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『ニューオーダー』

『ニューオーダー』(原題:Nuevo Orden)
監督:ミシェル・フランコ
出演:ナイアン・ゴンサレス・ノルビンド,ディエゴ・ボネータ,モニカ・デル・カルメン,
   フェルナンド・クアウトレ,エリヒオ・メレンデス他
 
せっかくシネ・リーブル梅田まで来たならば、1本で帰るのはもったいない。
もう1本、今度はメキシコ/フランス作品を観ることにしました。
 
メキシコ、半端でない富裕層が暮らす地区。
富豪の両親のもとで生まれ育った娘マリアンは25歳。今日は彼女の結婚式。
政財界の有力者たちも出席する披露パーティーが盛大におこなわれたいた。
 
その一方で、貧困層が暮らす地区では、格差拡大に抗議する市民デモが起こり、
今まさに暴動に発展しようとしていた。
 
マリアンの邸の元使用人ロランドは、病床の妻エリサに手術を受けさせたいと、
金の工面を頼みにマリアンの両親を訪ねる。
つれない態度の両親に怒りを感じたマリアンは、自分がなんとかしたいと考え、
現在の使用人クリスチャンに道案内を頼んでロランドの家へ行こうとする。
 
ちょうどマリアンとクリスチャンが邸を出たとき、
暴徒と化した市民が邸に乗り込み、銃を乱射。
そうとは知らないマリアンはロランドの家へとたどり着いたところ、兵士がやってくる。
彼らはマリアンを邸へ送り届けると嘘をつき、彼女を拉致誘拐して……。
 
こういう作品を見ると、メキシコって怖い国だなぁと思います。
 
金持ちの息子や娘はみんな誘拐されて牢獄に入れられ、拷問や強姦を受ける。
身代金をふんだくるための映像を撮らされて、
身代金がきちんと支払われてやっと解放されるかと思いきやズドン。
政府高官もまったく信用できず、いったいどうすりゃいいんだか。
 
救いがありません。最後は呆然。善人であるだけ損だと思ってしまうぐらい。
映画マニアでないならば、カップルでなんて決して観に行かないように。
 
この絶望感は何に似ているだろう。
『ミッドサマー』(2019)がお好きだった人は気に入るかも。
悲惨すぎて笑っちゃうぐらいで、私も嫌いじゃないけれど、人には鑑賞を勧めません。

—–

『三姉妹』

『三姉妹』(英題:Three Sisters)
監督:イ・スンウォン
出演:ムン・ソリ、キム・ソニョン、チャン・ユンジュ,チョ・ハンチョル,
   ヒョン・ボンシク,キム・カヒ,イム・ヘヨン,チャン・デウン他
 
毎週水曜日が亡弟の七日毎の供養に当たるため、
このところ水曜日は全休、半休、あるいは時間休のどれかを取っています。
ちょうど両親の介護保険認定更新審査も水曜日になった先週、全日休みを取りました。
朝から実家と弟の部屋にいたので、いつものように晩まで滞在せずに夕方退散することに。
思いきってシネ・リーブル梅田まで行きました。
 
とても観たかった韓国作品。
誰にも感情移入できないまま終盤に至ったのは『ベイビー・ブローカー』と同じですが、
最後の20分ぐらいがすごくよかった。やはり韓国で撮るなら韓国人キャストで。
三女役のチャン・ユンジュが安藤サクラを思い出させるから、
なおのこと是枝裕和監督作品と比較してしまいます。
 
ソウルに暮らす三姉妹。
 
質素な花屋を営む長女ヒスク(キム・ソニョン)は、別れた夫が作った借金に苦しみ、
反抗期まっただ中の一人娘ボミの世話に手を焼いている。
そのうえ癌を宣告されたというのに、誰にも相談できない。
 
気の利く夫とふたりの子どもに恵まれ、理想の家庭を築いているかに見えるが、
ミヨンが指導する教会の合唱団のメンバーと夫が浮気していることに気づく。
 
三女ミオク(チャン・ユンジュ)は劇作家で、食品卸業を営む夫とその連れ子と暮らしている。
スランプに陥って思うように筆が進まず暴飲暴食、アルコールが手放せない。
夫と息子に八つ当たりするから、夫は困り果て、継子はミオクに寄りつこうとしない。
 
こんな3人それぞれの生活と、酒に酔ったミオクがミヨンにかける電話のシーンが大半。
時折会話に登場する父親の誕生祝いの話から、もうじき家族が集まる予定であることがわかります。
3人ともイタくて、気の毒とすら思えない。
見かけと内情が違うのは『明日の食卓』(2021)を思い出させます。
 
