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『窮鼠はチーズの夢を見る』

『窮鼠はチーズの夢を見る』
監督:行定勲
出演:大倉忠義,成田凌,吉田志織,さとうほなみ,咲妃みゆ,小原徳子他
 
先週末の公開時は客が押し寄せたようで、土日共によく混んでいました。
いったいみんな誰目当てなの?大倉くん成田くん?などと思いながらスルー。
週が明けてから仕事帰りに109シネマズ箕面にて。客は私を含めて3人。
 
そういえば同監督の『劇場』がコロナの間にAmazonプライムビデオで配信開始されたのに、
劇場で映画を観るのに忙しくて、家で観る時間がありません(泣)。
 
サラリーマンの大伴恭一(大倉忠義)の前に大学時代の後輩・今ヶ瀬渉(成田凌)が現れる。
興信所に勤める渉は、恭一の浮気調査を請け負って調べているのだと言う。
真っ黒の事実を恭一の妻・知佳子(咲妃みゆ)には報告しない代わりに、
渉は7年前からずっと好きだったと恭一に打ち明けてキスを求める。
 
約束どおり、渉は知佳子に浮気の事実なしと偽報告したようだが、
実は知佳子こそが不倫をしていて、別れやすくなるように恭一の身辺を調べただけ。
まさか知佳子から別れてほしいと言われるとは思わず、呆然とする恭一。
 
転居した恭一のもとへ転がり込んできた渉。
自分はゲイではないと頑なに渉を拒んできた恭一だったが、
いつしか自身もよくわからない感情が芽生え、
恭一にとって渉は特別な存在となってゆく。
 
一方、勤務先には恭一を慕う部下・たまき(吉田志織)がいる。
また、浮気相手の瑠璃子(小原徳子)との関係もなかなか切れず。
そんなとき、大学時代のサークル仲間・夏生(さとうほなみ)と再会して……。
 
行定監督の作品は売れる。
人気の原作で、人気のキャスト、人気の音楽だから、売れないわけがない。
でも私は泣けない(笑)。
そもそも恭一の魅力がわからんのです。こんな勝手な男がなぜモテる。
まぁ、顔がタイプじゃないからなぁ(笑)。
 
本作の見どころは、やはり主演ふたりの絡みのシーンでしょう。
R15+作品で、そりゃまぁそうやわな、小中学生は観たらあかん。(^^;
男も女も脱いでます。かなり濃厚。
 
あまり心打たれるところも私にはなかったけれど、
唯一、渉が恭一から誕生日プレゼントにもらったワインを
ものすごく大事そうに抱きしめる成田凌の表情はよかった。
切なさに胸をキューッと絞られるような顔をしています。
恭一から「変態」とあきれられながらも恭一の部屋着を着たがるところとか、
おおっ、これはわかるわかるなんて思いました。
 
このふたりが上手く行ってほしいと思う半面、
恭一を想うのはツライでしょと思ったりも。

—–

『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』

『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』(原題:Hors Normes)
監督:エリック・トレダノ,オリヴィエ・ナカシュ
出演:ヴァンサン・カッセル,レダ・カテブ,エレーヌ・ヴァンサン,ブライアン・ミヤルンダマ,
   バンジャマン・ルシュール,マルコ・ロカテッリ,アルバン・イヴァノフ他

              
梅田で3本ハシゴの3本目。
2本目の『喜劇 愛妻物語』と同じく大阪ステーションシティシネマにて。
 
実話に基づくフランス作品です。原題の“Hors Normes”は「規格外」の意。
この副題はまったく好きじゃないけれど、
これぐらいの副題を付けておかなければ人の興味は引けないとも思います。
偽善臭を感じなくもない副題ですが、内容は偽善に走ったものではありません。
 
自閉症の子どもたちをケアする2つの団体。
彼らに住居を提供し、就職可能であれば仕事先も探すのが“La Voix des Justes(=正義の声)”。
その“正義の声”へ支援員の若者たちを派遣するのが“L’Escale(=寄港)”。
“正義の声”をブリュノが、“寄港”をマリクが運営している。
 
“正義の声”の入居希望者は増える一方だが、15年間無認可のままで赤字経営。
ただでさえ大変だというのに、厚生局の監査が入ることに。
「何とかする」というのが口癖のブリュノも危機に直面するのだが……。
 
24時間ケータイを手放すことなく、自閉症児のケアを続けるブリュノ。
どんな重度の症状を持つ子どもであれ、ブリュノは決して断りません。
一方のマリクは、いわゆる不良を社会復帰させるために“寄港”を運営し、
そこらでたむろしていた若者たちを支援者に育て上げています。
サボリなんて当たり前、言葉遣いも知らない若者を叱咤激励。
気にかけられているのがわかるから、彼らもそれに報いようとします。
 
