MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』

 『シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!』(原題:Edmond)
 監督:アレクシス・ミシャリク
出演:トマ・ソリヴェレ,オリヴィエ・グルメ,トマ・ソリヴェレ,マティルド・セニエ,
   トム・レーブ,リュシー・ブジュナー,アリス・ドゥ・ランクザン,ドミニク・ピノン他
 
109シネマズ大阪エキスポシティで前述の『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』を観て、
109シネマズ箕面へ移動、本作を鑑賞。
とてもとても楽しかったフランス作品。
オススメしたいけれど、これをUPする頃まで上映しているかなぁ。
 
19世紀末に初演されて以来、100年以上も愛され続けている舞台『シラノ・ド・ベルジュラック』。
その誕生秘話を描いたコメディです。
もとは2016年に上演されて評判を呼んだアレクシス・ミシャリクの同名舞台劇だそうで。
そのミシャリクが自ら監督を務めて映画化しました。
 
若き詩人にして劇作家のエドモン・ロスタンは、
大女優サラ・ベルナールに気に入られているというのに、目下スランプ中。
彼の才能を信じて疑わない妻ロズモンドのためにもなんとか当てたいが、
新しい舞台の評判は散々で、どうにもならない。
 
ある日、サラの紹介で名優コンスタン・コクランと面会。
エドモンのことを気に入ったコクランから新作を書くように言われる。
何の構想もなくて弱り果てたエドモンにヒントをくれたのはカフェの店主。
200年前に実在した剣豪作家シラノ・ド・ベルジュラックを主人公にした喜劇を書くことを思いつく。
 
しかし、舞台初日まであと3週間しかない。
思うように書けないまま刻々と日が近づいてくるのだが……。
 
シラノ・ド・ベルジュラックといえばあの鼻。
漠然とは知っていましたが、こんなふうに舞台が出来上がったとは。
 
なんかもう楽しいんです。
この日の客はエグゼクティブシートに1つおきに3名。
途中から3人ともクスクス笑い、エンドロールが回りきるまできっちり鑑賞。
「面白かったですよねぇ」と声をかけたい気持ちに駆られました。
 
19世紀末以降、歴代のシラノを演じた役者たちの映像もエンドロールで流れます。
知っている俳優はジェラール・ドパルデューぐらいでしたが、
こんなにも舞台が続いているってほんとにすごいこと。
 
いや~、楽しかった!

—–

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』

『ミッシング・リンク 英国紳士と秘密の相棒』(原題:Missing Link)
監督:クリス・バトラー
声の出演: ヒュー・ジャックマン,ザック・ガリフィナーキス,ゾーイ・サルダナ,エマ・トンプソン,
     マット・ルーカス,スティーヴン・フライ,ティモシー・オリファント,アムリタ・アチャリア他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
英国紳士なんて副題が付いているから、イギリス作品かと思ったら、カナダ/アメリカ作品。
 
ヴィクトリア朝時代の英国、ロンドン。
探検家のライオネル・フロスト卿は、“貴族クラブ”への入会を熱望。
しかし貴族クラブはライオネルを厄介者扱いして相手にしない。
 
ある日、未確認生物ビッグフットの居場所を知らせる匿名の手紙が届く。
ビッグフットが存在する証拠を見つければ、
クラブのトップであるピゴット・ダンスビー卿もライオネルを認めざるを得ないはず。
ライオネルはさっそく現地へと向かうのだが……。
 
森で遭遇したビッグフットはライオネルに人間の言葉で話しかけます。
驚くライオネルにビッグフットが言うには、手紙の差出人は自分だと。
ライオネルのことを新聞で知り、探検家として尊敬していると言うのです。
 
孤独を感じているビッグフットは、
自分が存在している証拠をライオネルに差し出す代わりに、
自分の仲間がいるとおぼしきヒマラヤへ連れて行ってほしい。
取り引きが成立して、ライオネルとビッグフット、
そしてちょっとした事情から同行することになった貴婦人アデリーナ、
3人の旅が始まります。
 
