MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『フリー・ガイ』

『フリー・ガイ』(原題:Free Guy)
監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ,ジョディ・カマー,ジョー・キーリー,リル・レル・ハウリー,
   ウトカルシュ・アンブドゥカル,タイカ・ワイティティ,チャニング・テイタム他
 
109シネマズ箕面にて。もちろん字幕版を鑑賞しました。
 
ショーン・レヴィ監督、大好きです。
皆さんご存じであろう作品としては“ナイトミュージアム”シリーズ。
『リアル・スティール』(2011)なんかも知名度高いか。
劇場未公開だったけどめちゃくちゃ面白かったのが『インターンシップ』(2013)。
どれもこれもワクワクさせてくれて、ちょっぴり切なくもある作品ばかり。
 
ついついそっちを優先して観てしまったのですが、こっちに軍配。
スカヨハの元ダンナでブレイク・ライブリーの現ダンナ、ライアン・レイノルズ、絶好調です。
 
毎日同じ時間に起きて、金魚に「おはよう」の挨拶。
シャツとチノパンに着替え、出勤途中のカフェで「いつもの」コーヒーを買う。
巡査に声をかけたら勤務先の銀行へ向かい、窓口業務に就く。
そのうち銀行強盗がやってきて、犯人から言われたとおりに床に伏せたまま、
別に不安も感じずに、警備員で親友のバディと世間話をする。
そんな日々を繰り返している好青年ガイ。
 
実は彼は大人気オンラインゲーム“フリー・シティ”の中のモブキャラ(=背景キャラクター)。
バディもカフェの店員も巡査も、みんなモブキャラ。
モブキャラにはプレイヤーはいないし、いつも同じように行動し、同じ台詞を言うだけ。
なのにある日、ガイはふとカフェで口走る。「いつものじゃなくてカプチーノにしてみようかな」。
これに周囲のモブキャラが大慌てしたのを見て、「冗談冗談」と言うガイ。
 
プレイヤーのいるアバターは皆、サングラスを装着している。
ガイたちモブキャラとは住む世界が違う、カッコイイ人たち。
ところがガイは、サングラス族の中に理想の女性を見つけてしまう。
 
彼女はモロトフ・ガール、プレイヤーはミリーという女性。
ミリーは男友達のキーズとあるゲームを開発したが、
それを最大手ゲーム会社“スミナ”の社長アントワンに奪われた。
自分たちのコードが盗まれたことを証明しようと、ゲームの中で証拠を探すミリー。
そこへ現れたガイがプログラムにないはずの行動を取るものだから、ミリーは驚き……。
 
自分がモブキャラだとは知らずに生きてきたガイ。
理想の女性を探し、それがモロトフ・ガールだと知り、猛然とアタックする。
純粋無垢な感情しか持っていないので、めちゃくちゃ素直。
“フリー・シティ”は殴ったり殺したりすることでレベルが上がるゲームですが、
モロトフ・ガールから「レベルが上がったらつきあってあげる」みたいに言われて、
ならばとアバターが銃を撃てないようにすることでレベルを上げる。
異例の行動でがんがんレベルを上げて行くガイはたちまち人気者になります。
 
ミリーとキーズが開発したゲームは、バイオレンスではない。
もっと平和なゲームを開発したはずなのに、コードを盗用されて、
こんな「美しくない」ゲームができ上がってしまった。
そして、ふたりが目指していたのは、ゲームの中で成長するAI(人工知能)
 
アントワン役で出演しているのはタイカ・ワイティティ
この人、『ジョジョ・ラビット』(2019)の監督さんですよ。絶対変だ(笑)。
監督しても出演しても面白すぎます。
 
AIが出てくる映画って、開発者の意図に反してAIが感情を持ち
悪いほうに話が進むことが多い。
でも本作では、AIにも性善説が適用されるかのようで、すごくよかった。
AIの予期せぬ暴走はあるかもしれないけれど、
開発者がこんな心を持っていれば、悪いほうには進まない。
 
「僕は君へのラブレター」。ちょっと泣いちゃいました。
この台詞を聴くために、もう1回観たくなっています。

—–

『かば』

『かば』
監督:川本貴弘
出演:山中アラタ,折目真穂,近藤里奈,木村知貴,高見こころ,牛丸亮,石川雄也,浅雛拓,
   秋吉麻希,辻笙,さくら若菜,松山歩夢,冨士田伸明,大橋逸生,八松海志,四方堂亘他
 