自閉症の症状の重さはさまざまで、自傷行為を止められない少年ヴァランタンや、
電車の非常ベルを見ると押したい衝動に駆られてしまう青年ジョゼフなどなど。
ジョゼフが非常ベルを鳴らすたびに呼び出されて迎えに行くブリュノが、
駅員や警官に詫びた後に「ちなみにどこで押しましたか」と尋ねるのが可笑しい。
ジョゼフがどこまで我慢できたかをさりげなく確認しているんですねぇ。
 
この施設が閉鎖されたらどうなるのか。
重度の子どもほど薬漬けにされ、部屋の中に閉じ込められるという現実。
支援員の資格の有無をお役人は問うけれど、
資格がありさえすれば子どもを殴ってもよいのか。そんなの変。
 
絶世の豊満美女(笑)、モニカ・ベルッチの元旦那ヴァンサン・カッセルがブリュノ役。
昔は色男役ばかりだったのに、こんな役が似合うとは不思議。
マリク役のレダ・カテブと共に、実に良い。
 
見ないふりをしないで、せめて一緒に考えられたら。
ぜひご覧いただきたい作品です。

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『喜劇 愛妻物語』

『喜劇 愛妻物語』
監督:足立紳
出演:濱田岳,水川あさみ,新津ちせ,大久保佳代子,坂田聡,宇野祥平,
   河合優実,黒田大輔,冨手麻妙,夏帆,ふせえり,光石研他

 
梅田ブルク7から大阪ステーションシティへ移動して。
 
『百円の恋』(2014)、大大大好きな作品でした。
安藤サクラがよかったのはもちろんのことですが、
新井浩文もめちゃくちゃよかったから、事件のことが残念で仕方ありません。
という話はさておき、その『百円の恋』の脚本家・足立紳の自伝的小説をご自身が映画化。
 
小説のタイトルは『それでも俺は、妻としたい』のようです。
足立監督の役を濱田岳が演じるという。
風貌は似ているのだろうかと検索してみたら、私は足立監督のほうがアリやな。
本作の濱田岳は相当キモいです。すみません。(^^;
 
結婚して10年の夫婦・豪太(濱田岳)とチカ(水川あさみ)。
脚本家として鳴かず飛ばずの豪太の年収はたった50万円。
5歳の娘・アキ(新津ちせ)を抱え、生活費はチカのパート頼み。
豪太が口を開けばチカに怒鳴られ、セックスさせてもらない。
かといって愛人を囲う金も風俗に行く金もなく、悶々とする毎日。
 
ある日、四国を舞台にした映画の話が持ち上がり、
うどん打ち名人のアイドルの取材依頼が舞い込む。
依頼と言っても予算はなく、自腹で行けというもの。
しかし上手く行けばその映画の脚本を豪太が書くことになるかもしれない。
 
車の免許を持っていない豪太は、ひとりで行っても現地を回れない。
おそるおそるチカに声をかけ、取材がてら家族旅行しようと言ってみるのだが……。
 
水川あさみの毒舌ぶりがサイコーです。
劇場内では結構笑いが起きていましたが、すべて水川あさみのキレっぷりに対して。
まだまだ新婚さんなのに、こんな役を演じて大丈夫なのかと心配になるほど(笑)。
 
いつのまにか売れっ子になってちょっとエラそうな脚本家に宇野祥平
挙動不審の豪太を交番へひっぱる警官に黒田大輔
白目を剥いてうどんを打つアイドルに冨手麻妙、その両親役に光石研ふせえり
なかなか楽しいキャストです。
 
脚本家ゆえ、映画の話もちょこっと出てきますから、映画好きの人はより楽しいかも。
「女なのにペキンパーが好きって珍しい」とか。サム・ペキンパーのことです。
ようやくさせてもらえることになった豪太が、
「今夜はデル・トロになるよ。佐藤浩市のほうがいいかな」とか。
この場合のデル・トロは、ギレルモ・デル・トロではなくて
おそらくベニチオ・デル・トロのほうだろうと思うのですが、
ベニチオ・デル・トロになってもええのんか。笑いました。
 
何か考えさせられる深い作品というわけではありませぬ。
ただ「したいんだ!」という豪太の執念を見て笑うだけ。
よく耐えたなぁ、なんだかんだでいい奥さんだなぁと思う人が圧倒的に多いでしょう。
 
PG12作品ですが、お子様を連れて行ってはいけません(笑)。

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『チィファの手紙』

『チィファの手紙』(原題:你好、之華)
監督:岩井俊二
出演:ジョウ・シュン,チン・ハオ,ドゥー・ジアン,チャン・ツィフォン,
   ダン・アンシー,タン・ジュオ,フー・ゴー他
 
これも最新作で、先週末に公開になったばかり。
梅田で3本ハシゴの1本目は、どうしても観たかった本作を梅田ブルク7にて。
 
コロナ騒動のせいで遠い昔に観たような気持ちになっていますが、
岩井俊二監督の『ラストレター』を観たのは今年に入ってからのこと。
その『ラストレター』のリメイクではなく、
『ラストレター』より前の2018年に岩井監督が中国で撮った作品です。
 
