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2回目の『ファーストキス 1ST KISS』

TOHOシネマズ伊丹にて、後述の作品の上映開始時刻が20:40で、それまでに観るものを物色。
『銀魂オンシアター2D 金魂篇』の続編だけは未見だからそれにすればよいところ、
私が観たいのは断然こっちだ。2回目だけど。
 
1回目は公開初日に観ました。
予告編が大好きだったから、予告編に使われていたBGMがどこにも流れないのは不満。
だけど、予告編とこの本編と併せて1本だと思えばこれでいいのかもしれません。
2回目は1回目よりさらに心に刺さりました。
 
「こんなに不仲だったのに夫が死なない人生にしようと思うのがわからない」という口コミもあります。
だけど、こんなに不仲だったからこそのことだと思うのです。
 
昔の上司で、長年別居中の奥さんのことをぼやいていた人がいました。
「あなたが結婚してくれなければ自殺すると言われたから結婚した。
今なら勝手に死ねばと思うけど、若い頃はそれで死なれたら気分悪いなと思った」とのこと。
ふとそれを思い出しました。
 
毎日仲良く上手くやっていた相手が死んだら、きっとそれはとても悲しい。
けれど、そうではなかった相手が死んだら。
言いたいことはいっぱいある。あの言い草、あの態度を思い出すと殴ってやりたくなる。
でもそれができない。なんか悔しいもの。
 
再会した若かりし頃の相手は、最悪の結婚生活が嘘に思えるほどカワイイ男性。
目をキラキラさせて好きなものについて語る彼。
それがどうしてあんなふうに変わってしまったのかと怒ったら、
彼はまだそうなっていない僕に怒るのは理不尽だと言ってシュンとする。確かにそうだ(笑)。
 
目の前にいるのが自分が結婚した相手で、しかも15年経ってオバサンになっている女性。
この人と結婚しなければ、自分は死なない人生を送れるかもしれない。
けれども、この人と結婚すれば、15年後のこの人と会える。僕は会いたいと言われたら。
 
松たか子は今もじゅうぶん可愛いけれど、オバサンらしくそれなりに肉もついているのが好感持てるし、
そんな松たか子に会いたいという松村北斗がかわいすぎて。
 
追い『ファーストキス』してしまいそうな感じになっています。

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『野生の島のロズ』〈字幕版〉

『野生の島のロズ』(原題:The Wild Robot)
監督:クリス・サンダース
出演:ルピタ・ニョンゴ,ペドロ・パスカル,キャサリン・オハラ,ビル・ナイ,キット・コナー,
   ステファニー・シュウ,マーク・ハミル,マット・ベリー,ヴィング・レイムス他
 
109シネマズ箕面にて。
 
予告編で流れるのは吹替版ばかりだったから、きっと字幕版を上映する劇場は少ないんだろうなと思っていました。
そうしたら、結構あるじゃあないか。
字幕版のIMAX版まで観るつもりはなかったけれど、時間的にいちばんよかったので、ついでのIMAX版鑑賞。
 
原作はアメリカ人作家ピーター・ブラウンの同名ベストセラー児童文学。
監督は“リロ&スティッチ”シリーズでスティッチの声を担当するクリス・サンダース。
この人はてっきりアニメの人かと思ったら、『野性の呼び声』(2020)の監督ですと。
 
人間をサポートするためにつくられた最新のアシストロボット“ロズ”は、輸送中に嵐に遭い、無人島へと漂着。
偶然にもスイッチが入って起動したものの、ロズがサポートすべき人間の姿はない。
およそ想定外の大自然という環境のなかでは組み込まれていたプログラムも無意味に近い。
 
ロズを見かけた野生動物たちからは怪物呼ばわりされ、どうすればよいかわからずにいたところ、
生まれたばかりの雁のひな鳥と対面。そのひな鳥がロズを親だと思い込んだものだからさぁ大変。
 
