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『いただきます ここは、発酵の楽園』

『いただきます ここは、発酵の楽園』
監督:オオタヴィン
ナレーション:小雪
 
ごぶさたしていた十三のシアターセブンで1本だけ。
 
「健康なお腹と畑は微生物でつながっていました」というキャッチフレーズ。
就活や婚活ならぬ「腸活」について考えるドキュメンタリーです。
 
健康な土は微生物がつくる。
里山保育をおこなう保育園の園長先生や、「菌ちゃん先生」こと菊地良一さんら、
発酵の楽園について語ってくれるのは、有機農業のエキスパートの皆さん。
 
自分たちの手で耕した土に種を植えて育て、それを自分たちで調理して食べる。
こんな小さな子どもたちなら甘いお菓子を食べたがって当然だと思えるのに、
ニンジンやキュウリをかじる子どもたちの顔のなんと幸せそうなこと。
菊地さんの指導で、残飯から肥料をつくるときに聞こえてくる、
「めっちゃ楽しい」という男の子の声に笑いました。
 
田植え、稲刈りももちろんします。
炊きあがった米に驚嘆の声が上がり、みんながお釜をかき混ぜたがる。
取り合いせずに、「じゃあみんな片手だけ出して混ぜよう」。
自分たちで作物を育てると、こんないい子に育つのか。
 
『奇跡のリンゴ』(2013)のモデルとなった木村秋則さんの話を聴くこともできます。
農薬のせいで奥様が体調を崩してしまったのをきっかけに、有機栽培を決意した木村さん。
10年以上もの間、りんごはひとつも収穫できず、
近所の人からは「いちばん貧乏な家」と言われていたそうです。
家の中のどこを探しても10円玉1枚すら出てこない。
子ども3人は消しゴムを3等分して使うほどの貧しさ。
それでも挑戦しつづけた結果、美味しい美味しいりんごができました。
農薬を使ったりんごより小さいけれど、抗酸化作用などは上。
 
木村さんは農薬を使うことを否定しているわけではない。
そこに優劣は考えていないとおっしゃる。
木村さんが有機栽培を始めたのは、ただ家族のためだったのですから。
 
『もったいないキッチン』を観たときと同じように、
もっといろんなものを食べたいなぁと思ったことも事実。
でもこういう農業があること、そして身体には確実にいいことを心に留めておきたい。

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