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『レディ・マクベス』

『レディ・マクベス』(原題:Lady Macbeth)
監督:ウィリアム・オルドロイド
出演:フローレンス・ピュー,コズモ・ジャーヴィス,ナオミ・アッキー,クリストファー・フェアバンク他
 
これをUPするのがいったいいつのことになるやらわかりませんが、
書いているのは11月3日、文化の日です。
前日、平日単身赴任中のダンナが帰ってくるはずだったのに、帰れなくなったとのこと。
ほなら私また映画に行っとく?
 
最近、平日の終業後に西宮や大阪市内まで出向くのはしんどく感じていますけれど、
翌日が休みなら平気だわ。ということでシネマート心斎橋へ。
 
出演作目白押しのフローレンス・ピューが2016年に映画初主演を務めた文芸ドラマ。
原作は19世紀のロシアの作家ニコライ・レスコフの小説『ムツェンスク郡のマクベス夫人』で、
ソビエト連邦時代の作曲家ドミートリイ・ショスタコーヴィチによりオペラ化もされた作品です。
 
19世紀後半のイギリス。
裕福な商家に嫁いだ17歳のキャサリンの務めは、早く世継ぎを産むこと。
しかし年の離れた夫は彼女と体の関係を持とうとしない。
そうとは知らない義父は、キャサリンが夫より早く眠ることを許さず、
一切の外出も禁じて、彼女の行動をメイドに見張らせる。
 
人里離れた屋敷で何もすることがない退屈な毎日を過ごしていたが、
義父と夫が留守にしていたある日、キャサリンは若い使用人セバスチャンに誘惑される。
欲望を抑えきれずに受け入れた後は、ずぶずぶの不倫関係に陥って……。
 
最初はずいぶんと可哀想です。酷い扱いを受けている。
夫はキャサリンが若いから手を出さないとかいうことではない様子。
彼女に服を脱ぐように命じて壁に向かって立たせ、
その後ろ姿を見てひとりでしているんだから、変態ですよね。
 
そんな酷い扱いを受けているキャサリンが途中から凄い女に(笑)。
義父さえいなければ。夫さえいなければ。この子さえいなければ。
セバスチャンに捻れた愛情を持ち、絶対に関係を終わらそうとしません。
手に入らないのならいっそ殺してしまうわよと。怖い。
 
フローレンス・ピューって不思議な女優です。
美人とも思えないけれど、ある角度から見るととても美人だったりする。
スタイルも良いとは思えず、いかつい体つきだなぁと思う。
そりゃそうですね、女子プロレスの選手役をするような人なのだから。
声もハスキーボイスでわりといかつい。
この人が絶世の美女役だったりしたら違和感を抱きそうですが、
そうじゃないからなんだか惹かれて見てしまいます。
コロナのせいで公開が延期されている『ブラック・ウィドウ』では
スカヨハの妹役。これはいかついガタイにきっとピッタリ。来春が楽しみです。
 
“のむコレ”上映作品はやはり侮りがたし。いずれも面白い。

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『罪の声』

『罪の声』
監督:土井裕泰
出演:小栗旬,星野源,松重豊,古舘寛治,市川実日子,火野正平,
   宇崎竜童,梶芽衣子,宇野祥平,篠原ゆき子,原菜乃華他
 
109シネマズ箕面にて。
 
1984年と1985年に起きたグリコ・森永事件をモチーフにした作品。
原作は塩田武士の同名小説。レビューはこちら
未解決のまま時効を迎えた事件ですから、フィクションではありますが、
事件当時のことをつぶさに調査して書かれた書籍ゆえ、
捜査は本当にこんな感じでおこなわれていたようです。
 
京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)。
父親(尾上寛之)から継いだ小さな店ながら、
妻(市川実日子)とまだ幼い娘と共に幸せに暮らしている。
 
ある日、押し入れの奥にしまい込まれた缶の中からカセットテープと手帳を見つける。
手帳には英語で文字が書かれ、何のことやらさっぱりわからない。
テープを聴いてみると、そこには6歳だった頃の自分の声が入っていた。
それは35年前に起きた食品会社への脅迫事件で使われたものと同じ。
 
知らない間に自分の声が脅迫に使われていたとは。
父親は今は亡き人、母親(梶芽衣子)は余命わずかで入院中、問い質せそうにない。
父親の知人を頼って尋ねたところ、手帳は伯父ものではと言われる。
 どうしても何が起きたのかを知りたくて、ひとり調べはじめる俊也。
 