ロズはひな鳥にキラリと名づけ、彼をなんとか育てようと奮闘しはじめる。
すると、その様子を見た動物たちが興味を持ってロズに近づいてくる。
 
キラリを一人前の渡り鳥に育てよう。
そう考えたロズは、キツネのチャッカリやオポッサムのピンクシッポの力を借りながら、
すっかり野生のロボットとして自らも成長してゆき……。
 
ひな鳥の育て方など知る由もないロボットが、懸命に育児をする姿。
立派な渡り鳥になるまでの過程には胸を打たれますが、それ以上によかったのはロズと動物たちの関係性。
 
当然すんなり話が進むはずがなく、ロズを回収しにきた飛行船が森をぶっ潰す勢い。
連れて行かれそうになるロズを動物たちが一丸となって助けようとするんですもの、そりゃ泣く。
好きだなぁ、私って。みんなで応援するやつ(笑)。
 
ロズ役のルピタ・ニョンゴの声がとてもよかった。クビナガがビル・ナイの声なのは聞けばすぐわかる。
かつてルーク・スカイウォーカー役で一世風靡したマーク・ハミルがソーンの声を担当しています。
吹替版も観て綾瀬はるかの声と聞き比べるのは面白いかもしれませんね。

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『サラリーマン金太郎 【魁】編』

『サラリーマン金太郎 魁編』
監督:下山天
出演:鈴木伸之,城田優,石田ニコル,文音,影山優佳,竹島由夏,山口大地,草川拓弥,水谷果穂,
   市川知宏,勝矢,斉藤陽一郎,中田喜子,本田博太郎,尾美としのり,浅野温子,榎木孝明他
 
前編の『サラリーマン金太郎 【暁】編』を観て、後編も必ず観たいと思いました。
しかし平日の仕事帰りに観られるような時間帯に上映がなく、どうしたものか。
そうしたら、祝日になんばまで昼呑みに出かけた後に箕面萱野まで電車1本で戻れば観られることに気づく。
109シネマズ箕面にて、17時過ぎの回を鑑賞。
 
九州のとある温泉町に地熱発電所を建設するプロジェクトを任された矢島金太郎(鈴木伸之)。
しかし、現場を仕切る土木会社の社長・一ツ橋(勝矢)が、下請け料とは別に2億円を要求。
それを飲まないのであれば仕事はしないと工事のボイコット宣言。
怒りに駆られた金太郎は一ツ橋と殴り合いになり、元力士だという一ツ橋に腕の骨を折られるなど大怪我を負う。
 
意識を失った金太郎を介抱してくれたのは、温泉旅館の女将・関根フユ(中田喜子)とその孫である弥生(水谷果穂)。
世話になった恩返しをしたくて、金太郎はしばらく旅館を手伝うことに。
 
その一方で、一ツ橋の言い分がどういうことなのか調べてみると、
なんと前社長の大島源造(橋本じゅん)が工事費を横領して下請け業者に未払いだったことがわかる。
さっそく現社長の黒川優作(尾美としのり)と会長の大和守之助(榎木孝明)に報告し、
現場に出向いた黒川が一ツ橋に丁寧に謝罪、全額をすぐに振り込んだことで一ツ橋と金太郎の関係はめでたしめでたし。
 
ところが今度は地元住民から発電所建設反対の声が上がる。
彼らのリーダーとなっているのはやはり温泉旅館の若大将・徳永公平(草川拓弥)で、弥生の恋人だったのだが、
誰に吹き込まれたのか、発電所ができれば温泉街が衰退すると信じ込んでいて、賛成の立場の弥生とも不仲に。
 
この状況を大和と黒川に知らせたところ、それから数日後に発電所建設中止の連絡が届く。
政治的な思惑が絡む大きな力が働いていると感じた金太郎は、黒幕の存在を知って腹の虫がおさまらず。
会社に迷惑をかけるまいと辞表を提出したうえで、裏で糸を引く三田善吉(本田博太郎)のもとへ乗り込むのだが……。
 
