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『ベケット』

『ベケット』(原題:Beckett)
監督:フェルディナンド・シト・フィロマリーノ
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン,ボイド・ホルブルック,ヴィッキー・クリープス,
   アリシア・ヴィキャンデル,マイケル・スタールバーグ他
 
8月13日に配信が開始されたNetflixオリジナル作品
はっきり言って、私には本作の立ち位置がようわからん(笑)。
 
アメリカ人カップルのベケットとエイプリルは、休暇を過ごすためギリシャへ。
アテネに滞在する予定だったが、大規模な集会がおこなわれると知り、
宿泊予定のホテルも騒がしくなることを懸念して田舎町に移動する。
 
宿に向かって運転中、睡魔に襲われたベケットは運転を誤り、そのまま転落。
道路の下にあった家に車もろとも突っ込む。
ベケットは腕の骨折等の怪我で済んだが、エイプリルは死亡。
 
地元の警察署で事故について調べを受けた折、
突っ込んだ家の中に少年と女性がいたのを横転した車の中から見たと話すと、
「あの家は長く誰も住んでいない空き家だ」と警察官が言う。
 
釈然としない思いを抱えたまま、警察署を後にしたベケットは、
命を絶つことも考えながら、ふと事故現場へと戻ってみる。
すると、追いかけてきた何者かがベケットに向かっていきなり発砲。
彼が話した警察官までもがやってきて、ベケットを殺そうとするではないか。
 
何がなんだかわからず逃げ出すベケット。
大使館へ向かおうとするが、ギリシャ中の警察官がベケットを追っているらしく……。
 
誰もいないはずの家の中で見かけた少年は、リベラル派の政治家の息子でした。
極右組織が息子を誘拐して、その政治家を黙らせようとしている、
そんな認識を持たされて最後の最後まで話は進みます。
 
観光に訪れた国で、見てはならないものを見てしまって殺されかける。
こんなことが実際にあったら堪ったもんじゃありません。
巻き込まれ型の最たるものですが、本当の理由が政治とはかけ離れたものだったら、はぁ!?
ベケット役のジョン・デヴィッド・ワシントンと一緒に目が点になりました。
 
苦笑いしたくなるような理由で追いかけられ、消されそうになったベケットが、
少年を救出しようと頑張るところはイイ。
所詮世の中で起きていることの理由なんて、こんなもんなのかなぁ。
 
もともとは、“Born to Be Murdered”というタイトルで配信される予定だったそうです。
それを“Beckett”にしたのはなんでなのでしょう。
同じジョン・デヴィッド・ワシントン主演の『TENET テネット』(2020)との
単なる語呂合わせを疑ってしまいます。

—–

『鳩の撃退法』

『鳩の撃退法』
監督:タカハタ秀太
出演:藤原竜也,土屋太鳳,風間俊介,西野七瀬,豊川悦司,佐津川愛美,桜井ユキ,柿澤勇人,
   駿河太郎,浜野謙太,岩松了,村上淳,坂井真紀,濱田岳,ミッキー・カーチス,リリー・フランキー他
 
109シネマズ箕面にて。
 
原作は直木賞作家佐藤正午の同名小説。
購入済みですが、そこそこ1冊が分厚い上下巻に恐れをなして、まだ積読の山の中。
 
藤原竜也は確かに上手い。
けれどこのところどの役も同じに見えてしまってイマイチでした。
でも今回の彼はぴったりハマっていて好きだったなぁ。面白い!
 
津田伸一(藤原竜也)は直木賞を受賞したこともある作家。
しかし今は場末のスナックのしがないバーテンダー
 
ある日、彼はバーにやってきた編集担当者・鳥飼なほみ(土屋太鳳)に書きかけの新作を読ませる。
それは津田本人が主人公の物語。
富山でデリヘル嬢の送迎ドライバーを務める津田が、事件に巻き込まれる話で……。
 
どこから書いてもネタバレになってしまいそうなのですが、
読めば観た気になれるのがウリのブログだからまぁいいか(笑)。
 
土屋太鳳演じる編集者は、津田のことを凄い作家だとは思っているものの、
彼のこの新作がフィクションなのかノンフィクションなのかが気になって仕方ありません。
というのも、津田は数年前にフィクションと偽って事実を書き、そのせいで訴訟沙汰になりました。
名誉毀損やら損害賠償やらでまた訴えられると困るから、そこを確認しておきたいのです。
 
