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『ライド・ライク・ア・ガール』

『ライド・ライク・ア・ガール』(原題:Ride Like A Girl)
監督:レイチェル・グリフィス
出演:テリーサ・パーマー,サム・ニール,サリヴァン・ステイプルトン,
   スティーヴィー・ペイン,ジェネヴィーヴ・モリス,マグダ・ズバンスキー他
 
大阪ステーションシティシネマにて。
 
これも実話が基。この手の話は鉄板、普通に誰にでもオススメできます。
女優のレイチェル・グリフィスの初監督作品とのこと。
 
ミシェル・ペインは10人きょうだいの末娘。
競馬一家に生まれ、母親はミシェルが幼い頃に亡くなったから、
父親パディが男手ひとつで子どもたちを育ててきた。
パディの指導のもと、兄姉ほぼ全員が騎手となっている。
 
ミシェルも早く騎手になりたくてたまらないが、
あるとき、姉のブリジットが落馬して死亡。
その日以来、パディはミシェルが騎手になることを阻もうとする。
 
家を飛び出したミシェルは自力で出場機会をもぎ取る。
勝利を収めたときには嬉しくて実家に電話をするが、
パディの態度は頑なで話もしてくれない。
 
そんな折、またしても男性を押しのけて1等になったミシェルが
ゴール直後に馬から投げ出され、頭蓋骨を折る。
脳に傷を負い、再起は不能と思われていたが……。
 
競馬好きの方ならご存知なのでしょう、
オーストラリアでもっとも栄誉あるレース“メルボルン・カップ”。
そのレース史上、女性で初めて勝利した騎手がミシェルです。
 
競馬の世界は男社会。女性が騎手になるのは大変なこと。
体力がないから無理だなんて言われても、勝つのに必要なのは体力だけじゃないと言い切ります。
コースを読む力、馬と心を通わせる力。そして、彼女の勢い。
 
兄姉のうち、ダウン症の兄スティーヴィーを本人が演じています。
彼の馬と心を通わせる力がまたすごくて、調教師として優れた人であるよう。
スクリーンでご覧ください。

—–

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』(原題:Grace a Dieu)
監督:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー,ドゥニ・メノーシェ,スワン・アルロー,エリック・カラヴァカ,
   フランソワ・マルトゥーレ,ベルナール・ヴェルレー,ジョジアーヌ・バラスコ他
 
 
フランソワ・オゾン監督がこんな作品を撮るとは、まったくの予想外でした。
何が予想外だったと言えばいいでしょう。
説明しにくいけれど、なんとなく実話を基にした作品なんて撮りそうじゃなくて。
 
聖職者による少年たちへの性的虐待が各国で起きていると思うと愕然。
『スポットライト 世紀のスクープ』(2015)と同じ事件かと思っていたら、
これはこれでまた別の国での話なのですね。おぞましい。
こちらはフランス全土を震撼させた“プレナ神父事件”を基にしています。
 
フランス・リヨンに暮らす銀行家アレクサンドル。
妻と5人の子どもたちに囲まれて、幸せな日々を送っているが、
どうしても放ってはおけないことを目にしてしまう。
 
それは、彼の幼少期、性的虐待を繰り返しおこなっていた神父ブレナが、
今も子どもたちに聖書を教えているということ。
おそらく現在も同様のことをブレナはしているだろう。
これ以上、被害者を増やしてはいけないと、告発を決意するのだが……。
 
非常に淡々としています。
大きく分けて、被害者として登場するのは3名。
アレクサンドルの告発によって捜査が開始されます。
思い出したくもなかった過去を封印していたけれど、
その気持ちを翻して被害者の会を発足せたフランソワ。
会の存在を知り、連絡を取るエマニュエル。
 
驚くべきは、ブレナが自分の性癖を病気だと当初から認めており、
自ら枢機卿をはじめとする教会関係者に申告していたこと。
なのにブレナをそのまま聖職に就かせていたのですから。
その教区で問題になれば、ほかの教区へ彼を異動させるだけ。
 
フランス人の家庭にも驚きました。
アレクサンドルは幼少期に自分が神父から性的虐待を受けたこと、
それを告発しようとしていることなどを家族全員に話します。
また、フランソワも妻に相談し、立ち上がる決意を固めます。
顔を出して取材を受けることにも積極的で、
こんなことしたら子どもたちがいじめられたりしないのかとちょっと心配に。
何も悪いことはしていないのだから、いじめられると考える私があかんのか。
 
事情聴取のシーンも赤裸々。
そんなに事細かに全部記録されるのかとびっくり。
 
オゾン監督らしい作品とは思えませんが、らしくないから逆にわかりやすかった。
映画の出来としてはどうなのかわからないけれど、
こういう事実があったことを知り得ます。
 
