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『グリーンバレット』

『グリーンバレット』
監督:阪元裕吾
出演:和泉芳怜,山岡雅弥,天野きき,辻優衣,大島璃乃,内藤花恋,
   伊能昌幸,松本卓也,大坂健太,沢口愛華,碕理人,板尾創路他
 
『ベイビーわるきゅーれ』(2021)が最高に面白かった阪元裕吾監督。
2021年のミスマガジン受賞者6人をキャストに起用して撮ったのが本作。
塚口サンサン劇場で前編に当たる『最強殺し屋伝説国岡』(2021)と共に
2週間限定上映ということで観に行きました。
 
プロの殺し屋を目指す6人の女性、
山田ふみか(和泉芳怜)、今井美香(山岡雅弥)、神里はるか(天野きき)、

東雲唯(辻優衣)、鹿目梨紗(大島璃乃)、沖田響(内藤花恋)は、

京都最強の殺し屋といわれる国岡昌幸(伊能昌幸)がインストラクターを務める訓練合宿に参加。

 
ところが6人各々の個性が強すぎて、国岡は振り回され気味。
1週間の訓練の後におこなわれる合否判定の試験に臨んだ6人は、
クリアするどころか困った事態を招いてしまう。
結果、野良の殺し屋集団“フォックスハンター”が合宿地に乗り込んできて……。
 
ゆるゆるのアイドル映画かと思ったら、女子6人が次第に本物の殺し屋っぽくなってきます。
観客たまに大爆笑、すっごくいい鑑賞時間だったはずなんですが。
 
なんと私、またまた爆睡してしまいまして。
この日午後休を取っていた私は、所用を済ませてから梅田へ向かい、こちらでひとり呑み。
生ビール1杯、日本酒冷やで2合、グラスワインを1杯。たらふく食べる。
おおっ、ちょうどいい時間になったとわざわざ塚口へ向かったのに。
 
すみません。途中からほとんど話を覚えていないので、これ以上書けません。
ちゃんと書けるように期間限定上映中にリベンジを果たす所存です。待ってて!(^O^)
 
→で、この2日後、しっかりリベンジを果たしました!
お目目見開いたまま観た結果、めちゃめちゃ面白かった。
 
6人がどんな子なのかもよくわからなかった1回目。2回目に観たら、可笑しすぎる。
やる気なさそうなのに才能はピカイチだったり、真面目すぎたり、
プロダクションを騙る社長から明らかに詐欺に遭っているのに気づかなかったり、
それぞれ見ていてイラつく部分はあるのですが、終盤にはそれが可愛くてたまらない。
一致団結する最後なんて、涙出そうになりましたもん。
 
これらは、国岡に魅せられたカメラマン(大坂健太)が同行して
合宿の模様を撮影するというドキュメンタリータッチで描かれています。
このカメラマンが何かといえば「僕は大卒だから」と言うウザイ奴で、
国岡やサブインストラクターのチンピラ殺し屋(松本卓也)にダメ出しします。ほんとウザイ(笑)。
 
知った俳優といえば板尾創路くらい。
彼は合宿所の経営者で、泊まるところと食べるものを提供するのみならず、武器も完備。
あらゆるところが可笑しいです。
 
殺し屋が許せない殺し屋。「おめぇらみたいな奴を殺すために殺し屋になったんだよ」。
ちゃんと起きて2回目を観られてよかった。
「殺し一瞬、後処理一生」、名言。
 
『トロール・ハンター』(2010)みたいなドキュメンタリーを撮りたいという話とか、
“エクスペンダブルズ”は観ておいたほうがいいという話も会話の中に登場します。
併せて観ればより楽し。
 
ところで、阪元監督はそろそろ殺し屋の話以外もお撮りになるのでしょうか。

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『七人樂隊』

『七人樂隊』(原題:七人樂隊)
監督:サモ・ハン,アン・ホイ,パトリック・タム,ユエン・ウーピン,
   ジョニー・トー,リンゴ・ラム,ツイ・ハーク
出演:ティミー・ハン,フランシス・ン,ジェニファー・ユー,ユン・ワー,ン・ウィンシー,トニー・ウー,
   ミミ・クン,サイモン・ヤム,チョン・ダッミン,ラム・シュー,ローレンス・ラウ他
 
塚口サンサン劇場にて、前述の『きっと地上には満点の星』の次に。
 
ジョニー・トー監督が香港を代表する映画監督7人を結集して製作したオムニバス作品。
1950年代から未来まで、さまざまな時代を舞台に展開していきます。
 
第1話『稽古』(監督:サモ・ハン)。
厳しい師匠のもと、連日練習に明け暮れる弟子たち。
師匠が階下の部屋にいる間はサボろうと皆で連携していたのに、ある日それがバレて……。
もとはサモ・ハン・キンポーを名乗っていた監督の自伝的物語なのだそうです。
師匠がいなくても練習をサボらなくなった弟子たち、エライ。
 
