロールに挙げられているそうです。
 
実は京都アニメーション制作のアニメを私はあまり観たことがなくて、
本作もほとんど応援の気持ちのみで観に行きました。
話についていけないのもなぁと思い、軽く予習だけはして。
 
原作は暁佳奈のライトノベル。本作はTVアニメの外伝作品。
予習の甲斐あって、誰がどういう人かというのはほぼわかったつもりですが、
「ドール」が何なのかはよくわかりません。
主人公の両手が義手で、人造人間なのかと思っていたら、そうじゃない?
仕事に従事する少女というのか女性たちのことがドールと呼ばれているっぽい。
「自動手記人形」が生身の人間なのになぜ「人形」なのかがわからないのです。
ここは復習が必要。勉強します。
 
で、応援の気持ちのみだったのに、そんなの関係ないぐらいよかった。
 
孤児のヴァイオレットは少女兵として育てられ、戦闘で両腕を失った。
今はC.H郵便社の自動手記人形として働く身。

今回の仕事は、大貴族ヨーク家の娘イザベラに淑女のふるまいを教育すること。
本来は手紙を書くのが仕事のヴァイオレットだが、社長が顧客の依頼を断れずに引き受ける。
全寮制の名門女学校に通うイザベラの侍女として仕える。
 
最初は決して心を開こうしなかったイザベラが、
ヴァイオレットの優しさに触れて少しずつ変わってゆきます。
 
ヴァイオレットの人物像が面白い。
彼女のふるまいは他の両家のお嬢様方がキャーキャー言うほど完璧。
しかし感情を持たず、誰に対しても敬語で話します。
 
C.H郵便社の面々も善人ばかりで救われる。
社長は見るからにお人好しだし、郵便配達人のベネディクトに私は惚れました。
 
手紙を書く人が減りました。
でも、郵便配達人は「人に幸せを届ける」。
私はやっぱり手紙を書くのが好き。
 
あ、ちょっとだけ気になったことも言わせてくださいね。
「ら抜き」には目を瞑るとして、それ以外でひとつだけ。
「ありがとう」と言われたら、「はい」じゃなくて「いいえ」じゃないでしょか。
親しい間柄なら「はい」もありだと思いますが、
正しくは「いいえ(どういたしまして)」じゃなかろうかと。
完璧なはずのヴァイオレットのその返答だけが気になった。
細かいっちゅうねん、私。(^^;

—–

『フリーソロ』

『フリーソロ』(原題:Free Solo)
監督:エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ,ジミー・チン
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『ヒンディー・ミディアム』とハシゴ。
 
私はどうやら海より山が好きなようなのです。
映画もそうで、海でどうとかいうよりも山でどうとかいうほうが好き。
海ならば、サメが出てきて襲われそうになるとかなら良い(笑)。
でも、山のシチュエーションスリラーのほうがもっと好きです。
 
ドキュメンタリーも断然、山の話がいい。
『MERU/メルー』(2015)で自ら撮影を担当した男前クライマー、
ジミー・チンが今回は監督に徹しています。
 
クライミングをする人ならばご存じなのでしょうが、
“フリーソロ”という言葉自体、私は初耳。
断崖絶壁を一切の安全装置を使用することなく、素手で登る。
命綱も何も装着せずに何百メートルも登るなんて、信じられん。
 
そのフリーソロで数々の壁を攻略してきたアレックス・オノルド。
彼の夢は、カリフォルニア州のヨセミテ国立公園にそびえるクライマーの聖地、
エル・キャピタンをフリーソロで制覇すること。
 
エル・キャピタンは975メートル。
荷物は滑り止め用のチョークの粉を入れている小さなウエストポーチのみ。
いったいどうなっているんだ、この人と唖然とします。
 
面白かったのはMRIで脳を調べてもらったときのこと。
アレックスの脳はちゃんと機能しているんですが、
よほどの強い刺激がなければ活動しない部分があるそうな。
だから、こんな危険なことにも平常心で臨めるのですね。
 
とはいうものの、カメラが回っていると緊張する。
それゆえすべての準備が整っているのに、途中でやめてしまうことも。
撮影クルーには悪いと思いつつ、気分が乗らない。
ほんの少しでも誤れば命を落とすわけですから、それも致し方のないこと。
 
撮影クルーはジミーを含め全員がクライマーだから、彼の気持ちがわかる。
アレックスが難所に差しかかったときはカメラを回しつつも直視できず、
成功したときにはアレックスよりも先にクルーが先に涙。
 