父親らしき人と息子とおぼしき高校生ぐらいの子ふたりの三人連れで
観に来ている人を見かけました。もしかして聖職者なのでしょうか。

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『パブリック 図書館の奇跡』

『パブリック 図書館の奇跡』(原題:The Public)
監督:エミリオ・エステヴェス
出演:エミリオ・エステヴェス,アレック・ボールドウィン,ジェナ・マローン,テイラー・シリング,
   クリスチャン・スレイター,チェ・“ライムフェスト”・スミス,ジェイコブ・バルガス他
 
なんばパークスシネマ地獄にハマってハシゴの2本目。
 
監督・脚本・製作・主演、すべてエミリオ・エステヴェス
私は「本は買う派」なので、図書館には高校時代にかよったのを最後に、
仕事で利用する以外はほとんど縁がありません。
でも本が大好きだから、タイトルに「図書館」とある映画はスルーできない。
 
オハイオ州シンシナティ公共図書館には、本を借りに来る市民のほか、
着替えや洗面等、身支度を整えるためにホームレスもやって来る。
図書館員スチュアートはそんな彼らとも顔見知りで、融通を利かせること多数。
 
しかしある日、館長から呼び出され、自分が訴えられていると知る。
あるホームレスが、スチュアートに追い出されたと言うのだ。
市長選に出馬予定の検察官ジョシュが関わっており、
この件を上手く利用して市民の人気を得ようとしているのがありあり。
 
真面目に働いてきた自分がなぜ訴えられなければならないのか。
解雇されるかもしれず、悶々とするスチュアート。
 
そんな折、シンシナティに寒波が襲来。ひと晩外にいれば間違いなく凍死する。
市のシェルターは満杯で、行き場を失ったホームレスが図書館に押し寄せる。
およそ70人のホームレスたちは閉館時間になっても退出しようとせず、
今晩くらいは図書館に泊めてくれと3階フロアを占拠するのだが……。
 
平和に話が進んでいた序盤、ちょっと寝ました(笑)。
騒動が始まるところからはしっかり目が覚め、二度と睡魔には襲われず。
 
開館を待つホームレスが列をなす状態に驚いたのですが、
日本の図書館でもこういうことがあるのでしょうか。
 
ホームレスたちはトイレに直行して、歯を磨いたり体を拭いたり。
でもそれだけじゃなくて、彼らは読書が大好きなんです。
やたら博識な人もいたりして、見た目だけで人を判断しちゃいけないとしみじみ思う。
 
彼らはたったひと晩、寒さを凌ぎたいだけ。
穏やかなデモのはずなのに、どうしても悲劇に仕立てあげたいアホなキャスターが、
スチュアートが読み上げる『怒りの葡萄』の一節をまったく知らず、
アホ丸出しの表情をしていたとき、スチュアートの同僚マイラのツッコミが傑作でした。
 
図書館にお勤めの方は本作を観て誇りに思うはず。

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『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』

『ブリット=マリーの幸せなひとりだち』(原題:Britt-Marie Var Har)
監督:ツヴァ・ノヴォトニー
出演:ペルニラ・アウグスト,アンデシュ・モッスリング,ペーター・ハーバー,
   マーリン・レヴァノン,ランスロット・ヌベ,ヴェラ・ヴィタリ他
 
この日は武庫之荘で晩ごはんの予定。
西宮で映画をハシゴしてから向かうのが動線的にいちばん良いのに、
次週からの終業後にも近所で観られそうな作品しか上映していない。
致し方なくなんばパークスシネマへ。このパターンって前々週と同じ
 
この劇場では、売店を利用するときにもメンバーズカードを提示します。
すると自動的に映画鑑賞チケットが貰える抽選にエントリーすることになる。
たまにフィッシュ&チップスのセットを購入するのですが、
3回に1回ぐらい当選している気がする。言い過ぎかなぁ。
今回も前々週に行ったときに当たったチケットで無料鑑賞しました。
これがなんばパークスシネマ地獄というものよ(笑)。
 
原作はフレドリック・バックマンの『ブリット=マリーはここにいた』、
スウェーデンのベストセラー作品。それを本国で映画化。
主演のペルニラ・アウグストは国民的女優なのだそうです。
監督は女優でもあるツヴァ・ノヴォトニー。美人!
『ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男』(2017)ではボルグの婚約者を演じていました。
美人で、女優で、みずから映画まで撮って、天は二物を与えるもんだ
 
