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『スーパー30 アーナンド先生の教室』

『スーパー30 アーナンド先生の教室』(原題:Super 30)
監督:ヴィカース・バハル
出演:リティック・ローシャン,ムルナル・タクール,アーディティヤ・シュリーヴァースタヴァ,
   ヴィレンドラ・サヘナ,ナンディシュ・サンドゥ,パンカジ・トリパティ他
 
109シネマズ箕面にて。今年7度目の“おひとりさま”でした。
こんなに良い作品が封切り後1週間も経っていないうちから客私ひとりなんて、寂しすぎる。
もったいないのでぜひぜひ劇場でご覧いただきたい。
 
実話に基づくインド作品。
 
ある青年が国際的な賞を受賞し、ロンドンに招かれてスピーチするシーンから始まります。
貧困家庭に生まれ育った彼がこの場にいるのは、恩師アーナンド先生のおかげだと。
 
シーンは遡り、まだ高校生のアーナンド。
数学の大会で優勝した天才で、学術雑誌に掲載されていた難問を解いてみせ、
ケンブリッジ大学から入学許可書が送られてくる。
 
両親も弟プラナヴもアーナンドを誇らしく思うが、金がない。
大会優勝時に「可能性に満ちた若者を経済的に援助する」と断言していた大臣に面会するも、
金を出す約束などした覚えはないと追い返される。
 
そうこうしているうちに、金の工面に奔走していた父親が急死。
失意のアーナンドがケンブリッジ行きをあきらめ、母親が焼いたパパドを売って日銭を稼いでいると、
アーナンド同様に数学大会の優勝者だったというラーランに声をかけられる。
 
ラーランは自らが経営に携わる予備校の教師としてアーナンドを招く。
そこはインドの最高学府IIT(インド工科大学)への入学のために設立された予備校で、
生徒はいずれも富裕な家庭の子どもばかり。アーナンドは一躍人気講師に。
 
しかしある日、アーナンドはこの仕事に疑問をおぼえる。
王になるのは王の子どものみ。王の子どもでなくても能力に応じて王になる時代が来るべき。
そこでアーナンドは予備校を辞め、極貧家庭の子ども30人に無償で教えるための私塾を開くのだが……。
 
ラーランは大臣とつるんでいるわけですが、その妨害工作の激しいこと。
アーナンドの私塾を潰そうとあの手この手でじゃまをします。
あることないこと言ったり、最終的にはアーナンドと子どもたち全員を殺そうとまでする。
試験前日に急襲をかけられたときの、子どもたちが途轍もなくたくましい。
まぁこの辺りは事実にたぶんかなり盛っているでしょうが、
アーナンドからこれまでに教えられた理科の知識をしっかり駆使して、敵を撃退します。
 
いちばんウルっとしたのは、アーナンドを殺すように命じられた殺し屋が、
わざわざ「殺し屋だけど殺さない」と言いに来るシーン。その理由にはジワーンと来ました。必見(笑)。
 
主演は『WAR ウォー!!』 (2019)のリティック・ローシャンで、今年48歳。
インド人って、年齢不詳なことないですか。
48歳のオッサンが高校生を演じても違和感ないって、変やろ。(^^;
 
そのほか、悪役も含めて登場人物が魅力的。
アーナンドと相思相愛だったのに、格差ゆえ結婚を断念した相手スプリヤー役はムルナル・タクール。
めちゃくちゃ可愛い美人なのに、アーナンドから「美人じゃない」と断言され、
しかもその理由が「黄金比じゃないから」なんてヒドイ(笑)。でもそれを笑う素敵な女性です。
アーナンドの私塾を記事に書くことによって救おうとするチンピラ風記者もよかった。
 
で、結果がどうなるかと言いますと、30人全員IITに合格。
そんな凄い話があるのか!?と思うけど、そこは事実のようです。

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『渇きと偽り』

『渇きと偽り』(原題:The Dry)
監督:ロバート・コノリー
出演:エリック・バナ,ジュネヴィーヴ・オライリー,キーア・オドネル,ジョン・ポルソン,
   ブルース・スペンス,ジュリア・ブレイク,マット・ネイブル,ウィリアム・ザッパ他
 
上映館は限られていて、出演者を見れば有名なのはエリック・バナぐらい。
前日はしこたま飲んでいるし、こんな地味そうな作品、睡魔に襲われるのではと懸念していました。
だけど内容は面白そうだったから、覚悟を決めてイオンシネマ茨木へ。
1ミリも眠たくなることなく、話に引き込まれました。観て正解。
 