一方、新聞社の文化部記者・阿久津英士(小栗旬)は、
社会部デスクの鳥居雅夫(古舘寛治)から突然イギリスでの取材を命じられる。
英士の語学力を買われてのことだったが、
35年前の未解決事件を掘り起こすのだと聞き、乗り気になれないまま取材を開始。
 
その後、調査と取材を重ねるうちに同じ人物にたどり着いた俊也と英士。
取材対象者から俊也のことを聞き出した英士は、
テープの声を聴かせてもらおうと俊也のもとを訪ねるのだが……。
 
原作はとにかくシリアス一辺倒でしたが、映画版はコミカルな会話もあります。
関西弁に不慣れであろう役者も多かったでしょうに、皆健闘。
もっとも、星野源と小栗旬にはこちらの贔屓目もあるかもしれません。
ついつい甘くなってしまう(笑)。
新聞社の上司役の古舘寛治と松重豊の関西弁は軽妙。
前者は大阪出身だから、文句のつけようがありません。ツッコミ完璧。
 
星野源と小栗旬の会話もふきだしてしまうところあり。
関西の場所もいろいろ出てくるから、関西出身者はより楽しめそう。
 
原作でも「しゃべりすぎ」の感があった板長役を橋本じゅん
映画版でも「アンタ、個人情報しゃべりすぎやろ」と突っ込まずにはいられませんが、
こういう善意のしゃべりがおるからこそ、俊也と英士のタッグが生まれるのでした。
 
知らない間に犯人の片棒を担がされ、苦しむことになった子どもたち。
事件が時効を迎えて真相は闇の中。
テープの声の主たちが穏やかに暮らせていますように。
 
亡き娘の声をこんな形でしか聴けない母親の気持ちを思うと胸が痛い。

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『オレたち応援屋!!』

『オレたち応援屋!!』
監督:竹本聡志
出演:橋本良亮,戸塚祥太,河合郁人,五関晃一,塚田僚一,ふせえり,真飛聖,国広富之他
 
TOHOシネマズ梅田にて、前述の『朝が来る』とハシゴ。
 
「A.B.C-Z主演の青春エンタテインメント」と言われても、A.B.C-Z知りません。
この中で顔を知っているのは河合郁人くんぐらい。
彼、フットボールアワーの後藤さんに似てません? 河合くんファンに怒られる?
と思って調べたら、以前から似ていると話題になっていたのですね。
いまさらでした。すみません。
 
そのA.B.C-Zが座長を務める舞台シリーズ“ABC座”の5作目として上演された、
“ABC座2016 株式会社応援屋!!~OH&YEAH!!~”を原案にした作品だとか。
 
応援で人々を救おうと、応援屋を始めた若者5人。
しかし彼らのもとへ舞い込む依頼は便利屋的な仕事ばかり。
金もちゃんと徴収できず、メンバーの中には不満を募らせる者も。
 
そんな折、ひとりの美人女性が依頼を持ってやってくる。
彼女は一応は東京都に属する離島の教師・沙織(小島藤子)。
彼女が勤める高校は今年度を最後に廃校が決まっており、
卒業生6人を明るく送り出すべく、
20年前から中止されている島伝統の祭りを復活させたいと言う。
 
5人はさっそく沙織と共に島へと向かうが、
祭りは呪われているとの噂があるらしい。
町長(国広富之)からも妙なことを考えないようにときつく釘を刺されるのだが……。
 
島の高校生全員が祭りの復活に賛成しているわけではありません。
島に残る者、出て行く者、思いは複雑。
両者を仲直りさせるのも応援屋の役目です。
みんなで楽しい思い出づくり。悪い話であるわけがない。
 
まぁ、申し訳ないけれど私はちょっと退屈。
もっと若い子が観たらいい作品だと思うのですが、
上映終了後に同作を観ていたおばちゃんが、
トイレで一緒になったまったく他人の若い女の子に
「面白かったねぇ。私も応援されたいわ」と話しかけているのを聞きました。
あんた、別に応援されんでも大丈夫な人やと思うわと思ってしまった。

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『朝が来る』

『朝が来る』
監督:河瀬直美
出演:永作博美,井浦新,蒔田彩珠,浅田美代子,佐藤令旺,田中偉登,利重剛他
 
TOHOシネマズ梅田にて。
 
原作は辻村深月の同名小説。
読むとイライラすることが多いのに、読んでしまう作家です。
監督は河瀬直美、これまた私は苦手。好きだったのは『あん』(2015)だけ。
観たい要素はないけれど観ました。そして、結構よかった。
 
サラリーマンの栗原清和(井浦新)とその妻・佐都子(永作博美)は、
清和が無精子症であることがわかってから不妊治療を続けてきたが、断念。
夫婦で生きていくと決めた矢先、特別養子縁組制度の存在を知る。
迎え入れた男児に朝斗(佐藤令旺)と名づけ、大切に育てる。
 
