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『地獄の花園』

『地獄の花園』
監督:関和亮
出演:永野芽郁,広瀬アリス,菜々緒,川栄李奈,大島美幸,
   勝村政信,松尾諭,丸山智己,遠藤憲一,小池栄子他
 
今度は梅田ブルク7へ移動して本作を。
 
『架空OL日記』(2020)も楽しかったバカリズムの脚本。
よくもこんな話を思いつくものです。
 
三冨士商事の営業部に勤めるOL、田中直子(永野芽郁)。
普通のOLライフに憧れて、平凡な日常を送る彼女だったが、
職場ではヤンキーOLたちによる熾烈な派閥抗争が繰り広げられていた。
 
開発部のヤンキーの頭は安藤朱里(菜々緒)。
営業部のヤンキーの頭は佐竹紫織(川栄李奈)。
製造部のヤンキーの頭は神田悦子(大島美幸)。
この三つの派閥が対決し、勝ったのは朱里。
営業部と製造部のヤンキーたちは開発部の傘下に入り、一応まとまる。
 
ある日、営業部のイケメン社員(森崎ウィン)に朱里の手下たちが絡んでいたところ、
通りかかった女が立ち向かい、手下ヤンキーどもをいとも簡単に倒す。
その様子を物陰から見ていた直子は、翌朝、中途採用のOLを見てビックリ。
昨日の女こそがこの新入りOL、北条蘭(広瀬アリス)だったのだ。
 
蘭は圧倒的な強さでたちまち三冨士のヤンキーOLたちの頂点に。
そして直子ともひょんなことから親しくなる。
蘭の噂を聞きつけた他社のヤンキーたち(ファーストサマーウイカ他)に
次々と戦いを挑まれるも、強さを見せつけるばかりの蘭だったが……。
 
ヤンキーだって楽じゃない。
そしてその頭である人間はそれなりの器じゃなきゃ務まらない。
 
どうなるのかを全然知らずに観に行ったので、あっと驚きました。
書きません。書けませんけど、面白い展開。
 
上場企業にもヤンキーがいて、その頭が遠藤憲一
と思っていたらそれより上の地上最強のヤンキーとして小池栄子が登場。
メイクも含め、この撮影現場はさぞかし楽しかったろうと思います。
 
オチもいいねぇ。
バカリズムはやっぱり只者ではない。
あ、彼も普通の上司役でちゃんと出ています。

—–

『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』

『ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから』(原題:Mon Inconnue)
監督:ユーゴ・ジェラン
出演:フランソワ・シヴィル,ジョセフィーヌ・ジャピ,バンジャマン・ラヴェルネ,
   カミーユ・ルルーシュ,アモリ・ドゥ・クレヤンクール,エディット・スコブ他
 
TOHOシネマズ西宮で2本観てから梅田へ移動。
大阪ステーションシティシネマにて本作を鑑賞しました。
 
フランス/ベルギー作品。
原題の“Mon inconnue”は「私の未知」、つまり「私の知らない人」の意。
英語のタイトルは“Love at Second Sight”で、
こちらのほうが映画の内容をよく表している気がします。
 
同じ高校に通いながら面識のなかったラファエルとオリヴィア。
ある晩、校舎の隅から聞こえてくる曲に誘われたラファエルは、
そこでピアノを弾いていたオリヴィアと出逢い、恋に落ちる。
 
小説家を目指すラファエル。ピアニスト志望のオリヴィア。
ふたりはラブラブのまま卒業。夢は夢のままだったが、結婚して幸せに暮らしていた。
 
ところが、ラファエルが高校時代から書き続けていたSF小説を
オリヴィアがこっそり出版社に送ったところ、すぐに出版が決定する。
小説はシリーズ化され、ラファエルは大人気作家に。
一方のオリヴィアがピアニストになる夢は叶わなかった。
 
メディアにもひっぱりだこのラファエルは、帰宅しても忙しそうで、
夫婦の時間は激減し、会話もほとんどない。
それについてオリヴィアが不満を口にすると、ラファエルは激怒。
家を飛び出して酔い潰れて帰宅する。
 
