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『キャラクター』

『キャラクター』
監督:永井聡
出演:菅田将暉,Fukase,高畑充希,中村獅童,小栗旬,中尾明慶,松田洋治,
   宮崎吐夢,岡部たかし,橋爪淳,小島聖,見上愛,テイ龍進,小木茂光他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
コミックが原作なのかと思っていたら、そうではないのですね。
私も大好きだった浦沢直樹の『MASTERキートン』の共同原作者・長崎尚志が原案を打ち出し、
川村元気ら凄腕のプロデューサーたちがずっと構想を練り続けていたとか。
監督は永井聡ということで、期待大。
 
独り立ちできずにいる漫画家志望の山城圭吾(菅田将暉)。
売れっ子オカルト漫画家・本庄勇人(宮崎吐夢)のアシスタントを務めて長い。
画は天才的に上手いのに、キャラクターが弱い。
それというのも、善人過ぎて悪人を描くことができないから。
 
これで無理ならあきらめると同棲中の恋人・夏美(高畑充希)に約束し、
やり手編集者・大村誠(中尾明慶)のもとへ持ち込んだ作品も
リアリティがないという理由で却下されて、漫画家を断念することに。
アシスタント最後の仕事の日、本庄から「幸せそうな一軒家のスケッチ」を頼まれ、
圭吾は要望に適う一軒家を探して自転車を走らせる。
 
大音量のクラシック音楽が表まで漏れ聞こえてくる家を見つけ、
まさにこれが幸せそうな家だとスケッチしていると、家の中から誰かが出てくる。
不審な者ではない旨を伝えるが、相手はまた家の中へと戻ってしまう。
そのとき、隣家の住人が音楽が大きすぎると苦情を唱え、
警察を呼ぶと言われたものだから、仕方なく圭吾はそれを伝えに家の中へ。
 
そこには無残に殺された4人家族の遺体があった。
腰を抜かしそうになっている圭吾の目の端を犯人の姿がよぎる。
 
圭吾の通報によって警察が到着。
刑事・真壁孝太(中村獅童)と清田俊介(小栗旬)から事情聴取された圭吾は、
なぜか自分が犯人を見たことを黙っていた。
 
その後、自分だけが知る犯人を基に生み出した殺人鬼キャラクター“ダガー”を主人公に
サスペンス漫画“34(さんじゅうし)”を描きはじめたところ、異例の大ヒット。
圭吾は一躍大人気の漫画家となるのだが……。
 
企画が上がってから映画を製作するまでに時間を要したのは、
ふさわしい俳優がなかなか見つからなかったこともあるようです。
菅田将暉ならこの役ができると思われただけあって、凄い。
また、殺人鬼を演じるSEKAI NO OWARIのFukaseも薄気味悪くてピッタリ。
「お母さん、僕のこと、気味が悪いと思ってるんでしょ」って、思うってば(笑)。
 
物語の核心に触れることにもなってしまうのですが、
無戸籍の子どもがいるという事実がとても悲しい。
エンディングの殺人鬼のひと言に誰が答えられるでしょうか。
 
善人だった圭吾が最後に見せる表情にぞっとしました。
あのときもしもそのままだったら。
人が変わってしまう瞬間って、誰にでもあるのかもしれません。
 
ここから書いてはいけないネタバレです。
何がショックだったって、小栗くんが途中で死んでしもたことや!
やっぱり好き♪

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『クローブヒッチ・キラー』

『クローブヒッチ・キラー』(原題:The Clovehitch Killer)
監督:ダンカン・スキルズ
出演:チャーリー・プラマー,ディラン・マクダーモット,サマンサ・マシス,
   マディセン・ベイティ,ランス・シャンタイルズ・ ウェルツ他
 
シネマート心斎橋にて3本目。
 
敬虔なクリスチャンが多く住むアメリカのある田舎町。
16歳の少年タイラーは、両親と妹の4人家族。
父親のドンは地元の名士として崇められ、ボーイスカウトの団長も務めている。
 
