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『ワンダーウーマン 1984』

『ワンダーウーマン 1984』(原題:Wonder Woman 1984)
監督:パティ・ジェンキンス
出演:ガル・ガドット,クリス・パイン,クリステン・ウィグ,ペドロ・パスカル,
   アムール・ワケド,クリストファー・ポラーハ,ロビン・ライト,コニー・ニールセン他
 
仕事帰りにイオンシネマ茨木にて2本ハシゴの1本目。
 
名前にもインパクトがある、イスラエル出身の女優。
こんな長身の美女が闊歩していたらみんな振り返りそう。
しかしここまでインパクトが強いと、
いくら美人でもしっとりした恋愛ものなんかはツラいのでは。
やっぱりDCコミックスが誇る女性スーパーヒーローが似合う。
 
前作の『ワンダーウーマン』(2017)で最も印象に残っている台詞といえば、
クリス・パイン演じるスティーブの「僕は今日を救う、君は世界を救え」。
彼の顔は全然タイプじゃないんですが、これはカッコよかった。
もう一度その台詞が聞けるのか。
 
1984年。ワンダーウーマンであることを隠して暮らすダイアナは、
スミソニアン博物館に考古学者として勤めている。
同博物館に着任したばかりの研究者バーバラは、ドジでおっちょこちょい。
鞄の中をぶちまけても誰も助けてはくれず、劣等感に苛まれている。
そんな彼女に優しく声をかけたのがダイアナ。
強くセクシーで賢いダイアナにバーバラは羨望を抱く。
 
ある日、上司から古代の宝石の鑑定を頼まれたバーバラは、
鑑定品の中にとても怪しげな石を見つける。
石に書かれていたラテン語をダイアナが解読すると、
「ひとつだけ願いを叶える」という意味だと判明。
 
願いが叶うはずがないと思いつつも、
ダイアナは亡くなった恋人スティーブとの再会を願う。
すると他人の姿を借りたスティーブが目の前に現れたではないか。
 
一方のバーバラは「ダイアナのようになりたい」と願う。
その翌朝からやたらともてはやされ、注目を浴びるようになったうえに、
見違えるような腕力もついて、生まれ変わった自分を感じるバーバラ。
そこへ近づいてきたのがカリスマ実業家マックスで……。
 
本来は昨年6月に公開される予定だった本作を2020年中に観られたことを嬉しく思います。
ダイアナの少女時代を描くオープニングが楽しいのと、
ガル・ガドットの美しさを見る以外は特筆すべきことはないけれど、
悪役に回ったバーバラ役のクリステン・ウィグの迫力は満点。
 
しかし、最強の力を得られるなら容姿はどんなでもいいわけですか。
こんな獣に変身してしまうのは嫌だけどなぁ。
 
ひとつだけ願いが叶うとしたら、何を願う?
その願いが叶う代わりに、いちばん大事なものをあなたは失う。
この前提で人が何を願うかは興味がある。

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『私をくいとめて』

『私をくいとめて』
監督:大九明子
出演:のん,林遣都,臼田あさ美,若林拓也,前野朋哉,
   山田真歩,片桐はいり,橋本愛他
テアトル梅田で3本ハシゴの3本目。
めっちゃお客さんが入っていました。なんで?
みんなもしかして『あまちゃん』からののんファン?
大九明子監督が綿矢りさの同名原作を映画化。
おひとりさまライフを楽しんでいる31歳のOLみつ子(のん)。
人づきあいを避け、社内で親しいのは先輩社員のノゾミ(臼田あさ美)のみ。
食品サンプル作りの体験講座なんかもひとりで行っちゃう。
ひとり焼肉、ひとり遊園地、次はひとりで何をしようかと夢が膨らむ。
そんなみつ子が思いもよらず好きになってしまったのが、
取引先の営業マンで年下男子の多田(林遣都)。
たまたま家の近所の肉屋にコロッケを買い求めて並ぶ多田を見かけ、
以来、ときおり多田はみつ子の家に寄る。
と言っても部屋には上がらず、みつ子が用意した夕食を多田が持ち帰るだけ。
妙な関係だと思いつつも、コクるなんてありえない。
多田のほうも少なからず自分に好意を抱いているのか。
ま、こんな感じで話はゆるゆると進みます。
同監督の『甘いお酒でうがい』もそうでしたが、
どうもこの監督が描く女性はみんな心に闇があるようです。
みつ子の脳内には相談相手がいて、彼女は始終そいつに語りかけている。
こんなに独り言が多いのは明らかにヤバイから、
そうなるぐらいの酷く辛い過去があったことを匂わされている気はするけれど、
もしかするとそう辛い過去でもないのかなぁと思ったり。
とにかくどの作品でもその過去がはっきり描かれることはないんだなぁ。
というようなモヤモヤした部分があったり、
のん演じるみつ子のテンションの高さについて行きづらい部分があったりはするのですが、
同じマンションにホーミーの練習をする人がいて笑わされたりとか、
片桐はいり演じる上司がなんか格好よかったりとか、
引きずられるように観てしまった。
面白いと言うべきかどうかもわからない不思議な作品。嫌いじゃない。

