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『家をめぐる3つの物語』

『家をめぐる3つの物語』(原題:The House)
監督:エマ・ドゥ・スワーフ,マーク・ジェイムス・ロエルズ,
   ニキ・リンドロス・ヴォン・バー,パロマ・バエザ
声の出演:クローディー・ブレイクリー,マシュー・グード,ミア・ゴス,マーク・ヒープ,
     ジャーヴィス・コッカー,スヴェン・ヴォルテル,イヴォンヌ・ロンバルト,
     スーザン・ウォーコマ,ヘレナ・ボナム=カーター,ポール・ケイ,ウィル・シャープ他
 
1月14日に配信開始となったNetflixオリジナル作品です。
ロンドンのアニメーション制作会社ネクサス・スタジオでNetflix向けに作られたそうな。
なんとも不思議でダークなストップモーションアニメで、好きだったけど、
万人にオススメできそうな作品ではありません。きっとモヤモヤする(笑)。
 
短編3つで構成されていて、同じ家が登場します。
けれどもそのロケーションは異なる。面白い。
 
1つめは“And heard within, a lie is spun”、邦題は「内側で聞こえて紡がれるウソ」。
少女メイベルは両親と乳児の妹イソベルとの4人暮らし。
裕福には程遠い生活ぶりですが、穏やかで幸せな毎日を送っています。
なのにある日、父親の親戚が大勢で押しかけ、この生活を蔑む。
父親はもとは貴族の出らしく、訳あって飛び出してきたのでしょうが、
親戚たちにクソミソに言われてヤケのやんぱち。
ちょうどそのとき、有名な建築家がこの辺りを買い取ったとかで、
一家の新居を建ててタダで住まわせてくれるという申し出があります。
 
2つめは“Then lost is truth that can't be won”、邦題は「敗北の心理にたどり着けない」。
擬人化されたネズミはデベロッパー。ある家を売ろうと策を練っています。
まもなく開催される内覧会のため、洒落た家にリノベーションしたいのですが、
経費削減のために彼自身が作業しなければなりません。
素敵なデザインの家に変身させることができたと思ったのに、
妙な音にキッチンの戸棚を開けてみれば、そこには虫がウヨウヨ。
このままでは困ると、殺虫剤を撒いたり掃除機をかけたり。
なんとか応急処置を施して内覧会に臨みます。
 
3つめは“Listen again and seek the sun”、邦題は「もう一度耳を傾けて太陽を目指して」。
今度は擬人化された雌猫、アパートメントの管理人ローザ。
周囲は洪水ですべて沈み、地上にある建物はこのアパートメントだけ。
居住者は雄猫イライアスと雌猫ジェンのみで、どちらもお金がなくて家賃を滞納。
ローザはなんとか家賃を回収してアパートメントの改修費に当てたい。
しかし壁紙を貼り替えてもこんな湿気ではすぐに剥がれてしまいます。
イライアスとジェンも水道の水が常に濁っていると文句を言います。
 
1つめでは森に囲まれ、2つめでは街路に面し、3つめでは水の上。
最初は人間が住んでいたのに、ネズミになり、猫になり、いろいろと面白い。
しかも、ロケーションが異なればまるで違う家の印象を受けます。 
アニメと言っても子ども向けではなく、難解です。私だってよくわからない。
はたしてどう解釈すればいいのでしょう。
 
タダで豪邸に住めることになったのに、そこに幸せはありません。
変わらないのは子どもたちだけ。
お父さんもお母さんもまるで洗脳されたかのようにおかしくなり、
挙げ句の果てに人間ではなくなってしまう。
 
今度はネズミになったよと思ったら、オシャレなはずの家が昆虫に乗っ取られる。
この2つめの話がいちばん不気味で、虫のダンスも笑うに笑えず。
 
洪水に遭ってこの世はもう終わっているかのようなのに、
家を手放せず、住む人もいないのに改修しようとする猫。
やっと現状と向き合い、家を船にして出航する最後だけは希望があります。
 
理解しがたくとも、この造形物は楽しい。
ストップモーション好きにはお薦めします。

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『クライ・マッチョ』

『クライ・マッチョ』(原題:Cry Macho)
監督:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド,エドゥアルド・ミネット,ナタリア・トラヴェン,
   ドワイト・ヨーカム,フェルナンダ・ウレホラ,オラシオ・ガルシア=ロハス他
 