ビッグフットが同類視しているのは雪男
しかし雪男の一族に会ってみれば冷たいのなんのって。
首長の声を担当するのはエマ・トンプソン
 
海外のアニメは吹替版しか上映していないことも多いのに、
なぜか本作は字幕版のみ。
ヒュー・ジャックマンの声が聞けて嬉しかったけど。
 
ヒマラヤ登頂時の風景やシェルパの服装がそのまんまで楽しい。
大人も子どもも楽しめる冒険アニメです。

—–

『ジオラマボーイ・パノラマガール』

『ジオラマボーイ・パノラマガール』
監督:瀬田なつき
出演:山田杏奈,鈴木仁,滝澤エリカ,若杉凩,成海璃子,森田望智,大塚寧々他
 
終業後になんばまで映画を観に行くはずだったのに、急用が入りました。
でも1本だけは観られそうだったから、終映間際の本作を109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
岡崎京子の同名コミックを瀬田なつき監督が映画化。
岡崎さんの作品ってよく映画化されているのに読んだことがなくて。
いつから活躍している漫画家なのかと調べたら、
なんと1996(平成8)年に交通事故に遭って重傷を負い、漫画家生命を絶たれたと。
ゆえに25年近く休業されているわけですが、
今なお過去の作品が復刊され、映画化もしょっちゅうって凄い。
 
東京に暮らすハルコ(山田杏奈)は16歳の高校生。
ある日、目の前で突然倒れた同世代の男子に「大丈夫ですか」と声をかける。
顔を上げたその男子、ケンイチ(鈴木仁)にハルコは一目惚れ。
彼が落とした生徒手帳を拾い、自宅を突き止めて届ける。
 
ところがそのときケンイチは不在。
家の周りをうろつくハルコを不審に思ったケンイチの姉サカエ(成海璃子)は、
ハルコにバケツの水を浴びせかける。
 
事情を知ったサカエはハルコに平謝り。
服を乾かしている間に帰宅したケンイチとも会えて、ハルコは有頂天。
これは運命の出会いに違いないと舞い上がる。
 
サカエに誘われて行ったクラブの週末イベント。
ケンイチに会えることを期待しておめかしして出かけたのに、
彼は年上の美人女性マユミ(森田望智)とキスを交わしていて……。
 
眠くはならなかったけれど、正直言ってあまり面白くは感じられず。
ハルコもケンイチも私のタイプではなく(笑)、
特にケンイチのほうはどこがいいのやらさっぱりわからん。
考えもなく高校を辞めて、路上に立つマユミに恋をして追っかけ回す。
マユミのような女性を落とせると思っているのが浅はか。(^^;
 
岡崎さんの著作がこんなにもたくさん映画化されるのは、
もっと深く読み解くべき何かがあるからでしょう。
だけどそんなアタマはない私には、良さがイマイチわからない。
たぶん原作はもっと刺さるものがあるのでしょうね。
 
夕暮れ時の高層ビルの建設現場は美しかった。
建設現場って、見ているとなぜか泣きたくなります。
 
ちなみに客は私を含めて2名でした。
エグゼクティブシートの端っこに私、ひとつ飛ばした席にもうおひとり。
なんか気まずかった(笑)。

—–

『水上のフライト』

『水上のフライト』
監督:兼重淳
出演:中条あやみ,杉野遥亮,高月彩良,冨手麻妙,高村佳偉人,
   平澤宏々路,大塚寧々,小澤征悦他
 
イオンシネマ茨木にて前述の『ひとくず』とハシゴ。
21:35からのレイトショーの回、“おひとりさま”でした。(^^;
 
監督は兼重淳
脚本に土橋章宏の名前を見たとき、嘘ぉ!?と思いました。
だって、土橋氏といえば『超高速!参勤交代』(2014)、『サムライマラソン』(2018)、
『引っ越し大名!』(2019)の原作者であり脚本家。
時代小説のイメージしかないのに、これ!?
なぜなのだと思ったら、土橋氏はパラカヌー日本代表の女性選手と交流があり、
そこに着想を得て本作を作り上げたそうです。
 
藤堂遥(中条あやみ)は走り高跳びでオリンピックを目指している。
負けん気の強い彼女は大学陸上の絶対的女王としてもてはやされていたが、
ある日、交通事故に遭い、下半身不随となってしまう。
 