翌朝、目覚めると、オリヴィアがいない。
今日は中学校で子ども相手に講演をするイベントがある。
マネージャーを務める親友フェリックスが迎えに来て、
着いた先は確かに中学校だったが、どうも様子がおかしい。
 
なんとラファエルは人気作家などではなく、国語教師
しかもオリヴィアは大活躍中のピアニストで、ラファエルの妻ではないどころか、
ラファエルのことをまったく知らない。
一夜にして人生が変わってしまい、ラファエルは気が動転。
 
なんとかフェリックスにはこの状況を信じてもらうことに成功し、
人気作家の自分、オリヴィアと結婚している自分に戻ろうとするのだが……。
 
ここにもまたアインシュタインの『相対性理論』の話が出てきます。
私には相変わらずまったく理解できない仕組みですが、
本作は『インターステラー』(2014)のように科学的ではないし、
『パーム・スプリングス』(2020)よりも「科学している度」は低いです、たぶん。
 
ま、でも、そんなの全然わからなくても魅力的な物語。
フェリックスが実にいいキャラで憎めません。
ラファエルから事情を聞いたとき、「そういえば、いつもならパンをくれるのにくれなくなった」という理由で
ラファエルの話を信じることにしちゃうんですから。ええ奴。
「こっちの世界の俺はどんな奴だったか」というラファエルの質問に答えるときも可笑しい。
あっちの世界のラファエルはオリヴィア一筋だったのに、
こっちの世界のラファエルはとんだ遊び人。
そりゃまぁこのルックスだもの、モテるでしょう。
 
ラファエル役のフランソワ・シヴィルは私の最近のお気に入り。
色気のあるイケメンです。そしていい体つき(笑)。
オリヴィア役のジョセフィーヌ・ジャピもチャーミング。
 
どうしても元の世界に戻りたいラファエルに、フェリックスは言います。
戻れなくても、もう一度、彼女と恋をすればいいじゃないか。
想い続けている元カノに声をかけることすら許されずにいるフェリックスは、
たとえオリヴィアがラファエルの妻だったオリヴィアでなくても、
今の世界で恋をやり直せるならいいじゃないかと言うのです。
 
ずっと自分のことだけを考えていたラファエルが、
ようやく戻れそうになって初めて考える彼女のこと。
素敵なエンディングでした。

—–

『ジェントルメン』

『ジェントルメン』(原題:The Gentlemen)
監督:ガイ・リッチー
出演:マシュー・マコノヒー,チャーリー・ハナム,ヘンリー・ゴールディング,ミシェル・ドッカリー,
   ジェレミー・ストロング,エディ・マーサン,コリン・ファレル,ヒュー・グラント他
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『アオラレ』の次に。
早く観たくてたまらなかった作品。
このまま劇場の営業が再開しなければ観逃してしまうのかと思っていたので、
こうしてちゃんと劇場で観られて本当に嬉しい。
 
ガイ・リッチー監督、かなり好きです。
もう「マドンナの元旦那」と言われることもないでしょうか。
 
アメリカ人のミッキーは、ロンドンで大麻ビジネスを展開して大成功。
莫大な資産を築いた裏社会の有名人。
そんなミッキーが利権を売却して引退するという噂が広まり、
裏社会の住人たちが我こそがその利権を手に入れようと画策していた。
 
そのすべてを潰すネタを持っていると言って
ミッキーの右腕レイのもとを訪れたのは、ゲスの私立探偵フレッチャー。
ネタを新聞社に15万ポンドで買い取らせる算段を整えたうえで、
レイには2000万ポンドで買い取ってくれるなら新聞社には売らないと言う。
なぜ15万ポンドのネタが2000万ポンドに跳ね上がるのかとレイが尋ねると、
フレッチャーは自分の調査に基づく推測を蕩々と語りはじめ……。
 
