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『地下室のヘンな穴』

『地下室のヘンな穴』(原題:Incroyable Mais Vrai)
監督:カンタン・デュピュー
出演:アラン・シャバ,レア・ドリュッケール,ブノワ・マジメル,
   アナイス・ドゥムースティエ,ステファン・ペーゼラ他
 
ちょっとご無沙汰した感ありの大阪ステーションシティシネマへ。
どうやら今年に入ってから初めてだったようで、直近はこのときでした。
っちゅうことは、貯めたポイント消滅してるやん。ショック。(T_T)
といってもここは8ポイントでドリンクSサイズ1杯。
それ以上貯めたところで大小ポップコーンしかもらえないから、
劇場でポップコーンを食べることはない私はドリンク一択。
だったらショックを受けるほどでもないか。
 
フランス/ベルギー作品。
監督はフランス出身のカンタン・デュピューで、まだ50歳にもなっていないのに、
すでに奇才と呼ばれているようです。確かに奇才ですね、鬼才というよりも。
 
アランとマリーはすでに子どもをあきらめた中年夫婦。
新居の購入を考え、緑豊かな郊外に建つ屋敷の下見に訪れる。
 
良い物件だとは思うが、ふたりで暮らすには広すぎるのでは。
ためらう夫婦に不動産屋がこの物件最大のウリである秘密を教えてくれる。
 
地下室に降りると、そこにはマンホールのような穴が。
不動産屋のあとについて夫婦が穴に入ると、出てきたのはなんと2階。
しかも穴に入ったときから12時間が経過している。
秘密はそれだけではなく、なんと3日若返るというのだ。
 
屋敷の購入を決めた夫婦だったが、その後、マリーは若さを取り戻そうと、
毎日何度も穴に降りてダクトを通っては出てくるという行動を繰り返す。
そんなことにつきあっていられないアランは、マリーとろくに会うこともできず、
彼女の置き手紙を見ても「また明日」の明日がいつを指しているのかもわからない。
 
一方、アランが勤める会社の社長ジェラールは、
同棲中の恋人ジャンヌを喜ばせようと、日本で電子ペニスを移植する手術を受けたらしい。
自前のペニスを切って、リモコンで電子制御できるペニスを付けたというのだ。
 
顧客の対応に難儀していたアランは、ジェラールが交代してくれると聞いてホッとするが、
そのときジェラールの電子ペニスに不具合が発生。
ジャンヌに内緒でジェラールはペニス修理のために日本に行くと言い……。
 
どんな感想を書けばよいのやら困ります。
 
12時間進んで3日若返る。そんなことを聞いたら、確かにダクトを通りたくなるかもしれません。
だけど鏡を見たところで3日前に若返っているかどうかなんてわかりませんよね。
 
以下、ネタバレです。
 
真偽のほどを確かめるためにマリーが思いついたのは、腐りかけのリンゴを持って穴に入ること。
出てきたときには見た目ツヤツヤのリンゴに変わっていますが、
かじってビックリ、中からは無数の蟻が這い出してきます。おぞましい。
ありえない処置をして外見だけ変えたところで、中身は腐ったままですよということか。
ペニスにしても、自分で制御できるように機械仕掛けにしたところで思いのままにはならないと。
 
ヨルゴス・ランティモス監督の作品のような印象をちょっと受けます。
でもそれほど暗くはないんですよね。かといって明るくもない。
観る人を選びます。ふだん娯楽大作しか観ないという人は間違ってもこれを選択なさいませんように。

—–

『ブレット・トレイン』

『ブレット・トレイン』(原題:Bullet Train)
監督:デヴィッド・リーチ
出演:ブラッド・ピット,ジョーイ・キング,アーロン・テイラー=ジョンソン,ブライアン・タイリー・ヘンリー,
   アンドリュー・小路,真田広之,マイケル・シャノン,ベニート・A・マルティネス・オカシオ,サンドラ・ブロック他
 