109シネマズ箕面にて。
 
クリント・イーストウッドが実質的な俳優引退宣言をしたのは『グラン・トリノ』(2008)のときでした。
しかしその4年後、宣言を撤回して『人生の特等席』(2012)で主演。
以降、ときにはやっぱり主演しながら、コンスタントに作品を撮り続けています。
前述のリドリー・スコットも凄いけど、クリント・イーストウッドはさらに年上の91歳。
どんだけ元気やねん。
 
アメリカ・テキサス州
ロデオのスターだったマイクは、落馬事故をきっかけにふてくされた生活を送っている。
牧場主のハワードに雇われるも、最近は何事もやる気が起きず、ついにクビを宣告される。
 
ところがある日、ハワードがやってきて、仕事を頼みたいと言う。
別れた妻リタとメキシコで暮らす13歳の一人息子ラフォを連れ戻してほしいとのこと。
なかば誘拐だとは思うが、ハワードには恩があるから断りきれず。
 
いざメキシコへやってきてみると、ラフォは不良で家にはほとんどいないらしい。
リタは豪邸でパーティー三昧で、ラフォの居場所を把握していない様子。
リタがいくつか挙げた「息子の居そうな場所」から見当をつけ、
マイクが闘鶏場に足を運ぶと、案の定そこにラフォがいた。
 
今まで音信不通だった父親のハワードが引き取りたいと言っていると聞かされても、
あまりに急なことで信じられないラフォはマイクを拒絶するが、
どうせ家に帰っても母親は酒浸り、虐待されることも少なくない。
マイクを信じてついて行くことにしたラフォだったが……。
 
原作は1975年に出版されたN・リチャード・ナッシュの同名小説。
それがそこそこ売れて、原作者自身が映画化を積極的に売り込んでいたそうです。
今から30年以上前にはクリント・イーストウッドに主演のオファーがあったけど、
そのとき彼は自分が演じるには若すぎると断ったのだそうな。
シュワちゃんにも出演のオファーが行ったそうで、実現していたらどんな具合だったでしょうね。
 
で、結局2020年になってクリント・イーストウッドの監督・主演が決定。
あれほど映画化を望んでいた原作者はこの世にもういないのが残念です。
 
少年を連れてメキシコからアメリカへ戻るって、『マークスマン』とかぶりすぎだよと思いましたが、
本作では車の故障トラブルが起きて、ひとつの村に一定期間とどまることを余儀なくされるところが違う。
その村で食堂を経営する未亡人の優しさに接し、マイクが恋に落ちるという。
おいっ、90歳超えてまだラブシーン入れな気ぃ済まんのかと唖然としかけましたよ。
今回はキスだけで思いとどまったようだからまぁええけど。(^^;
そして村での滞在期間中、馬の調教や飼われている動物の面倒を見ることで人々の信頼を得るのがよかった。
 
『マークスマン』と違うのは違うけど、もしかすると主演が入れ替わっても違和感ないかも。(^^;
わかりやすいハッピーエンドにはちょっとびっくり。
年老いたら、こんなエンディングを描きたくなるのかもしれません。
いくつになろうが恋していたいってことなのかしら。

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『ハウス・オブ・グッチ』

『ハウス・オブ・グッチ』(原題:House of Gucci)
監督:リドリー・スコット
出演:レディー・ガガ,アダム・ドライヴァー,アル・パチーノ,ジャレッド・レトー,ジェレミー・アイアンズ,
   ジャック・ヒューストン,サルマ・ハエック,カミーユ・コッタン,リーヴ・カーニー他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
リドリー・スコット監督は今年85歳。
リドリーの弟トニー・スコット監督はちょうど10年前、68歳のときに自殺してしまいましたが、
兄は今なお映画を撮り続けています。
 
私はやっぱりアダム・ドライヴァーの顔が苦手なんですが、アメリカ人はこの顔が好きなんですかね。
役者として素晴らしいことは認めます。
リドリーも気に入っているのでしょう、『最後の決闘裁判』(2021)に続いて彼を起用。
どこが男前なんだかと思いながらも、これだけいろんな作品で彼を見ていたら見慣れてきた感(笑)。
 
