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『映画 ギヴン』

『映画 ギヴン』
監督:山口ひかる
声の出演:矢野奨吾,内田雄馬,中澤まさとも,江口拓也,浅沼晋太郎他
 
TOHOシネマズなんばにて4本ハシゴの4本目。
完全に時間合わせで選んだ作品。
しかしかろうじてこの回に空席があっただけで、めちゃ混み人気の様子。
どういう作品か事前に調べないままでしたが、なんとなくボーイズラブ
はい、そのとおりでした。
 
『シェリプラス』という私は知らない隔月刊漫画雑誌で連載されているそうです。
作者はキヅナツキ。この人のこともわからない。私には新しいものだらけ。
そんな連載漫画の劇場版アニメですが、何も知らなくても楽しめます。
最後なんて不覚にも涙がこぼれそうになってしまった。
 
主なメンバーは5人。
そのうち4人がバンド“given”のメンバーで、いずれも名前に季節が入っている。
ボーカルの真冬とギターの立夏が高校生。
ベースの春樹が大学院生で、ドラムの秋彦が大学生らしい。
そして秋彦と同棲しているのが世界的に有名なヴァイオリニストの雨月。
 
とにかく原作もTV版アニメも見たことがないので、
過去に何があったか、通常は誰が主役なのかも不明ですが、
どうも真冬がいつもは主役っぽい。
この映画版では秋彦に焦点が当てられているみたい。
 
秋彦と雨月は高校生の頃からつきあっていて(たぶん)、
今は別れているが同居は続けていて、肉体関係もある。
真冬はふたりの家を時折訪れて、雨月から作曲についてのアドバイスを貰います。
秋彦に絶賛片想い中の春樹は、秋彦に同居人がいると知って酷い落ち込みよう。
立夏はたまに出てくるだけで、本作では存在感薄い。
 
こういうのにのめり込むと腐女子と言われるのか!?(笑)
絡みの部分なんてわりとハードで、R指定つきそう。
でもコミカルな台詞やシーンも多くて、思わず笑ってしまう。
そして、彼らの恋を応援したくなるのです。
 
女が出てきて恋敵になるとか、そういうのすら邪道という感じで。
男ばかりって不自然ちゃうんかと思わないこともないけれど、
見ているうちにこのほうが自然に思えてきたりもして。
しかしこれがアニメじゃなくて実写のBLになると、ちゃんと女が邪魔をする。(^^;
 
いつも思うことですが、恋する気持ちに男も女もない。

—–

『青くて痛くて脆い』

『青くて痛くて脆い』
監督:狩山俊輔
出演:吉沢亮,杉咲花,岡山天音,松本穂香,清水尋也,森七菜,茅島みずき,光石研,柄本佑他
 
TOHOシネマズなんばで4本ハシゴの3本目。
 
予告編から想像していた展開と全然ちがっていて、
上映開始後1時間の辺りで目が点になりました。そっちだったのね(笑)。
映画版の鑑賞前に読むつもりだった原作は積んだまま。
『君の膵臓をたべたい』(2017)と同じ、住野よるの同名ベストセラー。
 
他人に近づきすぎない。そうすれば誰かを傷つけることも傷つけられることもない。
そんなふうに考えて、人と距離を置いてきた田端楓(吉沢亮)。
 
大学に入学して間もないある日、大教室での授業時。
いきなり挙手したかと思うと「この世界に暴力は要らないと思います」と発言して
周囲から失笑を買ったやはり新入生の秋好寿乃(杉咲花)。
楓は寿乃を自分とはまるでちがう世界に住む人間だと考えるが、
その後なぜか寿乃が楓を見つけては話しかけてくるように。
 
入りたいサークルがないと悩む寿乃に、
軽い気持ちで「じゃあ自分で作れば」と言ったところ、
寿乃は楓を道連れに本当に“秘密結社モアイ”なるものを立ち上げ、
なりたい自分になる、世界を変えるなどという目標を掲げる。
 
それから3年。寿乃は楓の前から姿を消していた。
就職先も決まった楓がやろうとしているのは、
かつてのモアイとはまるで異なるチャラい就活サークルと化したモアイをぶっ潰すことで……。
 
面白いことは面白いけれど、好きにはなれません。
イケメンの吉沢くんを見ているのが楽しいだけで。
 
予告編から想像していたのは、何かが起きて寿乃が死ぬ。
寿乃をモアイから追い出して死に至らしめた奴ら、
特に現モアイを仕切る、清水尋也演じるリーダーに楓が復讐する。
その手助けをするのが岡山天音演じる友人と松本穂香演じる後輩、
そんなふうに想像していました。全然ちがった(笑)。
 
理想論を掲げるのは悪いことじゃない。
でも私はこの寿乃という子がなんか嫌い。鼻につく。
平和平和と言いながら、「気持ち悪っ」と吉沢くん(笑)じゃなくて楓に言うのも許せない。
世界を変えるために個人情報を垂れ流すことを正当化されてもなぁ。どやねん。
 