『サンマデモクラシー』の後、同じくナナゲイにて。
 
休日平日問わず、連日チケット完売しています。
私が観たのも平日晩の回でしたが、満席。
 
これが劇場デビューとなる川本貴弘監督。
本作がこれほどまでに客を呼び込んでいる理由を私は知らないため、
とてもニュートラルな気持ちで贔屓目抜きに鑑賞しました。
 
舞台となっているのは1985(昭和60)年の大阪・西成
そう、この年は阪神タイガースが優勝した年です。
それも絡めながら描かれているのは、虎ファンとしてまず心を鷲掴みにされます(笑)。
実在した教師・蒲益男さんがモデルですが、残念なことに58歳の若さでお亡くなりになったそう。
蒲先生の葬儀には何百人もの人が参列したそうです。
 
……とこれを知った時点でニュートラルな気持ちではなくなりますが、
知ったのは映画鑑賞後のこと。ちょっと胸に迫るものがありますね。
 
1985年の夏。加藤(折目真穂)は西成区の中学校の臨時教員として採用される。
前途洋々たる思いで着任日を迎えるが、想像していなかった世界に唖然。
 
そこは、生徒自身が「ここには、沖縄、部落朝鮮しかおらん」と言い切る場所。
先生はどれやと尋ねられた愛は、咄嗟に「どれも違う。普通」と答え、
「普通ってなんやねん」と生徒たちから詰め寄られる。
 
初日ですっかり自信をなくした加藤だったが、先輩教師の蒲(山中アラタ)から、
野球部の顧問を引き受けてほしいと言われてビックリ。
実は加藤はかつてソフトボールの強豪校で4番打者を務めていたのだが、
女のコーチなど認めないという生徒の繁(松山歩夢)と対決を強いられる。
 
タイトルが『かば』というぐらいだから、蒲先生メインかと思いきや、
主役はこの人と言い切れないぐらい、みんなが主役。
そんなみんなを見守る役目を果たしているのが蒲先生です。
 
この学校には女の先生が少ないからやめんといてなと、
最初から加藤に懐く生徒の裕子(さくら若菜)はいつも明るいけれど、
家に帰れば幼い妹とアル中の父親(浅雛拓)がいる。
晩に出かけては客と飲み歩いている母親(皷美佳)と父親は顔を合わせば喧嘩ばかり。
裕子は誰にも相談することができず、悲しみの淵にいます。
 
また、蒲先生の教え子だった由貴(近藤里奈)は、いい感じの相手がいるが、
自分が西成の出身だということをどうしても言えません。
中学生当時、優等生だった彼女は、先生にかまってもらえる問題児たちを羨ましくさえ思っていました。
 
まさに今のその問題児で転校生の良太(辻笙)が転校初日に繁たちから絡まれ、
「朝鮮やろ」と聞かれて「韓国じゃ!」というところは凄み方に笑いつつ、
常に一括りにしてしまっている自分に気づきます。
 
この映画の中に悪い人はいない。
アル中の父親ですら、娘に暴力を振るったりはしないし、
食事をつくって体のことを気にかけてくれる娘に感謝している。
そして、離婚したとしたら、在日の自分について来るよりも、
日本人の母親について行くほうが娘のためではないかと悩んでいる。
 
すごく好きだったシーンは、良太が家の門を開けて出て行く姿を後ろから捉えたところと、
「お父ちゃん、私の肉じゃが、いっぺんも美味しい言うてくれんかった」と裕子がつぶやいた後の
母親の動きと、そのあと肉じゃがの味見をした裕子の表情を捉えたところ。
あぁ、みんなが観たがるのがわかる、贔屓目だけじゃないと思いました。
 
次々と台詞を思い出したりもしています。
「関西人がみんな阪神ファンやと思うなよ。ジャイアンツファンじゃ」と繁がつぶやくところでは
瀬尾まいこの『戸村飯店 青春100連発』を思い出したり、
同じく繁の「野球を嫌いな奴なんかおらん」というひと言にうなずいたり。
いや、野球を嫌いな人は結構多いと思いますけどね(笑)。
夕日はどこで見ても綺麗なんやな、なんてことも思ったり。
 