公開初日に109シネマズ箕面にて前述の『さかなのこ』とハシゴ。
IMAXシアターで鑑賞しました。
 
伊坂幸太郎は大好きな作家です。
本作の原作『マリアビートル』も好きでしたが、なにしろ読んだのはたぶん10年近く前。
双子の殺し屋の名前が「檸檬」と「蜜柑」だったことぐらいしか覚えていません。
その頃はまさかこうしてブラッド・ピット主演でハリウッド映画化されるとは思いもよらず。
 
あらすじを書くならとてもシンプル。
ブラピ演じる殺し屋“レディバグ”は、サンドラ・ブロック演じるマリアから容易に思える仕事を請け負う。
東京から乗り込んだ超高速列車の中で、あるブリーフケースを盗み出すだけ。
いとも簡単にブリーフケースを見つけたレディバグだけど、同列車の中に別の殺し屋も乗車していることを知る。
次の停車駅で降りるつもりが、開いたドアからまたまた別の物騒面も乗り込んできて、
レディバグはいつまで経っても列車から降りられない。さてさてどうなる!?というお話。
 
ものすごく日本を意識した映画化で、オープニングロールから日本語の嵐。
タイトルの“Bullet Train”と共に『弾丸列車』という字も表示されます。
ハリウッド映画化するなら、舞台ごとアメリカに移してもよかろうと思っていたのに、
なぜに日本が舞台のままなのだろうと訝っていましたが、これはこれでまぁ面白い。
 
日本を舞台にしておいて白人を主役にするなんて、これはホワイトウォッシングだ!と非難されてもいるそうで。
どこの国の人を主役に据えようが、どこかから何なりとクレームは入るように思います。
本作はコロナのせいで日本ロケはおこなえず、アメリカの特設スタジオで撮影されたとのこと。
日本といいながら明らかに景色は妙だし、へんてこなアクセントの日本語も多数登場しますが、
これを観てアジア人が差別されていると思いますか。私はそうは思わない。
ホワイトウォッシングの作品への出演を受けたということで、アジア人俳優まで非難を受ける。変なの。
 
蜜柑はタンジェリン、檸檬はレモン。白人と黒人の「双子」コンビも傑作。
タンジェリン役のアーロン・テイラー=ジョンソンは、何度見ても「ふた回り近く上の女性監督にロックオンされた人」のイメージが拭えません(笑)。
レモン役のブライアン・タイリー・ヘンリーは愛すべきキャラクターですね。
そしてそして真田広之。渋すぎます。変人役がいつもよく似合うマイケル・シャノンとの対決は凄絶。
 
終盤はまるで『アンストッパブル』(2010)を観ているかのよう。そりゃないわと笑ったけど。
もともとはブラピのスタントマンを務めたのが縁で彼と親しくなったというデヴィッド・リーチ監督。
いろいろ言われたとしても、スカッと娯楽作でこれからも楽しませてください。

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『さかなのこ』

『さかなのこ』
監督:沖田修一
出演:のん,柳楽優弥,夏帆,磯村勇斗,岡山天音,西村瑞季,宇野祥平,前原滉,鈴木拓,
   島崎遥香,賀屋壮也,朝倉あき,長谷川忍,豊原功補,さかなクン,三宅弘城,井川遥他
 
公開初日がちょうどファーストデー。109シネマズ箕面にて仕事帰りに鑑賞しました。
 
ご存じ、さかなクンの自伝的エッセイを沖田修一監督が映画化。
さかなクン本人がモデルだと思われる主人公をのんが演じ、さかなクン本人も出演しています。
 
魚をこよなく愛する小学生・ミー坊(西村瑞季)。
父親・ジロウ(三宅弘城)は魚以外に興味を示さない我が子を心配して叱るが、
母親・ミチコ(井川遥)はそれの何が悪いのかとミー坊を応援しつづける。
 