単純に楽しめて気分よし。
三鈴ママ(石田ニコル)に半グレ集団のトップ・李秀麗(文音)、金太郎の下宿先である居酒屋の女将・栄子(竹島由夏)と、
タイプの違う美女がシリーズの常連に何人かいて、金太郎を取り合うのも可笑しい。
今回はさらに弥生役の水谷果穂も美人だから、同性が見ていても目の保養になって嬉しいもんです。
 
難しい話は何もなし。
ハッピーエンドが確約されているし、心配ゼロで観られますよね。
本田博太郎演じる三田の言葉には、本当にそんな、日本の未来を見据えた末の行為ですかと疑いたくなるけれど。
でも彼も金太郎の熱意にほだされたひとりということで。
 
映画ってこうでいいのかなと思ったりもします。

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『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』

『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』(原題:The Room Next Door)
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:ティルダ・スウィントン,ジュリアン・ムーア,ジョン・タートゥーロ,アレッサンドロ・ニヴォラ他
 
大阪ステーションシティシネマにて3本ハシゴの〆。
 
スペインの巨匠ペドロ・アルモドバル監督による、長編としては初の全編英語作品。
アルモドバル監督作品といえばスペイン語だと思い込んでいたので、英語が聞こえてくるのが不思議な感じ。
昔からアルモドバル作品に出演していたとしても違和感がない名女優ふたりです。
前者は同監督の短編の全編英語作品に出演していますから、違和感ないのも当たり前か。
 
第81回ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞を受賞しました。
 
人気作家のイングリット(ジュリアン・ムーア)は、自著のサイン会にやってきた旧友から、
かつて同じ雑誌社で働いていたマーサ(ティルダ・スウィントン)が入院中だと聞き、病院に駆けつける。
 
マーサはステージ3の子宮頸がんで、実験的な化学療法を承諾して治療を受ける身らしい。
10代で未婚のまま母親となった彼女は、父親のことを知りたがる一人娘のミシェルと折り合いが悪く、
母親がこんな状態になっても娘はいたって冷ややからしい。
 
イングリットにとってマーサは親友といえる存在だが、この再会まではずいぶん時間が空いた。
ふたりの空白の日々を埋めるかのように、イングリットは毎日病院に彼女を見舞う。
戦場ジャーナリストだったマーサはかつての現場に思いを馳せ、ふたりは来る日も来る日も話をする。
 
やがて安楽死を決意するマーサ。
死を迎える瞬間に隣の部屋に誰かにいてほしいという望みを打ち明け、イングリッドはそれを引き受けることにするのだが……。
 
いつもながらの美しい映像。音楽もぴったりです。
マーサが死に場所に選ぶのは森の中の一軒家。
安楽死を手伝ってほしいというわけではなくて、そのとき隣の部屋にいてほしい、それだけ。
正確にはイングリットがいるのは下の階の部屋なのですが、マーサは自分が死ぬときは扉を閉めておくからと言います。
毎朝起きて、おそるおそる階段を上がるイングリット。扉が閉まっていたらどうしようと思うから。
 
一度、マーサが開けるのを忘れていたことがあって、てっきり死んでしまったと思ったイングリッドが悲しみに沈むシーンがあります。
起きてきたマーサから「どうしたの」と聞かれたイングリットがえらく怒りだし、
「ごめんごめん、うっかりしてた。けど、生きていたから怒られるってどうよ」とマーサが言うのには笑ってしまいました。
 
人の死に立ち会うということ。
その重みを感じるけれど、これはマーサが望んだ理想的な死だったのだろう思うと軽やかにも思えます。
ただ、隣の部屋にいてほしいと頼まれた人が自分よりも前にいたと思うと私は微妙な気持ちになります。
えっ!?立ち会ってくれるなら誰でもよかったの!?と思わなくもない。
これは自分がその人にとって特別だったと思いたいという傲慢な気持ちなのですかね。

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『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』

『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』(原題:Dreamin’ Wild)
監督:ビル・ポーラッド
出演:ケイシー・アフレック,ノア・ジュープ,ゾーイ・デシャネル,ウォルトン・ゴギンズ,
   ジャック・ディラン・グレイザー,クリス・メッシーナ,ボー・ブリッジス他
 
大阪ステーションシティシネマにて3本ハシゴの2本目。
1本目の『ショウタイムセブン』で爆睡し、これもやばいかと思っていましたが、全然大丈夫でした。
ノーマークだったのにとても良かった。ということは、やっぱり面白ければ寝ないのか!?
 
