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『君を愛したひとりの僕へ』

『君を愛したひとりの僕へ』
監督:カサヰケンイチ
声の出演:宮沢氷魚,橋本愛,蒔田彩珠,田村睦心,浜田賢二,園崎未恵,
     西村知道,平野文,水野美紀,余貴美子,西岡徳馬他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、『僕が愛したすべての君へ』の30分後。
観はじめて数分後には、私はこの順序で観てよかったと思いました。
 
登場人物は全員同じ。
しかし『僕愛』では暦と和音の物語となっていましたが、
『君愛』は、『僕愛』では謎だった「交差点の幽霊」と暦の物語と言えましょう。
 
両親が離婚することになり、『僕愛』では母親についていくことを選んだ暦は、
この『君愛』では父親についていくことを選びます。
姓も『僕愛』の高崎ではなくて、日高。
 
父親が勤務しているのは虚質科学研究所で、まさに並行世界の研究所。
暦は研究所長を務める女性の娘・佐藤栞という少女と出会う。
やがて恋心が芽生えたふたりは、いずれ結婚する相手だとお互いのことを想うように。
 
ところがある日、暦の父親と栞の母親が再婚すると言い出す。
兄妹になったら結婚できないと勘違いしたふたりは、駆け落ち同然に家を飛び出すのだが……。
 
ネタバレになりますが、『君愛』にももちろん和音が登場します。
ただ、こちらでは和音はあくまで暦の協力者。
事故に遭って亡くなった栞は「交差点の幽霊」になってしまった。
栞をそこから救い出すには、栞を「暦とは絶対に会わない並行世界」に連れて行かねばなりません。
暦を追って虚質科学研究所に就職した和音は、それに手を貸すことになります。
 
大好きだった人を、絶対に自分とは会わない世界に連れて行く。
そんなことをしたら、好きだった記憶も何もかも消えてしまう。
それでも、彼女が死んでしまうよりは、自分を忘れて幸せに生きてくれるほうがいい。
 
『君愛』を観終わるときには『僕愛』のエンディングを思い出し、切なさに包まれる。
 
さて、どっちの順序で観ますか。

—–

『僕が愛したすべての君へ』

『僕が愛したすべての君へ』
監督:松本淳
声の出演:宮沢氷魚,橋本愛,蒔田彩珠,田村睦心,浜田賢二,園崎未恵,
     西村知道,平野文,水野美紀,余貴美子,西岡徳馬他
 
乙野四方字の小説2作をアニメ化して同時公開。
2作のうちどちらを先に観るかで、鑑賞後の感情が異なりますよという触れ込み。
 
私はこちらを先に観ました。109シネマズ大阪エキスポシティにて。
単に上映時間の都合ですが、こちらを先に観ると鑑賞後は「切ない」。
映画も本も「切なさ」が必須だと思っている私としては、
まぁこの鑑賞順のほうがいいかなと思って。
 
並行世界(=パラレルワールド)が存在し、人々がそこを往き来できることがわかった近未来が舞台。
人は生まれたときからいくつもの選択場面に出会い、その都度、自分で選択している
主人公の高崎暦が意識した初めての選択は、両親の離婚でどちらについていくかを迫られたとき。
 
母と暮らすことを選んだ暦は頭脳明晰。たいして勉強していないのに、成績は常にトップ。
あまりに勉強ができすぎるせいで皆から敬遠され、友だちはひとりもできず。
高校では友だちを作ろうと決意して、首席入学者が指名される総代スピーチを拒否。
2番目の成績で入学した瀧川和音が代わりにスピーチをすることに。
 
こうまでして友だちを作る所存でいたのに、相変わらず友だちはいないままだったある日、
話したこともなかった和音から突然声をかけられる。
なぜだか和音は暦に腹を立てている様子だが、どうも話が噛み合わない。
放課後に呼び出されてカラオケボックスに出向くと、
和音は自分が85番目の並行世界からやってきたと言い出す。
彼女がいた世界では、暦と和音は恋人同士らしく……。
 
そもそもSFは頭がこんがらがって苦手です。
本作を観る前は「もしもこっちの選択をしていたら」というだけの話だと思っていたので、
『スライディング・ドア』(1997)みたいな話かと思っていました。
そうしたら、バリバリのSFではないですか。
 
85番目の並行世界ということは、85回選択したということなんですね。
回数が増えれば増えるほど、ゼロの自分とは違う人生になっている。
 
両親のどちらかを選んだら、祖父が可愛がっていた犬が死んだ。
犬に死んでほしくなくて、違うほうを選んだら今度は祖父が死んだ。
祖父の言うとおり、死んだらもとには戻せない、それがすべて。
 
