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『潜入』

『潜入』(英題:Bloody Tie)
監督:チェ・ホ
出演:ファン・ジョンミン,リュ・スンボム,キム・ヒラ,
   チュ・ジャヒョン,オン・ジュワン,イ・ドギョン他
 
シネマート心斎橋にて、『ザ・バッド・ガイズ』の次に。
 
2006年の韓国作品を今ごろ劇場公開。
TVドラマ『ハッシュ 沈黙注意報』が面白いとの噂を聞いていますから、
その主演、ファン・ジョンミンの人気に便乗したのでしょう。
未公開だったのも納得の作品だろうと期待せずに観に行ったら、面白かった。
当時は俳優の知名度が低かったから未公開になったのかな。
ファン・ジョンミンよりむしろリュ・スンボムのほうが凄い。ダブル主演です。
 
1998年、国家が破産するかという経済危機に見舞われている韓国。
不安を払拭するために麻薬に逃避する人も多く、
釜山の売人イ・サンドは記録的な利益を上げていた。
サンドは起業家肌の売人で、自分では決して麻薬を使わない珍しいタイプ。
 
そんなサンドに目をつけたのが、刑事ト・ジングァン。
4年前、相棒を悪名高い麻薬王チャン・チョルに殺されたジングァンは、
釜山から麻薬を一掃するという目標を掲げ、そのためなら何でもする。
サンドに内通者として潜入させ、麻薬組織の一網打尽を狙うのだが……。
 
清廉潔白なイメージでファン・ジョンミン演じるジングァンを見ると、
なんだこの刑事はと思わされます。
酒癖悪く、事件で未亡人となった女にはすぐ手を出す。
そのせいで本作はR15+指定です(笑)。
ものすごく暴力的で、相手を半殺しにすることなどしょっちゅう。
サンドの弱みを握って彼からカネを巻き上げるし、
こんなの汚職警官となんら変わらない。
 
一方のサンドは、自分の叔父が麻薬に手を染めている。
ヌボーっとした爺さんのふりをして、実は「教授」と崇められる麻薬密造者。
叔父のもとで働いていた自分の母親を叔父のせいで亡くしました。
憎んでも憎みきれない相手なのに、身内ゆえ、どうしても見捨てられません。
 
ジングァンがあまりに嫌な感じなので、サンドが気の毒になってしまう。
ここにもまた出世を狙うお役人が登場して、
世の中こんなに腐っているのかと愕然とします。
あ、これも実話に基づいたフィクションだそうですから。
 
サンド役のリュ・スンボムは昭和の映画が似合いそうな顔つき。
フォーク歌手っぽいのです(笑)。
検索してもあまり顔写真は出てこないけど(見たい顔でもないですが(^^;)、
素晴らしい演技だったので、彼の出演作をほかにも観てみたいです。

—–

『ザ・バッド・ガイズ』

『ザ・バッド・ガイズ』(英題:The Bad Guys: Reign of Chaos)
監督:ソン・ヨンホ
出演:マ・ドンソク,キム・サンジュン,キム・アジュン,チャン・ギヨン,
   カン・イェウォン,キム・インウ,パク・ヒョジュン,チョ・ドンヒョク他
 
大阪のシネコンは一昨日まで平日のみの営業でしたが、
シネマート心斎橋は6月1日から全日時短営業を再開。
“おうちでシネマート”も継続中で、新作も追加されているようです。
これは「おうちで」のほうではなく、劇場で鑑賞。
 
2014年に韓国で大人気を博したTVドラマ『バッドガイズ 悪い奴ら』。
その劇場映画版が本作で、2019年に公開されて大ヒット。
愛すべきデブマッチョ、マ・ドンソクですからね、絶対観たくなります。
 
服役中の囚人が減刑と引き換えに凶悪犯罪者の逮捕に手を貸すという、
“ワイルド・スピード”シリーズみたいな感じです。
終盤、マ・ドンソクが登場するシーンでは、
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの“Wake Up”みたいな曲がかかっていて(そのもの?)、
マトリックス(1999)かよ!と思いました(笑)。
 
服役中の元暴力団員パク・ウンチョル(マ・ドンソク)は、
旧友が何者かに殺されたことを知る。
犯人に心当たりはないかと元刑事オ・グタク(キム・サンジュン)に尋ねると、
調べるべき情報を持っていると言う。
しかしグタク自身は肝臓癌を患っており、引退した身で、
もう関わる気はないからそっとしておいてほしいと言われる。
 
