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『グリーンランド 地球最後の2日間』

『グリーンランド 地球最後の2日間』(原題:Gleenland)
監督:リック・ローマン・ウォー
出演:ジェラルド・バトラー,モリーナ・バッカリン,デヴィッド・デンマン,
   ホープ・デイヴィス,ロジャー・デイル・フロイド,スコット・グレン他
 
まだ緊急事態宣言発令下、大阪のシネコンは土日休業中。
ダンナが海外へと旅立ったので、平日の仕事帰りに久しぶりの109シネマズ箕面。
客は私ともうひとりだけ。エグゼクティブシートの両端に座っているという妙な図(笑)。
 
観逃している作品はほかにもいっぱいあるのですが、
これは劇場で観なきゃおもろないやつやろと思い。
ジェラルド・バトラー主演だから、娯楽という点ではそんなに外れないはず。
監督はリック・ローマン・ウォーということで、
『エンド・オブ・ステイツ』(2019)の監督と主演コンビです。
 
建築技師のジョンは、訳あって妻アリソンと上手くいっていない。
しかしご近所さんを招いてホームパーティーをするというアリソンに従って帰宅。
買い出しを頼まれ、息子ネイサンを連れてスーパーへと出かける。
 
買い物中にスマホに「大統領アラート」の着信がある。
新しく発見された彗星が地球に接近し、破片の一部が隕石となって落下、
その隕石が世界中の都市を破壊する可能性があるという。
選ばれた一部の人間のみがシェルターへ避難できる。
その人間にジョンとその妻子が選ばれたらしい。
 
大急ぎで家に帰ると、ホームパーティーはすでに始まっていたが、
テレビには隕石が次々と各地に落下する様子が映し出される。
そのとき再び大統領アラートを受信。
ジョンとアリソン、ネイサンは車に乗り込み、空軍基地へと向かうのだが……。
 
ツッコミどころは満載です。
 
いったいどれだけの人数が選ばれたんだか知りませんが、相当数のはず。
皆が同じ場所へと向かうから渋滞するのは当たり前
確かに渋滞しているけれど、そこからそんなに簡単に抜けられます!?
空軍基地に着いてからも、殺到する人の波をそんなにスイスイ分けて通れます!?
 
極秘の場所にあるシェルターへと向かう飛行機に搭乗しようとしたら、
若年性糖尿病患者であるネイサンのインスリンがないことに気づく。
ジョンが車に取りに戻っている間に、ネイサンが病気であることを理由に搭乗を拒否されるという。
いやいや、選定されるときに病気に気づいてないのはおかしいでしょ。
ミスのひと言で済まされるわけですが。
 
ここからがもう大変です。
ジョンは無事にインスリンを取って戻ってきたけれど、
搭乗を拒否されたネイサンとアリソンはそこにはいない。はぐれてしまうのでした。
搭乗できる人はリストバンドを装着していて、
ジョンたちも一応手続きは終了していたからリストバンドをつけている。
そのリストバンドを狙って誘拐やら殺戮やらが起こります。(^o^;
 
ジェラルド・バトラーはいつも正義感の塊みたいな役だし、
ネイサン役のロジャー・デイル・フロイドがめちゃくちゃ可愛くて健気なので、
誘拐されてとっても可哀想なのですけれど、
よぉく考えるとこの家族だってかなり自分勝手です(笑)。
 
ジョン一家が選ばれたんだから、その権利を誰にも譲らないのは致し方がない。
だけど、ご近所さんたちが辛いながらもそれに納得して、
「どこに逃げれば安全かわかったら教えてくれ」とジョンに頼み、
「連絡するよ」なんて約束しておきながら、連絡なんて一度もせず。
まぁ、妻子が大変な目に遭っているのですからそれどころじゃないけれど。
 
リストバンドを奪われそうになって揉み合っているうちに、
ジョンが持っていた金槌が相手の脳天に突き刺さったシーンはふきました。
あらま、ジョンってば、殺人まで犯しちゃうのですね。
 
最後なんて、飛び立とうとする飛行機の前に猛スピードの車で飛び出し、
離陸を阻止してあと3人乗せろって言うんですから。
怒りながらも3人を乗せ、ジョンの手の傷まで心配してくれたパイロット
不時着の衝撃で死んじゃうし、あーあーあー。
 
とこんな感じではありますが、睡魔に襲われることはありません。
夫婦の不和から崩壊直前の危機にあった家族が
地球滅亡かというデカすぎる危機に直面して一緒に乗り越える話ですね(笑)。
最後まで楽しく観ました。はい、嫌いじゃないです。
 
『グリーンランド』というタイトルはどうかと思います。
目指す先だというだけですもんね、グリーンランド
実際、こんなシェルターをつくるとしたら、やはりグリーンランドになります?
 