積んだままの原作を今から読むつもりですが、なんとなくイライラしそうで、
あまり読みたい気持ちになれません。こんなことなら先に読んでおけばよかった。(^^;
 
でもさ、たとえ偽善であったとしても、何もしない私が文句言っちゃ駄目ですよね。

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『オフィシャル・シークレット』

『オフィシャル・シークレット』(原題:Official Secrets)
監督:ギャヴィン・フッド
出演:キーラ・ナイトレイ,マット・スミス,マシュー・グード,リス・エヴァンス,
   アダム・バクリ,インディラ・ヴァルマ,レイフ・ファインズ他
 
TOHOシネマズなんばにて4本ハシゴの2本目。
 
スパイ容疑で逮捕された人の話って多いですねぇ。
この1週間ほど前にも『ジョーンの秘密』を観たばかり。
だからさして珍しいネタとも思えないのですが、
どれもこれも実話に基づいているというのが凄いとこ。
本作も英国の諜報機関GCHQ(政府通信本部)の実在の女性職員の話です。
 
GCHQの職員キャサリン・ガンの職務は、各国政府の通信を傍受して、
国家に危機を脅かすようなやりとりがあればそれを報告すること。
 
ある日、米国の諜報機関NSA(国家安全保障局)から送られてきたメールを見て驚く。
それは、是が非でもイラク戦争を始めたい米国政府が、
戦争を正当化するために必要な違法工作を英国政府に指示するものだった。
 
こんな馬鹿なことが許されてよいわけがない。
キャサリンは友人の反戦運動家にメールのコピーを渡し、
マスコミにリークしてほしい旨を伝える。
 
メールが持ち込まれた先はオブザーバー紙。
一面で大きく報じられ、世紀のスクープとなる。
 
しかし英国政府は事実を認めようとせず、GCHQ内では犯人探しが始まる。
同僚がひとりひとり呼び出され、執拗な尋問に遭う様子に心を痛め、
ついにキャサリンは名乗り出るのだが……。
 
キャサリンを演じるのはプロデュースも務めたキーラ・ナイトレイ
裏工作を強要するかのようなメールに腹を立ててリークを決意しますが、
こんなことをしてバレないはずもなく、
マスコミに出るのを待つ間に気持ちが揺らぎはじめます。
一旦はメールを渡した友人に撤回を言うも、そりゃ友人は了承しません。
さしたる覚悟もなく、エライことをしてしまった心の裡がよく表れていて、キーラ上手い。
 
腹を括って名乗り出てからの彼女がまたいい。
政府に仕える身でありながら政府を裏切ったんですよねと言われると、
自分が仕えているのは政府ではなく国民だ、
政府が正しい情報を国民に伝え、国民を危険にさらさないようにするのが自分の役目だと。
自分は国民を裏切ってなどいないという毅然とした態度。そのとおりです。
 
政府のやり方は卑劣。
キャサリンの夫がクルド系トルコ人であることから、無理やりフセインと結びつけ、
ちゃんと正規の方法に則って英国に住んでいるにもかかわらず、
いきなり強制送還しようとするのですから。
キャサリンの夫を強制送還しようとする政府に、
「そんなことしたら国民はいじめだと思うよ」と弁護士が言うと、
強制送還を止めることにするって、やっぱりいじめと認めているじゃあないか。
 
政府から起訴された彼女を全力で守ろうとするのは、
レイフ・ファインズ演じる弁護士ベン・エマーソン。
レイフは以前より少しふっくらしていて、最初誰だかわかりませんでした。
一瞬エディ・マーサンかと思った。エディよりは整った顔か(笑)。
 
最後は法廷での応酬かと思ったら。え、そういう結末!?
ほんと、政府は情けない。
 
見応えあります。

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『ソワレ』

『ソワレ』
監督:外山文治
出演:村上虹郎,芋生悠,岡部たかし,康すおん,塚原大助,
   花王おさむ,田川可奈美,江口のりこ,石橋けい,山本浩司他
 
TOHOシネマズなんばにて4本ハシゴの1本目。
 
2018年9月に設立された映像プロダクション“新世界合同会社”。
設立メンバーは、俳優の豊原功補小泉今日子森岡龍と、
フリーのPR&コーディネーターの水野優子、そして本作の監督である外山文治。
同社の記念すべき初プロデュース作品がこうして公開されました。
 
正直言って、鑑賞にあまり乗り気ではありませんでした。
予告編から受けた印象は超暗そう。
暗い作品は嫌いどころかむしろ好きですが、村上虹郎が得意じゃない。
村上淳とUAの息子だから応援してはいるのです。
しかし濃いめの顔なのかなぁ、演技なのかなぁ、なんか苦手。
私の中でのイメージとしてはかつての柳楽優弥
柳楽くんのこともずいぶん長いあいだ苦手だったけど、
いい役者だと思うようになるにつれて顔も苦手じゃなくなったから、
虹郎くんも見ているうちに苦手じゃなくなるかもしれません。
で、意を決して(←大げさ(^^;)観に行ったわけです。
 