原作はオーストラリア出身のジャーナリスト、ジェイン・ハーパーによるベストセラー小説。
ロバート・コノリー監督も主演のエリック・バナもオーストラリア人です。
 
余談ですが、本作の詳細を調べようとイオンシネマのサイトを確かめたとき、
遠目にはエリック・バナに見えず、マーク・ラファロかと思いました。
ふたりとも“ハルク”を演じたことのある俳優だから、意外と似ているのか。
エリック・バナのほうがマーク・ラファロよりずいぶん男前ですけどね。
 
メルボルンから車で5時間ほど走った田舎町。
この町を20年前に出て、いまは優秀な連邦捜査官となっているアーロンは、
幼なじみのルークが自らの妻子を殺害して自殺したとの連絡を受け、葬式に参列するため帰郷する。
 
葬式が済めばメルボルンに戻るはずが、ルークの両親から強く引き留められる。
ルークが家族を殺すなんて信じがたい、絶対に裏がある。
まずはルークに経営を任せていた農場の帳簿を確認してほしいと。
 
致し方なくしばらく町に留まって調査することにしたアーロンだったが、
住民たちは彼に対して冷ややかな視線を送る。
それというのも、アーロンがまだ10代だった頃、町でエリーという少女の溺死事故が起き、
彼女と親しかったアーロンが関わっているのではと疑いの目を向けられた過去があるから。
その状況に耐えられず、父親に連れられてアーロンが町を逃げ出した格好なのだ。
 
事件に対応するのは初めてだという地元の警察官グレッグと協力し、
アーロンは真相を求めて捜査を始めるのだが……。
 
地味です。暗いです。でも好きです、こんなクライムサスペンス。
アーロン役のエリック・バナが実に良い歳の取り方をしていてカッコイイ。
グレッグ役のキーア・オドネルのおどおどした感じ、
だけど誠実でなんとかこの町を守ろうとしている態度も○。
肝の据わった彼の妻も見ていて嬉しくなります。
 
真相に近づいていく様子が丁寧に描かれていて、
かつ、過去に何が起きたのかも段々と明かされていくから、目が離せません。
ルークがいい奴には思えないせいで、何をやらかしたのかが気になります。
もうひとり、仲良し四人組だった美女グレッチェンも謎に満ちていて気になるし。
 
真相はものすごく意外でビックリしました。
それがわかると、そんな殺し方で自殺と思われたりするかなと疑問に。
田舎だと、事を荒立てないために捜査がずさんになるとか。んなことないか。
 
久々にじっくり観られたと感じる作品。
これを機会に、エリック・バナの出演作をもっと観たい。

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『ユージュアル・サスペクツ』【テアトル梅田を彩った映画たち】

『ユージュアル・サスペクツ』(原題:The Usual Supects)
監督:ブライアン・シンガー
出演:スティーヴン・ボールドウィン,ガブリエル・バーン,チャズ・パルミンテリ,ケヴィン・ポラック,
   ピート・ポスルスウェイト,ケヴィン・スペイシー,スージー・エイミス,ベニチオ・デル・トロ,ダン・ヘダヤ他
 
寂しいですねぇ、テアトル梅田の閉館。
これもさよなら興行中に観た作品。『よだかの片想い』とのハシゴでした。
当然、本作も満席。
 
ブライアン・シンガー監督の名を世界的に知らしめた1995年の作品。
シンガー監督は『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)のクレジット上の監督ではありますが、
いろいろと揉め事を起こして撮影終了前に解雇されていたというのも有名な話。
 
本作を最初に観たのがいつどこでだったのか覚えていません。
だけど、なんて面白いんだと衝撃を受けたことは覚えています。
 
銃器強奪事件の容疑者として捕らえられた5人の前科者
“The Usual Supects”は直訳すると「常連の容疑者」で、これらの前科者を示しています。
 
5人の内訳は、元汚職刑事のキートン(ガブリエル・バーン)、
強盗コンビのマクマナス(スティーヴン・ボールドウィン)とフェンスター(ベニチオ・デル・トロ)、
爆弾製造の専門家ホックニー(ケヴィン・ポラック)、身体障害者で詐欺師のキント(ケヴィン・スペイシー)。
5人は立件されずに釈放になるが、後日、麻薬密輸船の爆発炎上事故が置き、そこに彼らは居合わせていた。
密輸関係者と共に5人のうち4人が亡くなり、唯一怪我もなく生き残ったのはキントのみ。
関税局の捜査官クイヤン(チャズ・パルミンテリ)がキントに詰問するが……。
 
