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『白蛇:縁起』

『白蛇:縁起』(原題:白蛇:縁起)
監督:黄家康,趙霽
声の出演:三森すずこ,佐久間大介,佐倉綾音,杉田智和,
     悠木碧,柴田秀勝,本田貴子,石川界人他
 
たいそう話題になっているらしく、大阪ステーションシティシネマは満席。
中国のアニメでここまで客が入るのはなかなか珍しいのでは。
売れそうだということで慌てて(かどうか知らんけど)日本語吹替版を作ったなんて、
とにかく、中国で歴史的な大ヒットを飛ばしたフル3DCGアニメ作品。
 
唐代の中国。
見た目は女性の姿をしているがその実、白蛇の妖怪・白。
 
国師は不老不死の象徴である蛇の捕獲を民に強いている。
致し方なく蛇狩りをおこなう民たち。
そんな国師に憤る蛇族の頭領・蛇母は、白に国師を殺すように命じるが、
暗殺は失敗に終わり、白は逃亡を余儀なくされる。
 
倒れていた白を見つけたのは、蛇狩りの村に暮らす青年・宣。
眠りから覚めた白は記憶を失っており、自分が何者なのかも思い出せない。
 
白が持っていた不思議な簪を見た宣は、
簪の作り手を訪ねれば、白が記憶を取り戻す一助となるのではと考える。
ふたりは工房“宝青坊”に向かって出発するが、
その途中、何者かに襲われたさいに白は蛇の姿に戻り、
彼女が蛇の妖怪であることがわかる。
 
一方、国師と蛇族の間では今にも戦いが始ろうとしていて……。
 
古代に伝わる『白蛇伝』の前世の話とされています。
評判に違わず、非常に面白くて美しい作品でした。
不老不死がらみでは、なんなら『ジャングル・クルーズ』より上かと(笑)。
 
白、宣、その他のキャラクターが生き生きとしています。
宣の飼い犬“はらまき”のなんと愛おしいこと。
白の力によって人間の言葉をしゃべれるようになったときのはらまきが可笑しい。
宝青坊の怪しげな看板娘も魅力たっぷりだし、国師と蛇母はわかりやすい悪役。
 
なんでこんなに客が入っているんだろうと思ったら、
もしかして宣の声を担当しているのがSnow Manの佐久間大介だから?
それにしては老若男女すべての層がいましたけれど。
 
コロナ以降、より中国嫌いの人が増えている気がしますが、
こんな世界もあります。オススメのアニメです。

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『映画 クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』

『映画 クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』
監督:高橋渉
声の出演:小林由美子,ならはしみき,森川智之,こおろぎさとみ,
     仲里依紗,フワちゃん,松尾駿,長田庄平他
 
春先の公開を楽しみにしていたのに、延び延びになって夏の公開。
しかも『ジャングル・クルーズ』同様、子ども向けということなのか、
109シネマズでは夜間の上映なし。
イオンシネマ茨木はかろうじて18時半からの上映がありました。
 
何年か前からかかさず観ている“クレしん”劇場版第29弾。今回も面白いぞ。
 
全寮制の超エリート校、私立天下統一カスカベ学園、通称天カス学園へ、
1週間体験入学する話を風間くんが持ち込む。
5人1組で申し込むことができるらしく、かすかべ防衛隊はちょうど5人。
風間くんの案内で、しんのすけ、ネネ、マサオ、ボーちゃん、皆参加。
 
天カス学園はポイント制のシステムを取っており、
エリートらしい行いだと認められるときにはポイントが加算される。
たとえば成績優秀の場合はもちろんのこと、
さまざまな分野で秀でた才能を持つ者はポイントが増える。
但し、逆の行いをすればポイントはダダ減り。
 
体験入学中にポイントを増やすことができれば、
天カス学園への正式な入学が認められると知って、風間くんは大はりきり。
一方のしんのすけはといえば、いつもの調子で好き放題。
ネネたちも豪奢な校舎での生活を楽しみ、エリートには興味がない。
しんのすけたちに足を引っ張られ、苛立ちを隠せない風間くん。
 