俳優志望の翔太(村上虹郎)は和歌山から上京したものの鳴かず飛ばず。
日銭を稼ぐためにオレオレ詐欺の受け子をしている。
 
あるとき、仲間と共に和歌山の老人介護施設で演劇を教えることに。
そこには高校を中退してから勤めているという女性タカラ(芋生悠)がいた。
夏祭りの日、翔太らは職員の中でも年齢の近いタカラを誘う。
浴衣に着替えに一旦自室に戻ったタカラを翔太が呼びに行くと……。
 
想像通りの暗さ。以下、ネタバレバレです。
 
タカラは実父から性的虐待を受けていました。
そのせいで服役していた父親が出所してタカラに会いに来ます。
家族でやり直したいという父親を受け入れられるはずもなく、
恐怖に震え上がっていると、またしても父親に襲いかかられる。
そこへちょうどやってきた翔太と父親が揉み合いになり、
タカラは父親の腹にハサミを突き立てます。
自首するというタカラを翔太が引き止め、ふたりの逃亡生活が始まります。
 
こんな父親は絶対に許せない。
頼れるのは母親だけでしょうに、母親もタカラを救おうとはしない。
映画の中だけでなく、実際にこういう親がいることが悲しすぎる。
 
一方の翔太も正義感に駆られてかタカラを救いますが、
彼の日常も褒められたものではない。
逃亡生活中も、善意で泊めてくれた夫婦の金を盗もうとする。
何もかも上手く行かなくて、タカラのせいで人生を潰されたと怒るけど、
潰すも何も、彼のこれまでの人生はちゃらんぽらん。
 
絶望しかないと思える展開でしたが、最後には涙。
ハッピーエンドじゃありません。
でも、「意味のあることしか起こらんのやね」。
 
芋生悠ちゃんの脱ぎっぷりの良さにビビったことも付け加えます(笑)。
キョンキョンが女優人生の中で脱がずに来たのに、
キョンキョンプロデュースの映画で悠ちゃん脱ぐんや!今後も楽しみな女優。

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『海の上のピアニスト』【4Kデジタル修復版】

『海の上のピアニスト』(原題:The Legend of 1900)
監督:ジュゼッペ・トルナトーレ
出演:ティム・ロス,プルイット・テイラー・ヴィンス,メラニー・ティエリー,
   クラレンス・ウィリアムズ三世,ビル・ナン,ピーター・ヴォーン他
 
同じくシネ・リーブル梅田にて。
 
ジュゼッペ・トルナトーレ監督の1998年のイタリア/アメリカ作品。
1999年の日本公開当時に劇場で観た覚えがなく、
このたび4Kデジタル修復版が公開された機会に鑑賞。
DVDでは当然観たことがありますが、やはり劇場のほうが断然イイ。
 
大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号のダンスホール。
ピアノの上に捨てられている赤ん坊を見つけたのは、
金持ち客が何か落としていないかと探しにきた黒人機関師ダニー。
一等船室区内に捨てられていたのは、きっと親が金持ちに拾われるように願っていたから。
金持ちとは程遠いダニーが拾ったわけだが、
彼は赤ん坊に“1900(ナインティーン・ハンドレッド)”と名づけて育てる。
 
ダニーと船員たちの愛情を受けてすくすくと育った1900。
しかしある日、ダニーが船内で事故に遭い、還らぬ人となってしまう。
ひとり遺された1900はダンスホールのピアノに近づくと、
居合わせたすべての人が仰天するほどの演奏を見せる。
 
船の上で生まれ、船から一度も下りることなく生涯を閉じた1900。
その物語は言うまでもなく劇的ですが、
『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989)といい本作といい、
エンニオ・モリコーネの音楽が本当に素晴らしい。
 
テーマ曲はもちろんのこと、途中のピアノ演奏のバトルの面白さと言ったら。
ジャズピアノを生み出したといわれるジェリーが勝負を挑みに来たとき、
別に勝負など望んでいない1900は茶化したかのような態度を取ります。
でも、本気のスイッチが入ったら誰も止められない。
 
それよりもっと前の、荒波に揉まれる船のダンスホールで
グランドピアノがぐるぐる回る様子もいいですよねぇ。
 
このとき1900を演じたティム・ロス
最近映画で観たときとあまり変わっていないような。
並べて見たらそれなりに老けているのか。
 
エンニオ・モリコーネがもうこの世にいないのは寂しいなぁ。
 
イタリア完全版も9月4日から公開されています。
170分と長尺ゆえ、観に行くかどうか悩み中。

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