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『ゴッドファーザー』

『ゴッドファーザー』(原題:The Godfather)
監督:フランシス・フォード・コッポラ
出演:マーロン・ブランド,アル・パチーノ,ジェームズ・カーン,ダイアン・キートン,
   ロバード・デュヴァル,リチャード・カステラーノ,リチャード・コンテ他
 
これも大阪ステーションシティシネマにて。
“午前十時の映画祭10+”で上映中。
 
製作されたのは前述の『スティング』の前年、1972年。
これもテレビではもちろん観たことがありますが、劇場では観ていないことに気づく。
1970年代の初めはまだ小学校に入るか入らないかでしたから、
当時家族で観に行ったことをはっきりと覚えている洋画はこれぐらい。
『ゴッドファーザー』を観てもたぶん集中できなかっただろうなぁ。
 
説明するまでもない、フランシス・フォード・コッポラの代表作。
アメリカに生きるイタリア系マフィアのファミリー。
その栄光と悲劇が描かれています。175分の長編ですが、飽きるところなし。
 
暗黒街のボス、ドン・コルレオーネを演じるのはマーロン・ブランド
彼の長男であるソニー役にはジェームズ・カーン
このソニーは女癖が悪くて喧嘩っ早い奴なんですが、妹思いの良き兄でもある。
そのせいで罠にはめられて殺されてしまうところは悲しい。
ソニーが死んでしまって、ボスを継ぐことになる次男、マイケル役がアル・パチーノ
大学出でぼんぼんの彼は、この世界とは違う世界で生きるはずだったのに。
最初はまさにぼんぼんの顔をしたパチーノが、
どんどんマフィアのボスの顔つきに変わってゆくところが凄い。
 
いいなぁと思ったのは、実の息子ではないけれどドンに育てられたトム。
弁護士になり、ドンの相談役となっている彼を演じるのはロバート・デュヴァル
若い頃からいい役者だったんですねぇ。
彼も含めて、本作の主たる俳優はまだ活躍中の人が多い。
 
3部作の1つめをこうしてスクリーンで観ることができたので、
2つめと3つめも観たいんですけど、また“午前十時の映画祭”でお願いできませんか。
 
どうでもいいことですが、若かりし頃のジェームズ・カーンって、
エドワード・バーンズに似ていると思う。

—–

『スティング』

『スティング』(原題:The Sting)
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
出演:ポール・ニューマン,ロバート・レッドフォード,ロバート・ショウ,チャールズ・ダーニング,
   アイリーン・ブレナン,レイ・ウォルストン,ディミトラ・アーリス,ダナ・エルカー他
 
待ち望んでいた関西の劇場の営業再開。
やっぱり再開後最初に行くのはミニシアターかなと思ったけれど、
観た作品がほとんどで、観たい作品もなんだか少ない。
ちょっと気を削がれた感があり、悩む。
 
そんな折、大阪ステーションシティシネマで
“午前十時の映画祭”がおこなわれていることに気づきました。
10年続いた“午前十時の映画祭”はこの3月で終わったはずが、
惜しむ声が多く、来年4月に復活が決まったそうな。
で、今は“午前十時の映画祭10+”をやっているらしい。
 
ラインナップを眺めると、一度は観たことがあるけれど、
劇場では観たことのない作品がいっぱい。
この機会に観ておくことにしました。
 
まずは本作。1973年のアメリカ作品です。
 
私が小学生だった頃、12月24日には必ず本作がテレビで放映されていました。
近所に住む友だちと、「今日また『スティング』やるね」と話した記憶が。
だから私にとってクリスマスイブに観る映画といえばこれなのですが、
改めて観てみると、クリスマスのシーンなんてひとつもありませんよね(笑)。
『素晴らしき哉、人生!』(1946)だったらわかるけど、なんでこれ?
でも楽しいなぁ、やっぱり好きだなぁ。
 
舞台は1936年のアメリカ。
シカゴの街で、詐欺師のフッカーと相棒ルーサーは、通りがかりの男から金を騙し取る。
盗んでみてびっくり、小銭だと思ったのにまさかの大金。
 
