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『FUNAN フナン』

『FUNAN フナン』(原題:Funan)
監督:ドゥニ・ドー
声の出演:ベレニス・ベジョ,ルイ・ガレル他
 
テアトル梅田にて。
 
フランス/ベルギー/ルクセンブルク/カンボジア作品。
カンボジアにルーツを持つドゥニ・ドー監督が、自身の母親の実体験を基に描いたアニメ。
 
1975年のカンボジア。
クメール・ルージュによってプノンペンが制圧され、
多くの住民が強制労働のため農村へと送られる。
クンとチョウ夫婦も息子ソヴァンや母親、妹一家らと共に移動を余儀なくされるが、
その途中、ソヴァンと祖母がはぐれてしまう。
ソヴァンを探すことは許されず、理不尽で過酷な労働を強いられるのだが……。
 
ベトナム戦争の折にアメリカと衝突したカンボジア。
アメリカが撤退した後に政権を取ったのがクメール・ルージュ政党でした。
当初はアメリカを追い返した政党として英雄視されたものの、
指導者ポル・ポトが掲げた「原始共産主義」は謳い文句と中身が違う。
「みんなで助け合って農業をしよう、そういえばカネは要らない」って。
聞こえはいいけど、結局働かされるのは普通の民衆。
食べるものもろくに与えられず、強姦や粛清も日常的におこなわれていたようです。
 
こんな時世を描いているのですから、凄絶。
ソヴァンを見つけることはできるのか。この国から脱出することはできるのか。
実体験だというのだから驚くばかり。ご覧ください。

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『ジョゼと虎と魚たち』

『ジョゼと虎と魚たち』
監督:タムラコータロー
声の出演:中川大志,清原果耶,宮本侑芽,興津和幸,Lynn,
     松寺千恵美,森山晋太郎,リリー(見取り図)他
 
TOHOシネマズ伊丹にて、4本ハシゴの3本目。
 
原作は1984年に発表された田辺聖子の同名短編小説。
実写版の『ジョゼと虎と魚たち』(2003)が懐かしいですねぇ。17年前だったのか。
あの頃は妻夫木くんも若かった。
ジョゼ役の池脇千鶴はわりともっちゃりした感じだったから(すみません)、
このアニメ版のジョゼのほうがずっと可愛い印象です。
 
恒夫は海洋生物学を専攻する大学生。
メキシコの海にのみ生息するクラリオンエンゼルフィッシュに魅了され、
それ見たさにメキシコへ留学するつもり。
その資金を貯めようと、ダイビングショップでバイトしている。
 
ある日、坂道を転げ落ちてきた車椅子の女性クミ子を助ける。
可愛い顔をして口は超絶悪い彼女に呆気にとられていると、
彼女の世話係のバイトをしないかと、クミ子の祖母から言われる。
こんな自己チューな女子の世話係なんてできるかと思うものの、
報酬に釣られて引き受ける恒夫だったが……。
 
アニメ版を観てから実写版のことを思い出してみると、設定がいろいろと違う。
恒夫がバイトしているのは雀荘だし、こんなに真面目な青年でもない。
女にだらしなくて、セフレまでいるんですよねぇ。
そもそもクミ子が乗っているのは車椅子じゃなくて乳母車。
生まれつき足が不自由でも車椅子には乗らないのが彼女の主義なのですから。
 
となるともうこれは完全な別物です。
大学生と車椅子女性の普通の恋愛ものというのがこのアニメ版。
大阪になじみのある人なら、知っている場所が出てきたりして、
たぶんこれはこれで楽しめます。普通に良いラブストーリー。
でも原作の田辺聖子らしさはおそらくまったく感じられません。
 
ま、こっちのほうが一般受けすることは間違いありません。
カップルで観るのにふさわしい作品かと。
 
ちなみに4本ハシゴは4回目の『鬼滅の刃』で〆ました。
さすがにもう感想を書く気は起こらないので省く(笑)。

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『映画 えんとつ町のプペル』

『映画 えんとつ町のプペル』
監督:廣田裕介
声の出演:窪田正孝,芦田愛菜,立川志の輔,小池栄子,藤森慎吾,野間口徹,
     伊藤沙莉,宮根誠司,大平祥生,飯尾和樹,山内圭哉,國村隼他
 
TOHOシネマズ伊丹にて4本ハシゴの2本目。
 
知らなかったんです、原作の大ヒット絵本を。
それを手がけたのがキングコングの西野亮廣だということも。
「キングコング西野」と聞かなければ、フルネームで言われてもわからない。
わかったときには、そんな才能のある人だったの!?と驚きました。
 
そこら中に煙突が立ち、そこから吐き出される煙で空を覆われた町。
人びとはここ以外に世界はないと思い込んでいる。
 
そんななか、ただひとり、煙の向こうには星があると信じる少年がいた。
彼の名はルビッチ。亡き父親は自作の紙芝居で星の存在を訴えていた。
周囲のみんなは父親のことを笑ったけれど、
それを信じるルビッチは誰からも相手にされず、友だちもいない。
 
ハロウィンの日、ゴミの山からゴミ人間が生まれる。
ゴミ人間は、仮装して町を練り歩く子どもたちに混じって遊んでいたのだが、
仮装ではないことがバレた瞬間、追い出されてしまう。
さらには異端者を抹殺しようとする異端審問官に追いかけられ、
逃げていたところでルビッチと出会う。
 