しかし津田は「実際に過去にあったこと」ではなく、「過去にあり得ただけの話」だと言い、
様子を見ていると、過去にあったどころか、津田の周りで現在進行中の話を綴っているらしい。
 
津田が富山にいた頃、深夜のカフェで言葉を交わした男性・幸地秀吉(風間俊介)。
その秀吉が妻・奈々美(佐津川愛美)とまだ幼い娘と共に失踪し、
それには皆に恐れられている裏社会の首領・倉田健次郎(豊川悦司)が絡んでいるようです。
津田が出入りする古書店の親父(ミッキー・カーチス)が急逝し、
親父が津田に残したスーツケースを開けてみるとそこにはなんと3千万円+3万円。
そのうちの1万円を床屋で使ったら、これが偽札だったという。
 
床屋の主人にはリリー・フランキー。デリヘルクラブの経営者には岩松了
場末のスナックのママに坂井真紀。倉田のもとで働く男たちは村上淳駿河太郎浜野謙太
濱田岳も終盤の1シーンのみ、ちょっとおかしな役で登場。
「沼本」と書いて「ぬもと」と読むカフェの店員に西野七瀬。彼女は今やすっかり女優ですね。
 
みんないい味を出しています。特にやっぱり目を惹かれるのはトヨエツ。
なんなんでしょう、この人は。演技が上手いとは思えないのに目が釘付けになります。
 
3千万円となぜか一緒に入っていた3万円のからくりが解き明かされるのが痛快。
現実と小説の中の話が入れ混じり、たいそうわかりにくいので、原作も読むのが相当面倒くさそう(笑)。
映画版を観た今ならスイスイ読めそうなので、今月中には読みたいと思う。

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『アーヤと魔女』

『アーヤと魔女』
監督:宮崎吾朗
声の出演:寺島しのぶ,豊川悦司,濱田岳,平澤宏々路,シェリナ・ムナフ,柊瑠美他
 
通常、モールに入るシネコンで映画を鑑賞するとき、
私は出口近くにしか駐車しません。出庫に時間がかかるのは嫌だから。
映画の上映終了時刻が23時を回るようなときは、
TOHOシネマズ西宮でも109シネマズ大阪エキスポシティでも
出口近くに駐めるなんてことはせずに、劇場のある階に駐めます。
だってほかに客はいないんだから、すいすい出庫できますしね。
 
緊急事態宣言発令下、シネコンが入るモール自体が20時までの時短営業中。
映画館の営業が終わるのは21時のため、その頃にはモールの客はすでに帰っているはず。
いつだったかそう踏んでエキスポシティで劇場階に駐車したら甘かった。
なんでまだ客こんなにおるねんというぐらい出庫に時間がかかり、
それに懲りてエキスポシティでは決して劇場階に駐めないことにしました。
 
イオンシネマ茨木でもそうなるのかと警戒していましたが、大丈夫のよう。
ゆえにイオンシネマ茨木では毎回劇場階に駐車しています。
 
『ハウルの動く城』(2004)原作者ダイアナ・ウィン・ジョーンズによる同名児童文学の映画化。
スタジオジブリ初のフル3DCG作品です。
 
封切りになってからまだ3日しか経っていない日だったのに、客は私ともうひとりだけ。
そんなに評価が低いんですか。なぜか目の敵にされている感のある宮崎吾朗監督。
宮崎駿を父親に持ったことの悲劇としか言いようがありません。
 
アーヤの母親は魔女。ほかの魔女から追いかけられていた彼女は、
赤ん坊のアーヤを孤児院“子どもの家”の前に置き去りにし、
片がついたら必ず迎えに来るからそれまで預かってほしいという手紙を残す。
 
子どもの家ですくすくと育ったアーヤは10歳になる。
孤児たちはみんなアーヤの言いなりで、特にカスタードという男の子はアーヤの子分同然。
園長先生すらアーヤに手玉に取られているのに、そうとは気づいていない。
このままカスタードと一緒にずっと子どもの家に居たい。
そう思っていたのに、ある日、魔女ベラ・ヤーガと彼女の同居人マンドレークがやってきて、
アーヤを引き取りたいと言う。青天の霹靂。
 
ベラ・ヤーガは母親になるつもりなどなく、ただ手伝う者がほしかっただけ。
魔法を覚えられるならばそれでもいいやとアーヤは思うが、
一向に魔法を教えてくれそうな気配がなく、ひたすらこき使われる日々。
そこへ、人間の言葉をしゃべる猫のトーマスがアーヤに声をかけてきて……。
 