あ、そうそう、個人的に驚いたのは、ホープ・デイヴィス
彼女は15年前は主役を張るような女優だったのに、
こんなチョイ役で、しかも悪い人だったから。わりと衝撃的。
 
ネタバレ宣言もせずにネタバレしまくりですみません。

—–

『YESデー ダメって言っちゃダメな日』

『YESデー ダメって言っちゃダメな日』(原題:Yes Day)
監督:ミゲル・アルテタ
出演:ジェニファー・ガーナー,エドガー・ラミレス,ジェナ・オルテガ,ジュリアン・ラーナー,
   エバリー・カルガニーラ,ナット・ファクソン,アルトゥーロ・カストロ他
 
2021年のアメリカ作品で、3カ月ほど前からNetflixで配信中。
 
ミゲル・アルテタ監督はプエルトリコ出身。
知らない監督だと思っていましたが、知ってるやん。
それとこれのこの2本で、もうじゅうぶんこの監督が好き。
 
アリソンはかつては常に前向きで、「Yes!!」が口癖の女性だった。
彼女の辞書に「No!」という言葉はなく、何にでもチャレンジ。
とにかくやってみるおかげで、彼女は「楽しい女性」。
毎日を明るく楽しく暮らしているなかで、
やはり何にでも前向きな楽しい男性カルロスと出会う。
 
ふたりは結婚、3人の子どもを授かる。
年頃の長女ケイティ、化学オタクの長男ナンド、まだ幼い次女リリー。
大切な子どもたちには違いないが、とにかく手がかかる。
いつしかアリソンは「No!!」としか言わない女になっていた。
カルロスは自分が悪者になりたくないせいでひたすら逃げ、
アリソンだけが子どもたちを怒るはめに。
 
親なんてそんなものだと思っていたある日、保護者会で学校へ。
そこでケイティとナンドの担任教師から驚愕の事実を知らされる。
子どもたちは母親のことを独裁者呼ばわりし、
ケイティはアリソンの独裁者ぶりを俳句にして詠み
ナンドはDVDまで制作して面白おかしく訴えていたのだ。
 
気落ちするアリソンとカルロスに声をかけてきたのは、
生活指導を担当するコーチ、ディーコン。
6人の子持ちだというディーコンは、“YESデー”を設けるべきだとアドバイス。
それは、親が子どもの要求すべてに応える日。
 
無理でしょ、そんなのと思ったが、
「ママが“No!!”と言わずにいられるわけがない」と子どもたちから言われ、
ムキになったアリソンは、“YESデー”を設けると決めるのだが……。
 
実際にあるんですかね、YESデーって。
映画の中では「今YESデーの最中なんだよ、この家族」と
周囲の人が触れ回ったりしていましたし、ありそう。
 
親が何でも応えてくれるとはいえ、YESデーの設定には一応ルールがあります。
そもそもいきなり「今日がYESデー!」というわけでもない。
YESデーをそう遠くない、たとえば数週間先に設定し、
その日まで子どもたちは家のことも学校のこともきちんとやる。
家事を手伝い、宿題はもちろんちゃんとして、成績もアップ。
 
それらをクリアしないとYESデーはやってきません。
わがままな子どもの無理難題を一方的に押しつけられるわけじゃないのはイイ。
子どもたちはYESデーに何をしたいかを練り上げるから、
行き当たりばったりで好きなことを言うわけじゃないのもイイ。
 
そして、当日にできることに限るというルールもあります。
当日より後の未来についてのリクエストは駄目だし、
物理的に行くのが遠すぎるような場所へ行きたいというのも駄目。
そうしたルールのもとで子どもたちが決めたあれこれの楽しいこと。
 
ネタバレはしたくないですが、
子どもたちのリクエストのうちひとつだけ言っちゃってもいいですか。
家族5人の乗った車で洗車に行く。
ここまではいいけれど、洗車機に窓全開で突入するのです。
車内も人も泡だらけ。水をかぶってビタビタ。笑った。
 