実在の兄弟デュオ“ドニー&ジョー・エマーソン”を取り上げた音楽ドラマ。
弟のドニーをケイシー・アフレック、青年時代の彼をノア・ジュープ
兄のジョーをウォルトン・ゴギンズ、青年時代の彼をジャック・ディラン・グレイザーが演じています。
 
監督は『ラブ&マーシー 終わらないメロディー』(2015)のビル・ポーラッド。
この人は監督作は2本のみだけど、今は亡きヒース・レジャー主演の『ブロークバック・マウンテン』(2005)を皮切りに、
『それでも夜は明ける』(2013)や『怪物はささやく』(2016)など、話題になった多くの作品の製作に当たっているようです。
 
テレビもろくに映らないような田舎の農場で育ったエマーソン兄弟。
父親のトラクターに乗ればラジオから流れる音楽を一日中聴くうち、兄弟のうち弟のドニーは作曲を始める。
 
ドニーの才能は家族の誰もが認めざるをえないもの。
父親はこの芽をつぶさぬようにと金を工面して、農場の端っこに音楽スタジオを設ける。
兄のジョーがドラムを叩き、ほかの楽器とボーカルはすべてドニーが担当。
レコーディングすると1枚のアルバムを作り上げる。タイトルは“ドリーミン・ワイルド”。
しかしそのアルバムが世間の話題に上ることはなかった。
 
30年が経った今、ドニーは街で小さな音楽スタジオを経営しつつ、ドラマーの妻ナンシーとささやかなライブ活動を続けている。
愛しい娘と息子もいるが、経営状態は決してかんばしくなく、そろそろ廃業すべきかと考えている。
 
そんなとき、今も実家の農場近くでひとり暮らしのジョーから連絡が入る。
なんでも“ドリーミン・ワイルド”がバズっているらしく、エマーソン兄弟を探していた音楽プロデューサー、マットが訪ねてくると。
信じられない話だと思いながらも実家に出向くと、レコードコレクターが“ドリーミン・ワイルド”を聴いて度肝を抜かれ、
そこから皆が知るところとなったこのアルバムを有名なミュージシャンも聴いてベタ褒めしていると言う。
 
アルバムを再発してツアーまでおこなう話が持ち上がり、ジョーも家族も大喜びするが、
ドニーだけは複雑な思いを消せずに戸惑い……。
 
10代のとき、音楽に人生を懸けると誓い、自信を持ってアルバムを世に出したのに、家族以外は誰も見向きもしなかった。
自分のせいで父親は土地の大半を手放して金を作ってくれたけれど、報いることはできず。
30年も経ってから認められても、ドニーはどうしてよいかわかりません。
しかも、今の自分の相方は妻のナンシー。彼女ではなく、彼女より演奏が下手なジョーと一緒に舞台に上がるのも複雑な気分。
 
しかし彼の家族はどこまでも優しい。両親とジョーと妹たち。それにナンシーたち今の家族も。
一攫千金を狙ってドニーの味方をしているわけではなくて、とにかくドニーの才能を信じています。
たいした才能もない息子を信じる親バカという場合もありましょうが、この親はそうじゃない。
大きな愛で息子を見守り続ける父親を演じるボー・ブリッジスが凄くイイ。
ナンシー役のゾーイ・デシャネルも「私のほうが」なんてところは微塵もなくて、兄弟の仲をきちんと取り持ちます。
 
後ろめたさを感じるたび、過去の自分と向き合うドニー。
音楽から離れることなく続けていたからこその今かと思います。
 
作品中にもカメオ出演していた本物のドニーとジョーが演奏する姿がエンディングで観られます。
客席でそれを幸せそうに見守る両親の姿も。

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