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『ツユクサ』

『ツユクサ』
監督:平山秀幸
出演:小林聡美,平岩紙,斎藤汰鷹,江口のりこ,桃月庵白酒,水間ロン,
   鈴木聖奈,瀧川鯉昇,渋川清彦,泉谷しげる,ベンガル,松重豊他
 
 
原作があるのかと思ったら、『ふしぎな岬の物語』(2014)の脚本家・安倍照雄のオリジナル。
 
静岡県の海辺の田舎町にひとりで暮らす五十嵐芙美(小林聡美)。
浴用ボディタオルの製造工場に勤めている。
 
芙美は10歳の少年・航平(斎藤汰鷹)の「親友」。
航平は芙美の同僚・櫛本直子(平岩紙)の息子で、将来天文学者になるのが夢。
直子とその夫・貞夫(渋川清彦)は再婚だから、航平にとって貞夫は継父
 
芙美のもうひとりの同僚・菊地妙子(江口のりこ)は夫を亡くしたシングルマザー
最近恋人ができたのか、ニコニコそわそわしている。
相手が誰なのかを芙美と直子に話してくれる様子はまだない。
 
ある日、芙美が行きつけのバーに食事に寄ったところ、
客としてやってきたのがジョギング中に見かける男性・篠田吾郎(松重豊)で……。
 
オープニングは航平のナレーションから。
望遠鏡で夜空を観察していた航平が隕石らしきものが落下するのを見ます。
落下した隕石は芙美が運転する車を直撃、車は横転するも芙美は無事。
そして芙美は何が起きたのかまるでわかりません。
 
隕石が落ちてきて何かが変わるわけじゃないので、どうでもいいっちゃどうでもいいこと。
ただ、隕石が誰かに当たる確率は1億分の1のだそうで、
当たれば幸運かと思いきや不幸が訪れるという話もある。
今は何でもネットで調べられるから、思わず調べてしまいそうですが、
こういうことに惑わされずに生きたいなぁ。
 
明るく元気に見える人にだって、生きてりゃいろんな過去があり、いろんな思いがある。
10歳という少年も、片想いの相手がいたり、優しい継父に素直になれなかったり、
その継父にも実は想像しえなかった悲しい過去がある。
 
芙美は断酒会にかよっていて、酒に溺れた理由を茶化して話してはみるけれど、
彼女が酒に頼らざるをえなかった理由がほかにあります。
断酒会のメンバーのひとりが、「泣きたいことも酒を飲めば笑えるから」と言いますが、
そんな酒を飲んでいたら、さめたときに死にたくなることでしょう。
 
断酒しても以前と変わらず行けるバーっていいですね。しかも店主は泉谷しげる。(^O^)
そのバーで出してくれるナポリタンほか、お料理も美味しそうな映画です。
 
じんわり良かった。

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『ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん』

『ぼけますから、よろしくお願いします。おかえりお母さん』
監督:信友直子
 
出かけるのが億劫になるGWの最中ですが、勇気を振り絞って梅田へ。
 
テアトル梅田へ車で向かうのは、たぶん1年ぶりだと思うのですよ。
だから、愛用の有人駐車場へ寄るのも1年ぶり。
名前を言ったことがあるわけじゃなし、顔も忘れられているだろうと思ったのに、
「あら、お久しぶりですね」とおじさんが言うてくれはるじゃないですか。
車番まで覚えてくださっていて大感激。
思わず『COME & GO カム・アンド・ゴー』(2020)を観た話をしたら、
「えっ、あんなマイナーな映画、観はったんですか。珍しい」と言われました(笑)。
 
信友直子監督が自身の老老介護の両親をカメラに収めたドキュメンタリーです。
 
1920(大正9)年生まれの父親が1929(昭和4)年生まれの母親の世話をする。
母親の認知症は進行し、父親の家事能力は日々進歩しています。
いくら元気だと言っても、父親の腰は曲がり、耳もずっと前から遠い。
だけど父親に悲観的な様子はまったくなく、洗濯する風呂場からは鼻歌が聞こえてきます。
 