高校生になったミー坊(のん)は相変わらずのマイペース。
魚のことをメインに書き綴った新聞が学校でも話題になっている。
その新聞の片隅で不良高校生たちのことも面白おかしく取り上げたものだから、
原チャリ暴走族の総長(磯村勇斗)が怒ってミー坊を脅しに。
しかしビビるどころか一緒に釣りを勧められ、総長は拍子抜け。
 
他校の不良・籾山(岡山天音)たちとの縄張り争いに巻き込まれても、ミー坊はスルー。
そんなミー坊を恫喝すべく籾山が呼んだ「狂犬ヒヨ」の異名を持つ日吉(柳楽優弥)は、
ミー坊の幼なじみだったことがわかって形無し。
 
やがて高校を卒業したミー坊だったが、常識に欠けることから就職先で何かとやらかし……。
 
これは決して言ってはいけないことだと思うのですが、
ミー坊役の子役の瑞希ちゃんものんも演技が上手いとは思えません。
なんかわざとらしいなぁと思いながら観ていたけれど、沖田監督作品の中ではそれが嫌じゃない。
 
高校生にしてはどうにも老けすぎている面々も可笑しい。
うんと若い世代にはウケるかどうかわかりませんが、中年以上の人ならば結構笑えるはず。
この日の劇場内にも笑いがこぼれるシーンがたくさんありました。
 
ミー坊が通学路で出会うギョギョおじさん(さかなクン)は明らかに怪しい。
ギョギョおじさんから誘われて、家に遊びに行く約束をするミー坊。
家でそのことを話したら、父親は激怒する。
でも母親は違う。人を疑うことよりも信じることを教えたいのだと言う。
 
人を信じて取り返しのつかないことになってしまうかもしれない今、
父親の怒りはもっともだし、現実的には駄目でしょう。
でもふと、あるインド料理店の話を聞いて悲しくなったことを思い出しました。
そのお店のインド人(ネパール人かも?)店主は、毎日、店の前を行き来する小学生に
「おはよう」「こんにちは」「おかえり」と声をかけていたそうです。
それが保護者から学校に連絡が入った。「子どもが怖がるからやめてほしい」。
店主は子どもたちに挨拶することを禁じられました。なんか切なくないですか。
 
人を信じることを教え、それが間違いでなかったとわかる世の中であってほしい。
 
本作に出てくる人はみんな善人。
不良たちもそうだし、学校の先生もそう。彼女を雇うペット店の店主(宇野祥平)も。
善人すぎて嘘くさいぐらいだけど(笑)、こんな人ばかりだといい。
 
「普通」って何でしょうか。自分の物差しだけで図っちゃいけない。

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『アキラとあきら』

『アキラとあきら』
監督:三木孝浩
出演:竹内涼真,横浜流星,高橋海人,上白石萌歌,児嶋一哉,塚地武雅,宇野祥平,
   戸田菜穂,杉本哲太,奥田瑛二,石丸幹二,ユースケ・サンタマリア,江口洋介他
 
弟の部屋の片付けを完了して退去したあと、心身共にへとへとだけど映画は観たい。
連日の寝不足で睡魔に襲われそうだなぁと思いながらも109シネマズ箕面へ。
 
三木孝浩監督、どんだけ映画撮ってるねん。
今年だけでこれがすでに3本目。『今夜、世界からこの恋が消えても』『TANG タング』に本作。
良い作品も多いですが、あざとさを感じてしまう作品もあって、好きな監督とは言えません。
なのに恋愛要素のない本作も彼が監督なのねと少しがっかりしながらだったのに、面白いやんか。
まったく居眠りする暇はありませんでした。
 
原作は池井戸潤。読んだのは5年前。そのときのレビューはこちら
内容はざっくりとしか覚えていません。そうそう、こんな話でしたね。
 
山崎瑛(竹内涼真)は小さな町工場の息子で、彼が小学生の頃、銀行から融資を断られて工場は倒産。
両親(杉本哲太&酒井美紀)と離れずには済んだが、困窮な生活を強いられた。
 