高所恐怖症の人は絶対観られない作品です。
そうでない人はぜひ。

—–

『ヒンディー・ミディアム』

『ヒンディー・ミディアム』(原題:Hindi Midium)
監督:サケート・チョーダリー
出演:イルファン・カーン,サバー・カマル,ディシタ・セーガル,ディーパク・ドブリヤル他
 
ダンナが帰国しましたので、飲み会と映画三昧の日は終了。
しかし帰国日だった土曜日、いつもの外食前にシネ・リーブル梅田で2本ハシゴ。
 
インドの都会人って家族同士でも英語で会話するの!?と驚きました。
そんな疑問を持つこと自体、世間知らずなのですね。すんません。
ちなみに『あなたの名前を〜』でヒロインを演じたティロタマ・ショームが、
本作ではお受験塾のコンサルタント役で出演しています。
 
タイトルの“Hindi Midium”とは、ヒンディー語で授業をおこなう公立学校のこと。
これに対し、英語で授業をおこなう私立学校は“English Midium”と呼ばれるそうです。
 
デリーの下町に生まれ育ったラージは、幼なじみで美しく成長したミータと結婚。
わりと大きな衣料品店を経営し、経済的にはお手伝いさんを雇うぐらいに裕福。
可愛い娘ピアにも恵まれて、ラージは今の暮らしに何の不満もない。
 
しかし妻のミータの目下の悩み事は、ピアのお受験
名門校に入れなければ、ピアのこれからの人生が台無しになる。
なんとしてでも名門小学校に入れなければ。
 
狙いは4つの小学校。できればいちばんいい小学校に入学させたい。
その小学校に入るためには引っ越しまでせねばならぬと判明し、
ラージは反対するが、ミータは食事のボイコットを始める。
仕方なく高級住宅街に引っ越してお受験に臨むことに。
 
ところが、いちばんいい小学校はおろか、それ以外のところも不合格。
どうやらピアに問題はなく、両親の面接で落とされている様子。
凹むラージとミータは、低所得者層のための優先枠があると知り、
今度は貧乏人を装うためにスラム街に引っ越すのだが……

このところ観ているインド作品はすべて大当たりです。
これも大入りの満席で、鑑賞前から期待が高まりました。
 
が、序盤、中盤とイライラ。
笑えなくもないのですが、あまりに勝手なミータに「なんぼ美人や言うても」とげんなり。
惚れた弱みか、何も言い返せないラージにもガックリ。
さらには人のことを疑わないスラム街のお人好しにもイライラ。(^^;
 
圧巻は終盤。ほぼラストのシーン。これは泣きます。
そこに至るまでのイライラは、ラストの演説で吹っ飛びました。
やっぱり外さないボリウッド
 
都会では英語だけと聞くと、私ら関西人に標準語しゃべれっちゅうことかと
喧嘩売られてるみたいな気分になるけど、それは被害妄想でしょうか。(^o^;

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『ブレードランナー ファイナル・カット』〈IMAX版〉

『ブレードランナー ファイナル・カット』(原題:Blade Runner: The Final Cut)
監督:リドリー・スコット
出演:ハリソン・フォード,ルトガー・ハウアー,ショーン・ヤング,エドワード・ジェームズ・オルモス,
   ダリル・ハンナ,ブライオン・ジェームズ,M・エメット・ウォルシュ,ウィリアム・サンダーソン他
 
カルト的人気を博したリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(1982)。
これまでにもインターナショナル版やディレクターズカット版が公開されたり、
覆面試写会版なるものの存在まで明らかにされてきました。
このファイナルカット版は、製作25周年に当たる2007年に公開されたもの。
1992年のディレクターズカット/最終版を基本に監督自ら再編集したバージョンだそうで。
最終版と言いつつ、最終版にならなかったわけでしょ(笑)。もう意味わからん。(^^;
 
そんな意味わからん何版でもあり状態になっていますが、
今年は作品の舞台となっている2019年ということで、
その記念にIMAX版が2週間限定公開中。
 
あらすじ要らんやろと思うけど、一度も観たことがない人もいる前提で。
 
タイレル社が開発したレプリカントと呼ばれる人造人間は、
環境破壊のせいで大半の人類が移住した先の惑星で過酷な労働に従事していた。
高い身体能力と知性を持つレプリカントは、最初こそ従順だが、
製造から年月が経つと人間同様に感情を持つようになり、
人間に対して反旗をひるがえす事件が頻発しはじめる。
そのため、最新型のレプリカントに寿命を4年とする安全装置を付与。
ところがそれを知って脱走するレプリカントが後を絶たなくなる。
地球に逃げ込んだレプリカントを抹殺することを任務とするのがブレードランナー。
 