自分がぼけているとは信じずに洗濯物を溜め込む母親。
洗濯機が満タンになっているのを見て、娘である信友監督が洗濯機しようとすると、
母親は阻止してやがて洗濯機から洗濯物を放り出し、その上で寝転びます。
そんな様子を見ても一向に動じない父親は、それを上手く避けてトイレに走る。
 
認知症の母親と耳の遠い父親の噛み合わない会話が可笑しくてついつい笑ってしまう。
劇場内に何度も笑い声がこぼれていました。
 
脳梗塞を起こした母親が入院してから、毎日1時間歩いて病院を訪れる父親。
時には雨の日に急いで歩いて自分が転び、流血の惨事になることも。
それでも笑顔の父親は、なるようにしかならんと思っているようでもあり、
なるようにできる限りのことをしようと心に決めているようでもあります。
 
療養型の施設に移る前、信友監督と父親がほんのわずかの時間だけ母親を家に連れ帰ったとき、
もう何もわからないはずの母親が玄関に入った瞬間、大泣きしたところはこちらも号泣。
闘病中の私の弟が、一旦退院した折に「やっぱり自分の部屋はええなぁ」と言うのとかぶります。
 
去年亡くなってしまったお母さん。だから、おかえり、お母さん。
百歳を過ぎたお父さんにはこれからも元気でいてほしい。
お母さんが帰ってくる日に備えて筋トレしていた姿に、ウチの父親もちっとは筋力つけてくれんかなぁと思いました。(^^;

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『ホリック xxxHOLiC』

『ホリック xxxHOLiC』
監督:蜷川実花
出演:神木隆之介,柴咲コウ,松村北斗,玉城ティナ,趣里,DAOKO,モトーラ世理奈,
   西野七瀬,大原櫻子,てんちむ,橋本愛,磯村勇斗,吉岡里帆他
 
GW中も暦通りに出勤だから、仕事帰りにイオンシネマ茨木にて。
 
CLAMPの大ヒットコミックを蜷川実花監督が実写映画化。
蜷川監督作品が琴線に触れた記憶はないので、本作もどうせそうだろうとナメていました。
ハードルが下がっていたせいかもしれませんが、今までの蜷川作品でいちばん好きかも。
 
高校生の四月一日君尋(わたぬききみひろ)(神木隆之介)は特殊な眼を持っている。
人の心の闇に憑く“アヤカシ”が黒い影となって蠢めくのが見えるのだ。
そのせいで誰とも親しくならず、周囲を遠ざけて生きてきた。
こんな眼は要らない。死にたい理由はないが、生きたい理由はもっとない。
 
そんなふうに考えていたある日、彼は不思議な「ミセ」に迷い込む。
妖しく美しい女主人の壱原侑子(柴咲コウ)が言うには、ここはどんな願いも叶える店。
その代わり、対価としてそれに見合ったものを差し出さねばならないと。
 
アヤカシなど見えなくなって普通の生活を送りたいと願う四月一日に、
その願いを叶えたいならばいちばん大切なものを差し出すように侑子から言われるが、
今の四月一日には自分にとっていちばん大切なものが何なのかがわからない。
 
侑子のもとでしばらく家政夫として働くことになった四月一日は、
同級生の百目鬼静(どうめきしずか)(松村北斗)と九軒(くのぎ)ひまわり(玉城ティナ)と親しくなる。
初めてできた友だち。誰かと過ごす時間が楽しく大切なものだと知る。
 
しかし、四月一日の眼をほしがる女郎蜘蛛(吉岡里帆)とその手下のアカグモ(磯村勇斗)が忍び寄り……。
 
今までの蜷川作品で笑えるシーンはなかったと思うのですが、本作では何度か笑いました。
魔女なのに大酒食らって酔いつぶれる侑子とか。
おつかいを頼まれた四月一日が何を買わされるのかと思ったら酒で。
一升瓶抱えた四月一日が「どれだけ酒好きなんだよ」とぼやくところはふいた。
 
