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『野性の呼び声』

『野性の呼び声』(原題:The Call of the Wild)
監督:クリス・サンダース
出演:ハリソン・フォード,ダン・スティーヴンス,カレン・ギラン,オマール・シー,
   ブラッドリー・ウィットフォード,コリン・ウッデル,キャラ・ジー他
 
ファーストデーに1本だけ。
わが家から最も近い劇場、109シネマズ箕面にて。
 
原作者のアメリカ人の小説家ジャック・ロンドンは1876年の生まれ。
1903年に書かれた古典的冒険小説をクリス・サンダース監督が映画化。
予告編を観るかぎりでは、ハリソン・フォードと犬の映画だと思っていましたが、
ハリソンが頻繁に登場するのは中盤以降。本作の主役はあくまでも犬。
セントバーナードとスコットランド牧羊犬の雑種なんですって。
 
19世紀末、ゴールドラッシュに沸く時代。
金脈を探し求める人々を乗せた橇を引くため、丈夫な犬が高値で取り引きされていた。
 
カリフォルニアの著名な判事ミラーの飼い犬バックは、
その好奇心と体の強さに目をつけた輩に誘拐されてしまう。
自分がどこから来てどこに連れて行かれるのか、バックは知る由もないが、
船内では棍棒を持った男に殴られ脅され、恐怖のせいで従順に。
 
カナダに到着したバックは、たびたび脱走を試みるが失敗。
意気消沈して囲いの中にいたところ、郵便配達員ペローが一目惚れ。
 
幸いにもペローは根っからの善人。
相棒のフランソワーズは、2匹ほしかったのになぜ1匹なのかと不満顔だったが、
飲み込みの早いバックはすぐにチームの一員としての働きを自覚し、
ペローとフランソワーズの信頼を得る。
 
ところがある日、橇犬による郵便配達が廃止に。
ペローたちとの別れを余儀なくされたバックには波乱の運命が待ち受けていて……。
 
ね、こうしてあらすじを書いてもハリソンの出番なし(笑)。
 
最初はどうにも違和感がありました。
犬の動きがCG丸出しに思えて。
老けメイクを苦手とするのと同様、実写版の動物の動きがCGっぽいと、
それが気になってしまってゲンナリするんです。
 
バックは確かに良い犬で、デカくてもその仕草は可愛いけれど、
CGだよねぇと思う動きがそこここにあり、がっかり。
途中からはこれも楽しまなきゃ損だと考え直して鑑賞しました。
 
酷い仕打ちを受けたバックを引き取ることにしたハリソン演じる男とのふれあいよりも、
ペローやフランソワーズといるときのバックの話のほうが私は好き。
ペロー役のオマール・シーが本当によかったです。
 
大地のなか、急流で溺れかけた狼を救って、狼たちの信頼をも得たバック。
森の動物たちと共に行動するうち、野性の血に目覚めます。
どこまで人間のことを覚えているのか。
ずっと覚えてくれているとしても、本能が求めるものには敵わない。

—–

『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』

『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』
監督:中田秀夫
出演:千葉雄大,白石麻衣,成田凌,鈴木拡樹,音尾琢真,江口のりこ,
   高橋ユウ,今田美桜,田中哲司,原田泰造,井浦新他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、2本ハシゴの2本目。
 
 
前作で起きた、黒髪の女性ばかりを狙った連続殺人事件。
刑事・加賀谷学(千葉雄大)が殺人鬼・浦野善治(成田凌)を逮捕して終結したかに思われた。
ところが、浦野の犠牲者が埋められていたのと同じ場所で、また遺体が発見される。
今回の遺体は茶髪のショートカットで、浦野の犠牲者とは異なるタイプ。
浦野が犯人なのか、それとも別に犯人がいるのか。
 
捜査は何の手がかりもつかめないまま混迷。
そんななか、いっさい話そうとしない収監中の浦野が、
加賀谷とならば話をしたいと言いはじめる。
浦野の要請どおり、彼に最高のスペックのパソコンを渡した加賀谷は、
本件の犯人と思われる“M”をあぶり出すよう、浦野に求める。
 