原作はサラ・ゲイ フォーデンのノンフィクション。
暗殺事件まで起きた高級ブランド“グッチ”のお家騒動を描いています。
ちなみに私はこんなことがあったとは全然知らず、ただただ驚く。
リドリーは2000年代の初めには映像化の権利を取得していたそうですが、
これだけ人の絡んだ「良くない」話となると大変だったでしょうね。
 
パトリツィア・レッジャーニは父親フェルナンドが経営する運送会社の事務員。
恋人に誘われて出かけたパーティーでたまたま言葉を交わした相手が、
あのグッチ創業者の孫マウリツィオ・グッチだと知り、興奮する。
 
なんとしてでもこの出会いをモノにしなくては。
パトリツィアはマウリツィオと偶然を装って会い、デートに誘われるように仕向ける。
すっかり彼女の虜になったマウリツィオは、父親ロドルフォに彼女を紹介。
 
ロドルフォはパトリツィアを魅力的な女性だと認めつつ、金目当てだと断言。
父子は対立し、マウリツィオは家を飛び出してパトリツィアのもとへ。
フェルナンドの運送会社で働きはじめ、ほかの従業員にも家族にも馴染む。
 
やがてパトリツィアとマウリツィオは結婚するが、新郎側の参列者はほとんどなし。
この結婚を新聞で知ったマウリツィオの伯父アルドは、
弟であるロドルフォのもとを訪ね、優秀な息子マウリツィオと和解すべきと説く。
ロドルフォが受け入れようとしないものだから、
アルドはマウリツィオとパトリツィアに直接連絡。以来交流が始まるのだが……。
 
パトリツィアにレディー・ガガ、マウリツィオにアダム・ドライヴァー。
このふたりの演技が素晴らしい。特にレディー・ガガ、凄い。
病人メイクを施されたロドルフォ役のジェレミー・アイアンズは、それにしたって顔色悪すぎて死神みたい。
アルド役のアル・パチーノはいつもの彼です(笑)。
アルドの馬鹿息子パオロ役のジャレッド・レトーの禿げメイクは私の最も苦手とするところで、
わざわざこのメイクをするならば、もともとハゲの人を起用してほしいんですけど。(^^;
 
実際のパトリツィアは野心に燃える実にしたたかな女性だったようです。
本作中の彼女もそうではあるのですが、最後はちょっと気の毒なぐらい。
なんだかんだで彼女の言うとおりに動いて成功したかに見えたマウリツィオなのに、
そうなってからは彼女を拒絶、まるで卑しいものを見るかのようで、
頭はいいけど世間知らずのボンボンだと思っていたら阿呆だった。
 
この映画のことを「どうだった?」と聞かれると答えに困ります。
すごく良い映画だったとか、逆につまらない映画だったとかいうことはありません。
でも、史実を知ることができた以上の面白さがあったかというと、そうでもない。
華やかな邸宅やホテル、ファッションを見るだけでも楽しいというには物足りないし。
 
そりゃまぁ、今や経営者に同族はひとりもいないグッチとしては本作は良いでしょう。
でも創業者一族にとっては面白くない作品でしょうね。ご愁傷様です。

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『サンダーバード55/GOGO』<日本語劇場版>

『サンダーバード55/GOGO』(原題:Thunderbirds The Anniversary Episodes)
監督:スティーブン・ラリビエー,ジャスティン・T・リー,デヴィッド・エリオット
声の出演:満島ひかり,井上和彦,大塚芳忠,森川智之,日野聡,
     櫻井孝宏,江口拓也,堀内賢雄,立木文彦他
 
がん検診を受けるために休みを取っていた日、午前中に1本だけ映画を観ることにしました。
109シネマズ大阪エキスポシティにて。料金は1,900円均一。
 
“サンダーバード”は1965年から1966年にかけてイギリスで放送された人形劇の特撮番組。
日本でも1966年に初放送されました。
もちろん知ってはいますが、そんなに観た記憶はないんです。
当時はまだ私は赤ん坊ですし(笑)、何年か後に放送されたときもピンと来ていなかったのかも。
 
私があまり知らないといっても、世界的に人気を博した番組。
2015年に50周年を記念して、あるプロジェクトが実現しました。
それは、50年前にラジオドラマとして発表された3つのエピソードを基に、新たな映像を撮影、
完全な新作を製作するというプロジェクト。
本作はその3つのエピソードを日本公開用にまとめた日本語劇場版です。
 
