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『プロフェッショナル』

『プロフェッショナル』(原題:In The Land of Saints and Sinners)
監督:ロバート・ロレンツ
出演:リーアム・ニーソン,ケリー・コンドン,ジャック・グリーソン,キアラン・ハインズ,サラ・グリーン,
   デズモンド・イーストウッド,コルム・ミーニイ,ニーアム・キューザック,コナー・マクニール他
 
母の一周忌を執りおこなった日、いとこたちと和やかに食事した後、
札幌、千葉それぞれから来てくれた歳の近い従姉とエキスポシティでお茶。
そこで解散して私は109シネマズ大阪エキスポシティへ。
法事の後にまだ映画を観に行くかっちゅう感じですが、はい、2本観ましたとも。
 
舞台は1970年代の北アイルランドで、役者の顔ぶれを見れば見事にアイルランド出身者のアイルランド作品。
当然ロバート・ロレンツ監督もそうなのかと思ったら、彼はシカゴ出身でした。
アイルランドに特別な思い入れがあるわけではなさそうだけど、リーアム・ニーソンを起用するのは2度目
 
1974年、北アイルランド紛争の真っ只中。
IRA(アイルランド共和軍)のメンバーである男女4人がベルファストで爆破事件を起こす。
停車中の車から爆破を見届けようとしていた折、爆弾を仕掛けた場所を下校中の子どもたちが通るのを見かけ、
リーダーの女性デランが思わず車から飛び出して子どもに逃げるように叫んだせいで、
デランらの顔が割れてしまったばかりか、叫んだ甲斐なく子どもたちは巻き込まれて死亡する。
逃走した4人は車を走らせ、ドニゴール県の海辺の田舎町グレンコルムキルに身を潜める。
 
退役軍人のフィンバーは、古本の売買を生業する身と偽って同町で暮らしているが、実は暗殺請負人
帰還後に妻を亡くして自暴自棄になりかけていたフィンバーに、地元の裏社会を仕切るロバートが暗殺の仕事を提示したのだ。
フィンバーの正体を知らない警察官ビンセントとは射撃の腕前を競う仲だし、
向かいの家に暮らすリタや、パブの女主人シニータとその娘モヤとも良い関係を築いている。
数々の暗殺仕事をこなしてきたフィンバーだが、そろそろ引退したいとロバートに申し込む。
 
近頃シニータの家にカーティスという男が出入りしているようで、モヤが怯えている。
シニータによればカーティスは親戚に当たるらしく、無碍にはできないのだと。
モヤがカーティスから虐待を受けていると直感したフィンバーは、ロバートにカーティスの暗殺を依頼。
しかし、ロバートはIRAのメンバーに手を出せば厄介なことになると言って断る。
そこでフィンバーは自分でカーティスを殺すことに決めて……。
 
原題は“In The Land of Saints and Sinners”、つまり「聖人と罪人の地」なのに、
なんだこのセンスのない『プロフェッショナル』なんて邦題は、と思うものの、
リーアム・ニーソン主演のわかりやすい作品に小難しい邦題を付けたってしゃあないですよね。
 
70歳を過ぎてもこんな殺し屋の役ばかりやらされている彼ですが、
アクションはもう無理だということの言い訳を役柄そのものに与えているのがいつも可笑しい。
『ブラックライト』(2021)では孫との時間を大切にしたいから引退したい殺し屋の役、
『MEMORY メモリー』(2022)では認知症の兆候が見えるから引退したい殺し屋の役。
どこまで行こうが殺し屋の役なんだもの。(^^;
 
でも、どれだけ歳を取ろうが彼は負けないし、絶対にハッピーエンド。安心です。
加えて、本作では共演陣がとてもいい。
地元の警察官役のキアラン・ハインズ、ロバート役のコルム・ミーニイ、そしてもうひとりの殺し屋役のジャック・グリーソン。
ジャック・グリーソンはまだ若い殺し屋で、とにかくチャラい。
いかにも裏切りそうな顔なのに、フィンバーのために戻ってきたところにはジーンとしました。
 
世のためだと言いながら無差別にテロを繰り返す集団のことを私は理解できません。

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『女神降臨 Before 高校デビュー編』

『女神降臨 Before 高校デビュー編』
監督:星野和成
出演:Koki,,渡邊圭祐,綱啓永,菅井友香,美山加恋,深尾あむ,瀬名くれあ,丸山礼,大倉空人,
   石野真子,宮崎吐夢,大和田伸也,宮世琉弥,鈴木えみ,津田健次郎,佐藤二朗他
 
キムタクと工藤静香の娘主演と言われても惹かれるどころかまったく気乗りしなくてスルーするつもりだった作品。
けど、せっかく割引がある水曜日に109シネマズ大阪エキスポシティへ来たのに、1本で帰るのが勿体なくなり。
 