利権を我がものにしようとたくらむのは、
ロシアンマフィアはそれとは別口で絡みます。
 
曲者どもを演じる顔ぶれが面白い。
ミッキー役にはマシュー・マコノヒー
『ダラス・バイヤーズクラブ』(2013)でエイズ患者を演じるために
壮絶なダイエットをした彼は、その後もなかなか体重が戻らないのか、
ずっと体調を心配したくなる顔と体つきでした。
本作ではようやく元の彼に戻った気がして安心しました。
 
ミッキーの側近レイ役のチャーリー・ハナムがとてもいい。
ボスにどこまでも忠実、賢くて頼れる人。
自分のほうが賢いと思っているフレッチャー役にヒュー・グラント、喋る喋る。
よくこれだけの台詞を覚えましたよね。
 
そのほかもみんな自分がいちばん賢い、出し抜けると思っている。
善人役も悪人役もできる俳優が揃っています。
そうそう、新聞社の編集長を演じるエディ・マーサンもそうですね。
こいつら、みんな悪い。
 
いちばん気に入ったのは、ボクシングジムを経営するコーチ役のコリン・ファレル
本作の中では異色の存在で、彼だけはミッキーを騙そうなんて気はありません。
不良をジムで引き取って親代わりに面倒を見ているのに、
とにかく目立ちたい不良どもは、ミッキーの大麻栽培施設で盗みと暴行を働く。
それを知ったコーチはすぐにレイに謝りに行き、
大麻を全部返したうえで、お詫びに何か手伝うと申し出ます。
これが実に可笑しくて、彼の登場シーンはよく笑わせてもらいました。
 
化かし合いが小気味よい。楽しかった。
 
最初にミッキーがビールと共に注文するゆで卵のピクルスが気になりました。
“pickled egg”というのですね。ハードボイルドには卵が定番。食べたい。

—–

『アオラレ』

『アオラレ』(原題:Unhinged)
監督:デリック・ボルテ
出演:ラッセル・クロウ,カレン・ピストリアス,ガブリエル・ベイトマン,
   ジミ・シンプソン,オースティン・P・マッケンジー他
 
6月1日からシネコンの営業が再開されましたが、
大阪と兵庫は平日のみだから、休日にも営業してくれなければ行けません。
6月20日を過ぎてもこの状態は続くかもしれず、
再開を待っていられなくて平日に休みを取りました。
久しぶりのシネコンです。嬉しいったらありゃしない。
 
いつぶりでしょう、TOHOシネマズ西宮へ行くのは。このとき以来だわ。
 
アメリカ/イギリス作品。
原題の“Unhinged”は「気の動転した」「錯乱した」とかの意味なのだそうです。
 
夫と離婚の話を進めているレイチェルは、
ひとり息子のカイルを車に乗せて学校へと向かう途中、渋滞に遭う。
迂回してかろうじて遅刻せずに間に合うかというとき、
前方で停車していた車が、青信号になっても発進しない。
苛立ってクラクションを強く鳴らす。
それでも発進しない前方の車をレイチェルは横から追い抜いたのだった。
 
すると次に停車したさい、その車に横付けされる。
男は、少し考え事をしていたので気づかなかったと詫びると、
そちらも謝るべきではないかと言う。
あんな品のない鳴らし方はないだろう、それを謝れと。
 
カイルが小声で「謝って」と懇願しているというのに、
レイチェルは謝るどころか罵詈雑言を男に浴びせてそのまま車を走らせる。
 
すると、男が猛然と追いかけてくるではないか。
なんとかまいてカイルを学校まで送り届け、ホッ。
友人で弁護士のアンディとお茶を飲むべく会う約束を取り付け、
途中ガソリンスタンドに寄ると、あの男がそこへやって来て……。
 
前方の車を追い抜いて怒らせ、執拗にあおられる話といえば、
あれはとことんシンプルな話でした。
最後まで運転手の顔が見えなくてとても不気味でもあり。
 
これはそこまでシンプルではありません。
まずは男役のラッセル・クロウがある一軒家に押し入り、
住人を殺してその家に火をつけるシーンから始まります。
どうやら彼の元妻が住んでいる家らしい。
 