第2話『校長先生』(監督:アン・ホイ)。
悪ガキたちを厳しく、しかし寛容に指導する校長先生。
一方、まだ若い女性教諭は慈愛に満ち、優しいまなざしで子どもたちを見つめる。
数十年後の同窓会の日、その女性教諭はすでに他界していて……。
教室でおしっこを漏らしてしまった児童への女性教諭の対処の仕方が素晴らしかった。
 
第3話『別れの夜』(監督:パトリック・タム)。
大恋愛中の男女だったが、女性が両親と共にロンドンへ移住することが決まる。
寂しくてたまらない男性は女性を避けがち。
引っ越し前夜、女性は男性を呼び出して、自らを捧げようとするのだが……。
今宵の飛行機が自分たちの上に墜落してくれたら永遠に一緒にいられるのに、
というつぶやきが面白かった。
 
第4話『回帰』(監督:ユエン・ウーピン)。
移住する息子一家に誘われても、香港から出たくないという老人。
移住前に訪ねてきた孫娘から英語を習う代わりに護身術を教える。
数年後、戻ってきた息子一家。孫娘との再会。
香港が好きだ、そんな老人の思いがひしひしと伝わってきます。
 
第5話『ぼろ儲け』(監督:ジョニー・トー)。
3人のまだ若い男女は、投資で大儲けしようと日々相談。
飲食店で買い時をはかっていると、そのときが到来。
ところが、発注すべき番号と、飲食店のメニュー番号を間違えて……。
大損のはずが大儲けって、こんな話が普通はないでしょう。夢はあるけど。
 
第6話『道に迷う』(監督:リンゴ・ラム)。
移住先から香港にしばし帰ってきた男性とその家族。
妻と息子と待ち合わせしたものの、様変わりした街に驚くばかり。
なかなかたどり着けずにいる男性の心によみがえる昔の風景。
ようやく妻子の後ろ姿を見つけたのに……。
 
第7話『深い会話』(監督:ツイ・ハーク)
最終話は人を食ったような話です(笑)。
精神科医と患者ふたりの会話をガラス越しに聴く医者たち。
と思いきや、精神科医と思っていたほうが患者!?
第6話までに登場した監督の名前や、香港の有名女優の名前が飛び交います。
 
個人的には第4話と第6話が好きです。
知らない国の話なのに、郷愁を感じました。

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『きっと地上には満天の星』

『きっと地上には満天の星』(原題:Topside)
監督:セリーヌ・ヘルド,ローガン・ジョージ
出演:ザイラ・ファーマー,セリーヌ・ヘルド,ファットリップ,ジャレッド・アブラハムソン他
 
なんでしょう、先月今月の塚口サンサン劇場利用率の高さは。
この日もちょっと時間ができたので、思いきって向かう。
 
本作が長編デビューとなる監督コンビ、セリーヌ・ヘルドとローガン・ジョージ。
母親役をヘルド監督みずからが演じています。
娘役はこれがデビュー作となるザイラ・ファーマー。
 
ニューヨークの地下に潜って廃トンネル内で暮らす人びと。
シングルマザーのニッキーは5歳の娘リトルを抱え、ここで生活している。
 
ある日、見回りにやってきた市の職員たちが、人びとを追い出しにかかる。
リトルを取り上げられたくない一心で地上に逃げることを決意するニッキーだったが……。
 
わりと最近読んだ中山七里『帝都地下迷宮』を思い出しました。
廃トンネル内にはコミュニティがありますが、
『帝都地下迷宮』の場合は某事故のせいで日光を浴びることができなくなった人の集まりでした。
本作の場合は貧しさから地上で暮らすことをあきらめた人の集まり。
しかも、ニッキーはジャンキーで、地下でドラッグを売るジョンのもとへ通います。
 
カネがないならドラッグやめろと思うけれど、彼女はいわゆるシャブ漬けにされた人。
その生活から逃れてきたのでしょうに、稼ぐすべがない。
稼ぐすべはないのに、ドラッグを完全に断つことはできません。
 
地上に出たところで、リトルを連れて逃げ回るには限界があります。
売人とはいえ善人のジョンは、リトルの将来を心配し、
子どもがちゃんと学校に通えるように考えるべきだと言います。
 
地上を歩き回る途中でニッキーとはぐれてしまったリトル。
泣き叫びながら愛娘を探すニッキーの最後の選択はつらいけど賛成。
 
残念なのは、このラスト以外はニッキーがただ走り回っているだけの作品だということ。
だからかなり退屈です。
子どもを手放したくない母親の姿を捉えればこんなふうになるのは当然とも言えるけど。