ある日、夜中にドンの車に乗ってこっそり家を抜け出したタイラーは、
気になっている女子エイミーとデート。
いい感じになって助手席を倒そうとしたとき、
エイミーが座席の下に落ちていた写真を見つける。
そこにはボンテージファッションの女性が写っており、
ドン引きしたエイミーはそそくさと帰ったばかりか、
翌日学校ではタイラーが変態だという噂を広められていた。
 
誓って自分の写真ではない。こんな趣味もないし、逆に気持ちが悪い。
だけどこれは誰の所持品なのか。父親のものとしか考えられない。
 
タイラーの頭の中には、この町で起きた未解決の連続殺人事件のことが巡る。
もしかすると自分の父親は“クローブヒッチ・キラー”と呼ばれている犯人なのではないか。
 
誰かに相談したくて友だちに近寄るが、変態扱いされているせいで話を聞いてくれない。
致し方なく、いつもひとりでいる変わり者の女子キャシーに相談すると、
身内が警察関係者だったというキャシーが協力してくれることになって……。
 
「クローブヒッチ」とは「巻き結び」を指すそうです。
殺害の仕方からそんな名前で呼ばれるように。
 
10年前にぷっつりと殺人は止んだけど、犯人は見つからないまま。
幸せな家族、優しくて理解あると思っていた自分の父親が殺人犯かもしれない。
 
気のせいでした、よかった、なんていう話ではありません。
物置やら地下室やらを探ってみたら、犯人を示すものしか出てこない。
息子に探られていることに気づいた父親の怖いこと、ずるいこと。
 
父親のことを信じたいけど信じられない。
また殺人事件が始まることは止めたいと、タイラーとキャシーは勇気ある行動に出ます。
このふたりの行動は後から「実はこんなでした」と描かれる方式で楽しめます。
 
カンザス州で1970年代から1990年代にかけて実際に起きた事件をモチーフにしているとのこと。
実在のシリアルキラーの名前はデニス・レイダー。
人となりはウィキペディアに書いてあるものをほぼ忠実に映画で再現しているようです。
 
スッキリ明るく終わるはずもない話。
でもこうするしかなかったよね。とても不気味な作品。
現実は映画とは異なり、デニス・レイダーは今も服役中です。

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『潜入』

『潜入』(英題:Bloody Tie)
監督:チェ・ホ
出演:ファン・ジョンミン,リュ・スンボム,キム・ヒラ,
   チュ・ジャヒョン,オン・ジュワン,イ・ドギョン他
 
シネマート心斎橋にて、『ザ・バッド・ガイズ』の次に。
 
2006年の韓国作品を今ごろ劇場公開。
TVドラマ『ハッシュ 沈黙注意報』が面白いとの噂を聞いていますから、
その主演、ファン・ジョンミンの人気に便乗したのでしょう。
未公開だったのも納得の作品だろうと期待せずに観に行ったら、面白かった。
当時は俳優の知名度が低かったから未公開になったのかな。
ファン・ジョンミンよりむしろリュ・スンボムのほうが凄い。ダブル主演です。
 
1998年、国家が破産するかという経済危機に見舞われている韓国。
不安を払拭するために麻薬に逃避する人も多く、
釜山の売人イ・サンドは記録的な利益を上げていた。
サンドは起業家肌の売人で、自分では決して麻薬を使わない珍しいタイプ。
 
そんなサンドに目をつけたのが、刑事ト・ジングァン。
4年前、相棒を悪名高い麻薬王チャン・チョルに殺されたジングァンは、
釜山から麻薬を一掃するという目標を掲げ、そのためなら何でもする。
サンドに内通者として潜入させ、麻薬組織の一網打尽を狙うのだが……。
 
清廉潔白なイメージでファン・ジョンミン演じるジングァンを見ると、
なんだこの刑事はと思わされます。
酒癖悪く、事件で未亡人となった女にはすぐ手を出す。
そのせいで本作はR15+指定です(笑)。
ものすごく暴力的で、相手を半殺しにすることなどしょっちゅう。
サンドの弱みを握って彼からカネを巻き上げるし、
こんなの汚職警官となんら変わらない。
 