どうでもよかったゆえ、この前に観た『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』と20分かぶり。
本編開始から10分は経っていたと思われ、石野真子がヒロインの母親役で出ていたのは知らず。(^^;
 
原作は韓国発の人気WEB漫画なのだそうで。
監督は『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』(2014)の星野和成。TVドラマの演出が主な人らしい。
 
冴えない容姿のせいでいじめられて不登校になった谷川麗奈(Koki,)は、「なりたい自分をあきらめない」と決め、
メイクの技術を磨いて大変身を果たし、転校。すると「女神」と呼ばれる存在になる。
 
前途明るい高校デビューのはずが、成績学年1位の「王子」・神田俊(渡邊圭祐)にその秘密を知られてしまう。
口止めを条件に主従関係を結ばされることになるが、俊とはホラー好きという点で趣味がピッタリ。
ホラーを扱うオタクショップの店主・依田茂通(佐藤二朗)はひそかにふたりの仲を応援する。
 
俊と並んでモテるのが、大企業の「御曹司」・五十嵐悠(綱啓永)。
俊と悠は以前は親友で一緒にバンドを組んでいたのに、葉山楓(宮世琉弥)に絡む過去の一件から口もきかなくなった。
どういう事情か知らない麗奈だったが、なぜか悠から熱烈なアプローチを受けるようになり……。
 
この手の青春恋愛ものの常ですが、ブスだとか目立たない女子だと言ったって、ほんまもんのブスが演じるわけじゃなし。
Koki,にちょっと特殊メイクを施してあばた面にしたところで無理があります。
スタイルだっていいし、これで人前に出るといじめられるブスでしたと言われてもねぇ。
 
が、気乗りせずに観に行ったわりには楽しめました。
綱啓永のことは『違う惑星の変な恋人』(2023)を観たときから気になっています。
ただのイケメンではなくてちょっとクセのある役が多く、三の線で行く人なのかと思っていました。
この間観たばかりの『ネムルバカ』の彼なんて思いっきりそうで、しかもハマっていましたからね。
そうしたら、これは堂々のイケメン役ではないですか。
毎回、この名前なんと読むのかしらと思いつつ放置。このたびやっと「つなけいと」と読むと知る。覚えた!
 
とりあえず、まもなく公開の“After”も観ることにします。

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『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』

『ファレル・ウィリアムス:ピース・バイ・ピース』(原題:Piece by Piece)
監督:モーガン・ネヴィル
声の出演:ファレル・ウィリアムス,スヌープ・ドッグ,ケンドリック・ラマー,ティンバランド,ジャスティン・ティンバーレイク,
     バスタ・ライムズ,ジェイ・Z,ノエリガ,ダフト・パンク,グウェン・ステファニー,プシャ・T,モーガン・ネヴィル他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
ファレル・ウィリアムスと聞いてもどんな人なのかまったくわからなくて、
観るものがほかにないから観に行っただけです。
 
音楽のみならずファッションの分野でも有名な人とのこと。ルイ・ヴィトンのクリエイティブディレクターですって。
現在52歳で、2013年に発表した“Happy”が世界中で大ヒット。
『怪盗グルーのミニオン危機一発』(2013)のサントラも彼が手がけているというのに、知らなくてすみません。
 
『バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち』(2013) のモーガン・ネヴィル監督による本作は、
彼の半生を全編レゴアニメで映画化するという斬新なもの。ファレル自身のアイデアなんですね。
 
アメリカ・バージニア州の低所得者層が暮らす町に生まれた彼は勉強が苦手。
けれど優しい祖母や「何でも好きなことをやればいい」という両親のもと、音楽に目覚めます。
同じような環境で育った友人たちと音楽で繋がり、やがてそれが大御所の目に止まる。
 
金を持つと群がってくる人もいる。上手い話に乗せられて、上がったり下がったりの人生。
大ヒット曲が出た後は曲作りが怖くなり、なかなか作れません。そうなるとあんなに寄ってきた人たちが途端に離れてゆく。
 
紆余曲折の人生をすべてレゴで作るという面白さ。
最初のシーンはファレルの家。本作の製作に当たってインタビューを受けるところです。
少年時代の彼が成長していく様子、壁にぶち当たったときのこと、すべてレゴ。
実際にあったことが比喩で描かれるシーンも全部レゴ。←って、これ、伝わるでしょうか。(^^;
 
ファレルに興味はないとしても、レゴムービーとして単純に楽しめます。

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『アンジーのBARで逢いましょう』

『アンジーのBARで逢いましょう』
監督:松本動
出演:草笛光子,松田陽子,青木柚,六平直政,黒田大輔,宮崎吐夢,工藤丈輝,田中偉登,駿河メイ,
   村田秀亮,田中要次,沢田亜矢子,木村祐一,石田ひかり,ディーン・フジオカ,寺尾聰他
 