一方、加賀谷の恋人・美乃里(白石麻衣)は、結婚を考えてくれない加賀谷に業を煮やし、
そんなつもりもないのに別れを切り出してしまう。
苛立っている折にスマホから個人情報を盗まれ、謎の男に狙われるのだが……。
 
ネタバレはやめておきますが、音尾琢真のゲスっぷりが冴えています。
この人はそんな役がやっぱり似合いますけれど、
それだけにたまにいい人の役をすると涙が出そうなほどいい(笑)。
またたまに善人役を見てみたい。
 
原作では、この第2弾ではスマホなんて落とさないのですけれど、
中田秀夫監督はお茶目にオマケの話をくっつけて、ちゃんと落としています(笑)。
 
小説のほうはすでに第3弾が出ています。
それを読んでからだと、あの人、ほんとはこうなのよね、とか思うところも。
エンドロールの後を見ても、続編があることは間違いなし。
ま、なんだかんだでどうなるのか気になりますから、続編も観るでしょう。

—–

『チャーリーズ・エンジェル』

『チャーリーズ・エンジェル』(原題:Charlie’s Angels)
監督:エリザベス・バンクス
出演:クリステン・スチュワート,ナオミ・スコット,エラ・バリンスカ,パトリック・スチュワート,
   エリザベス・バンクス,ジャイモン・フンスー,サム・フランクリン,ナット・ファクソン他
 
仕事帰りにTOHOシネマズ伊丹にて2本ハシゴの1本目。
 
てっきり“チャーリーズ・エンジェルシリーズのリブート版だと思っていたら、
ちゃんと続編になっているそうで。
女優としてがんばっていたエリザベス・バンクスが、
ここ数年は監督業にも乗り出して楽しそうです。
 
青年実業家アレクサンダーのもとで働く女性エンジニア、エレーナは、
エネルギー開発装置“アリスト”をつくり上げるが、
完成品として発表するには不具合があると、上司のピーターに報告。
修正する時間がほしいと相談するが、ピーターから一蹴される。
 
不具合とは、このままでは兵器として使われてしまう可能性があるということ。
市場に出回って悪用されればとんでもないことになる。
エレーナは告発を決意して、タウンゼント探偵社に秘密裡に連絡を取り、
タウンゼント探偵社の社員に証拠を渡そうとするが、何者かに狙われる。
 
その場に颯爽と現れて救ってくれた女性サビーナとジェーンにエレーナはびっくり。
タウンゼント探偵社の実の姿は国際機密企業であることがわかる。
サビーナとジェーンは特殊訓練を受けたエリート組織のエージェントで、
通称“チャーリーズ・エンジェル”と呼ばれる女性たちだった。
彼女たちはボスであるボスリーの指示を受けて働いていた。
 
エレーナからアリストの実体を聞いたボスリーは、
アリストが兵器として売買されることはまちがいないと踏み、
それを阻止すべく行動を開始するが、意外な黒幕が判明して……。
 
これまでのエンジェルのイメージといえば、全員俊敏でアクションに長けた人。
クリステン・スチュワート演じるサビーナと、
エラ・バリンスカ演じるジェーンはもちろんそのままのイメージなんですが、
巻き込まれるエレーナが天然キャラでボケボケ。天才エンジニアなのに(笑)。
彼女役のナオミ・スコットがめっちゃキュートでファンになりました。
 
かなり楽しかったのに、TOHOシネマズ伊丹のいちばん大きなシアターに客4人だけ。
上映終了も早いだろうと思うともったいない。
デートムービーにぴったりです。
 
ちなみに、最後の新入りエンジェルのための特訓は、
ドライビングのインストラクターは本物の女性レーシングドライバー
格闘技のインストラクターも本物の女性プロレスラーが演じているそうです。
カッケー!

