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『アド・アストラ』

『アド・アストラ』(原題:Ad Astra)
監督:ジェームズ・グレイ
出演:ブラッド・ピット,トミー・リー・ジョーンズ,ルース・ネッガ,
   リヴ・タイラー,ドナルド・サザーランド他
 
TOHOシネマズ梅田にて、前述の『アイネクライネナハトムジーク』の次に。
 
監督はあまり私の印象にないジェームズ・グレイ
それよりもブラッド・ピット主演ということが話題。
映画レビューサイトでは評価が低いですが、駄目ですか?これ。
私は結構好きだったけどなぁ。
でもまぁ地味だからドッカーンガッシャーンというのを期待して行ったら拍子抜けかも。
特にカップルなんかで観に行くと、後の話題に困りそう。(^^;
 
ロイは伝説の宇宙飛行士クリフォード・マクブロイドの息子。
クリフォードは地球外知的生命体を探しに出かけて行方不明に。
ロイ自身も宇宙飛行士となり、その優秀さはほかに並ぶ者がないほど。
 
クリフォードの行方がわからなくなってから16年が経過したある日、
彼がまだ生きているということをロイは上司から聞かされる。
しかもクリフォードは太陽系を滅ぼすほどの力を持つ極秘実験に関わっており、
今もその実験を継続しているらしい。
 
ロイはまず火星の宇宙軍基地へと向かい、
そこからクリフォードに宛てたメッセージを発信せよと命じられる。
一人息子からの声には耳を傾けるはずだから。
軍が用意した当たり障りのないメッセージを読み上げるが、
クリフォードからの応答はなし。
そこでたまらずロイが作り物ではないメッセージを発信すると
どうやら応答があったようだが、ここでロイは御役御免を言い渡される。
 
クリフォードがいるのは海王星。
軍の手で彼が殺されてしまうのは間違いない。
ロイは危険な実験を阻止したうえで父親を連れ帰ろうと、
こっそりと宇宙船に乗り込み、単独で海王星へと向かうのだが……。
 
うちのダンナはタイ出張から帰ってきたその晩に台湾へ向かったことがありました。
それでもたいがいえげつない出張だと思っていたのに、
はい、今から、帰ってきたら火星、その次は海王星ね。あり得ん(笑)。
そんな過酷な仕事であっても家族よりも宇宙を選び、
息子と向き合おうとしなかった、トミー・リー・ジョーンズ演じる父親。
「今でも父さんのことが好きだ」という息子。切なかった。
 
なんぼひとりでいるのが好きだと言っても、
それはいつでも会おうと思えば会える人がいるから言えること。
たったひとりで宇宙をさまよう。気が変になっても不思議じゃない。
それでも宇宙に憧れ、宇宙飛行士を夢見る人がいる理由がわかる気がします。

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『アイネクライネナハトムジーク』

『アイネクライネナハトムジーク』
監督:今泉力哉
出演:三浦春馬,多部未華子,貫地谷しほり,原田泰造,矢本悠馬,森絵梨佳,恒松祐里,
   萩原利久,成田瑛基,八木優希,こだまたいち,MEGUMI,柳憂怜,濱田マリ,藤原季節他
 
とてもとても楽しみにしていた本作。
TOHOシネマズ梅田別館にて。
 
原作を読んだときに書いたレビューはこちら
登場人物の相関図がほしくなるぐらいややこしかったのに、
映像化するとどういうことになるんだと思いながら。
 
そもそもは斉藤和義伊坂幸太郎に作詞を依頼。
作詞はできないけれど小説なら書けると言って
伊坂幸太郎が書き上げたのがこの原作。
それを読んだ斉藤和義が作った曲が『ベリーベリーストロング〜アイネクライネ』。
原作を読んだ後にこの曲を聴いたとき、泣きそうになりました。
今泉力哉監督はその感動を再来させてくれるか。
 