公式サイトを見たらまた感激。
ここまでキャストがつぶさに紹介されているのは初めて見たかも。
登場人物をひとり残らず紹介したい思いが伝わってきます。
 
あ、パギやんを見られたのも嬉しかったのを余談ですが(笑)付け加えておきます。

—–

『サンマデモクラシー』

『サンマデモクラシー』
監督:山里孫存
ナビゲーター:志ぃさー
ナレーター:川平慈英
 
シアターセブンで『愛のコリーダ』を観た後、ひとつ上階の第七藝術劇場にて。
 
ナナゲイはかたい(硬いか堅いか迷って仮名(^^;)作品がかかることが多くて、
興味を惹かれて観に行くものの、睡魔に襲われることもしばしば。
本作も観る前から危ないと思っていましたが(笑)、構成が面白かった。
 
ナビゲーターを務めるのは沖縄のマルチタレント、志ぃさー。
もとはりんけんバンドのメンバーで、立川志の輔に師事。
落語家ではないけれど、「うちなぁ噺家」を自称して活動しているそうな。
砂浜に敷かれた緋毛氈の上に見台と膝隠し。
そこで彼がとてもわかりやすく説明してくれます。
川平慈英のナレーションもユーモアたっぷりで理解を助けてくれるもの。
 
1963(昭和38)年、米軍の占領下にあった沖縄。
日本への復帰を願う人たちの食卓に欠かせなかったサンマ。
ところがこのサンマに20%もの関税がかけられていました。
その5年前に公布された高等弁務官布令なるものに、
琉球列島の物品には関税がかかると記されていたから。
 
しかし、関税がかかると指定された魚の中に「サンマ」はない。
サンマなんてどこにも書いてないのに関税がかかっているっておかしいやないかい、
と、琉球政府相手に税金の還付訴訟を起こしたのが魚の卸売業を営む玉城ウシ。
 
このサンマ裁判に端を発し、民主主義をめぐる闘争へと発展していった経緯を本作は追います。
 
ウシおばぁだけの話かと思ったら、違う。
アメリカが最も恐れたと言われる政治家、瀬長亀次郎や、
ウシおばぁを援護する弁護士、下里恵良の話も。
下里恵良は、沖縄が本土に復帰したのち、本土で弁護士資格なしとされた沖縄の弁護士たちを守り、
本土でもその資格を認められるように奔走した人なのだそうです。
 
アメリカに敵視され、徹底的に潰そうとされた瀬長亀次郎。
アメリカからやってくる高等弁務官なるものの着任式で、
「どうかこれが最後の高等弁務官になりますように」と皆の前で祈りを捧げた牧師、最高です。
 
「沖縄の自治は神話」、そんな言葉を事実にしちゃいけない。

—–

『愛のコリーダ』

『愛のコリーダ』(原題:’Empire des Sens)
監督:大島渚
出演:藤竜也,松田英子,中島葵,芹明香,阿部マリ子,三星東美,殿山泰司,藤ひろ子,
   白石奈緒美,青木真知子,東祐里子,九重京司,野田真吉,小林加奈枝,小山明子他
 
全館節電のため半ば強制的に有休を取らされる日その2。
この日は朝十三まで行って車を駐め、北新地へひとりランチに。
14時すぎに阪急電車で梅田からまた十三へ戻って3本ハシゴ。
 
1976年に公開された日本/フランス作品。
芸術か猥褻かで裁判まで起こり、たいそう話題になりました。
このたび2K修復版がリバイバル上映されることに。
当時はまだ子どもでしたから、観る機会なんてあるはずもなく、
大人になってからも「アソコをちょん切られる」というグロさが想像しがたくて敬遠。
でもいま観ないと生涯観ることはなさそうで、思いきって。
シアターセブンは小さい劇場ですが、空席を設けつつ販売されたチケットはほぼ完売。
 
説明するまでもないことでしょうけれど、モチーフになっているのは阿部定事件。
1936(昭和11)年、仲居の阿部定が愛人関係にあった石田吉蔵を扼殺。
その後、吉蔵の陰茎と睾丸を刃物で切り取って逃走。
といっても逃げたつもりがあったのかどうか知りませんが、
数日後に逮捕されたときも定はこれを持っていて、吉蔵の下着まで身につけていたそうです。
 
こんな嘘のような本当の話に基づいているのが本作。
大島渚監督が撮り、若松孝二がプロデュース。
若松監督の名前を聞いたからか、私には本作が連合赤軍の実録ものと何ら変わらないように映ります。
 
いわばずっとヤリ続けている作品だけど、エロかといわれるとわからない。
実際のところ、これを観てムラムラする人がいるのかどうか疑問です。
吉蔵役の藤竜也が定の目の前で68歳の芸者とやるシーンなんて、
アラ古稀の婆様が胸はだけてこんな役せなあかんのか、大変やなと目が点に。
いついつまでも女の部分が残っていることが怖い気もしますね。
 