約20分のエピソードが3つ。
メインになっているのは大邸宅に暮らすお嬢様ペネロープと彼女に仕える執事パーカー。
お嬢であるとともに有能なスパイでもあるペネロープは、
国際救助隊総司令ジェフの理念に賛同し、ロンドン支部の諜報員となります。
 
彼女がジェフと面会して諜報員の話を受け入れた日、
ジェフの息子でサンダーバードに乗る国際救助隊員たちを紹介されるところが見られます。
大邸宅からお宝を盗んだ挙げ句、邸宅を爆破する連続犯の捕り物など、ウキウキワクワク。
 
パーカーには何度も笑わされました。
人使いの荒いペネロープお嬢様のもと、額に汗をかきながら皮肉を言うことも忘れない。
それでいて凄腕の金庫破りなのですから、おみそれしました。
 
3つのエピソードの後には“ネビュラ75”という短編も併映。
これは、“サンダーバード”で使用したあれこれを流用してお遊びで撮った1本っぽい。
「コロナの中、ロンドンのアパートで撮影したものです。
科学的に辻褄の合わないところがあるとしても、それはあなたの世界でのこと」とありました(笑)。
 
楽しいよっ。

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『コンフィデンスマンJP 英雄編』

『コンフィデンスマンJP 英雄編』
監督:田中亮
出演:長澤まさみ,東出昌大,小手伸也,小日向文世,松重豊,瀬戸康史,城田優,
   生田絵梨花,広末涼子,織田梨沙,関水渚,赤ペン瀧川,石黒賢,梶原善,
   徳永えり,高嶋政宏,生瀬勝久,真木よう子,角野卓造,江口洋介他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、封切り日に観ました。
 
TVドラマ版は一度も観たことがないまま劇場版を鑑賞し、
第1弾の『ロマンス編』(2019)はめっちゃオモロイやんと思うと同時に、
テーマ曲だったofficial髭男dismの“Pretender”にどハマりしました。
以来ずっとヒゲダンは大好きで、今もしょっちゅう聴いています。
第2弾の『プリンセス編』(2020)もすごく楽しかった。
なのに、三浦春馬竹内結子も自ら命を絶ってしまったのですよね。
 
この第3弾はマルタ共和国、マルタ島が舞台。
ロケは和歌山マリーナシティ内にあるテーマパーク“ポルトヨーロッパ”で。
 
ダー子(長澤まさみ)、ボクちゃん(東出昌大)、リチャード(小日向文世)は、
ここ2年の間、何の活動もしていない。
士気が上がらないボクちゃんとリチャードをなんとか動かそうと、
ダー子は“四代目ツチノコ”の称号をかけた真剣勝負を提案。
 
“三代目ツチノコ”は3人が師と仰いでいた英雄。
オサカナに選んだ大金持ちからお宝を頂戴し、困窮する子どもたちに分け与える。
そんなコンフィデンスマンだった三代目の後継者にふさわしい者を決めるのだ。
 
勝負の場所に選んだのはマルタ島の世界遺産の都市ヴァレッタ。
ここで1週間を過ごし、その間に最も高額稼いだ者が勝ち。
それぞれ別のオサカナを狙うはずが、奇しくも選んだお宝は3人とも同じ。
それはスペインの元マフィア、ジェラール(城田優)が所有する古代ギリシャ彫刻で……。
 
中盤まではなんとなく「暗い」と思いました。
やはり主要キャストのうち2人も亡くなっているとこんな雰囲気になるのかなって。
どんよりと残念な気持ちになっていたのです。
 
ところが予告編で嫌ほど観た、3人が捕まってからが超面白い。
やっぱりいつもの“コンフィデンスマン”だ~と安心しました。
 
ジェラールの内縁の妻役に生田絵梨花
デキるところを3人に見せつけるインターポールの捜査官に瀬戸康史
日本から3人を追ってきた刑事に松重豊
関西弁のイントネーションでうろうろしている謎の女に真木よう子
あとはいつもの面々、特に江口洋介は逸品です。
 
……って、こうして書いていることが全部ウソですもんね(笑)。
何もかもウソじゃなかろうかと思っていても鮮やかに騙される。
 
コピーライト=“©ダー子”を見ると心が躍る。
まだまだ続いてほしいなぁ、このシリーズ。
 
改めて、三浦春馬と竹内結子のご冥福を祈ります。寂しすぎる。

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