あと20分ほどで終わりかなという段になって、姉妹にはもうひとり弟がいることがわかる。
長女と末っ子の弟が幼い頃にどんな目に遭っていたのかがわかってからが山場。
最も優等生に見えたミオクがキレるところからは見入ってしまいました。
 
虐待を許してはいけない。こんな親はいなくていい。
こんな親を子どもは許さなくていい。許してはいけない。そう思う。
 
ラストシーンにホッとする。
人生を半分以上過ぎていたとしても、この姉妹と弟に幸せな人生が訪れんことを祈ります。

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9回目の『トップガン マーヴェリック』は4DX吹替版で。

6回目の『トップガン マーヴェリック』をアップした後、
7回目を109シネマズ大阪エキスポシティのIMAXレーザーGT版
8回目を109シネマズ箕面のIMAX版で鑑賞しました。
ほんまにどないやねん、これ。毎日観たくなるビョーキに罹っている(笑)。
 
とりあえず公開中の上映方式を制覇したいと思いました。
あとは通常吹替版と4DX版を残していますが、通常吹替版はまぁええかと。
で、連日販売開始直後に売り切れとなっている4DX版にチャレンジ。
109シネマズ大阪エキスポシティにて21:25からの回。平日も満席です。
 
前回書いたように、4DXは韓国の会社、MX4Dはアメリカの会社が開発したシステムです。
どちらも大差ないと思っていたのですが、同じ映画で体験してみるとその差は歴然。
 
結論から言って、私はMX4D版のほうが好き。
だけど、これをアトラクションと考えるなら、4DX版のほうが断然上です。
もしも4DXを初めて体験する人であれば、
本編上映前の4DXってこんなんだよ~という体験版ですでにビビるでしょう。
結構揺れるし、水しぶきかかるし。鞄に水滴が飛んできて顔も濡れます。女性は要注意(笑)。
 
そして以前から私が苦手だった、首の後ろから吹きつける風。
ふいにプシューッと音を立てて風が来るのでギョッとします。
肩付近をいきなりどつかれたような衝撃を受けるのも一度や二度ではありません。
 
何から何までとにかく4DXのほうがMX4Dより派手なんです。
派手だから、画面に集中できない。あくまでも私は、ですけれど。
 
そしてとにかく寒い。
ほぼずっと風が吹いているような状態なので、寒くて寒くて。
もともと冷房にあまり強くなくて年中長袖の私は寒さに震えました。
私みたいな人は羽織るものを1枚持っていくほうがよいと思います。
 
映像をちゃんと観たい人には、集中できない4DX版はどうでもいいかも。
でも一度は試してみるのも楽しいはず。
4DXは私は一度でじゅうぶん。超絶疲れる(笑)。MX4D程度がちょうどよい。

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『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』

『鋼の錬金術師 完結編 最後の錬成』
監督:曽利文彦
出演:山田涼介,本田翼,ディーン・フジオカ,蓮佛美沙子,本郷奏多,黒島結菜,
   渡邊圭祐,寺田心,舘ひろし,栗山千明,仲間由紀恵,新田真剣佑,内野聖陽他
声の出演:水石亜飛夢
 
6回目の『トップガン マーヴェリック』を観た後も毎日のようにそれが観たくなり、
7回目は109シネマズ大阪エキスポシティにてまたまたIMAXレーザーGT版を鑑賞。
やっとエグゼクティブシートに座ることができましたが、中央部分のシートは相変わらず満席だから、
エグゼクティブはエグゼクティブでも、ここもエグゼクティブなの?と思う端っこのほうで。
 
やっぱりいいよなぁ、あと何回観ることになるかなぁなどと思いつつ、
余韻に浸りながらその後はレイトショーで本作も観て帰ることに。
封切りになったばかりなのに、えっ、客は私ひとりじゃあないか。
今年5度目の“おひとりさま”でございます。そんなんでいいのかと心配になる。
 
さて、内山信二演じるグラトニーの見たくもない腹の中で終わった前編『鋼の錬金術師 完結編 復讐者スカー』
一応話にはついて行けそうだと思っていましたが、ワケわからないところが多すぎて、ちょっと寝た。(^^;
そもそもエド(山田涼介)とアル(水石亜飛夢)の旅の理由が“賢者の石”探しだということも忘れていましたからね、私。
 
エドとアルの父親は内野聖陽演じるヴァン・ホーエンハイム。
このホーエンハイムと姿形がまったく同じなのが、本郷奏多演じるエンヴィーとグラトニーの“お父様”。
エンヴィーやグラトニーは“ホムンクルス”で、ホムンクルスは不老不死の人造人間らしいけど、
どうやら見た目が人間の姿をしているだけで、実際は異形のようなのです。よくわからんけど。
さらには、舘ひろし演じるこの国でいちばん偉い総統も実はホムンクルスで、
寺田心演じるその息子もホムンクルスだったという衝撃の事実。えーっ。怖いわっ!
 