一方のサンドは、自分の叔父が麻薬に手を染めている。
ヌボーっとした爺さんのふりをして、実は「教授」と崇められる麻薬密造者。
叔父のもとで働いていた自分の母親を叔父のせいで亡くしました。
憎んでも憎みきれない相手なのに、身内ゆえ、どうしても見捨てられません。
 
ジングァンがあまりに嫌な感じなので、サンドが気の毒になってしまう。
ここにもまた出世を狙うお役人が登場して、
世の中こんなに腐っているのかと愕然とします。
あ、これも実話に基づいたフィクションだそうですから。
 
サンド役のリュ・スンボムは昭和の映画が似合いそうな顔つき。
フォーク歌手っぽいのです(笑)。
検索してもあまり顔写真は出てこないけど(見たい顔でもないですが(^^;)、
素晴らしい演技だったので、彼の出演作をほかにも観てみたいです。

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『ザ・バッド・ガイズ』

『ザ・バッド・ガイズ』(英題:The Bad Guys: Reign of Chaos)
監督:ソン・ヨンホ
出演:マ・ドンソク,キム・サンジュン,キム・アジュン,チャン・ギヨン,
   カン・イェウォン,キム・インウ,パク・ヒョジュン,チョ・ドンヒョク他
 
大阪のシネコンは一昨日まで平日のみの営業でしたが、
シネマート心斎橋は6月1日から全日時短営業を再開。
“おうちでシネマート”も継続中で、新作も追加されているようです。
これは「おうちで」のほうではなく、劇場で鑑賞。
 
2014年に韓国で大人気を博したTVドラマ『バッドガイズ 悪い奴ら』。
その劇場映画版が本作で、2019年に公開されて大ヒット。
愛すべきデブマッチョ、マ・ドンソクですからね、絶対観たくなります。
 
服役中の囚人が減刑と引き換えに凶悪犯罪者の逮捕に手を貸すという、
“ワイルド・スピード”シリーズみたいな感じです。
終盤、マ・ドンソクが登場するシーンでは、
レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの“Wake Up”みたいな曲がかかっていて(そのもの?)、
マトリックス(1999)かよ!と思いました(笑)。
 
服役中の元暴力団員パク・ウンチョル(マ・ドンソク)は、
旧友が何者かに殺されたことを知る。
犯人に心当たりはないかと元刑事オ・グタク(キム・サンジュン)に尋ねると、
調べるべき情報を持っていると言う。
しかしグタク自身は肝臓癌を患っており、引退した身で、
もう関わる気はないからそっとしておいてほしいと言われる。
 
その頃、護送車が襲われ、乗っていた凶悪犯たちが逃走する事件が起きる。
一刻も早く凶悪犯たちを捕まえねばならず、
グタクも知らん顔をしているわけにはいかなくなる。
 
というのもグタクは特殊犯罪捜査課の発案者。
そこは服役中の囚人たちを使って事件を解決する課で、ウンチョルもその一員。
ほかに、警察学校を首席で卒業していながら服役中のコ・ユソン(チャン・ギヨン)、
凄腕の女詐欺師クァク・ノスン(キム・アジュン)が招集されるのだが……。
 
すごく面白いです。まるで『エクストリーム・ジョブ』(2019)。
しかも『エクストリーム・ジョブ』の刑事たちより
こっちの犯罪者たちのほうが頼りになるんじゃないかと最初は思うほど(笑)。
 
ネタバレですが、黒幕は日本のヤクザという設定ですから、
ストーリーに嫌悪感を抱く人もいるかもしれません。
でも嫌日を煽る意図ではないと思います。というのか思いたい。
マ・ドンソクが「タマネギは入れないでください」とか口走るのも可愛いし(笑)。
 
背後に大きな組織があるのも映画では普通のことだし、
そこに出世狙いの悪徳警官が絡んでいるのもよくあることだし、
序盤は嫌な奴だった刑事と最後はタッグを組むのもありがちだし、
でもこういう先が読めて安心できる話は良いですね。
汚職警官かどうか見極めるコツが面白かった。なるほど!
 