ネタバレするとまったく面白くない。だから未見の人には何も知らずに観てほしい。
すべてがわかったときの衝撃といったら、こりゃすごい監督が出てきたと驚愕したものです。
 
キント役のケヴィン・スペイシーがセクハラ問題でやり玉に挙げられ、今は見なくなりました。
詳細はわかりませんが、彼の演技が見られなくなったのはとても残念。
スティーヴ・ボールドウィンは何を思ったかケヴィン・コスナーを訴えて敗訴しているし、
コバヤシ役だったピート・ポスルスウェイトは10年以上前に他界。
今なお活躍中と言ってよいのはベニチオ・デル・トロぐらいでしょうか。
巡査部長役のダン・ヘダヤなんかは脇役で非常によく見かけますけれど。
キートンの恋人イーディ役のスージー・エイミスはジェームズ・キャメロン監督と結婚したから、大当たりかな。
 
観たことない人、DVDでも配信でも何でもいいから、ぜひご覧ください。
そしてこの後は3回目の『トップガン』×『トップガン マーヴェリック』連続上映に行ったのでした。

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『よだかの片想い』

『よだかの片想い』
監督:安川有果
出演:松井玲奈,中島歩,藤井美菜,織田梨沙,青木柚,手島実優,池田良,中澤梓佐,三宅弘城他
 
さよなら興行中だったテアトル梅田で、【テアトル梅田を彩った映画たち】ではない新作も鑑賞。
 
原作は直木賞作家島本理生の同名小説。監督は本作が長編2作目の安川有果。
脚本を担当するのが城定秀夫であることに惹かれました。
 
そして主演は松井玲奈の部屋に残されていた写真集に彼女のものも1冊ありました。
遺品から推察するに、弟が特に好きだったのは篠田麻里子だと思うのですが、
嫌いな子の写真集は買わないと思うから、たぶん松井玲奈も好きだったのでしょう。
 
生まれつき顔の左側に大きな痣があるアイコ(松井玲奈)。
子どもの頃からからかわれてきたせいで人づきあいに消極的になった彼女は勉学に励み、
大学院に進んで理系の研究に没頭している。
 
数少ない友人のうちのひとり、マリエ(織田梨沙)の勧めで取材を受けたアイコ。
顔に痣を持ったり怪我を負ったりした人を取り上げたその本は話題になり、
マリエはさらにこの本の映画化計画が出ていることをアイコに告げる。
 
気乗りしないまま、断るつもりで映画監督の飛坂(中島歩)に会ったアイコは、
図らずもその人柄に触れて惹かれてゆくのだが……。
 
中島歩って不思議な俳優ですね。
声を聞いているとくたびれた竹野内豊。見た目はエセ竹野内豊といわれる(笑)大谷亮平みたい。
イケメンではあるけれど、なんかふらふらしていて、誠実だかなんだかわからない印象があります。
本作では最初そこに違和感があったものの、映画第一、女は映画を撮るための存在、
だけどそのことに自分では気づいていないふうの彼にまさにピッタリな気がしてきました。
 
松井玲奈演じるアイコの話で印象的だったことがあります。
小学生の頃、授業で琵琶湖の話が出たとき、ある男子がアイコの顔を見つめ、
「痣が琵琶湖そっくりだ」と言い出します。
みんながアイコの顔を凝視して、ホントだホントだとはやし立てる。
このときのアイコの気持ちは、「ちょっと嬉しかった」。
注目されて、少し誇らしい気持ちさえ芽生えたのに、担任の先生がそれを遮る。
「なんて酷いことを言うんだ、謝れ」と。口々に謝る同級生たち。
「私の顔って酷いんだと思った」というアイコの台詞。
 
もしもこの場にいたら、私も先生と同じことを思ったでしょう。
でもこれこそが彼女を可哀想に思っているわけで、酷いこと。
どう受け取るかは本人にしかわからない。
わかりもしないのに、傷ついていると決めつけて謝れということの酷さ。
 
その昔、可愛いけど大根役者だと思っていた藤井美菜がアイコの先輩役。
この彼女はとてもよかった。上手くなったじゃないかというのは上から目線ですね。(^^;
アイコとふたり、踊るラストシーンが素敵です。