一方の階堂彬(横浜流星)は東海郵船という大企業の御曹司で、
両親(石丸幹二戸田菜穂)からは後を継ぐものと思われていたが拒絶する。
 
アキラとあきら、同じ名前のふたりは東大を出て、メガバンクの産業中央銀行に入社。
同期の中ではずば抜けて優秀と評価され、将来を期待される。
 
彬は着々と出世街道を進むが、瑛は顧客の思いに応えようとするあまり、
会社の利益を損ねる行動に出て左遷されてしまう。
 
瑛が飛ばされた先は訳あり・やる気なしの社員ばかりの支店。
しかしそこでも腐らずに仕事を続けた結果、瑛は本店へと戻ってくる。
 
その頃、彬の父親が亡くなり、東海郵船の社長に彬の弟・龍馬(高橋海人)が就任。
龍馬の劣等感を利用した彬の叔父たちの口車に乗せられ、
龍馬は叔父たちが経営するリゾートホテルの保証人として50億もつぎ込んだ結果……。
 
竹内涼真、横浜流星、どちらも○。
瑛は父から工場を取り上げた銀行員が大嫌いにもかかわらず、
あるとき父のもとを訪れた銀行員を見てこんな銀行員になりたいと思います。
その銀行員役を満島真之介が演じており、出演時間は短いのに胸を打ちます。
 
また、どんな作品でもたいていオイシイ役回りなのが江口洋介
瑛の稟議を通そうとしない鬼の副支店長でありながら、
ただ瑛のことが嫌いで却下しているわけではないとわかるとき。泣くでしょ。
 
このふたりがあり得ないぐらい憎たらしいのですが、
意外にもいちばん泣かされたのはユースケ・サンタマリアの終盤の表情でした。
 
ほかにも、階堂家の顧問弁護士役で野間口徹。瑛が左遷前に関わる町工場の社長に宇野祥平
彼らはもうすっかりバイプレイヤーズですよね。
 
理想を持ったままトップバンカーになれるか。
瑛と同じような理想を持つバンカーって、存在しますか。

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弟の部屋を退去しました。

8月いっぱいでが住んでいた部屋を解約、退去しました。
亡くなってから明日でちょうど3カ月経ちます。
 
闘病中だった弟が入院の合間に戻ってきたときは、ひとりきりになることが心配で、
弟本人も私も「病院にいるほうが安心やのになぁ。もう少し入院させといてくれへんかなぁ」と話したりしたのですが、
いざ自分の部屋に帰るとめちゃめちゃ落ち着いたそうです。
何もかもが自分仕様で、すげぇホッとしたと言っていました。
 
オンラインクレーンゲームでつり上げた大量のフィギュアは売りに出すつもりでしたが、
大型ゴミの搬出を手伝ってくれた友だち親子の息子のほうがフィギュア大好きと判明。
じゃあ好きにしてくれたらええよと全部持ち帰ってもらいました。
 
新品のジーパンや衣類や靴は、サイズがぴったりだという友人知人のもとへ。
サイズが合わなかったものは障害者労働センターのバザー用品になるというので持ち込み。
中古品も美品に関してはクリーニングに出してそれぞれ誰かのもとへ。
電球なども希望者がいて、聞いてみれば何でも片付くもんだなぁ。
 
男のひとり暮らしですからね、ここには書けないようなものももちろんありましたが(笑)、
すべてそれなりのところへ届けて活用してもらえそうです。
 
弟が大好きだった部屋だから、退去は寂しい。
でもいつまでも借りているわけにもいかないから。
弟が見ていた景色を撮ってお別れしました。
 
無性に悲しくなる帰り道。
それでも映画を観に行ったけど。(^^;

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