必ずTVドラマ版も観たくなります。観たい!

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『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』

『ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち』
監督:飯塚健
出演:田中圭,土屋太鳳,山田裕貴,眞栄田郷敦,小坂菜緒,
   落合モトキ,菅原大吉,八十田勇一,濱津隆之,古田新太他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
これも緊急事態宣言発令前に覚えるほど予告編を観た作品。
テストジャンパーの存在すら知りませんでした。へーっ!
もちろん実話に基づく
 
1994年、リレハンメルで開催された冬季オリンピック
ラージヒル団体に出場したスキージャンパーの西方仁也(田中圭)らは、
3人飛んだ時点で金メダル確実。4人目が無難に飛べればOK。
ところがその4人目に飛んだエースの原田雅彦(濱津隆之)がまさかの失敗。
金メダルを逃し、銀メダルにとどまってしまう。
 
1998年、冬季オリンピックが地元長野で開催されるに当たり、
4年前の雪辱を誓い、練習に励んできた西方だったが、
腰の怪我などもあって、代表から外れてしまう。
ほかの3人はあのときのメンバー。なぜ俺だけが外れなければならないのか。
 
傷心の西方のもとをコーチの神崎幸一(古田新太)が訪れ、
どうせ暇だろう、この先の仕事のことも考えて連盟に恩を売るためにも
テストジャンパーを引き受けろと酷なことを言う。
メダリストが裏方に回るなんてと思いながらも確かに暇。
渋々引き受けた西方は現地入りするのだが……。
 
テストジャンパーは全部で25人。
選手たちが飛ぶ前に、路面をならしつつ安全を確かめる裏方がいるのですね。
ゆるゆる滑るわけじゃない。
本気で滑りつつ、積もった雪を蹴散らすことを念頭に置いて滑る。
 
西方よりもずっと若く次のオリンピックを目指す選手に眞栄田郷敦。
ほかのテストジャンパーたちを見下す態度を示しますが、
実は彼は負傷時のトラウマを抱え、少しでも風のある日は飛ぶのが怖い。
 
紅一点、女性ジャンパー役を演じるのは日向坂46の小坂菜緒。
彼女は申し訳なくも演技が上手いとは思えませんが、可愛いからいっか。
オリンピックに出たくとも、そもそも女性ジャンプが種目にない。
テストジャンパーとしてでもいいから飛びたいという強い気持ちは伝わってきます。
女がスキージャンプなんてするものじゃないという父親との葛藤も。
 
いちばんよかったのは難聴のジャンパー役、山田裕貴
困難な人生を送ってきたはずの彼は、飛んでいるときは自由になる。
真面目で明るく、チームの盛り上げ役です。
皆が言う歓声も拍手も彼には聞こえない。でも感じることができます。
 
葛西紀明役の落合モトキと連盟の偉いさん役の菅原大吉
このふたりともが出演している作品を最近観たぞと思ったら『FUNNY BUNNY』でした。
彼らもまたバイプレイヤーズにちがいない。
飯塚健監督の作品には揃ってよく顔を出しています。
 
どうしても違和感があったのは濱津さん。
原田に似た容姿だから抜擢されたのでしょうが、
彼はどうしても『カメラを止めるな!』の監督にしか見えません。(^^;
 
西方の妻役には土屋太鳳
『哀愁しんでれら』でも夫婦役を務めていましたが、そりゃもうこっちのほうが断然普通。
こんなふうに寄り添ってくれる奥さんがいたら頑張れると思う旦那衆は多いはず。
 
感動を押し付けられ気味であることは否めません。
でも、金メダルの裏にこんなテストジャンパーたちがいたことを知れてよかった。
ジャンプ台から自分も飛んでいる気分も味わえます。

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