自暴自棄になりかけている娘を心配した母親の郁子(大塚寧々)は、
かつて遙が通っていたカヌースクールに連絡。
コーチの宮本浩(小澤征悦)がさりげなく遙を誘う。
 
スクールに所属する子どもたちの大半は、家庭に居場所のない者。
にもかかわらず、遙を歓迎して明るく話しかけてくる。
それに癒やされて徐々に心を開く遙。
やがて持ち前の勝ち気さを発揮して、パラカヌーを目指すと決めるのだが……。
 
まず「へ~っ」と思ったのが、車椅子は乗れりゃいいってもんじゃないということ。
考えてみれば当たり前のことなのしょうけれど、
それぞれに合った車椅子というものがあるのですね。
パラカヌーの選手になるための鍛え方もいろいろ見ることができます。
 
お決まりのスポ根ものといえばそう。
でも可愛いあやみちゃんとカッコいい杉野遥亮くんを見るのは楽しい。
人間、何でもあきらめちゃいかん、生きてりゃええことあると思えます。
 
ひとりで劇場独占は贅沢だけどもったいない。
みんなもっと映画を観に来て!

—–

『ひとくず』

『ひとくず』
監督:上西雄大
出演:上西雄大,小南希良梨,古川藍,徳竹未夏,堀田眞三,
   飯島大介,田中要次,木下ほうか他
 
テアトル梅田へ観に行くかどうか迷っていた本作。
児童虐待をテーマにしているから相当重そう。
耐える自信がなかったのでパスするつもりでいたら、
イオンシネマ茨木で上映中。う~む、終業後に簡単に寄れるとこ。
ここからなら帰りも15分。行っときます。
 
上西雄大監督は、関西を拠点に活動する劇団“10ANTS(テンアンツ)”の主宰者。
自ら主演を務めて撮った本作が海外の映画祭でも高い評価を受けました。
お客さん、よく入っています。ちょっとびっくりするくらいの入り。
 
冒頭はやっぱり観に来たことを後悔するぐらいの辛い映像。
幼い少女がマンションの一室に閉じ込められています。
ゴミだらけの部屋に食べるものは何もなく、電気すら止められている。
外から鍵がかけられて、泣き叫んでも少女は外に出られない。
手の甲には「根性焼き」の跡。辛すぎる。
 
前科者の金田匡郎(上西雄大)は空き巣を生業としている。
ある日、彼が入った部屋の片隅に、怯える幼い少女がいた。
彼女は小学生の北村鞠(小南希良梨)。
母親の凛(古川藍)は一人娘を閉じ込めて、男と旅行。
その男から鞠は日常的に虐待を受けているらしく、
胸元にはアイロンを押しつけられた跡まであった。
 
自身も少年時代に母親の男から虐待を受けていた匡郎は、
鞠のことを放っておけず、食べ物や服を買い与える。
 
凜が男と帰宅。
母親とはおよそ言えない態度にキレた匡郎は男を刺殺。
半狂乱になる凜を脅し、男の死体を埋めさせると、
そのまま凜と鞠のいる部屋に居座るのだが……。
 
『ミッドナイトスワン』のように、虐待された子どもを引き取って
自分で育てる話だろうと思っていたら違いました。
虐待野郎を殺して自分は居座るって、想像できないことでした。
 
匡郎は決して褒められた奴ではありません。
とにかく口が悪いし、誰彼となく喧嘩をふっかける。
粗野そのもので、教養なんてものはどこにもない。
けれど心根は優しくて、だから鞠は彼のことを信頼しきっている。
 
凜も親から虐待を受けていた被害者。
愛されたという記憶がないせいで、自分の子どもをどう愛せばいいのかわかりません。
どうしようもない女だった凜が、鞠に穏やかな表情を見せ始めるときは
鑑賞している私たちも心から安心することができます。
 
このような虐待を本当に受けている子どもが世の中には居るし、
こんな酷いことを平気でする親やその同居人が居る。
でも、そんな酷い奴の中には、接するひと次第で変われる人間も
もしかすると居るかもしれない。
 
Vシネを観ているかのようなどデカい音楽と演出に
ちょっと過剰かなと思わなくはないものの、心に突き刺さる作品でした。

—–