マーケットリサーチ会社に勤める佐藤(三浦春馬)。
どう見てもモテそうにない親友の織田(矢本悠馬)は、
皆のマドンナだった由美(森絵梨佳)を射止めて結婚。
子どももふたりいる織田に「出会いがない」とぼやくと、一喝される。
そんな劇的な出会いなんてあるわけがないと。
 
あるわけがない劇的な出会いをして結婚したのが
佐藤の会社の先輩である藤間(原田泰造)。
しかし藤間は妻子に突然逃げられ、絶望を漂わせている。
 
美容師の美奈子(貫地谷しほり)は常連客のかすみ(MEGUMI)から
彼女の弟の話し相手になってやってほしいと言われる。
最初は仕方なく電話を取るが、次第に彼と話していると落ち着くことに気づく。
電話だけの間柄からそろそろ会いたいと思いはじめたとき、
彼からしばらく仕事を頑張るから会えないとの連絡が。
 
一方、佐藤は悲嘆する藤間がやらかしたミスの尻拭いに、
街頭アンケートに立つようにと上司から命じられる。
回答に応じてくれたのが求職中の紗季(多部未華子)で……。
 
と、ここまでは書いてみましたが、ほかにも登場人物いっぱい。
途中で舞台はいきなり10年後の話になり、原作未読の人は戸惑うかもしれません。
けれど、一気に読まないと誰だ誰だったかわからなくなる原作と違い、
映画はずいぶんとわかりやすい。
 
斉藤和義の『ベリーベリーストロング』に泣いた者としては、
その曲が主題歌ではないことがちょっと寂しい。
『ベリーベリーストロング』はインストルメンタルで流れるだけ。
「絆の話だよ♪」って聴きたかったよぉ。
 
路上で歌うサイトウさんは、原作のイメージではない。
それなりにインパクトはあるけれど、曲を作ってくれないし(笑)。
原作で好きだった免許の更新で5年に1回会う話もなくて、
それもちょっと寂しかったです。
 
原作を好きすぎて、いろいろと物足りないところもあったのですが、
たぶんこれ以上エピソードを入れると詰め込みすぎ。
ちょうどいい具合だと思いました。いっぱいほろりと来た。
 
この人たちみ〜んなどこかで繋がっているなんて、すごくないですか。
現実だってきっとそう。みんなどこかで繋がっている。
そして私は今日も『ベリーベリーストロング』を聴く。

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2019年9月に読んだ本

2019年9月の読書メーター
読んだ本の数:10冊
読んだページ数:2639ページ
ナイス数:706ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly
 
■ここは私たちのいない場所 (新潮文庫)
映画『火口のふたり』がわりと好みだったので、その原作と同じ著者の本作を衝動買い。本作が「大切な人を失ったばかりの、著者の担当ではない編集者」のために書かれた物語であることを解説で知り、より心に沁みました。私は解説者と同じく、産まなかった後悔より産んだ後悔のほうが怖いような気がして、子どものいる世界に入ることを拒んだ人間です。本作の登場人物たちは清廉潔白な人生を送ってきたわけではないけれど、ひとりひとり、異なる「誠実さ」がある。不倫をしようともハニートラップを仕掛けようとも(笑)。人は想い合って生きている。
読了日:09月01日 著者:白石 一文
https://bookmeter.com/books/14260721

■引っ越し大名三千里 (ハルキ文庫)
時代小説にはまだまだ苦手意識があるので、映画版を観てから読むほうがイメージしやすい。よくぞこれに星野源と高橋一生を当てたなぁと感心しました。ひきこもりの書庫番が国替えを仕切る奉行に命じられ、最初は頼りなげだった彼の表情がどんどん締まっていく様子が原作でも感じられて楽しい。原作と映画版では大きく印象の異なる登場人物もいて、私は映画版のほうがより魅力的だと感じました。高畑充希が演じた於蘭は原作ではえらく積極的(笑)。この映画版は絶妙の配役で、万人受けすると思われます。こりゃ本じゃなくて映画の感想だな。(^^;
読了日:09月06日 著者:土橋章宏
https://bookmeter.com/books/10986592