ブリット=マリー、63歳。
ところがある日、夫ケントが心臓発作を起こしたとの連絡を受け、
慌てて病院へ駆けつけると、ケントの傍には見知らぬ女性が寄り添っている。
仕事で忙しいのだとばかり思っていたが、長らく欺かれていたわけだ。
 
わずかなへそくりと小さなスーツケースを手に家を出るブリット=マリー。
職を求めるが、この年齢だし、外で働いた経験は40年前を最後になし。
サッカーに詳しいのならひとつだけ職があると聞き、すぐさま飛びつく。
 
ありついた仕事はボリという田舎町のユースセンターの管理人で、
地元のユースサッカーチームのコーチも兼ねている。
サッカーに詳しいなんて実は大嘘で、サッカー狂の夫に辟易していただけ。
しかも子どものいない彼女は、子どもたちにどう接すればいいのかわからず……。
 
サッカーをまったく知らないオバハンがサッカーチームのコーチになって、
一度も勝ったことのないチームが勝利する話だったら嫌だなぁと思っていました。
それはサッカーをナメてますよね。
 
でもそうじゃなかった。
とりあえずブリット=マリーはサッカー教本を片手に学びはじめ、
集まれば球の蹴り合いだけをしていた子どもたちに、
幾分かは練習らしい練習をさせるようになります。
もちろんズブの素人の彼女が教えたところで、子どもたちは上達なんかしないけど、
少しずつブリット=マリーの頑張りを認めるようになります。
 
「夫は私に想像力がないと言うの。でもそれは違う。私にだって想像力はある。
だって、想像力がなければ、夫の浮気に気づいていないふりなんてできないもの」
とブリット=マリーがつぶやくシーンが心に残りました。
長らく欺いておいて、妻に出て行かれると慌て、連れ戻しに来る夫。
「君がいないと家の中がめちゃくちゃだ」、聞いて呆れる。
妻は家の中を綺麗にするために居るものじゃありませんから。
 
良いお話です。これも男性が聞くと耳が痛いか(笑)。

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『WAVES/ウェイブス』

『WAVES/ウェイブス』(原題:Waves)
監督:トレイ・エドワード・シュルツ
出演:ケルヴィン・ハリソン・Jr.,ルーカス・ヘッジズ,テイラー・ラッセル,アレクサ・デミー,
   レネー・エリス・ゴールズベリー,スターリング・K・ブラウン他
 
イオンシネマ茨木にて。
 
批評から絶賛されたホラー映画『イット・カムズ・アット・ナイト』(2017)の
トレイ・エドワード・シュルツ監督が撮った青春映画。
なぜか『イット・カムズ・アット・ナイト』には興味が湧かずにスルー。
ホラーだったら何でも観たくなるというわけでもなくて、
私の好奇心を掻き立てる要素が何なのかは自分でもわかりません。謎。
 
結構長めの135分。
前半はある兄妹の兄が主人公、後半は妹が主人公です。
 
アフリカ系アメリカ人の兄タイラーと妹エミリーは現在高校生。
フロリダのまばゆい光のもと、裕福な家庭で何不自由ない暮らし。
タイラーは成績優秀、レスリング部のエースで、美しい恋人アレクシスとの仲も順調。
厳格すぎる父親に反発心はあるものの、それを言っては罰が当たるほどの恵まれた毎日。
 
ところが、肩に違和感をおぼえたタイラーが病院で診察を受けたところ、
一刻も早く手術を受けなければ危ないほど具合が悪いと知らされる。
そんなことを父親に打ち明けられるはずもなく、無理をして試合に出場。
結果、大事に至り、タイラーは自暴自棄になる。
 
こんなタイラーがとんでもない事件を起こし、
後半はその事件の加害者家族となってしまったエミリーに焦点を当てます。
 
兄が加害者となったせいで、エミリーには誰も近寄りません。
それだけではなく、SNSをすれば酷いメッセージが送られてくるから、
何もかもやめて、あきらめたような毎日を送っているエミリー。
そんな彼女に、タイラーの妹であることを承知のうえで声をかけるのがルーク。
 
「青春の苦悩と家族の再生を、全編を彩る豪華アーティストの名曲の数々をバックに
スタイリッシュに描き出す」となっていて、確かにスタイリッシュ。
しかし私は全然知らない曲ばかりで、ただ「オシャレやなぁ」としか思えない。(^^;
 
お涙頂戴になっても不思議ではない展開なのですが、そうはならないのがエライとこ。
タイラーやエミリーの心情をしつこく説明するようなシーンはなく、
表情を見ていれば、彼らの焦り、苦悩が伝わってきます。
 
若い子向きかもしれません。
ところで、これも私、“おひとりさま”だったんですけれど。
7月は3度目のスクリーン独占状態

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