そんなに駄目ですかね、これ。
ベラ・ヤーガに寺島しのぶ、マンドレークに豊川悦司、どちらもとてもよかった。
特に、世にも恐ろしい魔法使いのマンドレークが、
アーヤにおだてられると燃えんばかりに照れるところなんて可愛すぎる。
憎たらしそうで憎めないギリギリの線のアーヤ。その声を務める平澤宏々路も○。
もちろん黒猫トーマスの濱田岳もいいですよ。
何より、大変美しいフル3DCGでした。
 
確かに終わり方はよろしくない。あまりに唐突でたまげました。
えっ、まだこれからじゃないの?というときにエンドロール。
そこまでで80分近く過ぎていたわけですから、
時間が経つのを忘れて見入っていたのでしょう。だったら面白かったんだと。
 
あまりダラダラと長いのもどうかと思いますが、
アーヤが母親のことを聞かされていたのかどうか、
聞かされていなかったのなら母親についてどう思っていたのか、何もわからない。
だから、母親との再会に何の驚きも感動もありません。
 
エンドロールの直前までとても楽しかっただけに、ぽかーん。
どうしたらよかったのでしょうね。なんだかとてももったいない。
にしても、こきおろされるほどではないんじゃないかと、
宮崎吾朗監督をかなりお気の毒に思う。

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『うみべの女の子』

『うみべの女の子』
監督:ウエダアツシ
出演:石川瑠華,青木柚,前田旺志郎,中田青渚,倉悠貴,村上淳,宮崎優,
   高橋里恩,円井わん,西洋亮,高崎かなみ,いまおかしんじ他
 
シネ・リーブル梅田にて、『ある家族』『サマーフィルムにのって』→これ。
3本ハシゴの〆でした。
 
原作は浅野いにおの同名コミック。
隔月発刊の漫画雑誌『マンガ・エロティクス・エフ』(現在は休刊)に、
2009年から2013年まで連載されていたそうです。
成人向け青年漫画という括りになるんですね。
それを映画化した本作は、ふーむ、R15+指定ですか。なかなかにヘヴィー。
 
海しかないような田舎町に暮らす中学2年生の佐藤小梅(石川瑠華)。
憧れの先輩で不良の三崎秀平(倉悠貴)に喜んで会いに行ったら、
フェラを強要されたうえにフラれてしまう。
そのショックから、1年生のときにコクってきた同級生の磯辺恵介(青木柚)を誘い、
とっとと初体験を済ませることにする。
 
以降、つきあっているわけでもないのに、磯辺から呼び出されると会いに行き、
呼び出されなければ磯辺の家へ押しかけ、いわばヤリまくり状態。
 
小梅の幼なじみである鹿島翔太(前田旺志郎)は、
磯辺と小梅がこっそり会っているのに気づいて黙っていられず。
そんな鹿島に想いを寄せている小林桂子(中田青渚)は小梅の親友で……。
 
女子でひとり脱いでいる小梅役の石川瑠華は24歳です。
この脱ぎっぷりの良さで20歳未満なら怖い気もするからよかった(笑)。
 
アンタ、私のこと好きなんでしょ、だったらヤラせてやるよ、
みたいな上から目線で磯辺を誘ったはずが、気づけば磯辺に振り回され、
小梅はもはや彼なしでは生きていられないぐらいになります。
磯辺が撮った写真に映る「うみべの女の子」への嫉妬に狂う。
 
一方の磯辺は村上淳演じる父親と二人暮らし。
仕事でほとんど家にいない父親がたまに帰ってくると、終始反抗的な態度を取ります。
この親子は不仲というわけではなく、間に何か乗り越えられないものがある。
それが、磯辺の兄がいじめを受けて自殺したからだと観ている私たちは知らされます。
 
海に入って命を絶った兄。
事故で片付けられたけど、町の誰もが「いじめられて死にやがった」と知っていて嘲笑う。
弟が町に残っているのはなぜなのか。復讐したい一念なのか。
いじめられた経験がある人なら、磯辺の気持ちがわかるでしょう。
 
うみべの女の子は、生前の兄が想いを寄せていた相手だろうと私は思ったのですが、違うのかな。
小梅がそう思わされたように、うみべの女の子が本当に磯辺のナンパ相手で、
彼女がいる高校へ進学することに磯辺が決めたのなら興醒めです。(^^;
 