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『君を愛したひとりの僕へ』

『君を愛したひとりの僕へ』
監督:カサヰケンイチ
声の出演:宮沢氷魚,橋本愛,蒔田彩珠,田村睦心,浜田賢二,園崎未恵,
     西村知道,平野文,水野美紀,余貴美子,西岡徳馬他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、『僕が愛したすべての君へ』の30分後。
観はじめて数分後には、私はこの順序で観てよかったと思いました。
 
登場人物は全員同じ。
しかし『僕愛』では暦と和音の物語となっていましたが、
『君愛』は、『僕愛』では謎だった「交差点の幽霊」と暦の物語と言えましょう。
 
両親が離婚することになり、『僕愛』では母親についていくことを選んだ暦は、
この『君愛』では父親についていくことを選びます。
姓も『僕愛』の高崎ではなくて、日高。
 
父親が勤務しているのは虚質科学研究所で、まさに並行世界の研究所。
暦は研究所長を務める女性の娘・佐藤栞という少女と出会う。
やがて恋心が芽生えたふたりは、いずれ結婚する相手だとお互いのことを想うように。
 
ところがある日、暦の父親と栞の母親が再婚すると言い出す。
兄妹になったら結婚できないと勘違いしたふたりは、駆け落ち同然に家を飛び出すのだが……。
 
ネタバレになりますが、『君愛』にももちろん和音が登場します。
ただ、こちらでは和音はあくまで暦の協力者。
事故に遭って亡くなった栞は「交差点の幽霊」になってしまった。
栞をそこから救い出すには、栞を「暦とは絶対に会わない並行世界」に連れて行かねばなりません。
暦を追って虚質科学研究所に就職した和音は、それに手を貸すことになります。
 
大好きだった人を、絶対に自分とは会わない世界に連れて行く。
そんなことをしたら、好きだった記憶も何もかも消えてしまう。
それでも、彼女が死んでしまうよりは、自分を忘れて幸せに生きてくれるほうがいい。
 
『君愛』を観終わるときには『僕愛』のエンディングを思い出し、切なさに包まれる。
 
さて、どっちの順序で観ますか。

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『僕が愛したすべての君へ』

『僕が愛したすべての君へ』
監督:松本淳
声の出演:宮沢氷魚,橋本愛,蒔田彩珠,田村睦心,浜田賢二,園崎未恵,
     西村知道,平野文,水野美紀,余貴美子,西岡徳馬他
 
乙野四方字の小説2作をアニメ化して同時公開。
2作のうちどちらを先に観るかで、鑑賞後の感情が異なりますよという触れ込み。
 
私はこちらを先に観ました。109シネマズ大阪エキスポシティにて。
単に上映時間の都合ですが、こちらを先に観ると鑑賞後は「切ない」。
映画も本も「切なさ」が必須だと思っている私としては、
まぁこの鑑賞順のほうがいいかなと思って。
 
並行世界(=パラレルワールド)が存在し、人々がそこを往き来できることがわかった近未来が舞台。
人は生まれたときからいくつもの選択場面に出会い、その都度、自分で選択している
主人公の高崎暦が意識した初めての選択は、両親の離婚でどちらについていくかを迫られたとき。
 
母と暮らすことを選んだ暦は頭脳明晰。たいして勉強していないのに、成績は常にトップ。
あまりに勉強ができすぎるせいで皆から敬遠され、友だちはひとりもできず。
高校では友だちを作ろうと決意して、首席入学者が指名される総代スピーチを拒否。
2番目の成績で入学した瀧川和音が代わりにスピーチをすることに。
 
こうまでして友だちを作る所存でいたのに、相変わらず友だちはいないままだったある日、
話したこともなかった和音から突然声をかけられる。
なぜだか和音は暦に腹を立てている様子だが、どうも話が噛み合わない。
放課後に呼び出されてカラオケボックスに出向くと、
和音は自分が85番目の並行世界からやってきたと言い出す。
彼女がいた世界では、暦と和音は恋人同士らしく……。
 
そもそもSFは頭がこんがらがって苦手です。
本作を観る前は「もしもこっちの選択をしていたら」というだけの話だと思っていたので、
『スライディング・ドア』(1997)みたいな話かと思っていました。
そうしたら、バリバリのSFではないですか。
 
85番目の並行世界ということは、85回選択したということなんですね。
回数が増えれば増えるほど、ゼロの自分とは違う人生になっている。
 
両親のどちらかを選んだら、祖父が可愛がっていた犬が死んだ。
犬に死んでほしくなくて、違うほうを選んだら今度は祖父が死んだ。
祖父の言うとおり、死んだらもとには戻せない、それがすべて。
 
居眠りするとワケわからなくなっちゃいますからね、
何が起きているのかしっかり観ましょう。
 
どの世界にも君がいる。
100通りの僕がいたとして、100通りの君を愛す。

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