■怪談のテープ起こし (集英社文庫)
怖がりのくせして出先でこんな本を購入。昼間限定で読むようにしていたから時間がかかってしまいました。帯が煽る煽る(笑)。ようやく最終章までたどり着いて、どうせフィクション、怖い言うてもフェイクだしと思ったのに、解説がまた煽るのよ。フェイクだと思うのは自由ですけど、みたいな感じで(泣)。怖がりでも大丈夫、大丈夫です。でも、ひとりでお風呂に入ったり、公衆トイレに入ったり、エレベーターに乗ったりするときに思い出すこと必至。事故現場に供えられている花を見てドキッ。雨の日は黄色い人を探してしまうことでしょう。こえぇ。
読了日:09月10日 著者:三津田 信三
https://bookmeter.com/books/13451709

■ふわふわ (講談社文庫)
あからさまに冊数稼ぎの1冊。たった54頁、頁を埋めているのはほぼ絵。たまには音読してみようと思い、誰も聴いちゃいないのに、声に出して読みました。楽しかった。でも、音読しやすいレイアウトではないことに気づく。最後の一語を残して改行されたりするから、練習してからでないとスムーズな朗読はできません。こういうレイアウトを見ると、頁の文字組みにこだわる京極夏彦ってすげぇなと思うのです。しかもあの分厚さだし。そんなわけで、京極さんに想いを馳せた読書時間でした。私はここまで大きくない雌猫のほうが好きです(笑)。
読了日:09月11日 著者:村上 春樹,安西 水丸
https://bookmeter.com/books/530231

■高校事変 II (角川文庫)
この間、映画『JKエレジー』を観ました。ろくでなしの家族のせいで金を稼がざるを得ないJKが怪しげな動画に出演。制服着て空き缶踏みつぶすのを見て興奮するマニアがいるなんてとドン引きしたけれど、本作で殺されそうになるJK・奈々未も似たような状況でより悲惨。それを救うJK・結衣。独りでヤクザ50人ぶった斬りって、どんだけ強いねん。前作のように妙な黒幕がいないから、話がシンプルでスピード感にも溢れている。アドレナリン出まくり。これを面白いというのは憚られるぐらいJKの手でえげつない殺され方をします。でもオモロイ!
読了日:09月12日 著者:松岡 圭祐
https://bookmeter.com/books/14098969

■神戸・続神戸 (新潮文庫)
下手くそな浅田次郎と洗練されていない森見登美彦を併せたような印象なのです。でもたまらなく惹かれる。歯科医で俳人の著者。戦時下に移り住んだのは、多国籍の長期滞在者が集まる怪しげなホテル。インテリなのにプライドをまったく感じません。しかもお人好し。自宅に人がなだれ込んでもそのまんま。便所が詰まれば糞まみれになって掃除もする。いずれの話も飄々としていて、かつ無理に人を笑わせようとしていないから余計に可笑しい。しかも切ない。彼が当時を共に過ごした人たちは皆どうしているのか。あらためて、戦争はしちゃいけないと思う。
読了日:09月16日 著者:西東 三鬼
https://bookmeter.com/books/14059907

■危険なビーナス (講談社文庫)
獣医の伯朗が義妹の楓と共に失踪した弟を探す。なんとなくチープなんです。伯朗は胸とお尻ばかり見ているし、やたら嫉妬深い。惚れっぽくて純情なオッサンか知らんけど、可愛ないっちゅうねん。楓の喋り方を聞いていると、なぜか内藤了の藤堂比奈子シリーズに登場する麗華様を思い出します。麗華様には人間的魅力を強く感じるのに、こっちの楓のことはラスト直前まで好きになれません。500頁弱の最後の一言が「パンツは見えなかった」って、これホンマに東野圭吾かいな。それでもしっかり騙された私です。鼻の下のばしてるオッサンは見とうない。
読了日:09月20日 著者:東野 圭吾
https://bookmeter.com/books/14124238