柴崎コウは綺麗だし、侑子の店に住む少女役のDAOKOとモトーラ世理奈が謎すぎて愉快。
店を訪れて金魚を食べる西野七瀬が猫娘であるということや、
侑子に会いに来たのだと思ったら四月一日目当てだった橋本愛座敷童だということは、
鑑賞後に知りました。彼女たちも妖怪だという説明はなかった気がする。わからんがな。
店に来た客役の趣里水谷豊伊藤蘭の娘だというのに、あっちゅうまにサヨナラで驚いた。(^^;
 
もう誰も傷つけたくないと考える四月一日が女郎蜘蛛にその願いを託したとき、
四月一日はタイムループに陥ります。
平穏で、何も嫌なことが起こらない四月一日の誕生日がループする。
一方で、四月一日以外の人には確実に翌日が訪れ、傷つけられている。
 
自分がいなくなれば誰も傷つかないと思うのは浅はか。
あなたがいなくなることで悲しむ人がいる。完全にひとりで生きている人などいないのだから。
 
茶番だぜと思うシーンがないこともないけれど、そういうシーンも笑ってしまって、
私はこれ、わりと好きでした。きらびやかな映像も相変わらずです。

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『バブル』

『バブル』
監督:荒木哲郎
声の出演:志尊淳,りりあ。,宮野真守,梶裕貴,畠中祐,千本木彩花,
     逢坂良太,井上麻里奈,三木眞一郎,広瀬アリス他
 
劇場で予告編をさんざん観たので、普通に公開される作品だと思っていました。
まさかそれに先行してNetflixで世界に配信されるとは思わず。
劇場に観に行く気満々だったのに、んじゃNetflixでええかという気持ちになってしまう。
 
監督は“進撃の巨人”シリーズの荒木哲郎。
プロデューサーが川村元気と来れば、売れることが約束されているような。
モチーフとなっているのは“人魚姫”なのだそうです。
 
世界に謎のバブル(=泡)が降り注ぐ。
そのせいで重力に異常が起き、人々の日常生活に混乱をきたす。
やがてライフラインが閉ざされて人が住めなくなった東京に若者が集まるように。
 
降泡によって家族を失った彼らは、荒廃した東京を遊び場にする。
傾いたビルからビルへと飛びまわり駆けまわるパルクールの技を磨き、
チームを結成してバトルを繰り返す若者たち。
そんな若者のうちのひとり、ヒビキは、チームのエースだが、無愛想。
誰とも群れることなく、心を開こうともしない。
 
ある日、海へ落下しかけたヒビキを救ったのが謎の少女。
人の言葉を話さず、まるで動物のように動く彼女をヒビキはウタと呼び、
ヒビキの命の恩人だからということでウタは仲間に加わるのだが……。
 
ウタは人魚姫ならぬ泡。
泡が少年に恋をして、少女の姿になり、少年の前に現れる。
チームに受け入れられ、言葉を覚え、このままここに居たくなる。
確かにまんま人魚姫。
 
個人的にはめっちゃよかったとは言い難いんです。
絵も別に苦手ではないけれど、ウタだけがあまりにアニメアニメしているように
アニメに詳しくはない私には感じられて。
体が泡に戻って行く様子は意外とグロいし。ぶくぶくの泡はあまり得意じゃない。
 
でも、チームの面々のキャラクターは良いし、数少ない大人も頼れる。
かなりの部分を占めるパルクールのシーンが楽しくて、
これは大画面で観たいなぁとは思いました。
劇場公開は来週、5月13日。観るものがほかになくなれば観てもいいかな。

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『劇場版 ラジエーションハウス』

『劇場版 ラジエーションハウス』
監督:鈴木雅之
出演:窪田正孝,本田翼,広瀬アリス,浜野謙太,丸山智己,矢野聖人,鈴木伸之,山口紗弥加,遠藤憲一,
   山崎育三郎,原日出子,高橋克実,キムラ緑子,八嶋智人,高嶋政宏,浅野和之,和久井映見他
 