—–

『Red』

『Red』
監督:三島有紀子
出演:夏帆,妻夫木聡,柄本佑,間宮祥太朗,片岡礼子,
   酒向芳,山本郁子,浅野和之,余貴美子他
 
前述の『ミッドサマー』を観た後、109シネマズ箕面へ移動して。
 
島本理生の同名小説を三島有紀子監督が映画化。
いろんなタイプの物語を映画にする人ですねぇ。
『しあわせのパン』(2011)、『ぶどうのなみだ』(2014)、『繕い裁つ人』(2014)は
同じ監督が撮った雰囲気がありありとしていましたが、
『少女』(2016)以降はいつも違う感じ。
私は、同監督のファンタジックな作品よりは、
『幼な子われらに生まれ』(2017)のような現実味のある作品のほうが好きです。
 
村主塔子(夏帆)は一流商社に勤める夫・真(間宮祥太朗)との結婚を機に専業主婦に。
郊外の瀟洒な一軒家に暮らし、可愛い一人娘にも恵まれたが、
姑・麻(山本郁子)との同居で何かと気を遣う生活を送っている。
 
そんな折、真に伴われて参加したパーティーで、
かつて愛した男・鞍田秋彦(妻夫木聡)と10年ぶりに再会。
酷い男だとわかっているのに、秋彦とまた会いたくてたまらなくなる。
 
数日後、ある設計事務所に勤務する秋彦から求人案内が届く。
結婚前は空間デザイナーとして働いていた塔子はすぐに応募。
なんとか真と麻の承諾を得て仕事に就く。
 
秋彦と同じ職場で働きはじめたことで、塔子の毎日が一変。
同僚たちからその能力を認められ、日々が楽しくて仕方ない。
 
ある日、秋彦のアシスタントに自ら挙手して一緒に出かけた塔子は、
秋彦から部屋へと誘われるのだが……。
 
原作未読なのでなんとも言えませんが、著者初の官能小説との触れ込み。
映画版でも濡れ場は多いものの、夏帆のヌードが見られるわけでもなし、
肝心なところを隠してあえがれてもあまりエロくはありません。
見えるからエロいってことでもないんでしょうが(笑)。
 
不倫に走るのもわかるというとなんですが、
この夫と姑と暮らしていたら逃げ出したくもなる。
帰りの遅い夫のために晩ごはんを用意しているけれど、
夫は妻のつくったものは要らないと言い、
自分の母親から「煮付けつくったけど」と言われると、
「ちょっともらうよ」とニコニコ顔。マザコンかっ。
外に連れて行くさいには自分の好みの服を着るように妻に指定し、
周囲から妻のことを褒められても馬鹿扱い、
所在なさげな妻を放置するんですから。
男性陣から見れば、こんなのたいしたことないという意見もありそうですが、
立派なモラハラ亭主だと思います。
 
そんな夫より元カレのほうがいいかと言うと、
顔は断然間宮くんより妻夫木くんのほうが好み。
しかし正体不明すぎて妻夫木くんには走りきれない(笑)。
 
光ったのは、設計事務所の同僚・小鷹淳役の柄本佑
見た目も言動もチャラいのに、すごく温かい。
柄本佑はどんどん垢抜けて、昔とは見違えるようになりましたね。
あとは雪の中で立ち寄る食堂の女将を演じた片岡礼子がよかった。
 
女って大変。男も大変!?
でも、三島監督ご自身がおっしゃっているように、
これは恋愛の問題ではなく、選択の問題。

—–

『ミッドサマー』

『ミッドサマー』(原題:Midsommar)
監督:アリ・アスター
出演:フローレンス・ピュー,ジャック・レイナー,ウィル・ポールター,
   ウィリアム・ジャクソン・ハーパー,ヴィルヘルム・ブロムグレン,アーチー・マデクウィ他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、アメリカ/スウェーデン作品を。
 