天カス学園には古びた時計塔があり、そこには吸血鬼ならぬ吸ケツ鬼が出るとの噂。
おケツを噛まれた生徒はおバカになるという怪事件が頻発していた。
夜中に行方がわからなくなった風間くんをしんのすけらが探すと、
風間くんは時計塔で倒れていた。目覚めた彼はすっかりおバカになっていて……。
 
おバカな話なんですが、しっかりミステリーになっているところが凄い。
吸ケツ鬼の正体は誰なのか、いったい何のためにこんなことをしているのか。
あの人もこの人も怪しくて、最後までネタ割れしません。
 
偉そうなところが鼻につく風間くんだけど、
体験入学を持ち込んだのは、みんなと離れたくなかったから。
自分だけお受験でほかの小学校へ行く可能性が高いから、
しんのすけたちと一緒に天カス学園へ行きたかったのですよね。
 
エリートとは何か。
お勉強すらできれば、人間的にはどんなだっていいのか。
学園長も決してそんなことを思っていたわけではないのに、
教師役を務めるAIが学園長の言葉の表面のみを受け取って
スーパーエリートを養成しようとしていたのも面白い。
 
33代番長には惚れましたがな。
それから、「弱音と二日酔いは、吐くと楽だって父ちゃんが言ってたぞ」。
覚えておきます。でももう吐くほどは飲まない(笑)。

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『ジャングル・クルーズ』〈吹替版〉&〈字幕版〉

『ジャングル・クルーズ』(原題:Jungle Cruise)
監督:ジャウマ・コレット=セラ
出演:ドウェイン・ジョンソン,エミリー・ブラント,エドガー・ラミレス,
   ジャック・ホワイトホール,ジェシー・プレモンス,ポール・ジアマッティ他
声の出演:小山力也,木村佳乃,宮内敦士,斉藤慎二,小森創介,魚健他
 
まずは吹替版を封切り日に109シネマズ箕面にて。
 
ただでさえ洋画は字幕で観る派なのに、
ドウェイン・ジョンソン主演作品を吹替で観るなんてありえない。
でも、お子ちゃま向け作品という認識なのか、
仕事帰りに観られるような時間帯には字幕版の上映がないんです。
 
だけど、監督はジャウマ・コレット=セラですよ。あの『エスター』(2009)の(笑)。
そんな人にディズニーランドの人気アトラクションをモチーフにした作品を撮らせるなんて、
正気やろかと思いましたが、うん、まぁまぁ。
お出来になる人はどんなもん撮らせても出来るんですねぇ。
 
アマゾンのジャングルにあるという伝説の奇跡の花。
その花びらがあれば、どんな病も治せるらしい。
植物学者のリリー(エミリー・ブラント)はその花びらを探し求め、
弟のマクレガー(ジャック・ホワイトホール)を連れてアマゾンへ。
 
目的地はアマゾンの奥深くにある“クリスタルの涙”。
近づけば呪われると言われている場所で、
そこに至るまでの道中は大変危険に違いない。
乗せてもらう船を操る人間も並の腕の持ち主では困る。
 
リリーが船を探しているときに出会ったのは、
観光客相手のクルーズ船を操るフランク(ドウェイン・ジョンソン)。
相当うさんくさいが、腕前は確かな様子。
リリーとマクレガーはフランクのオンボロ船に乗り込む。
 
出発したものの、船のオーナーであるニーロ(ポール・ジアマッティ)と
奇跡の花を狙うドイツのヨアヒム王子(ジェシー・プレモンス)が追いかけてくる。
ニーロからは早々と逃げおおせたものの、ヨアヒムは絶対にあきらめない。
そればかりか、ヨアヒムは呪われた地に眠る魔人アギーレ(エドガー・ラミレス)を起こし、
結託してフランクたちを襲いにかかり……。
 