■秋山善吉工務店 (光文社文庫)
『さよならドビュッシー』の映画版の出来がヒドかったせいで長らく遠ざけていた七里さん、いまやすっかり虜です。火事に遭って父親は死亡、母親と息子2人は父親の実家に身を寄せることに。朴訥としてザ・昭和な爺ちゃんは、嫁にとっても孫たちにとっても怖い以外のなにものでもない。しかし、新天地で厄介事に巻き込まれたとき、愛想はこれっぽっちもない爺ちゃんによって救われる。人情ドラマであるうえに、ミステリー要素もちゃんと含まれ、本当に面白い。恥ずかしくない生き方をすること。長く生きているというだけでじゅうぶんに尊敬に値する。
読了日:09月24日 著者:中山 七里
https://bookmeter.com/books/14283805

■5分間SF (ハヤカワ文庫JA)
SFはなんとなく難しいという先入観があります。『オデッセイ』も映画を先に観ていたので面白く読むことができましたが、もしも原作を読むのが先だったらついていけなかったかもしれません。短い話ならば大丈夫かもと手に取りました。最初の数章は快調。特に宇宙の料理教室の話はブラックで悲惨なグロさに大笑い。しかし飲酒しながら読むときの私の常、酔っぱらうと訳わからず。「イリジウムのメッシュを走り抜け、直接シナプスを触発する」とか、私にはまるでイメージでけん。電車の乗り換えまで10分、2話読めましたから、タイトルに偽り無し。
読了日:09月25日 著者:草上 仁
https://bookmeter.com/books/13943065

■ポテト・スープが大好きな猫 (講談社文庫)
今月序盤はあからさまな冊数稼ぎに春樹さんの絵本。今月最後も同じく春樹さんの絵本ですんません。楽しかったけれど字送りなどのページレイアウトが気になった『ふわふわ』に対し、こちらはそんなこともありません。お互いになくてはならない存在のくせして、双方ツンデレなお爺さんと猫。その様子がたまらなくイイ。春樹さんのあとがきを読めば楽しさもさらに増し、絵だけもういちど見直したくなります。ほんとだ、郵便受けの隣に堂々とした便器が(笑)。長編ミステリーを読む合間にはこんな和める絵本もあったほうがいいよなぁと思う今日この頃。
読了日:09月30日 著者:テリー・ファリッシュ
https://bookmeter.com/books/82424

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『HELLO WORLD』

『HELLO WORLD』
監督:伊藤智彦
声の出演:北村匠海,松坂桃李,浜辺美波,釘宮理恵,子安武人,
     寿美菜子,福原遥,勘解由小路三鈴他
 
ノーマークだったのですが、友人からもらった「東宝18番組共通前売券」があり、
時間的にちょうどよかったので観ることに。
TOHOシネマズ梅田にて。
 
舞台は近未来、2027年の京都。
読書が好きで、クラスの誰とも馴染もうとしない男子高校生・堅書直実は、
ある日、学校の図書館で借りた本を三本足のカラスに奪われる。
 
カラスを追いかけて行くと、たどり着いたのは伏見稲荷神社。
鳥居の前に置かれた本を拾おうとしたとき、不思議な感覚に包まれる。
現れたのは、10年後の2037年からやってきた直実自身。
 
にわかには信じられない話だが、10年後の直実が言うには、
もうじき直実は同じ図書委員の一行瑠璃とつきあうことになるらしい。
しかし瑠璃はつきあいはじめてわずか3カ月後の花火大会の日、
落雷に遭って死亡すると。
ろくに想い出を作る時間がなかったから、過去を書き換えたいのだと。
 
10年後の直実の話はそれだけではなく、
いま直実がいる世界そのものが実は単なる「記録」なのだと言う。
せめて記録の中だけでも、瑠璃の幸せな姿が見たい、
そう言う10年後の直実の表情にほだされて、
直実は幸せな記録を残せるように今を変えようとするのだが……。
 
こうして書いていてもよくわからん(笑)。
タイムリープの話って、いつもそう。
観ているときはじゅうぶんにわかっているつもりなのに、
あらすじを書いてみるとワケわからん状態に。(^^;
 