“No”としか言わない人が“Yes”と言うようになると何が変わるか。
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』(2008)なんて作品もありましたよね。
眉間に皺を寄せて「あかん!」と言い続けるよりも、
ニッコリ笑って「ええで!」という心の余裕があればいいかもしれません。
 
一部、やりすぎのところはありますが(笑)、とても楽しい作品です。
そしてホロリと来る。オススメ。

—–

『アメリカン・マーダー:一家殺害事件の実録』

『アメリカン・マーダー:一家殺害事件の実録』(原題:American Murder: The Family Next Door)
監督:ジェニー・ポップルウェル
 
JCOMでAndroidのタブレットを貰いました。
タダという触れ込みですが、厳密にはタダではない。
4Kチューナーに交換して、追加契約をしなければなりません。
もともとスポーツチャンネルはほぼ観られる契約をしているから、
今さらDAZNを追加契約する必要はなし。追加はNetflix一択です。
 
どうせ観るならNetflixオリジナル作品を。
2020年のアメリカのドキュメンタリーです。
昨年9月に配信がスタートした模様。
 
2018年、アメリカ・コロラド州
ワッツ家は夫クリスと妻シャナン、娘ベラとセレステの4人家族。
シャナンのお腹の中には15週目を迎える赤ちゃんがいました。
 
お似合いの夫婦に愛らしい娘たち。
絵に描いたように幸せな家族のはずが、シャナンと娘たちが失踪。
連絡がつかないことを心配する同僚で親友のニコールが通報。
やがてクリスに殺人の容疑がかかります。
 
当時、全米で話題になった殺人事件らしいです。
シャナンのSNSへの投稿や夫婦間あるいは友人とのLINEのやりとり、警察の記録映像など、
関係者から入手したという映像がそのまま使われていて、
ここまで晒す必要があるのかというほど生々しい。
 
警察による取り調べの様子もそのまんま。
かつては体重が110kgあったというクリスが痩せて筋骨隆々になり、
「男性が筋トレをするのは見せたい相手がいるから」と警官は断言。
浮気なんてしたことがないとクリスは否定しますが、
実際には浮気相手がいて、その浮気相手の映像もバッチリ出ます。
 
私には本作がよくできた作品なのかどうかわかりません。
集めた映像を繋ぎ合わせただけだといえばそうだし、
でもたとえば私が同じ映像でこのような作品を作り上げられるかと聞かれたら
もちろん絶対無理ですし。
ただ、そこには感動のようなものはまったくなく、
プライベートすぎる他人の家の事情に戸惑い、
痴話喧嘩の果てに幼い子どもたちまで殺された痛ましさだけが募ります。
 
字幕が「シャナン」だったり「シャノン」だったりするのは勘弁してほしいなぁ。
ヤジウマ的好奇心を満たすにはじゅうぶんな作品としか言えない。
こういう作品は今後も多く撮られることでしょう。
 
あと、Netflix初体験でめちゃくちゃ腹が立ったことひとつ。
エンドロールに入ると、向こうが勝手に選んだ次の作品の上映が始まります。
そして一旦始まるや、元のエンドロールに戻ることができません。
大きなお世話やっちゅうの。エンドロールを最後まで見せろっ。
これがドラマだったりすると、次のエピソードが勝手に始まるらしく、
わりと最近まではこの設定を変更することができなかったそうです。
今は変更できることを知り、即変更しました。
マーベル・コミックの作品などは最後の最後にオマケがある場合が多いのに。
最後まで観るほうをデフォルトにしてほしい。
でもこっちがデフォルトになっているということは、
エンドロールを最後まで観ない人のほうが多いってことか。

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『ファーザー』

『ファーザー』(原題:The Father)
監督:フロリアン・ゼレール
出演:アンソニー・ホプキンス,オリヴィア・コールマン,マーク・ゲイティス,
   ルーファス・シーウェル,イモージェン・プーツ,オリヴィア・ウィリアムズ他
 
京都シネマで4本はしごの4本目、イギリス/フランス作品。
アンソニー・ホプキンスは本作で第93回アカデミー賞主演男優賞を受賞しました。
「感動のヒューマンドラマ」とあるのですが、それはちょっと違いませんか。
戦慄が走るというのか、不安でたまりませんでした。
 