それから6年が経ち、時折無言電話がかかるように。
何度目かの無言電話でやっと話しはじめた相手は、
朝斗の生みの親・片倉ひかり(蒔田彩珠)を名乗り、
「子どもを返してほしい」と言うのだが……。
 
映画を観た後に原作を読みはじめました。
栗原夫妻の章、片倉ひかりの章の順で進んで行きますが、
映画版はその順序を巧みに組み替えて、
よりドラマティックに仕立てられています。
 
本作に登場する組織“ベビーバトン”は、
子どもが小学生に上がるまでの間に告知することを義務づけています。
原作では推奨に留めるのみで、いつまでという期限もありませんでした。
この点は映画版のほうがよかった。
栗原夫妻はもっと早いうちから朝斗に話をしてきたから、
朝斗は幼いながらも自分にはお母さんがふたりいることを知っている。
それをひかりが知るシーンは絶対泣いてしまう。
 
ひかりは性の知識が何もない中学生だったけれど、
それでも大好きだった人の子どもを産んだ。
世間体だけを気にして、「なかったこと」にしようとする大人たち。
「なかったこと」にされたためにその後もつらい人生を歩む少女たちを
なんとか救えないものでしょうか。
 
こういう物語の中においてはどうでもいいことなのかもしれませんが、
タワーマンションに同じ幼稚園に通う子どもの家族がいっぱい住んでいて、
高層階に住む人は高給取りだからみたいな会話、嫌だなぁ(笑)。
私にはやっぱり母親になるのは無理だと思いました。(^^;

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『キーパー ある兵士の奇跡』

『キーパー ある兵士の奇跡』(原題:The Keeper)
監督:マルクス・H・ローゼンミュラー
出演:デヴィッド・クロス,フレイア・メイヴァー,ジョン・ヘンショウ,ハリー・メリング,
   デイヴ・ジョーンズ,マイケル・ソーチャ,ジュリアン・サンズ,バーバラ・ヤング他
 
梅田で寅さんを観てから地下鉄に乗ってなんばへ。
なんばパークスシネマにて、気になっていた本作を鑑賞。
 
イギリス/ドイツ作品。
私はサッカーより野球のほうが好きなのですが、
サッカーによって救われることがある。
しかし野球よりサッカー、しかもゴールキーパーだったダンナも
こんな人がいたことを知りませんでした。実話に基づく。
 
1945年、第二次世界大戦中。
ナチスの兵士バート・トラウトマンは最前線で戦っていたが、
連合国軍に捕まってイギリスの捕虜収容所へと送られる。
 
先に収容所に入っていた捕虜同士がサッカーをしているところを見て、
バートはタバコを賭けて勝負することを思いつく。
ゴール前に立つバートがシュートを止めれば、相手からタバコを1本。
そしてバートは全員のシュートを止めてみせる。
偶然その様子を目撃したのが、
商売人で地元サッカーチームの監督も務めるジャック・フライアー。
 
やがてドイツが降伏したものの、捕虜たちは解放されないまま。
ジャックのチームは次の試合に負ければ降格が決まる。
ザルのようなチームのキーパーに苛立っていたジャックは、
ふとバートのことを思い出し、収容所を仕切る軍曹にバートを貸せと申し出て……。
 
いくら優秀だからといって、ナチス野郎を加入させるのか。
ジャックが連れてきたバートに選手らは敵意丸出し。
けれど、チームの事情を思えば飲まざるを得ません。
渋々受け入れたら、バートは素晴らしいキーパーで、
選手たちもチームメイトとしてバートを認めるようになります。
 
ジャックの娘マーガレットも最初はバートを激しく憎みますが、
自分の妹に優しく声をかけるところを見たり、
致し方なく会話をしたりするうちに、
憎むべきは戦争であって、目の前にいる元兵士ではないことに気づきます。
 
マーガレットとの恋を実らせ、
名門クラブ、マンチェスター・シティFCにスカウトされ、
この後は万々歳の人生を送るのかと思いきや、
マン・シティに入団したバートへの批判は地元のチームにいた頃の比ではない。
国中がマン・シティを非難し、バートの出場にブーイングの嵐。
淡々とキーパーの仕事に徹し、皆が認めてくれる日を待つしかありません。
 
やっと認められて、その後は本当に幸せな日々、と思うでしょ!?
まだ彼を悲劇が襲います。
そんな悲劇をも乗り越えて、外国人で初めて年間特別選手賞を受賞した人。
忘れません。

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