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2022年9月に読んだ本まとめ

2022年9月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:4793ページ
ナイス数:1315ナイス
■アキラとあきら (徳間文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】5年前に読んだ本の内容なんてほとんど忘れています。同じ名前の少年が2人いて、一方は金持ち、一方は貧乏、でもどちらも頭脳明晰、大手銀行に将来を期待されて就職、ぐらいでしょうか、うっすらと覚えていたのは。三木孝浩監督作品は今年だけで3本目。がっかりすることのほうが多かったけれど、これは面白かった。竹内涼真横浜流星、どっちもイイ。意外にも泣かされたのは、めっちゃ嫌な奴だったはずのユースケ・サンタマリアの表情。あと、いつもオイシイところを持って行く江口洋介。楽しめます。
読了日:09月01日 著者:池井戸潤
■マリアビートル (角川文庫)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】原作を読んだのは読書メーターを始める前だったことに気づく。ということは5年以上前。『アキラとあきら』同様、そんな前に読んだ本の内容は覚えちゃいないんですが、公開初日の昨日鑑賞。伊坂幸太郎の小説がブラピ主演でハリウッド映画化されるなんて誰が予想していたでしょう。内容をほぼ覚えていないのに最初から可笑しい。レモンとタンジェリンで檸檬と蜜柑を思い出してすぐに笑えるのは原作の読者だけ。わざわざ舞台を日本にしたまま映画化しなくてもと思ったけれど、観てみればそこが面白かった。
読了日:09月02日 著者:伊坂 幸太郎
■呪街 警視庁異能処理班ミカヅチ (講談社タイガ)
同著者が書く好きなシリーズが次々と終わってしまうなかで始まったこのシリーズ第2弾。まだ今までのシリーズを超えるほどにはのめり込めませんが、霊視能力を持つがゆえに悲しい人生を送ってきた青年・怜のことをどんどん好きになっています。異能処理班はもちろんのこと、怜の周囲の人々がみんな個性にあふれて魅力的。自分が人を救えると思うことが実はどれだけ傲慢な考えなのかも思い知らされました。しかしこれ、想像力に富んだ人なら恐ろしい絵面まで浮かんできて結構衝撃的でしょうね(笑)。ホラー苦手なくせしてイメージ湧かない私は平気。
読了日:09月02日 著者:内藤 了
■フーガはユーガ (実業之日本社文庫)
『ブレット・トレイン』を観たら、別の双子が出てくる話も読みたくなり。いつもの著者の作品同様に軽妙なタッチで描かれていますが、ここに登場する青少年の生い立ちは揃いも揃って凄絶。現実にはありえない設定も、あとがきにある「自分が書く話の中でくらいは、大変な目に遭う子供たちが特別な力で冒険してもいいのでは」という言葉に胸が詰まります。虐待を受けていたり悲惨な境遇にあったりする子供たちみんなにこんな力が授けられるといいのにと思う。雑魚だって組むひと次第。「優」の字の説明には唸りました。その説明どおりの人でありたい。
読了日:09月04日 著者:伊坂 幸太郎
■あきらがあけてあげるから 【3歳 4歳からの絵本】
ウチの父の名前は「あきら」です。高齢者にありがちなことですが、転んで骨折。現在入院中です。そもそも筋力がちっともなくて、入院するずっと前からペットボトルのふたを手だけで開けることはできませんでした。「お父さん、ヤットコ持ってきてペットボトルのふた開けはるねん」と母が言っていました。リハビリ病院でしっかり筋力をつけて、なんでも開けられるようになってから退院して来るんだよ。感想だかなんだかわからなくてすみません。ヨシタケさんの本には必ずオチがあって最高。ついでに亡き義母がペットボルトと言っていたのも思い出す。
読了日:09月06日 著者:ヨシタケ シンスケ
■あきない世傳 金と銀(十三) 大海篇 (ハルキ文庫 た 19-28)
全13巻、ほんの数年だったように感じていたのに6年半ですか。『みをつくし料理帖』と併せたら、私はこの間いったいいくつ歳をとったのかと考えるとゾーッ(泣)。姉妹が和解することを望んでいた人も多かろうと思いますが、私はそんな良い性格じゃないので(笑)、結に天罰が下ることを祈っていました。祈ったとおりになったような、でも縋りもせずに姉にまだ敵意丸出しの彼女を見ると、これはこれでアッパレか。ひとの命には限りがあるけれど、寿命が尽きても、生み出した色は残る。顔料をつくる会社に勤めていた亡き弟を想い、グッときました。
読了日:09月11日 著者:高田 郁
■透明な螺旋