ロンドンで一人暮らしをする老人アンソニー。
心配する娘アンがアンソニーと合いそうな介護ヘルパーを見つけてくるが、
気難しいアンソニーは難癖を付けてはヘルパーを追い出してしまう。
アンソニーには認知症の兆候が現れていて、日に日に悪化。
しかも本人はそんな認識がまったくないから、アンにも辛く当たり……。
 
ストーリーとしてはこれだけのことなんです。でも凄い。
認知症の人が何を思い、何を見て、どう認識しているのかは実際のところはわからない。
どんなに研究しようとも、研究している人は認知症ではないのですから。
 
でも、実際こんな感じなのかもしれないと思わされます。
自分の家にいたはずなのに、どこか様子がちがう。
独身のはずの娘に恋人ができたらしいと思ったら、娘は結婚していると言う。
その娘の夫を名乗る人物が目の前にいて、自分を冷ややかな目で見つめている。
 
もはやどの女性が自分の娘なのかもわからない。
ヘルパーだという若い女は、末の娘にそっくりで、でも末の娘はもうこの世にいない?
 
自分は知的で、何でもひとりでできるはずだったのに。いや、できるのに。
自分を子どものように扱うこの女は誰だ。この男は誰だ。
頭がおかしくなっているのは認めたくない。でも何が起きているのかわからない。
 
その言動を、戸惑いに満ちた心の裡を、こんなにも表現できるものなのですね。
アンソニー・ホプキンスの演技はもちろん素晴らしい。
そしてアン役を演じたオリヴィア・コールマンも素晴らしい。
 
感動的なシーンなんてありません。ただ、つらい。

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『ブルーヘブンを君に』

『ブルーヘブンを君に』
監督:秦建日子
出演:由紀さおり,小林豊,柳ゆり菜,本田剛文,大和田獏,寺脇康文,
   おかやまはじめ,岩橋道子,柊瑠美,鈴木信二,小池里奈,寺泉憲他
 
京都シネマで4本ハシゴの3本目。
 
秦建日子監督は東京都のご出身ですが、
地方創生ムービー、いわゆるご当地ムービーでよく名前をお見かけします。
『クハナ!』(2016)では三重県桑名市、『キスできる餃子』(2018)では栃木県宇都宮市。
そして本作は岐阜県揖斐郡の池田町、揖斐川町、大野町が登場します。
 
主演の由紀さおりのモデルになっているのは、実在のバラ育種家なのだそうです。
 
世界初の青いバラ“ブルーヘブン”を生み出した園芸家・鷺坂冬子(由紀さおり)は、
ステージ4の癌で闘病中だが、家族には癌の再発を内緒にしており、
彼女が余命半年であることを知っているのは主治医・川越恵一(大和田獏)だけ。
川越は化学療法を強く勧めるが、冬子はウンと言わない。
 
やがて冬子は人生でやり残したことについて考え始める。
若かりし頃の初恋。その相手が没頭していたのはハングライダー。
この世を去る前に自分の手で空を飛んでみたいと考える冬子。
 
池田山のハングライダー発進基地を訪れた冬子は、
どうしても自力で飛びたいのだと力説するが、
30kgの装具を着けて離陸時と着陸時に走らなければならないのだから無理。
それでも諦めきれない冬子は、癌のことは伏せたまま、孫・蒼太(小林豊)に相談。
両親の離婚で別れて暮らす蒼太の弟・恩田正樹(本田剛文)も巻き込む。
 
ばあちゃんがなんとか飛べる装置をつくれないものか。
そう考えた蒼太は、正樹の取引先の凄腕女性整備工・鈴木夏芽(柳ゆり菜)に協力を仰ぎ……。
 
余命わずかになってやり残したことをやるという話はありがち。
空を飛んでみるなら『最高の人生の見つけ方』(2019)も最近の作品。
別に珍しくもなくて、またかぁと思いながら鑑賞に臨みました。
 
でも思っていた以上によかった。
由紀さおりの化粧が濃いのが気になるものの(笑)、上品で逞しいばあちゃんを好演。
孫ふたりのやりとりは可笑しく、夏芽のバカ親父役で登場する寺脇康文もよかった。
秦監督自身の原作で、脚本も書いて、メガホンを取る作品はどれも温かい。
 
本人がやりたいということをすればいい。
思ってはいてもなかなかそうはさせられないだろうけれど、
自分の余命がわずかになったら、そうさせてほしいですよね。
 
治らないかもしれないなんて考えるなということかもしれないけれど、
今いちばんしたいこと、してもいいんじゃないですか。

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