その頃、護送車が襲われ、乗っていた凶悪犯たちが逃走する事件が起きる。
一刻も早く凶悪犯たちを捕まえねばならず、
グタクも知らん顔をしているわけにはいかなくなる。
 
というのもグタクは特殊犯罪捜査課の発案者。
そこは服役中の囚人たちを使って事件を解決する課で、ウンチョルもその一員。
ほかに、警察学校を首席で卒業していながら服役中のコ・ユソン(チャン・ギヨン)、
凄腕の女詐欺師クァク・ノスン(キム・アジュン)が招集されるのだが……。
 
すごく面白いです。まるで『エクストリーム・ジョブ』(2019)。
しかも『エクストリーム・ジョブ』の刑事たちより
こっちの犯罪者たちのほうが頼りになるんじゃないかと最初は思うほど(笑)。
 
ネタバレですが、黒幕は日本のヤクザという設定ですから、
ストーリーに嫌悪感を抱く人もいるかもしれません。
でも嫌日を煽る意図ではないと思います。というのか思いたい。
マ・ドンソクが「タマネギは入れないでください」とか口走るのも可愛いし(笑)。
 
背後に大きな組織があるのも映画では普通のことだし、
そこに出世狙いの悪徳警官が絡んでいるのもよくあることだし、
序盤は嫌な奴だった刑事と最後はタッグを組むのもありがちだし、
でもこういう先が読めて安心できる話は良いですね。
汚職警官かどうか見極めるコツが面白かった。なるほど!
 
必ずTVドラマ版も観たくなります。観たい!

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『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』

『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』
監督:飯塚健
出演:田中圭,土屋太鳳,山田裕貴,眞栄田郷敦,小坂菜緒,
   落合モトキ,菅原大吉,八十田勇一,濱津隆之,古田新太他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
これも緊急事態宣言発令前に覚えるほど予告編を観た作品。
テストジャンパーの存在すら知りませんでした。へーっ!
もちろん実話に基づく
 
1994年、リレハンメルで開催された冬季オリンピック
ラージヒル団体に出場したスキージャンパーの西方仁也(田中圭)らは、
3人飛んだ時点で金メダル確実。4人目が無難に飛べればOK。
ところがその4人目に飛んだエースの原田雅彦(濱津隆之)がまさかの失敗。
金メダルを逃し、銀メダルにとどまってしまう。
 
1998年、冬季オリンピックが地元長野で開催されるに当たり、
4年前の雪辱を誓い、練習に励んできた西方だったが、
腰の怪我などもあって、代表から外れてしまう。
ほかの3人はあのときのメンバー。なぜ俺だけが外れなければならないのか。
 
傷心の西方のもとをコーチの神崎幸一(古田新太)が訪れ、
どうせ暇だろう、この先の仕事のことも考えて連盟に恩を売るためにも
テストジャンパーを引き受けろと酷なことを言う。
メダリストが裏方に回るなんてと思いながらも確かに暇。
渋々引き受けた西方は現地入りするのだが……。
 
テストジャンパーは全部で25人。
選手たちが飛ぶ前に、路面をならしつつ安全を確かめる裏方がいるのですね。
ゆるゆる滑るわけじゃない。
本気で滑りつつ、積もった雪を蹴散らすことを念頭に置いて滑る。
 
西方よりもずっと若く次のオリンピックを目指す選手に眞栄田郷敦。
ほかのテストジャンパーたちを見下す態度を示しますが、
実は彼は負傷時のトラウマを抱え、少しでも風のある日は飛ぶのが怖い。
 
紅一点、女性ジャンパー役を演じるのは日向坂46の小坂菜緒。
彼女は申し訳なくも演技が上手いとは思えませんが、可愛いからいっか。
オリンピックに出たくとも、そもそも女性ジャンプが種目にない。
テストジャンパーとしてでもいいから飛びたいという強い気持ちは伝わってきます。
女がスキージャンプなんてするものじゃないという父親との葛藤も。
 
いちばんよかったのは難聴のジャンパー役、山田裕貴
困難な人生を送ってきたはずの彼は、飛んでいるときは自由になる。
真面目で明るく、チームの盛り上げ役です。
皆が言う歓声も拍手も彼には聞こえない。でも感じることができます。
 
葛西紀明役の落合モトキと連盟の偉いさん役の菅原大吉
このふたりともが出演している作品を最近観たぞと思ったら『FUNNY BUNNY』でした。
彼らもまたバイプレイヤーズにちがいない。
飯塚健監督の作品には揃ってよく顔を出しています。
 
どうしても違和感があったのは濱津さん。
原田に似た容姿だから抜擢されたのでしょうが、
彼はどうしても『カメラを止めるな!』の監督にしか見えません。(^^;
 
西方の妻役には土屋太鳳
『哀愁しんでれら』でも夫婦役を務めていましたが、そりゃもうこっちのほうが断然普通。
こんなふうに寄り添ってくれる奥さんがいたら頑張れると思う旦那衆は多いはず。
 