109シネマズ箕面にて。
 
ある町に風に乗って現れた高齢の女性アンジー(草笛光子)。
入居者なくボロ家となったまま放置されている物件を一目で気に入って不動産屋へ。
 
あの物件を借りたいと聞き、不動産業者(宮崎吐夢)は仰天。
なんでもあれは曰く付きも曰く付き、事故多発物件とのこと。殺人はないものの、自殺はあった。
住めば不幸に見舞われる物件だと。
 
そんなことは屁とも思わないアンジーが金を積んで交渉しようとしていたところへ、
物件の大家(寺尾聰)本人が現れ、店をやってくれるなら喜んで貸しますと言う。
 
店を開けるべく早速手入れを始めたアンジーだったが、ひとりでは埒があかない。
近くの公園を訪れると、そこで暮らすホームレスたちに声をかけ、改修を頼む。
そんな様子を向かいの美容院から眺める店主(松田陽子)と高校生の息子(青木柚)。
 
ホームレスの面々に扮するのは、元大工役の六平直政、元電気屋役の黒田大輔、暗黒舞踏家役の工藤丈輝。
路上生活者だからといって不幸せなわけじゃない。けれど張りのある生活をしていたわけでもない。
それが、アンジーからあーだこーだと指示されて自分の得意分野で働いているうちに張り合いが出てきます。
 
青木紬演じる少年は、女友達(駿河メイ)の兄(田中偉登)のことが好き。
けれどその想いをなかなか打ち明けられず、母親にも自分がゲイであることを言えずにいます。
アンジーと関わることで彼自身も母親も少しずつ気持ちに変化があらわれてきます。
 
舞台劇を観ているかのようでした。
可も不可もなく、最後にディーン・フジオカがバイクを乗る姿に驚くぐらいで。
でも、後味はいい。
今年91歳になる草笛光子を見るための作品でしょう。

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『1980 僕たちの光州事件』

『1980 僕たちの光州事件』(英題:1980: The Unforgettable Day)
監督:カン・スンヨン
出演:カン・シニル,キム・ギュリ,ペク・ソンヒョン,ハン・スヨン,ソン・ミンジェ他
 
アップリンク京都にて、『エミリア・ペレス』の次に。
 
『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017)を観るまで、光州事件のことはまったく知りませんでした。
なんとお気楽な人生を私は送っているんだろうと思うと共に、1980年代にこんな事件が起きる国って何よと思ったりもしました。
軍事政権下民主化を求める学生が弾圧され、大勢の死者を出すに至った歴史的悲劇。
本作は『タクシー運転手 約束は海を越えて』および『ソウルの春』(2023)と是が非でも併せて観たい1本です。
 
それら2本のように光州事件そのものを描いているというよりは、
そんなことが起きているとも知らずに平和に暮らしていた人々を襲った現実がここには描かれています。
 
1980年5月17日、三代で暮らす家族のうち、祖父が念願の中国料理店をオープン。
祖父の自慢はソウルの大学を出た長男。
それに比べて出来の悪い次男こそ店を継ぐ気持ちがあるのに、祖父が相手にしてくれない。
しかし長男は出かけてばかりで、どうやら軍事政権に反発してデモを主導している様子。
長男の嫁は働き者で、彼女が店に立って祖父の仕事を大忙しで手伝う。
 
長男夫婦の息子で小学生のチョルスは、隣家の美容院の娘ヨンヘが好き。
「中国めし」の店を継いだらヨンヘに嫌われそうだから絶対に嫌だ。
だけど家族は笑うばかりでまともに話を聞いてくれない。
 
なかなか祖父の信頼を得られない次男だったが、知的で美人で性格も良いアモーレと結婚が決まる。
店のオープンと次男の結婚話でお祝いムードのなか、来店した軍人たちと学生客の間に不穏な空気が流れる。
軍人たちは学生と見るやアカだと決めつけ、学生の味方につけばそれもアカ扱いされる。
 
ある日、軍人に追いかけられた長男が逃げ込み、そのまま行方をくらます。
すると、兄の居場所を教えろと次男が捕まって拷問にかけられ……。
 
シリアス一辺倒ではなくてユーモアもふんだんに盛り込まれています。
それがむしろ悲惨さを倍増させる役目を果たしているから、虐殺のシーンでは愕然とするしかありません。
アジトが爆撃された瞬間は呆気にとられて言葉を失いました。
 
最初はデモがなんたるや知らない者まで連行される。
デモが周知のこととなると、家族が連れて行かれたり殺されたりして、みんな事実を知る。
なんだかよくわからずにデモに参加していた人もいるでしょうが、
軍事政権下で民主化を唱えるには命を懸けなければならないのですね。
 
この悲劇を乗り越えて、国は良くなりましたか。
少なくとも韓国映画はもの凄く面白い。でも面白いと言っているだけで良いのかどうか。
私には命を懸ける勇気はありません。

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