東野圭吾を読むたびに思う、こういうのをリーダビリティが高いと言うのだろうなぁって。何度も書いていることですが、最近のどの作品を読んでも昔の同著者を読んだときのような切なさには駆られません。もしやこれはあちらのせいではなくて、こちらが愚鈍になっているせいかもしれないと思うほどです。だけど、他の作家の作品を読むときにはなかなかない速さで頁が進む。本作は湯川教授の出自がわかって、本筋よりもそちらに驚きました。しかし勘が良すぎるでしょう、湯川先生。彼には何も隠し事ができない(笑)。騙されたままで居たい場合もある。
読了日:09月13日 著者:東野 圭吾
■帝都地下迷宮 (PHP文芸文庫)
読んでも読んでも新作が出て全作読破は叶いそうにもない七里センセ。解説を読んで納得、デビュー時に百もネタを持っていたなんて。書き続けることができなければ作家じゃないと言い切られたら、打ちのめされる人がいっぱいいるのでは。廃駅を住処とする集団。突拍子もない話ですが、現実に起きた事故をモチーフにされると、本当にこんな目に遭っている人がいるかもしれないと思わされます。いつも思うのは、七里センセが一般人だったら、公安に真っ先に目をつけられるのではないかということ(笑)。政府に物申して何かやってくれそうな気がします。
読了日:09月16日 著者:中山 七里
■沈黙のパレード (文春文庫 ひ 13-13)
【再読ではなく、映画版を観たので書き込み】封切り日だった昨日、レイトショーにて鑑賞。今年初めに読了したところなのに、どうしてこんなにも細部を忘れているのか。『オリエント急行殺人事件』みたいな話で、思いのほか歌の先生が悪かったように記憶していたのに、全然そうじゃなかった。その歌の先生役の椎名桔平と奥さん役の檀れいの演技はちょっと大げさな印象。福山雅治が主人公であることは間違いないけど、本作では北村一輝がお見事。エンドロールを見ると、柴咲コウはさほど変わっていない。でも福山雅治、若い。なんだかんだで歳とった。
読了日:09月17日 著者:東野 圭吾
■100万回死んだねこ 覚え違いタイトル集
本を読むのが大好きだった両親も高齢になり、読書に集中するのは難しくなっているようです。そんな両親がパラパラと眺めて拾い読みできる本を探していてたどり着きました。難易度の高い低いがあるから、低いものなら私でも即答できます。でも、知っているはずなのに正解が出てこないタイトルのなんと多いことよ。同じ著者の2作品タイトル合体とか、ありそうですね。結構衝撃的で「マジか」と思ったのは、パン屋が蕎麦屋に変わっているやつ。私は「痔」も「痣」も書けません。タイトルの覚え違いをしていても、書けない字を書ける人、すごいです。
読了日:09月19日 著者:福井県立図書館
■君と夏が、鉄塔の上 (ディスカヴァー文庫)
少しでも暑さの残る夏の間に読まなくちゃ。何にでもオタクというのは存在するもので、主人公は鉄塔オタク。鉄塔にも性別があり、しかも料理長型女鉄塔などという楽しげな形式名称まであるなんて。想像していたよりもファンタジー。『E.T.』ばりにチャリが空を飛ぶ。群れない中学生男女3人の関係性がとてもいい。巻末に収録された短編で彼らのその後を知って嬉しくなります。「どうせ、いつかは笑い話にしなきゃいけないと思うんだ」という言葉になぜか涙が出そうに。そう、先がどうであれ踏み出さなきゃいけないときがある。いつか笑い話に。
読了日:09月22日 著者:賽助
■震える天秤 (角川文庫)
現実社会で起きた事件を思わせるフィクションを書かせたら中山七里染井為人か、と言ってもいいですか。老人が運転操作を誤ってコンビニへ突っ込む。事故かと思いきや、疑わしき背景。住民同士を守ろうとする結束力は凄いけど怖い。夢中になって読みましたが、最後の最後だけはもっとはっきりと「本当のところ」が知りたかったような。だけどそこを明らかにしていないからこそこのタイトルが生きてくるのかもしれません。律の元妻・里美の法廷が見てみたい。認知症かどうかは調べられても、認知症の人の運転能力は調べられないという話になるほど。
読了日:09月26日 著者:染井 為人
■べつに怒ってない (単行本)
喫茶店で背中にナポリタンが降ってきたら普通怒りませんか。それで腹を立てないって、どんだけ心の広い人なんだと思ったけれど、一応そこここで不機嫌になったりムッとしたりはしている模様(笑)。ドラッグストアでの買い物、ごはん半分の話など、思わず頷いてしまう。最後の最後に驚く。だって私は本作を読みはじめた日、ベッドの角で足の小指をぶつけて悶絶したから。幼少の頃からあちこちにヒビを入れた経験があるので、骨に異常を来していればもっと痛いと日にち薬を選択。真紫だった小指がようやくマシになってきたところで読了とは奇遇です。
読了日:09月30日 著者:武田 砂鉄

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