居眠りするとワケわからなくなっちゃいますからね、
何が起きているのかしっかり観ましょう。
 
どの世界にも君がいる。
100通りの僕がいたとして、100通りの君を愛す。

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『七人の秘書 THE MOVIE』

『七人の秘書 THE MOVIE』
監督:田村直己
出演:木村文乃,広瀬アリス,菜々緒,シム・ウンギョン,大島優子,室井滋,江口洋介,
   玉木宏,濱田岳,吉瀬美智子,笑福亭鶴瓶,内村遥,岐洲匠,川原瑛都他
 
109シネマズ箕面にて。
 
はい、これもTVドラマ版を観たことはありません。
予告編で知り得た知識のみで鑑賞に臨んだら、有休がどうたらとは言っていたけれど、
彼女たちの本職がそれぞれ組織に所属する秘書だということは鑑賞後に調べて知りました。
そうだったのか~。
 
萬(江口洋介)が経営するラーメン店で今日もラーメンを食べる秘書たち
突如、七菜(広瀬アリス)が「このラーメンが最後の1杯」だと席を立ち、
信州一帯を支配する“九十九グループ”の次男・二郎(濱田岳)と結婚することになったと言う。
結婚詐欺にでも引っかかったのではないかと訝る他の秘書たち。
 
山奥の広大な敷地に建つ九十九邸での結婚式に出向いた千代(木村文乃)だったが、
式の開始時刻になって広間に出てきたのは花嫁の七菜だけ。
花婿が行方不明らしく、やはり詐欺に遭ったのかと千代が笑ったその直後、
二郎が運営を任されている牧場から出火して、焼け跡から市長の遺体が見つかる。
 
二郎の父親で九十九グループのドン・道山(笑福亭鶴瓶)は、
市長を殺して牧場に火をつけた二郎が逃走中であると言い、来賓客に詫びる。
しかし実は、一帯のリゾート化を目論む道山が、
それに反対する二郎と市長を亡き者にしようとしていたことを秘書たちは知る。
 
道山は2度の離婚を経て息子が5人。
次男から五男まではグループが経営する会社に勤めるなど道山の取り巻きとなっているが、
長男の航一(玉木宏)だけは一族に嫌気が差して飛び出し、ラーメン店を経営していた。
牧場が燃えたことで居場所を失った社員を気遣う航一は、
道山の悪行を暴いてほしいと秘書たちに依頼するのだが……。
 
TVドラマ版をご覧になっていた方には説明するまでもないのでしょう。
あとの秘書は、菜々緒シム・ウンギョン大島優子室井滋が演じています。
6人やんかと思ったら7人目は江口洋介のことなのですね。
道山の養女で、九十九グループの顧問弁護士を務める女性に吉瀬美智子
 
劇場で観るほどのものだろうかと思わなくはないけれど、まぁまぁ。
顔ぶれが豪華だし、話もわかりやすい勧善懲悪。
タイプの違う秘書たちの活躍ぶりも楽しくて、ストレスがありません。
 
TVドラマ版を観てみる気にはならずとも、各秘書を主人公にしたスピンオフドラマは観てみたい。
菜々緖とシム・ウンギョンの通常の仕事ぶりが気になります。

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『灼熱の魂』【デジタル・リマスター版】

『灼熱の魂』(原題:Incendies)
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
出演:ルブナ・アザバル,メリッサ・デゾルモー=プーラン,マキシム・ゴーデット,
   レミー・ジラール,アブデル・ガフール・エラージズ,アレン・アルトマン他
 
塚口サンサン劇場で3本ハシゴの〆、これがこの日の本命でした。
 
2010年のカナダ/フランス作品です。
公開時はまるで興味なく、DVD化されてから観て衝撃を受けました
塚口で上映されているこの機会になんとしてでも観なければ。
 
原作はカナダ在住のレバノン出身の劇作家ワジ・ムアワッドの同名戯曲。
私がドゥニ・ヴィルヌーヴ監督を知ったのは本作で、以降お気に入りの監督です。
 
カナダ・ケベック州に住む双子の姉弟ジャンヌとシモン。
母親は中東系カナダ人のナワル・マルワンで、公証人ジャン・ルベルの事務所に長く勤めていた。
このたびナワルが亡くなり、彼女の遺言を預かっているというジャンから呼び出される。
 