吹替版を観ていて何がいちばん気になったって、ダジャレのラッシュなんです。
よくもこんなオッサンくさいダジャレばっかり考えついたなというぐらい(笑)。
はたして英語ではなんと言っているのか、
私にその英語を聴き取る力はないから、字幕ではどうなっているのか、それを確かめたい。
 
物語は子ども向けなのでしょうけれど、
この監督のことだから、格闘シーンはそんなに穏やかでもありません。
呪いをかけられたアギーレたちの容貌もグロい。
アギーレ役のエドガー・ラミレスを最近どこかで見たなと思い返したら、
『YESデー ダメって言っちゃダメな日』のあの温厚なパパ役の俳優で、
こんなえげつない役もできるのかと驚きました。
 
爆発的に面白いわけではないし、子ども向けで2時間超というのはちょっと長すぎます。
と言いつつ、字幕版も観に行くと思います。
 
ドウェイン・ジョンソンのキスシーンって、最近あんまり観ないですよね。
ガタイがよすぎて、ラブシーンというガラじゃなくなっちゃってるのかも。
でもたまにはそんなシーンもほしいのかなぁ。
さて、この5日後、レディースデーに109シネマズ大阪エキスポシティへ。
IMAXシアターで字幕版も鑑賞しました。
何度行ってもエキスポシティのレーザーGT版は凄い。
吹替版を観たときにはそれほど面白くないと思っていた本作なのに、
3割増しぐらいで楽しめました。なんかいっぱい笑った。
やっぱり洋画は字幕版を観るに限るのか、それともこのシアターが凄いのか。
吹替版を観た後に知ったことですが、マクレガーはゲイという設定だったらしい。
ディズニーがそれを早々に発表していたのに、
完成した作品を観ればそうだとわかる描写はほぼなくて、不評だったとか。
そういう背景を知ってから観たからか、
マクレガーがフランクにそれをほのめかすシーンがなかなか切なかった。
いつまでも姉のリリーと一緒にいるのはなぜなのか、
リリーだけがマクレガーの理解者だということを話しています。
ダジャレのオンパレードはどうするのか興味があったけど、
字幕版を観たところでついて行けず。
翻訳担当の方もさぞかし苦労されたただろうと思われます。
まぁ、あんなシャレはなくても別に良い(笑)。
観るなら断然字幕版をオススメします。

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『ねばぎば 新世界』

『ねばぎば新世界』
監督:上西雄大
出演:赤井英和,上西雄大,田中要次,菅田俊,有森也実,小沢仁志,西岡徳馬,
   坂田聡,徳竹未夏,古川藍,金子昇,長原成樹,リー村山,堀田眞三他
 
ランチ前に京都で映画を1本、ランチ後に十三で映画を1本。
なにしろスマホがないものですから、映画を観る可能性があるときは、
外出前にあちこちの上映スケジュールを調べて行かねばなりません。
この日はナナゲイとシアターセブンの時間を調べてありました。
結局、ナナゲイに滑り込み。
 
『ひとくず』(2019)の上西雄大監督の最新作。
もちろん監督ご本人も出演していらっしゃいます。
 
大阪・新世界に暮らす、見た目はまるでヤクザだけど正義の味方、
ボクシングジムの経営者である勝吉こと村上勝太郎(赤井英和)。
彼を親分と慕うコオロギこと神木雄司(上西雄大)とふたりで、
かつてヤクザを片っ端から潰して回った過去がある。
コオロギは訳あって服役していたが、
出所後、元通りそばに居させてほしいと言われて受け入れる勝吉。
 
ある日、新興宗教団体から逃げ出した少年・徳永武を勝吉が保護する。
武の母親は洗脳されて入信、父親は逃走して行方知れず。
 
昔なじみたちの手を借りて武の父親を探し出した勝吉とコオロギは、
その新興宗教団体から武の母親を救出すると決める。
しかしそこには勝吉の恩師・須賀田元 (西岡徳馬)の娘・琴音(有森也実)も入信していたどころか、
団体を率いる大師のもとで彼女が重要な役割を担っていて……。
 