量子世界がどうとか言われても相変わらずわかりませんが、
本作はノーマークだったわりには心を揺さぶられました。
まず、本が好き、読書が好き、図書委員というのがいいではないですか。
人とコミュニケーションを取るのがめっぽう苦手なふたりが、
図書委員になって話をするようになる。
本がアイテムの話に弱いですねぇ、私。
 
自分はどうなってもいい。
自分とどうにかなってほしいとかではなく、ただ好きな人の幸せを祈る。
過去を変えようという話はたいていそうだったりしますが、
どれを観てもたぶんまぁまぁ泣いている。
まぁまぁ泣いている作品のうちでもこれは特によかったです。
過去を書き換えることに成功しても幸せにはなれないのが常。
やっぱり今を悔いなく生きなくちゃ。
 
京都にゆかりのある方、それだけでも楽しいかもしれません。

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『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』

『エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ』(原題:Eighth Grade)
監督:ボー・バーナム
出演:エルシー・フィッシャー,ジョシュ・ハミルトン,エミリー・ロビンソン,ダニエル・ゾルガードリ,
   ジェイク・ライアン,ルーク・プラエル,フレッド・ヘッキンジャー他
 
甲子園で阪神vs広島戦を観戦。
いつになく早いペースで試合が進み、終わったのが16時半頃。
球場を満員にした客が一斉に帰るわけだから、
阪神甲子園駅は入場制限するほどの混みっぷり。
やっとの思いで阪神電車に乗り、17時半に梅田に到着。
 
晩ごはんの予約は20時半で、あと3時間もある。
本を読んでいればこれぐらいの時間は潰せるのですが、
もしものときのためにと調べてあった上映スケジュールを確かめたら、
本作の上映時間がばっちり合う。シネ・リーブル梅田へ。
 
サンダンス映画祭でプレミア上映された後、アメリカのわずか4館で公開。
口コミで大評判となり、公開2週目には33館に拡大公開。
日本でいうところの『カメラを止めるな!』(2018)ですね。
「映画の神々からの贈り物」とまで評されるほど話題になった作品で、
オバマ元大統領も昨年公開作品のベストだと言ったとか。
 
父親と二人暮らしの中学生ケイラは、あと1週間で高校生になる。
にきび面のぽっちゃり体型で内気な彼女は、
YouTubeに動画を投稿しているが、ほとんど視聴されていない。
友だちもおらず、同級生に話しかけてはみるものの、ほぼスルー。
 
同じクラスの男子エイデンのことが好きでたまらず、
彼とお近づきになる方法を探ると、エッチな写真を見せればよいとわかる。
それでエイデンが振り向いてくれるなら止むを得ずと考えるケイラは……。
 
どうしようもなくイライラさせられる作品でした。
 
いい子はいい子みたいだけど、背伸びしすぎ。
どんくさくて、空気の読めないところもある。
同級生の女子の中にはケイラと合いそうな子もいるだろうに、
目立つグループの女子にばかり話しかけてつれなくされる。
彼女の投稿する動画にしても、誰がこんなアドバイスに耳を傾けるというのか。
 
なんでこんな作品が絶賛されるのかちっともわからなかったのですが、
ふと気づく。中学生ぐらいって、こういうものだよねと。
 
正直言って、私は中学校時代にいちばん思い入れがありません。
友人関係もいちばん面倒だった頃で、
親のこともたぶんいちばん鬱陶しく思っていた時期(笑)。
 
ケイラのお父さんが本当にいい人。
経済的に余裕はあり、娘に物理的には不自由をさせていない。
でも母親にはなれないから、年頃の娘のことが気になるけれど、
どこまで口出ししてよいのか、どう接するべきか悩んでいるのが伝わってくる。
子どもさんのいる人はこの気持ちがきっとよりわかることでしょう。
 
ちょっぴりふっきれたケイラを見られるラスト15分で、
やっぱりいい作品だったように思えて、イライラも吹き飛ぶ。
観た翌日には、さらにいい作品だった気がして不思議です。
 
ま、でも、中二病女子を描いた作品なら、
私は『スウィート17モンスター』(2016)のほうが好きかな。

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