ルビッチはゴミ人間にプペルと名づけると、
母親を安心させるために自分と友だちになってほしいとプペルに頼む。
 
日々を一緒に過ごすようになったルビッチとプペル。
星の存在を信じていることをプペルに打ち明けたルビッチは、
ついに星を見つけに行く決意をするのだが……。
 
ルビッチの声に芦田愛菜。これはどんなふうになるか予想できたこと。
しかし窪田正孝がこんな声優ぶりを発揮するとはちょっとビックリ。
オリエンタルラジオの藤森慎吾もいい味を出しています。
 
本当は誰もが見たことのないものの存在を願いたい。
でも、それを信じると異端視されてこの世から消される。
アニメの中だけの話とは思えません。
政府に都合の悪いことを考えるものがいないように、
行動が制限され、向上心を持つことが悪とされる場所もある。
見えるものだけを信じるのではなくて、見えないものも見たい。
 
前半はちょっと退屈なところもあるけれど、

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『劇場版 ポケットモンスター ココ』

『劇場版 ポケットモンスター ココ』
監督:矢嶋哲生
声の出演:松本梨香,大谷育江,林原めぐみ,三木眞一郎,犬山イヌコ,
     上白石萌歌,山寺宏一,中川翔子,中村勘九郎他
 
年末の休みに入った日曜日、TOHOシネマズ伊丹にて4本ハシゴ。
ほかに観るものもないので、“ポケットモンスター”を観ておくことに。
劇場版第23作目で、放送中のTVシリーズとは関係のないオリジナルストーリー。
 
ジャングルの奥にあるポケモンたちの楽園“オコヤの森”。
そこは厳しい掟で守られた森。
幻のポケモンと呼ばれるザルードは、人間の赤ん坊を見つける
群れに連れ帰るも仲間たちから非難を浴び、
ザルードは赤ん坊を捨てるのではなく、群れを離れて赤ん坊を育てることを選ぶ。
 
ココと名づけられたその赤ん坊はすくすくと育つが、
自分が人間であることは知らないまま。
ザルードのことを父親だと信じ、ほかのポケモンたちと仲良し。
 
ある日、森にやってきたサトシとピカチュウは、気を失っているココを介抱する。
目覚めたココは初めて人間を目にしてパニック状態に。
四つ足で歩き、ポケモンの言葉をしゃべるココにサトシも驚く。
 
ココが森でザルードに育てられたことを知り、
サトシはココの本当の親を一緒に探しはじめるのだが……。
 
初めてポケモンを観たときは、話がよくわからずに困惑したものですが、
もういろいろわかっているから楽しい。
そして“ドラえもん”では睡魔に襲われがちな私が、目ランラン。
思うにこれも、サトシがいい奴だからでしょうか(笑)。
 
森に存在する治癒の泉とそのエネルギーの源である神木。
それを根こそぎ持って行こうとする傲慢な人間もいれば、
ポケモンと人間との共生を願う人間もいる。
ココやサトシを応援するみんなの構図は、子どもたちの心に残ると思います。
いや、子どもだけでなく、大人の心にも。
 
大人も泣けてオススメです。

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『天外者』

『天外者(てんがらもん)』
監督:田中光敏
出演:三浦春馬,三浦翔平,西川貴教,森永悠希,森川葵,
   蓮佛美沙子,生瀬勝久,筒井真理子,かたせ梨乃他
 
義母の四十九日だった日、法要を無事に済ませ、ほっとひと息。
この日もわが家の夕食は変わらず定刻16時でした。
片付け終わった17時頃、ふと気が向いて109シネマズ箕面へ。
だってこの機会に観ないと観そびれそうだったから。
 
世は動乱の幕末。
薩摩藩士・五代才助(後の五代友厚)(三浦春馬)は、
長崎の海軍伝習所に学び、稀有の才能で将来を嘱望されつつも、
とんでもない自惚れ屋であると疎まれてもいた。
 
そんな才助と志を同じくするのは、
坂本龍馬(三浦翔平)、岩崎弥太郎(西川貴教)、伊藤利助(後の伊藤博文)(森永悠希)。
4人で集まっては鍋を突っつき、親交を深めてゆく。
 
ある日、才助は男連中から絡まれている遊女はる(森川葵)を助ける。
後日、女郎屋を訪ねてきた才助を見て、
はるは結局ほかの男たちと同じで体目当てかとがっかりするが、
才助ははるに本を持ってきただけだった。
絡んできた輩に「女郎が本を読んで何が悪い」と突っかかっていたから。
 
身分も性別も関係なく、誰もが夢を見られる国をつくりたい。
はると出会ってからより強くそう考える才助だったが……。
 
歴史もあまり得意でなかった私は、誰が誰かわからずに観ていました。
坂本龍馬のことはさすがに知っているけれど、
弥太郎の名前すら知らず、利助が後の博文だとも知らず。
五代友厚のことも聞いたことあるなぁぐらいでした。
明治初期に商都大阪の基礎を作り上げる活躍をした人なのですね。
 
疎まれていると思い込んでいた人生。
通夜にすら誰も来ないと思っていたら、このラストシーン。
泣かずにはいられません。
 
三浦春馬がもうこの世にはいないのだということも思わずには観られないから、
それと合わせて涙が出ます。
 
こういう人がいたのだということ、しっかり心に刻みたい。

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