出かけるのも面倒だったけれど、せっかくファーストデーだったから109シネマズ箕面にて1本だけ。
 
10:20からの回を観ようと20分前に到着したら、駐車場はすでに入庫待ちで渋滞。
入庫したらしたで全然進まず、こりゃ無理だ、お金を払ってでも外のコインパーキングに駐めようと、
階上には行かずに出口に向かう。
そうしたら、出口に近い1階のスペースにひとつだけ空きがあるじゃあないか。
これなら出庫もすぐにできるぜ、今日はなんてツキのある日なんだ♪といそいそ入庫。
 
で、ここからは映画鑑賞終了後の話になるんですが、すいすい出庫したら、
なぜか駐車料金が600円と表示される。えーっ。
あら、そういえば私、109シネマズで駐車券を提示するのを忘れたわ。
今さら戻れないから悲しい気持ちで600円支払う。
ツキがあると思ったのは気のせいだったみたいです。どっちみち駐車料金を払う運命の日だったのね。
 
さて、本作も原作はコミックで、TVドラマ版もたいそう人気だったようですが、未読の未見。
予告編を観るかぎりでは、「僻地で謎の感染症が蔓延して、放射線技師チームが現地に向かう」、
そんな話に思えました。確かにそうだったけど、それだけじゃなかった。てんこ盛りだい!
 
ちなみに、私のように予備知識ゼロの方もまったく問題なく観られます。
 
甘春総合病院の放射線技師・五十嵐唯織(窪田正孝)。
彼が想いを寄せている放射線科医・甘春杏(本田翼)はまもなくアメリカに旅立つ予定。
そんな杏の父親(佐戸井けん太)が危篤との連絡が母親(原日出子)から入り、杏は慌てて帰郷する。
 
一方、甘春総合病院には交通事故に遭った夫婦が運び込まれる。
夫の高橋圭介(山崎育三郎)は唯織の同僚・黒羽たまき(山口紗弥加)の友人で、
第一子を妊娠中の妻・夏希(若月佑美)をこの病院に連れてくる途中だった。
真っ昼間から飲酒運転していた車に正面衝突されたらしい。
 
圭介は快復したものの、夏希は眠りから覚めないまま。
意識を取り戻す可能性はほぼなく、しかしお腹の中の赤ちゃんは順調に育っている。
緊急帝王切開しなければならないが、夏希に意識がない今、圭介の承諾が必要。
しかし圭介は自分を先に助けた医師らを責め、帝王切開を認めようとせず……。
 
てな具合で。
えっ、予告編の謎の感染症はどこへ行ったん!?と私は呆気にとられる(笑)。
 
まずは唯織のおかげで圭介と夏希の赤ちゃんは無事に取り上げられます。
人間の体の機能で最期まで残っているのは聴覚なのですね。
唯織が圭介に提案したのは、夏希本人の希望を聴きましょうということ。
目は開いていなくても、意識がないように見えても、実は耳は聞こえている。
 
臨終間近の患者の手を取って話しかけると握り返すというシーンが映画によくあるじゃないですか。
手を握り返すことはなかったとしても、本作を観ればちゃんと聞こえていることがわかる。
このシーンは涙無くしては見られませんよねぇ。
 
ただ、飲酒運転だった相手が、このシーンを見て改心するかどうか。
世間のニュースを見ていると、改心するような人はなかなかいない気がします。
 
予告編のシーンはこれらの件が終わってから。一難去ってまた一難。
今度こそ、杏がいる離島に唯織たちが飛んで、苦しむ島民を救います。
嵐の去った翌日にまだ荒れている海。
唯織たちが「どうしても船を出してほしい」と懇願して「しゃあないな」と出してもらう様子に、
知床観光船事故の渦中ではまずかろうと思わなくはないものの、これはフィクションですから。
 
主役級がこれだけ揃って1本の映画を撮るというのも元がTVドラマならでは。
すごく楽しいチームだなぁ。遠藤憲一演じる技師長、浅野和之演じる鏑木先生も楽しい。
原日出子と大森先生役の和久井映見のぽっちゃり度が似ている。
この体型になると、もう「いいお母さん」か「いい上司」役しかでけん気はする。(^^;
 
唯織に診てもらえたら、体の悪いところがすぐにわかりそうに思ったりして。

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