総統がホムンクルスだという事実をつまびらかにして倒そうとするのが、ディーン・フジオカ演じるロイ。
ところが高官連中はみんなそんなことを知っていて、ロイは窮地に立たされるのでした。
政治家みんな悪人って、ありそうなことですよねぇ。
 
なんだかよくわからないような気がしていましたが、こうして書いてみると結構わかっている(笑)。
でも、ホムンクルスの狙いが何だったのかとか、結局錬金術師とはどういうものなのかはわからないまま。
まぁ、いいか。
 
客の入りが悪すぎることだけが心配です。これもまぁいいか。

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『ベイビー・ブローカー』

『ベイビー・ブローカー』(英題:Broker)
監督:是枝裕和
出演:ソン・ガンホ,カン・ドンウォン,ペ・ドゥナ,イ・ジウン,イ・ジュヨン他
 
この日も実家に寄った後、109シネマズ大阪エキスポシティにてレイトショー。
連日寝不足だったから睡魔に襲われる心配をしていましたが、
言うても是枝裕和監督作品でしょ。と思ったらありえないぐらい爆睡してしまった。(^^;
 
若い女性ソヨンが躊躇いながら向かう先は“赤ちゃんポスト”。
何らかの事情で育てることができない赤ちゃんを匿名で預けることができるポストだ。
ソヨンはポストの前にそっと赤ちゃんを置くと立ち去る。
 
その様子を少し離れたところの車中から見ていた刑事スジンとその部下イ。
スジンはポストに赤ちゃんを入れると、それを知らせるベルを鳴らす。
赤ちゃんが届いたことを知った施設の職員が内側でポストを開ける仕組み。
 
実は施設の職員ドンスは、クリーニング店を営むサンヒョンと手を組み、
ポストに届いた赤ちゃんを盗んでは売るという違法な商売に手を染めていた。
ソヨンが預けた赤ちゃんも同様に盗み出し、売る算段を進める。
 
ところが翌朝、思い直したらしいソヨンが施設に現れる。
ドンスの態度に怪しさを感じた彼女は、すぐによからぬことをしていると見抜き、
ちゃんとした養父母を探すというサンヒョンとドンスに同行すると言い出す。
 
一方、赤ちゃんを売っている彼らを現行犯逮捕したいスジンとイも彼らの後をつけはじめ……。
 
いい話のはずなのに、ものすごく退屈。
まず多くの人が思うことでしょうが、なぜこれを韓国で撮る必要があったのか。
 
サンヒョン役のソン・ガンホは素晴らしい俳優だし、ドンス役のカン・ドンウォンも大好きです。
いつのまにか40歳を過ぎたペ・ドゥナがこんな刑事を演じるのを見るのも嬉しいし、
『野球少女』(2019)が記憶に新しいイ・ジュヨンがその部下役というのも楽しい。
ソヨン役のイ・ジウンは大人気の歌手で女優らしく、すれた役でも美しい。
そうです、凄い面々が揃っているのですけれど、それだけに物足りなさが募ってしまう。
 
『万引き家族』(2018)で世界的に有名になった是枝監督が、
その翌年にカトリーヌ・ドヌーヴ主演で『真実』(2019)を撮ったときと同じ印象を受けます。
 
先日たまたま観た『関ジャム 完全燃SHOW』で、
海外公演する可能性はあるかと問われた山下達郎が「絶対ない」と断言していたのを思い出します。
国内の、目の前のファンを喜ばせることもできないで何が海外か。
 
是枝監督はすでに国際的監督だから、国内のみならず海外も視野に入れるよねとは思うものの、
国内で国内の俳優を起用して撮っていたときの作品のほうがよかった気がして仕方がない。
 
結局、誰に感情移入したらいいのかわからないから眠くなる。
もし自分の気持ちを移入することができる登場人物がいれば、絶賛作品になるのかもしれません。

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