妻から離婚を突きつけられた男が自暴自棄になり、殺人をしでかして、
逃走中にカレン・ピストリアス演じるレイチェルにクラクションを鳴らされる。
レイチェルに対する彼の反応は八つ当たりっちゃ八つ当たりなのですが、
レイチェルにあまり同情の余地はありません。
 
というのも、彼女のほうも離婚目前で、夫から家を取り上げられそう。
そういうことが積み重なって心身共に疲れているのは気の毒だけど、
目覚まし時計もかけずにソファで寝てしまって、派手に寝坊。
毎日自力で起きている息子は、母親のせいで連日遅刻。
美容師のレイチェルは仕事にも遅れ、いちばんの顧客から解雇を言い渡される。
学校にも仕事にも間に合うように起床していれば
焦って車を走らせることも、前方の車に苛立つこともなかったのに、
彼女こそ八つ当たりのクラクションを鳴らしてしまったと言えます。
 
だから、こんなふうに追いかけられていい気味とまでは思えないものの、
大変だとも可哀想だとも思えません。
 
しかし、男が居合わせた人を平気で殺すぐらい恐ろしいのと、
カイル役のガブリエル・ベイトマンがあまりに健気で愛らしいおかげで、
がんばって逃げろレイチェル!と思い始めるのでした。
 
昔、職場の人から遅刻しますと電話があり、その理由が
「車のエンジンをかけたらいきなりクラクションが鳴った。
エンジンを切らないと鳴り止まないので車屋さんに見てもらう」でした。
後ほど出勤したその人が「自分の車のクラクションの音を初めて聞いた」と言うので、
「えっ、鳴らしたことないんですか」と聞いたら、
「ありませんよ、そんなの。鳴らすことなんてないですもん。
あ、鳩に鳴らしたことはあったかもしれませんけど」と言う。
その人は広島出身。広島に車で遊びに行った折、確かにクラクションの音を聞きませんでした。
鳴らさないのか、広島の人!
……って書いてみたら、以前に同じネタを書いていました。(^^;

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『残酷で異常』

『残酷で異常』(原題:Cruel & Unusual)
監督:メルリン・デルヴィセヴィッチ
出演:デヴィッド・リッチモンド=ペック,バーナデット・サキバル,ミシェル・ハリソン,
   マイケル・エクランド,リチャード・ハーモン,モンスール・カタクィズ他
 
2014年のカナダ作品。
これもAmazonプライムビデオ見放題作品の中にあります。
家の中で意識を失った誰かに蘇生術を施しているとおぼしき声で始まります。
カメラはバスルームへ移動。
男の必死の救命処置も実らず、倒れている女は亡くなった模様。
その後、男も呼吸困難に陥り、死亡します。
……というのは夢。男エドガーが気づくと自分は運転中。
助手席には夢の中で死んだ女メイロンがいる。
メイロンはエドガーの妻でフィリピン人移民
様子がおかしいエドガーのことを心配するメイロン。
ふたりで家に帰り、メイロンの息子のことでしばし言い争ったのち、
エドガーが自室に戻ろうと扉を開けると、そこは別の建物の一室。
グループセラピーをおこなっているのか、
どうやら参加者はみんな殺人を犯した者ばかりらしい。
エドガーも殺人者だと言われ、何が何だかわからず……。
不条理スリラーというやつですね。
エドガーが自分の罪を悟るまで何度でもグルグル回ります。
Amazonプライムビデオでは高得点を上げていますが、地味すぎる。
クソ真面目に進んで行くので少々退屈。スッキリ感もなし。
自分が何者かわからない不条理な話なら、
先日観た『消えた時間』のほうがずっと面白い。
とはいうものの、DVD化されていない劇場未公開作品を観られるのは嬉しい。
未公開作品を観て思うのは、未公開になった理由はやっぱりあるということ。
未公開だなんてもったいないと思う作品が稀にあるけれど、
本作などは公開したところで集客はできなかったでしょう。
カナダの作品って暗いのが多いと改めて思った作品でもあります。

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