岩井監督って、日本のみならずというのか、
むしろ日本よりも中国や韓国で絶大な人気を誇っている様子。
原作はもちろんのこと、脚本、編集、音楽、すべて岩井監督。
私も大好きな香港映画を多く撮っているピーター・チャン監督が
プロデューサーを務めています。
 
あらすじは日本版とほぼ同じですが、
若干日本版のほうがわかりやすく作られているかもしれません。
 
松たか子が演じていた裕里役に当たるのが、
ジョウ・シュン演じるチィファ。
これを漢字で書くと「之華」、原題に入っている名前です。
 
チィファの姉チィナンは、娘と息子を遺して自ら命を絶ちます。
鬱病を患ってのことでしたが、世間体を考えて表向きは病死としている。
実家に身を寄せて長く闘病生活を送っていたからか、
家族はそれなりに死を覚悟できていたようで、
葬儀は密やかではあるものの穏やかに執りおこなわれます。
 
チィナンの娘ムームーとチィファの娘サーランは同い年。
母親を亡くした従姉を気遣うサーランは、
冬休みの間、祖父母の家に留まってムームーと過ごすと言います。
それならばとムームーの弟チェンチェンはかしましいサーランを避け、
チィファの家で過ごさせてほしいと言い出し、子どもチェンジ。
 
このいとこ関係が日本版と中国版では大きく違うところ。
覚悟できていたとはいえ、母親を亡くしたばかりの息子が、
叔母夫婦の家に居候して明るく過ごすことに違和感がありました。
ところがやはりそうではないことが終盤でわかる。
悲しくて寂しくて仕方なかったチェンチェンの痛みが伝わってきます。
 
チィファの初恋の相手で、だけど相手はチィナンのことが好きだった。
その彼を福山雅治が演じていたわけですが、
中国版のチン・ハオより福山くんのほうがだいぶカッコイイ(笑)。
チィナンのろくでなしの元夫を演じたフー・ゴーよりも
トヨエツのほうがチンピラっぽくてよかったし。これは贔屓目か!?
 
日本版では夏休みの話でしたが、中国版では冬休みの話。
これはどっちもどっちの良さがあり。
 
見比べて観るのが楽しいと思います。
手紙ってやっぱりいいものだと思うのでした。
 
昨晩、芦名星の自殺を知ってショックを受けました。好きだったのに。
チィナンの元夫の台詞に「俺のせいで死んだということは、
俺はあいつの人生に影響を与えたということ。
それにひきかえおまえはどうなんだ」というものがあったのを思い出します。
人を死にたくさせてしまうような影響なら要らない。

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『映画 クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』

『映画 クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者』
監督:京極尚彦
声の出演:小林由美子,ならはしみき,森川智之,こおろぎさとみ,神谷浩史,りんごちゃん,
     山田裕貴,きゃりーぱみゅぱみゅ,冨永みーな,伊藤静,黒沢ともよ他
 
TOHOシネマズ梅田にて。
どんな振り幅広いハシゴやねんっちゅう感じですが、『ミッドウェイ』と続けて鑑賞。
 
世間的には“ドラえもん”のほうが人気があるのかもしれませんが、
“ドラえもん”を観るとどこかしらで必ず睡魔に襲われる私。
なぜか“クレしん”は大丈夫なんですよねぇ。劇場版第28弾なのだそうです。
 
子どもの落書きをエネルギーに変えて空に浮かぶ王国“ラクガキングダム”。
しかし、地上には落書きが少なくなり、王国は崩壊の危機を迎えている。
これ以上王国を衰退させてはならぬと、防衛大臣はある作戦を決行する。
 
ある作戦とは、地球に上陸して人々に無理やり落書きさせるウキウキカキカキ作戦。
上陸地点はほかならぬ春日部市。
王国軍は次々と市民を拉致、落書きを強要する。
拒否した大人は速攻で落書きにされ、
抵抗しなかった子どもたちは休みなく落書きをさせられる。
 
そんなことになっているとは知らないしんのすけのもとへ、
防衛大臣のやり方に反対する宮廷画家がやってくる。
しんのすけこそ勇者で、王国を助けてほしいと言うのだが……。
 
王国にはミラクルクレヨンなるものがあり、
真の勇者しかこのクレヨンで絵を描くことができません。
しんのすけがクレヨンを持てばアラ不思議、
描かれたものがスケッチブックの中から飛び出し、
桃太郎の家来さながらにしんのすけと行動を共にします。
 
しんのすけに助けてもらったくせに、
しんのすけがクレヨンを使い切ったことを責める大人たち。
王国のお姫様が皆に落書きしてほしいと懇願しても、
大人たちはすたこらさっさと春日部から逃げ出そうとします。
 
見習うべきは打算のまったくないしんのすけの姿。
まさかびろんびろんにゴムの伸びた2日目の「おパンツ」に泣かされるとは(笑)。
 
やっぱり観るのをやめられないクレしんなのでした。

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