大喜びのフッカーはすぐさま賭け事に突っ込み、すってんてんに。
長年コンビを組んできたルーサーは、これを最後に詐欺をやめると言う。
今後のことを考えて真っ当な商売を始めるつもりらしく、
この程度の詐欺でいい気になるなとフッカーにも釘をさす。
 
翌日になり、フッカーとルーサーが騙し取った金は、
ニューヨークの裏社会を仕切るロネガンのもとへ届けられるものだったと判明。
フッカーはなんとか逃げたものの、ルーサーが殺されてしまう。
 
復讐を誓うフッカーは、伝説の詐欺師ゴンドルフを訪ねる。
今も昔も復讐に興味はないと言うゴンドルフだったが、
ロネガンの名前を聞くと気持ちを変える。
 
ロネガンの鼻を明かすため、大掛かりな詐欺を計画する彼らだったが……。
 
いまやシワシワのお爺さんになりましたが、カッコイイです、ロバート・レッドフォード
それより私が惹かれたのはポール・ニューマン
映画の公開当時は50ちょっと手前、シブイなぁ。
主な出演陣にレッドフォードを除いて存命中の人はほとんどいません。寂しい。
フッカー役を最初に打診されていたのはジャック・ニコルソンだそうですが、
これはもうイケメンのレッドフォードしか考えられない(笑)。
 
念入りに計画された壮大な詐欺に関わるおじさんたちの楽しそうなこと。
悪い奴がいっぱい喰わされる話は面白くてたまらない。
今の時代のようにケータイやネットがあったらこうは行かないっしょ。
だいたい、ロネガンがフッカーの顔を知らないこと自体、今ならありえない。(^^;
 
クリスマスイブにはまた観たいと思う。
こうして大きなスクリーンで観られたことに感謝。

—–

『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』

『ハント・フォー・ザ・ワイルダーピープル』(原題:Hunt for the Wilderpeople)
監督:タイカ・ワイティティ
出演:サム・ニール,ジュリアン・デニソン,リス・ダービー,
   リマ・テ・ウィアタ,レイチェル・ハウス他
 
Amazonプライムビデオ見放題作品の中で探すのもいいかげん飽きてきて、
有料作品を眺めていたら気になったのが本作。
199円払って観ることにしました。
 
2016年のニュージーランド作品。
めっちゃよかったです。
 
ツバ吐きや落書きなんて可愛いほう、
窃盗、放火、悪いことなら何でもやる問題児、13歳のリッキー。
孤児の彼は、児童福祉局の女性ポーラに付き添われ、
ニュージーランドの田舎で暮らすヘクターとベラ夫妻のもとへ。
夫妻が里親となり、この家に預けられることになったのだ。
 
最初は口もきこうとしないリッキーだったが、
大自然に囲まれ、おおらかで優しいベラに少しずつ心を開くように。
一方のヘクターはといえばいつも仏頂面で冷ややかな態度ながら、
誕生祝いに犬をプレゼントしてくれる。
生まれて初めて貰う誕生日プレゼントにリッキーは大喜び。
トゥパックと名づけて可愛がる。
 
そんなある日、ベラが突然倒れて亡くなる。
児童福祉局からの手紙によれば、ヘクターひとりでリッキーを育てることは不可能、
数日後にリッキーを施設へ戻すと言う。
 
この家に居たいとリッキーはヘクターに言い募るが、
仮にお互いがそう思っていたとしても規定で許されないらしい。
リッキーはベラの遺灰を携えてトゥパックと共に脱走を計画。
慣れないブッシュの中に足を踏み入れて道に迷う。
渋々探しに来たヘクターと脱走の旅を続けるのだが……。
 
リッキー役のジュリアン・デニソンは、お世辞にも可愛い子とは言えません。
何より相当のおデブなのに、生意気で悪態つくからますます可愛くない。
でも、ベラが用意した湯たんぽを大事そうに抱きしめるところや、
誕生日プレゼントに目をまん丸くして喜ぶ姿を見ると、なんだか憎めない。
サム・ニール演じるヘクターも、そんなリッキーだから放っておけない。
 
やがてヘクターとリッキーの何カ月もに渡る逃走劇が国中の評判となる。
ヘクターを変質者だとか誘拐犯だとして敵視する人もいるけれど、
見ればそうじゃないとわかるから、逃走に手を貸す人も出てきます。
 