ナワルの遺言はなんとも風変わり。
財産を子どもたちで二分割とするというのは普通だとして、ジャンヌとシモンに任務が与えられる。
それは、所在がわからぬジャンヌとシモンの父親(=ナワルの夫)と兄(=ナワルの息子)を見つけ出し、
ふたりにナワルが書いた手紙を渡してほしいというもの。
 
父親捜しをジャンヌに、兄捜しをシモンにと指名されているが、
変わり者だった母親に苦労させられたシモンは、今さらどうでもいいことだと手紙を開封しようとする。
ジャンヌは母親の遺志を尊重すべきだとシモンを非難。
動こうとしないシモンを置いて父親捜しの旅に出るのだが……。
 
そもそも父親は死んだと聞かされ、兄がいるなどとは聞いたこともなかったジャンヌとシモン。
それを捜せと言われてもどうすりゃいいのかわかりません。
少ない手がかりを頼りに母の祖国である中東へとジャンヌは向かいます。
 
最後に明らかになる事実は衝撃的というよりほかありません。
怖気が走る内容にもかかわらず、涙がこぼれて止まらない。
 
凄い作品を観たなぁという思いは、劇場で観ても同じでした。
よくよく考えてみると、これ以上に衝撃を受けた同監督の作品はないのですよね。
機会があればもう一度観てみたいぐらいです。
 
塚口サンサン劇場さん、ありがとう!

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『マガディーラ 勇者転生』【完全版】

『マガディーラ 勇者転生』(原題:Magadheera)
監督:S・S・ラージャマウリ
出演:ラーム・チャラン,カージャル・アガルワル,デヴ・ギル,スリハリ,ラオ・ラメシュ,
   サラット・バーブ,スーリヤ,スニール,サミール・ハサン,チランジーヴィ他
 
塚口サンサン劇場にて、28回目の『トップガン マーヴェリック』の次に。
これも特別音響上映です。
 
監督は“バーフバリ”シリーズのS・S・ラージャマウリ。
本作は2009年の作品で、このたび同監督の新作『RRR』が公開されるに当たってのリバイバル上映らしい。
私はずいぶん前からTSUTAYA DISCASの「そのうち観たいリスト」に載せているのですが、
インド映画ってやっぱり大画面で観るほうが面白いじゃないですか。
長尺でもあるので、家でいつでも巻き戻せる状態で観ると集中力が切れちゃいます。
 
というわけで、この機会にこれも観る。
いや~、面白かった。しかも主人公のラーム・チャランがイケメン。
ヒロインのカージャル・アガルワルも美人。
 
最初はヤバイかと思いました。あかんほうのヤバイです。
話がとてもややこしそうだったから。しかし懸念でした。
簡単に言うと、タイトルのとおり転生の物語です。
 
17世紀、1609年。ウガイダルという王国があった。
近衛軍の戦士バイラヴァは、美しきミトラ姫と相思相愛であることを王も認めている。
しかしそれを妬む軍司令官ラナデーヴは、インド全土征服を目論むシェール・カーンと手を組み、
王とバイラヴァを殺してミトラを自分の手に入れようとする。
 
400年後の2009年。
ハイデラバードに住むバイクレーサーのハルシャは、バスの脇を通過した折、
窓から手を出していた女性インドゥの指に触れ、電撃が走る。
なぜなのかはわからないが、彼女こそ運命の相手。
顔も知らぬその女性と指が触れればわかると、彼女を探しはじめる。
 
とまぁこんな感じなのですが、もっと入り組んでいて壮大で、ドラマチックで楽しい。
ハルシャは早々とインドゥを探し当てるのに、
インドゥのほうは別にハルシャのことを運命の相手だと思っちゃいないから、
ただのナンパだと思って自分がインドゥであることを明かしません。
そのうちインドゥのほうもハルシャに惚れ、あーだこーだと言いはじめます。
 
400年前の因縁で生まれ変わった彼ら。
昔に起きたことを思い出せているのは、バイラヴァの生まれ変わりであるハルシャと、
ラナデーヴの生まれ変わりであるラグビールだけ。
シェール・カーンの生まれ変わりとして登場するスリハリがめちゃくちゃ良いんです。
オイシイとこどりだよと言ってもいいほど。
 
美男美女を見て、結構笑って、最後はスーパーハッピーエンド。
10年以上前のインド作品はまだこんなに歌って踊るシーンがありました。
これこそボリウッド。めっちゃ楽しかった。

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