感動を押し付けられ気味であることは否めません。
でも、金メダルの裏にこんなテストジャンパーたちがいたことを知れてよかった。
ジャンプ台から自分も飛んでいる気分も味わえます。

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『グリーンランド 地球最後の2日間』

『グリーンランド 地球最後の2日間』(原題:Gleenland)
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー,モリーナ・バッカリン,デヴィッド・デンマン,
   ホープ・デイヴィス,ロジャー・デイル・フロイド,スコット・グレン他
 
まだ緊急事態宣言発令下、大阪のシネコンは土日休業中。
ダンナが海外へと旅立ったので、平日の仕事帰りに久しぶりの109シネマズ箕面。
客は私ともうひとりだけ。エグゼクティブシートの両端に座っているという妙な図(笑)。
 
観逃している作品はほかにもいっぱいあるのですが、
これは劇場で観なきゃおもろないやつやろと思い。
ジェラルド・バトラー主演だから、娯楽という点ではそんなに外れないはず。
監督はリック・ローマン・ウォーということで、
『エンド・オブ・ステイツ』(2019)の監督と主演コンビです。
 
建築技師のジョンは、訳あって妻アリソンと上手くいっていない。
しかしご近所さんを招いてホームパーティーをするというアリソンに従って帰宅。
買い出しを頼まれ、息子ネイサンを連れてスーパーへと出かける。
 
買い物中にスマホに「大統領アラート」の着信がある。
新しく発見された彗星が地球に接近し、破片の一部が隕石となって落下、
その隕石が世界中の都市を破壊する可能性があるという。
選ばれた一部の人間のみがシェルターへ避難できる。
その人間にジョンとその妻子が選ばれたらしい。
 
大急ぎで家に帰ると、ホームパーティーはすでに始まっていたが、
テレビには隕石が次々と各地に落下する様子が映し出される。
そのとき再び大統領アラートを受信。
ジョンとアリソン、ネイサンは車に乗り込み、空軍基地へと向かうのだが……。
 
ツッコミどころは満載です。
 
いったいどれだけの人数が選ばれたんだか知りませんが、相当数のはず。
皆が同じ場所へと向かうから渋滞するのは当たり前
確かに渋滞しているけれど、そこからそんなに簡単に抜けられます!?
空軍基地に着いてからも、殺到する人の波をそんなにスイスイ分けて通れます!?
 
極秘の場所にあるシェルターへと向かう飛行機に搭乗しようとしたら、
若年性糖尿病患者であるネイサンのインスリンがないことに気づく。
ジョンが車に取りに戻っている間に、ネイサンが病気であることを理由に搭乗を拒否されるという。
いやいや、選定されるときに病気に気づいてないのはおかしいでしょ。
ミスのひと言で済まされるわけですが。
 
ここからがもう大変です。
ジョンは無事にインスリンを取って戻ってきたけれど、
搭乗を拒否されたネイサンとアリソンはそこにはいない。はぐれてしまうのでした。
搭乗できる人はリストバンドを装着していて、
ジョンたちも一応手続きは終了していたからリストバンドをつけている。
そのリストバンドを狙って誘拐やら殺戮やらが起こります。(^o^;
 
ジェラルド・バトラーはいつも正義感の塊みたいな役だし、
ネイサン役のロジャー・デイル・フロイドがめちゃくちゃ可愛くて健気なので、
誘拐されてとっても可哀想なのですけれど、
よぉく考えるとこの家族だってかなり自分勝手です(笑)。
 
ジョン一家が選ばれたんだから、その権利を誰にも譲らないのは致し方がない。
だけど、ご近所さんたちが辛いながらもそれに納得して、
「どこに逃げれば安全かわかったら教えてくれ」とジョンに頼み、
「連絡するよ」なんて約束しておきながら、連絡なんて一度もせず。
まぁ、妻子が大変な目に遭っているのですからそれどころじゃないけれど。
 
リストバンドを奪われそうになって揉み合っているうちに、
ジョンが持っていた金槌が相手の脳天に突き刺さったシーンはふきました。
あらま、ジョンってば、殺人まで犯しちゃうのですね。
 
最後なんて、飛び立とうとする飛行機の前に猛スピードの車で飛び出し、
離陸を阻止してあと3人乗せろって言うんですから。
怒りながらも3人を乗せ、ジョンの手の傷まで心配してくれたパイロット
不時着の衝撃で死んじゃうし、あーあーあー。
 
とこんな感じではありますが、睡魔に襲われることはありません。
夫婦の不和から崩壊直前の危機にあった家族が
地球滅亡かというデカすぎる危機に直面して一緒に乗り越える話ですね(笑)。
最後まで楽しく観ました。はい、嫌いじゃないです。
 
『グリーンランド』というタイトルはどうかと思います。
目指す先だというだけですもんね、グリーンランド
実際、こんなシェルターをつくるとしたら、やはりグリーンランドになります?
 