ぎすぎすとした心が溶けて行きそうな佳作です。
なんだかんだで有料作品の中にこういういいやつが多いんだなぁ。
やっぱりお金払って観ることにするか。

—–

『湿地』

『湿地』(原題:Myrin)
監督:バルタザール・コルマウクル
出演:イングヴァール・E・シーグルソン,オーグスタ・エヴァ・アーレンドスドーティル,
   ビョルン・フリーヌル・ハラルドソン,アトゥリ・ラフン・シーグルスソン他
 
劇場の営業が再開されて嬉し涙ではあるのですが、
まだあるんです、劇場休業中に書き溜めた「Amazonプライムビデオで観られる映画」
せっかく書いたのにもったいないからUPしてしまおう。
 
2006年のアイスランド/デンマーク/ドイツ作品。
アイスランド出身のバルタザール・コルマウクル監督、やけに気になる人です。
アイスランド映画といえば変な映画という私のイメージを変えた人。
2006年にこんな作品を撮っていたのですねぇ。
初監督作だけあって、洗練された感じはありませんが、
このどんより暗くて重たい感じが私はやはり好みです。
 
先にひとこと言っておきたい。アイスランド人のこの名前の長さって何!?
ハリウッドへ進出する場合はみんな芸名を考えてくださいね。
絶対おぼえられんから。(^^;
 
原作は2013年の『このミス』で海外編のランキング第4位だったそうな。
映画化はそれより前だったわけで、日本未公開も当然。
2015年1月に“トーキョーノーザンライツフェスティバル 2015”にて上映されたとのこと。
 
ある日、身寄りのない独身男ホルベルクが殴殺されているのが見つかる。
刑事のエーレンデュルは、引き出しの裏側に隠し貼り付けられていた写真に注目。
それはウイドルという女性の名前が刻まれた墓碑の写真だった。
 
ウイドルの母親は故人のコルブルンという女性だが、
エーレンデュルはコルブルンの姉エリンが生存することを突き止め、訪ねる。
ところがエリンはホルベルクの名を聞くと激怒、警察を毛嫌いしている様子。
なぜそこまで警察を信用しないのかは地元警察の刑事ルーナルに聞けと言う。
 
すでに退職していたルーナルに事情を聴きに行ったエーレンデュル。
かつてホルベルクがコルブルンを強姦、しかしルーナルは事件にはせず、
逆にコルブルンを売春婦だと言いふらして貶めようとしたらしい。
 
ウイドルの父親こそがホルベルクではないのか。
そう考えたエーレンデュルは、ウイドルの墓を掘り起こして調べようとするが、
埋められていたウイドルの遺体には脳が欠けていて……。
 
とても悲しい物語です。
この殺人事件と並行して描かれるのは、幼い娘コーラを亡くした研究者オルンのこと。
神経線維腫症という難病で死んでしまったコーラ。
この病は遺伝性で、保因していても発症しないことが多々あるそうです。
保因していることを知らずに性行為をした結果、妊娠したらどうなるのか。
 
エーレンデュルが捜査する殺人事件と、
オルンの娘が亡くなった事件がどう結びつくのか。深い深い悲しみと無念。
 
話も時系列もプツプツと飛ぶので、わかりにくいことこのうえない。
この辺りがまだ監督若かったんだなぁと思わずにはいられません。
でも、将来面白い作品を撮りそうだと感じられることは確か。
 
もうひとつ、それはアイスランド人の名前に馴染みのないこちらの問題ですが、
登場人物の名前がややこしすぎる。主人公がエーレンデュル。
娘の名前はエヴァだからいいとして(奥さんかと思うほど見た目老けすぎ)、
同僚の名前はシグルデュルとエリンボルク。
悪党の名前がエットリデって、「エ」で始まる名前多すぎ。
おぼえられへんっちゅうねん。なんでこうして書けるかって?
そりゃ全部メモしたからに決まってる。劇場で観ていたらこうは行きませんでしたね(笑)。
 
めちゃくちゃ暗いから、人にはお薦めしません。
でもアイスランドのこの感じ、私はハマる。

—–

『オーバーボード』

『オーバーボード』(原題:Overboard)
監督:ロブ・グリーンバーグ
出演:エウヘニオ・デルベス,アンナ・ファリス,エヴァ・ロンゴリア,メル・ロドリゲス,
   ハンナ・ノードバーグ,アリヴィア・アリン・リンド,ジョン・ハナー他
 