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『ノッティングヒルの洋菓子店』

『ノッティングヒルの洋菓子店』(原題:Love Sarah)
監督:エリザ・シュローダー
出演:セリア・イムリー,シャノン・タルベット,シェリー・コン,
   ルパート・ペンリー=ジョーンズ,ビル・パターソン他
テアトル梅田で3本ハシゴの2本目。
イギリス作品。
監督は本作で長編デビューを果たしたエリザ・シュローダー。
ロンドンで大人気のデリ“オットレンギ”が全面協力しているそうで、
美味しそうな食べ物が出てくる作品はそれだけで観たくなる。
親友のイザベラとサラは共同出資で洋菓子店を出すことに。
ところがオープンを目前にしてサラが事故死してしまう。
ふたりは同じ製菓学校の卒業生ではあるものの、
サラとイザベラの腕前には明らかな差があり、
パティシエはサラに任せてイザベラは経営面に回るはずだった。
肝心の菓子が作れなければ店はオープンできない。
オープンを断念しかけていたイザベラのもとへ、
サラの一人娘クラリッサがやってきて、店を始めようと言う。
資金が工面できないから無理だとイザベラは答えるが、
クラリッサは祖母ミミを連れてきて資金の提供を頼む。
パティシエを募集しようとしたところ、
サラの元彼で腕は一流だが女たらしのマシューが現れて……。
おばあちゃんがなんでそんなにカネ持っとるねんと思ったら、
ミミはかつてサーカスのスター。
なんだかんだで費用は工面できるらしい。
彼女を説得するためにクラリッサが利用したのはブランコ教室というのが可笑しい。
指導者よりもブランコ乗りが上手いミミをおだてることに成功します。
お金を持っているにもかかわらず、娘サラの頼みを断って疎遠になり、
ようやく娘に連絡を取ろうとしたときに娘が亡くなってしまった。
娘は母親の参加など望んでいなかったはずだというミミに、
イザベラが「何よりも強く望んでいた」と言って、ミミも乗るのでした。
原題は亡くなったサラに想いを寄せて付けた店の名前。
いくつもの競合店が存在するなか、起死回生の妙案は。
なるほど、こんな店があれば、さまざまな人が足を運ぶかも。
甘々のストーリー展開で、眠くはならない程度に冗長。
それでもお菓子が美味しそうだと、観る気は失せないものです。
だけど、「日本といえば抹茶ミルクレープ」というのは、ンなことないと思う。(^^;

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『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』

『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』(原題:Helmut Newton: The Bad and the Beautiful)
監督:ゲロ・フォン・ブーム

11月に義母が亡くなり、12月に義父が亡くなりました。
ふたりとも90歳を過ぎていたというものの、これといった持病もなく、
昨日まで元気だったのにと思うといまだに実感が湧きません。
夫唱婦随とはこういうものなのかなぁと思いますが、
でもそんなに寂しがるなら、生きている間にもっと、
お義母さんに優しい言葉をかけてあげてほしかったわ、お義父さん、と思います(笑)。

義父が亡くなった日、映画を2本予約していました。
それはまだリベンジ鑑賞できずにいるのですけれど、
私の映画生活が戻ってきた日、まずはテアトル梅田へ。
時間的にちょうどよかった3本をハシゴ。