はっぴいえんどの“風をあつめて”はピッタリ。
「この歌、どういう意味?」という台詞に、松本隆の歌詞をもう一度なぞりたくなる。

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『サマーフィルムにのって』

『サマーフィルムにのって』
監督:松本壮史
出演:伊藤万理華,金子大地,河合優実,祷キララ,小日向星一,池田永吉,篠田諒,
   甲田まひる,ゆうたろう,篠原悠伸,板橋駿谷他
 
訳あって『ある家族』を先にUPしましたが、
今日と明日はそれと同日にシネ・リーブル梅田にてハシゴした2本です。
ハシゴにちょうどいい時間帯だったために鑑賞したノーマーク作品だったのに、
これがわたしの「どストライク」。めちゃめちゃ好きでした。
 
監督は映像作家の松本壮史。知りません。ごめんなさい。
その松本監督が劇団“ロロ”の主宰者・三浦直之と共に手がけたオリジナル脚本
主演は元乃木坂46伊藤万理華とのことなんですが、
彼女の名前で検索すると、「伊藤万里華 おばさん」と推測変換候補が出ます。
アンマリじゃないですか(笑)。でもなんとなく頷いてしまってごめん。
そのおばさんっぽいキャラが最大限に生かされていると思います。
 
高校生のハダシ(伊藤万里華)は時代劇オタク。
勝新太郎、市川雷蔵、三船敏郎のことなどを語り出すと止まらない。
映研に所属するハダシは、『武士の青春』という脚本を書き、
文化祭で上映する映画の脚本コンペに応募するが、無残に敗退。
勝利したのは学校のマドンナ的存在の超可愛い花鈴(甲田まひる)が書いた、
『大好きってしかいえねーじゃん』というキラキラ青春ラブコメ。
 
「好き好き言い合ってるだけじゃん!」と、ハダシの怒りは止まらない。
それをおもてに出すわけにもいかず、
親友で天文部のビート板(河合優実)と剣道部のブルーハワイ(祷キララ)に愚痴る。
『武士の青春』を面白いと認めてくれているふたりは、
ハダシもその脚本で花鈴たちとは別に映画を撮ればいいと言うが、
主人公の猪太郎にピッタリの人物がなかなか見当たらないのだ。
 
そんなある日、ハダシはこの人こそ猪太郎だという男子に遭遇。
凛太郎(金子大地)というその男子に出演を懇願すると彼は固辞するが、
「でもハダシ監督は映画を撮らなきゃいけない」と妙なことを言う。
凛太郎が出てくれないなら映画は撮らないと言うと、彼は渋々承諾して……。
 
すべての設定が大好きです。
 
凛太郎は実は未来からタイムマシンに乗ってやってきた男子。
時代劇の大ファンで、凛太郎のいる世界ではハダシは有名な監督。
彼女に会うために過去にやってきたことが後々わかります。
 
凛太郎の主演が決まり、その相手役や裏方をハダシは次々とスカウト。
相手役には老け顔のダディボーイ(板橋駿谷)を抜擢、
照明係にはデコチャリに乗る小栗(篠田諒)。
録音係には、野球部の補欠、駒田(小日向星一)と増山(池田永吉)を。
このふたりは、球を捕る音で投手が誰か当てるというすばらしい耳を持っています。
殺陣の指導は剣道部のエース、ブルーハワイが担当し、もう楽しいのなんのって。
 
ビート板役の河合優実をどこかで見たことあるなと思ったら、
『喜劇 愛妻物語』(2019)で高速うどん打ち名人の女子高生役でしたねぇ。可笑しい。
本作の彼女はあんな奇天烈な人ではありませんが、天文部なだけに大のSF好き。
最初に読んでいる本は『時をかける少女』
その次は何を読んでいるか問われて「ハインライン」と答えていましたからまずこれでしょう。
彼女だけは早いうちに凛太郎が未来から来たと気づいています。
みんなにそれがバレたあとは、何が起きているのかを彼女が解説。
タイムパラドクスについても説明してくれるけど、やっぱり難しい(笑)。
 
高校生が映画を撮る。『映像研には手を出すな!』(2020)もまぁまぁ楽しかった。
しかしあれよりこっちのほうが規模が小さくてお金もかかっていないでしょうに、
なんとワクワク感の大きいことよ。
 
キュンキュンすぎるやろ!サイコー!

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