そして、2019年の地球、ロサンゼルス
元ブレードランナーのリック(ハリソン・フォード)はかつての上司から呼び出され、
逃亡したレプリカント4名を見つけて処分するよう命じられる。
で、レプリカントのうちのひとり、レーチェル(ショーン・ヤング)と恋に落ちるっちゅう展開ですね。
 
IMAXシアターで観るとド迫力。
ルトガー・ハウアー演じるロイとダリル・ハンナ演じるプリスが怖すぎて。
特にロイ、めちゃめちゃ怖い。それだけに最期は悲哀を感じます。
 
ルトガー・ハウアーはまだ健在だと思っていたら、今年7月に75歳で亡くなったとのこと。
こんな役をしちゃったら、そのイメージが強すぎて後がなかなか大変だったのでは。
でも途切れることなく、さまざまな作品に出演されていましたよね。ご冥福を祈ります。
 
ダリル・ハンナはいろいろ好きなように人生を歩んでいる様子。
ショーン・ヤングだけは困ったもので、ストーカー騒動を起こしたうえにアル中
美貌が逆に邪魔になったか、女優としてその後はいい役に恵まれていません。
 
1982年から見た2019年って、本当にこんなふうになると思われていたのか。
んなわけないと思うけど、んなことになっていなくてよかった。
こんな地球には絶対住めん。
 
あ、リックがレーチェルを壁ぎわに追いやる姿を見て、
元祖壁ドンここにありと思いました。
ブラインドがジャラジャラとがうるさいうえに痛そう(笑)。
 
続きがどんなふうになるんだろうかと多少でも気になるならば、

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『トールキン 旅のはじまり』

『トールキン 旅のはじまり』(原題:Tolkien)
監督:ドメ・カルコスキ
出演:ニコラス・ホルト,リリー・コリンズ,デレク・ジャコビ,トム・グリン=カーニー,
   コルム・ミーニイ,アンソニー・ボイル,パトリック・ギブソン,ハリー・ギルビー他
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『ガーンジー島の読書会の秘密』とハシゴ。
 
睡魔に襲われそうな予感はあったのですが、
監督が『トム・オブ・フィンランド』のドメ・カルコスキ。スルーできません。
J・R・R・トールキンの若き日の物語を映画化した伝記ドラマ。
予感どおりちょっぴり寝ましたが、トールキンのことを知れてよかった。
 
1892年、かつて南部アフリカに存在したオレンジ自由国に生まれたトールキン。
物心つく前に父親を亡くし、母親と弟とともに英国で暮らしていたが、
その母親もトールキンが12歳のときに他界して、彼は孤児となる。
 
後見人となったのは、母親の友人モーガン神父。
母親が早くからラテン語の基本を教え込んだおかげか、
トールキンは特に言語に優れた能力を発揮。
高校は名門キング・エドワード校に通うことに。
 
両家のぼんぼんが多いなか、トールキンが貧しい暮らしをしているのは一目瞭然。
最初はからかっていた生徒たちだが、彼が非常に賢いことに気づく。
校長の息子ロバート・ギルソンと大喧嘩をしたのをきっかけに、
ロバートと親しいジェフリー・スミスとクリストファー・ワイズマンから声をかけられ、
やがてロバートを含む4人は大親友となる。
 
戦場で誰かを探しているトールキンの姿と、
友情を育み続けた仲間との思い出を描きながら物語は進みます。
『トム・オブ・フィンランド』同様に実在の人物を取り上げても、
こんなふうにまるで違う作風になるんだなぁ。
 
幼なじみと恋に落ちて学業がおろそかになった彼が奨学金を失いかけたとき、
言語能力を駆使して教授に直談判するところなど、興味を惹かれました。
語学の得意な人って、頭も耳もいいんでしょうね。
聞き間違いの多い私は、この耳では語学堪能になれんと改めて思う。
 
淡々としているから、眠くなっても仕方ないとは思うのですが、
時折トールキンの空想というのか妄想が形となって描かれ、
それはやっぱり大画面で観るほうが面白い。
 
トールキンに興味のある人にしか薦めませんけれども。

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