関西の劇場の休業は解除されましたが、
公開延期になっている作品が多すぎて上映スケジュールが組めないのか、
緊急事態宣言発令前に私が観た作品ばっかり。
もう1回観たいほど好きな作品がそうそうあるわけじゃなし、
しばらくは劇場通いと自宅で鑑賞の併用になりそうです。
 
2018年のアメリカ作品。
日本では未公開、DVD化もされていませんが、
Amazonプライムビデオで配信されています。タダで〜す。
 
ゴールディ・ホーンカート・ラッセルが共演した『潮風のいたずら』(1987)の
「リイマジネーション版」なのですって。なんすか、それ(笑)。
リブート版とかリイマジネーション版とか。リメイク版でよろしいやん。
なお、『潮風のいたずら』とは恥ずかしくなるような邦題ですが、
そちらも原題は本作と同じく“Overboard”でした。
 
ケイトは3人の娘を育てるシングルマザー
看護師の資格取得を目指して勉強しながら、仕事を掛け持ち。
友人夫婦の経営する飲食店の配達員と、派遣の清掃員
 
ある日、清掃を担当することになったのは超豪華なヨット。
所有者は世界で第3位の金持ち企業の長男レオナルド。
毎日何人もの女性を連れ込んではドンチャン騒ぎしているらしく、
その後片付けをするために呼ばれたのだ。
 
レオナルドの横柄で嫌みな態度にキレたケイトが言い返すと、
怒ったレオナルドは、ケイトを掃除用具もろともヨットから突き落とす。
給料をもらえなかったばかりか、掃除用具の弁償もしなければならない。
おまけに、まだ幼い下の娘ふたりの子守を頼むつもりだった母親は、
70歳を過ぎて舞台女優デビューするとはりきって出て行ってしまい、
もうケイトはどうしてよいかわからない。
 
そんな折、ふと目にしたニュース。
あのレオナルドがどういうわけか記憶喪失で入院しているという。
心当たりのある人は連絡をほしいという内容。
 
なんとしてでも先日の給料はもらわねば気が済まない。
そこでケイトの親友テレサが思いついた案は、
レオナルドの妻のふりをして病院に引き取りに行き、
ケイトが勉強に集中できるように彼を働かせるというもので……。
 
ウィキペディアを見て大笑いしてしまったのですが、
本作は批評家に酷評されているそうです。
「必ずしも名作とは言えない映画をリメイクしている。
オリジナルの低い水準にすら達しないリメイクを観客に提供した」と、
『潮風のいたずら』からして酷いことを言われていてワラける。
 
でもこれはとても楽しい作品です。
 
エウヘニオ・デルベス演じるレオナルドは、最初は本当にイケすかない奴。
アンナ・ファリス演じるケイトが病院へ引き取りに行ったあとも、
すべての記憶は失っていても、金持ちの習慣は体に染みついている。
なんとなく自分が貧乏だったわけはないと思っているんですね。
 
ケイトの家に連れて行かれて、「僕は貧乏だったのか」と愕然。
愕然とするのはどうかと思うほど、可愛いおうちですけどね(笑)。
仕事なんてしたこともないのに、いきなり肉体労働。
現場の男たちから「なんだ、その女みたいな(美しい)手は」と笑われる。
まったく使い物にならなかったけれど、次第に働くのも楽しくなります。
 
ケイトから料理もするように言われても、自分で鍋を火にかけたことすらない。
それでも、もともと良いものを食べているから、
一旦料理の仕方を覚えると、ケイトより美味しいものを作るようになる。
ケイトが使っていた市販のトマトソースが不味すぎるからと、
スパイスを加えて変身させ、子どもたちがその美味しさにびっくり。
 
外での仕事と家事は任せられても、子どものことだけは任せられない。
だって本当は夫でもなんでもない、他人だから。
そう思っていたケイトですが、子どもたちも懐くんですねぇ。
 
ちょっぴり泣いて、大いに笑いました。
スーパーハッピーエンド。
 
批評家の言うことなど気にせずに観てほしい。
きっと明るい気持ちになれます。

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