藤竜也にしろ、定役の松田英子(松田暎子名義の出演作も他にあり)にしろ、
上記の婆様やその他の吉蔵の相手役の女優陣も、
こうして脱いで絡んで、そのうえちゃんと演技までしないといけないのですから、
そりゃもう現場は大変だったろうと思うのでした。役者魂これに見たり。
 
日活ロマンポルノを観たときのような、ノスタルジーも感じます。
早世した松田英子、モデルとなった阿部定本人の最期も気になるところ。
幸せでしたかと聞いてみたいのは野暮でしょうか。

—–

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』(原題:The Suicide Squad)
監督:ジェームズ・ガン
出演:マーゴット・ロビー,イドリス・エルバ,ジョン・シナ,ジョエル・キナマン,ヴィオラ・デイヴィス,
   ピーター・キャパルディ,デヴィッド・ダストマルチャン,ダニエラ・メルキオール他
声の出演:シルヴェスター・スタローン
 
109シネマズ箕面にて。
 
前作は『スーサイド・スクワッド』(2016)、この続編のタイトルが「2」とかじゃなくて、
『ザ・スーサイド・スクワッド』って、なんだか洒落ていてカッコイイ。
世間の評判がどうだかは知りませんが、私はとっても楽しかった。
 
アメリカ政府は、南米の島国コルト・マルテーゼの危険な動きを察知。
ジョーカーの元恋人ハーレイ・クイン(マーゴット・ロビー)を含む極悪受刑者たちを集め、
“スーサイド・スクワッド(=決死部隊)”を結成。
受刑者たちに10年の減刑と引き換えに極秘ミッションを命じる。
 
コルト・マルテーゼへと密かに乗り込んだのはハーレイ・クインのほか、
リーダーを務めるエリート軍人リック(ジョエル・キナマン)、
ブーメランを武器とするキャプテン・ブーメランことジョージ(ジェイ・コートニー)、
接近戦の達人である老人サバント(マイケル・ルーカー)などなど。
しかしメンバーのひとりが裏切り行為に走り、チームは捨て駒同然になってしまう。
 
一方、リックたちとは別に逆側から乗り込んだチームがあった。
リーダーは最強のスナイパー、ブラッドスポート(イドリス・エルバ)。
ブラッドスポートはスーサイド・スクワッド入りなど望んでいなかったが、
チームに指示を出す政府職員のアマンダ(ヴィオラ・デイヴィス)が汚い手を使い、
ブラッドスポートがチームに入るしかないように強いたのだ。
 
彼のチームのメンバーは、ネズミ使いのラットキャッチャー2(ダニエラ・メルキオール)、
スーパーマンを苦しめたという噂のピースメイカー(ジョン・シナ)。
体から水玉を放出するポルカドットマン(デヴィッド・ダストマルチャン)、サメ人間のナナウエ。
ブラッドスポート先導のもと、チームは「スターフィッシュ計画」なるものが潜行中の、
ナチス時代に建てられた研究所へと侵入を試みるのだが……。
 
このところグロい映画ばっかり観ているような気がします(笑)。
どれにも劣らぬほどこれもグロいですが、愛嬌がある。
 
なんといっても可笑しいのは、サメ人間の声をシルヴェスター・スタローンが担当していること。
“bird”とか“friends”とか、ほとんど単語でしかしゃべらないナナウエ。
よくもこれの声を担当してくれだなんてオファーしたものだと思いますが、
かつてヴィン・ディーゼルに“I am Groot”としか言わないグルート役をやらせたガン監督。
遊び心が効いていて、役者もそれに乗ったのでしょうね。
 
囚われたハーレイ・クインがどんな拷問にも耐え、
敵をひとりでぶっ殺して脱出するところはお見事。
ちょうど彼女を救出に行こうとしている仲間を見つけ、仲間は唖然、
彼女が「じゃあもう一度捕まりに行っとく?」というシーンが予告編でも大好きでした。
あ、そういえば予告編では「遅れてごめん、うんちしてた」という台詞は、
「大きいほうしてた」に字幕が変更されていました(笑)。
リックたちの台詞の中に「咳エチケットは守れよ」などというものもあり、コロナ禍仕様。(^o^)
 
いまだにどちらがどちらなのかわからないのです、DCコミックスマーベルコミック
どっちでもいいや、とにかくスーパーヒーローものは楽しい。
アンチヒーローだってスーパーヒーロー。

—–