原題の“Midsommar”は、夏至におこなわれるお祭りの意。
アリ・アスター監督は、長編デビュー作だった『ヘレディタリー/継承』(2019)が
ここ50年のホラー映画中の最高傑作と評価された凄い人。
直近50年どころか21世紀最高のホラーとも言われています。まだ2020年なのに(笑)。
 
そんな監督が、スウェーデンを舞台にしたホラーを撮ってほしいと請われ、
んなこと言われても思いつかんわと一旦は断ったものの、
降ってきたアイデアにおぉ!これだ!とやっぱり引き受けることにしたんだとか。
 
一人暮らしの女子大生ダニーは情緒不安定。
気分が落ち着かなくて、恋人のクリスチャンに何度も電話をかけてしまうから、
クリスチャンはかなり辟易、友人たちから別れろと言われている。
踏ん切りがつかずに電話に出ては優しくなだめていたが、
ある日、ダニーの妹が実家の両親と無理心中を図り、3人とも亡くなる。
 
家族全員を一度に亡くしたダニーはますます体調が悪くなる。
あまりの落ち込みようを見ていられないクリスチャンは、
男友達だけで行くはずだったスウェーデン旅行につい彼女を誘う。
 
誘ったところで来ないだろうと思っていたのに、ダニーは参加すると言う。
一同が向かったのはスウェーデンの田舎の村ホルガ。
クリスチャンの友人のうちのひとり、ペレの故郷らしい。
 
ホルガでは90年に一度開かれるという特別な夏至祭がおこなわれる予定で、
各地の夏至祭を研究のテーマにしているジョシュ、女にしか興味のないマーク、
そしてクリスチャンとダニーがペレの案内でホルガへ到着。
 
草原の続く奥地にその村はあり、開けた場所には太陽が降り注いでいる。
村人たちは一様に白い衣装に身を包み、笑顔を絶やさず親切。
やがて始まる神秘の祝祭を一同は体験することになるのだが……。
 
もうなんというのか、絶対変態ですよね。奇才か鬼才か知らんけど。
 
一見皆善人。でもなんだかおかしい。
全員が家族との認識で、年齢層ごとに眠る場所が決められている。
自然を崇拝し、自給自足の生活をしています。
こういう自然崇拝の信仰をペイガニズムというんだそうで。
 
ネタバレになりますが、一定の年齢以上は自ら死ぬのが当たり前で、
その命は生まれてくる赤ん坊に引き継がれるという考え方。
だから、死んだ人の名前を赤ん坊に付けるのです。
この自殺のシーンがえげつない。
高い崖から身を投げて、顔がぶっ潰れるのは見たくなかった。
万が一、飛び降りて死に損ねた場合は、でかい鉈だかなんかで息の根を止められる。
『ヘレディタリー』よりはグロ度低めですが、変態度は高い(笑)。
 
村の秘密を持って外に出ようとする「よそ者」は容赦なく殺され(具体的なシーンは無し)、
近親相姦になりがちなコミュニティに、新しい血を入れるべくよそ者を引き入れた村人は英雄です。
意図的な近親相姦で生まれた奇形児は神の啓示を皆に伝える役割を持っている。
どうです、めちゃくちゃ変でしょ。
 
変なんですけど、変だというだけには思えなかった。
かつては首狩り族を野蛮だと思っていた私ですが、
『セデック・バレの真実』(2013)を観て印象が変わりました。
自分たちの文化とだけ比較して、野蛮だとか変だと言ってはいけない。
本作のようなコミュニティがあるとしたら、私自身は理解できないけれど、
頭から否定してはいけないんじゃないかという気もします。
 
夜になっても暗くならない、
白夜の狂気には『フィンランド式残酷ショッピング・ツアー』(2012)を思い出したりもして、
観たら死ぬまで忘れられそうにない作品です。結構好きかも♪
でも人に薦めたら変態だと思われるので、よう薦めません。(^^;
今日から上映時間170分のディレクターズカット版も公開。こりゃ観に行っちゃうな。

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