ヘルムート・ニュートン、名前しか知りません。
20世紀を代表するファッションフォトグラファーとのこと。
その生誕100年を記念して制作されたドキュメンタリー作品です。

ヘルムートは1920年生まれ、ドイツ出身の写真家。
両親がユダヤ人だったことから、迫害から逃れるためにドイツを離れ、
1940年代後半からフリーの写真家となって活動するように。
1950年代半ばにイギリス版『ヴォーグ』と契約、ロンドンに渡りました。
その後パリへ移って、世界で活躍するまでになります。

彼の作品は独自のエロティックなスタイルを確立し、
今なら直ちに炎上するような写真多数。
それでも世間に迎合することなくそのスタイルを貫き、
モデルたちも彼には裸体をさらすことを厭わない。

被写体となったシャーロット・ランプリングイザベラ・ロッセリーニといった女優の大御所や、
クラウディア・シファーなど有名モデル、『ヴォーグ』のカリスマ編集長アナ・ウィンターなどが、

ヘルムートの魅力と哲学について語ります。

彼の写真をきちんと見たのは初めてです。
過激ともいえるヌード写真は女性蔑視だと非難もされたようですが、そうとは思えない。
モデルたちの堂々としたそぶりを見れば、蔑視よりも自立を感じます。

人間、遅かれ早かれ死ぬんだからと死を恐れない発言は強がりではないようにも思えました。
最期はハリウッドで自動車事故というのも華があるというと語弊があるか。

もっといろいろ彼が撮った写真を見てみたいです。

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『ミセス・ノイズィ』

『ミセス・ノイズィ』
監督:天野千尋
出演:篠原ゆき子,大高洋子,長尾卓磨,新津ちせ,田中要次,風祭ゆき他
TOHOシネマズ西宮にて、2本ハシゴの2本目。
前述の『燃ゆる女の肖像』の次に観ました。
毎晩寝るのが午前2時頃でへろへろなのに、
好きか嫌いかは別にして面白い作品だと睡魔に襲われないものです。
小説や漫画等の原作の映画化が多いなか、
オリジナル脚本と聞くと嬉しくなる。
天野千尋監督のお名前は初めて知りましたが、
本作を観た感じではなんか今後すごくなりそうな人っぽい。
吉岡真紀(篠原ゆき子)はかつてとある文芸賞を受賞した作家だが、
その後スランプに陥ってちっとも書けずにいる。
郊外のマンションへ引っ越して、心機一転を誓う。
しかし、まだ幼い娘・菜子(新津ちせ)は真紀にまとわりつき、
夫・裕一(長尾卓磨)も仕事で忙しく、頼れない。
菜子をなんとかなだめて執筆に集中しようとしているときに、
隣のベランダから布団を叩く音が聞こえてくる。
毎朝6時前から聞こえる常軌を逸した音に真紀は唖然。
隣人の若田美和子(大高洋子)に苦情を呈するが、
言えば言うほど美和子は力まかせに布団を叩く。
苛立つ真記は、親戚の若者・多田直哉(米本来輝)の進言で、
美和子をネタにした小説を書いてみると、これが大当たりして……。
前半は真紀の視点で。
騒音に悩まされている被害者ではあるのですが、
あまりに偉そうでちっとも同情できません。
一緒に遊びに行くという約束を破られた菜子が、
退屈してひとりで外に出かけたことにも気づかず、
美和子に連れられて帰ってくると、美和子のことを非常識だと責め立てます。
「隣の人は危ないから話しちゃ駄目」と言われた娘のかわいそうなこと。
後半は美和子の視点で。
あれほど布団を叩いていた事情も判明します。
「変な人」は確かにたまにいる。
でももしかすると、こんな事情があるのかもしれません。
売らんかなで書き始めた隣人のこと。
悪意を持って書き立てることに巷の人間は喜びもてはやす。
しかしこういう歪んだ感情から作られたものは、
いずれ崩壊するし、飽きられる。
本作では飽きられるより先に事件が発生し、
今まで同情されていた真紀が一転して加害者の立場になります。
世間の手のひらを返したような態度が怖い。
正しく生きることは簡単ではないけれど、思いやりの気持ちは大事。
書き直された『ミセス・ノイズィ』を読んでみたいな~。
後日ノベライズを読みました。レビューはこちら

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