あ、そうそう、個人的に驚いたのは、ホープ・デイヴィス
彼女は15年前は主役を張るような女優だったのに、
こんなチョイ役で、しかも悪い人だったから。わりと衝撃的。
 
ネタバレ宣言もせずにネタバレしまくりですみません。

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『YESデー ダメって言っちゃダメな日』

『YESデー ダメって言っちゃダメな日』(原題:Yes Day)
監督:ミゲル・アルテタ
出演:ジェニファー・ガーナー,エドガー・ラミレス,ジェナ・オルテガ,ジュリアン・ラーナー,
   エバリー・カルガニーラ,ナット・ファクソン,アルトゥーロ・カストロ他
 
2021年のアメリカ作品で、3カ月ほど前からNetflixで配信中。
 
ミゲル・アルテタ監督はプエルトリコ出身。
知らない監督だと思っていましたが、知ってるやん。
それとこれのこの2本で、もうじゅうぶんこの監督が好き。
 
アリソンはかつては常に前向きで、「Yes!!」が口癖の女性だった。
彼女の辞書に「No!」という言葉はなく、何にでもチャレンジ。
とにかくやってみるおかげで、彼女は「楽しい女性」。
毎日を明るく楽しく暮らしているなかで、
やはり何にでも前向きな楽しい男性カルロスと出会う。
 
ふたりは結婚、3人の子どもを授かる。
年頃の長女ケイティ、化学オタクの長男ナンド、まだ幼い次女リリー。
大切な子どもたちには違いないが、とにかく手がかかる。
いつしかアリソンは「No!!」としか言わない女になっていた。
カルロスは自分が悪者になりたくないせいでひたすら逃げ、
アリソンだけが子どもたちを怒るはめに。
 
親なんてそんなものだと思っていたある日、保護者会で学校へ。
そこでケイティとナンドの担任教師から驚愕の事実を知らされる。
子どもたちは母親のことを独裁者呼ばわりし、
ケイティはアリソンの独裁者ぶりを俳句にして詠み
ナンドはDVDまで制作して面白おかしく訴えていたのだ。
 
気落ちするアリソンとカルロスに声をかけてきたのは、
生活指導を担当するコーチ、ディーコン。
6人の子持ちだというディーコンは、“YESデー”を設けるべきだとアドバイス。
それは、親が子どもの要求すべてに応える日。
 
無理でしょ、そんなのと思ったが、
「ママが“No!!”と言わずにいられるわけがない」と子どもたちから言われ、
ムキになったアリソンは、“YESデー”を設けると決めるのだが……。
 
実際にあるんですかね、YESデーって。
映画の中では「今YESデーの最中なんだよ、この家族」と
周囲の人が触れ回ったりしていましたし、ありそう。
 
親が何でも応えてくれるとはいえ、YESデーの設定には一応ルールがあります。
そもそもいきなり「今日がYESデー!」というわけでもない。
YESデーをそう遠くない、たとえば数週間先に設定し、
その日まで子どもたちは家のことも学校のこともきちんとやる。
家事を手伝い、宿題はもちろんちゃんとして、成績もアップ。
 
それらをクリアしないとYESデーはやってきません。
わがままな子どもの無理難題を一方的に押しつけられるわけじゃないのはイイ。
子どもたちはYESデーに何をしたいかを練り上げるから、
行き当たりばったりで好きなことを言うわけじゃないのもイイ。
 
そして、当日にできることに限るというルールもあります。
当日より後の未来についてのリクエストは駄目だし、
物理的に行くのが遠すぎるような場所へ行きたいというのも駄目。
そうしたルールのもとで子どもたちが決めたあれこれの楽しいこと。
 
ネタバレはしたくないですが、
子どもたちのリクエストのうちひとつだけ言っちゃってもいいですか。
家族5人の乗った車で洗車に行く。
ここまではいいけれど、洗車機に窓全開で突入するのです。
車内も人も泡だらけ。水をかぶってビタビタ。笑った。
 
“No”としか言わない人が“Yes”と言うようになると何が変わるか。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)なんて作品もありましたよね。
眉間に皺を寄せて「あかん!」と言い続けるよりも、
ニッコリ笑って「ええで!」という心の余裕があればいいかもしれません。
 
一部、やりすぎのところはありますが(笑)、とても楽しい作品です。
そしてホロリと来る。オススメ。

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