たまたま上西監督と出演者4名(女性ばかり!(笑))が来られていて、
上映終了後に舞台挨拶がありました。これがまた楽しくて。
大阪やなぁと思えるノリのトークで大笑いしました。
 
とてもわかりやすい作品です。
正義感の強いオッサンがふたりいて、そのまわりにいるのも悪は許さないおっちゃんやねえちゃん。
彼ら彼女らが悪い奴をバッタバッタと倒していくんだから、面白くないわけがない。
 
武は口が利けない、一方のコオロギは失読症で字が読めない。
でも心を通わすことはできる。
先日観た『へんしんっ!』を思い出したりもします。
 
Vシネマみたいな世界なので、好き嫌いは分かれるかもしれません。
でもこういう、わかりやすくて、熱くて、
でもいろんなメッセージも込められていて、人間って悪くないよと思える作品、
すごくいいと思います。
大阪弁が嫌いな人、大阪人のノリが嫌いな人は絶対無理ですけど(笑)。
 
予期していなかった舞台挨拶も観られてお得な気分で帰途につく。

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『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』

『東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート』
監督:青山真也
 
平日に休みを取り、京都でランチの前にアップリンク京都にて1本。
 
音楽を担当しているのは大友良英。
映画なら、古くは相米慎二監督の作品、最近では『花束みたいな恋をした』(2017)、
テレビドラマならNHKの朝の連ドラ『あまちゃん』もこの人が音楽を担当。
甘い恋愛ものからこんなドキュメンタリーまで、
どんな音楽でもピッタリに作り上げちゃう人ですよね。
 
という音楽の話はさておき。
 
東京都新宿区霞ヶ丘町にあった都営霞ヶ丘団地。
1946年に長屋形式で建てられたこの団地は、1960年代に入り、
1964年の東京オリンピック開催に伴う開発の一環として、
10棟300戸の都営霞ヶ丘アパートとして建て替えられました。
古いアパートは見た目がよろしくない。そういうことです。
 
そして半世紀以上が経過し、2020年の東京オリンピックの開催が決定。
国立競技場の建て替えのため、都営霞ヶ丘アパートを取り壊すことに。
またしても出て行くことを余儀なくされた住人たち。
 
一度きりの人生で、オリンピックのために二度も家がなくなる。
こんな憂き目に遭った人たちがいたと知って驚きました。
 
撮影に応じた住人のほとんどが独居。
なかには片腕を失った身体障害者の老人もいます。
 
移転に賛成かどうかのアンケートも配られたそうですが、
内容を聞いて目が点になりました。
「移転に反対」という選択肢は存在しない。
移転先としていくつか挙げられていてそれを選ぶのみ。
住人のほとんどがもう移転などしたくないと思っているというのに、
政府の発表では「住人は移転に賛成」になる。はぁ?
 
私が勝手に持っている「立ち退き」のイメージは、
まぁまぁ高額といえるお金を積まれて、「出て行ってくださいね」。
だけどここの住人たちは違う。
身体に障害を持つ人を福祉課が訪ねることもない。
自分で荷物を引きずって階段を降り、リヤカーに積み込んでトボトボと。
 
「上が悪いんだよ。下は言うこと聞くしかないんだから」と、
職員たちに同情的な住人もいますが、言ってから好意的解釈かなと苦笑い。
 
『東京クルド』に出てきた入国管理局の職員とまったく同じ印象を持ちます。
移転先がなくたって知らないよ、そんなの自分で考えろよって。
 
オリンピックのために立ち退かされて、
そのオリンピックは無観客でおこなわれ、依然コロナ禍にある。
元住人たちはどんな思いで見ているのでしょうか。

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