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『窓辺にて』

『窓辺にて』
監督:今泉力哉
出演:稲垣吾郎,中村ゆり,玉城ティナ,若葉竜也,志田未来,
   倉悠貴,穂志もえか,佐々木詩音,斉藤陽一郎,松金よね子他
 
前述の『犯罪都市 THE ROUNDUP』を観たあと、109シネマズ箕面へ移動。
なんとまたしても“おひとりさま”、今年9度目っていつになく多い年です。
 
けっこう好きです、今泉力哉監督。
本作では稲垣吾郎を主演に起用、今泉作品常連の若葉竜也も出演。
 
フリーライターの市川茂巳(稲垣吾郎)は妻の紗衣(中村ゆり)と二人暮らし。
紗衣は売れっ子若手作家の荒川円(佐々木詩音)を担当する編集者
茂巳は紗衣がずいぶん前から円と浮気していることに気づいているが、
妻の浮気に気づいたときにショックを受けなかった自分にもっとショックを受けている。
 
茂巳はある日、某文学賞を受賞した高校生作家の久保留亜(玉城ティナ)の記者会見に出席。
受賞をさして喜んでいない様子の彼女に記者たちが戸惑うなか、
的を射た質問をした茂巳に留亜のほうが逆に興味を持ち、彼に声をかける。
 
一方、茂巳の後輩でアスリート選手の有坂正嗣(若葉竜也)は、
妻子のある身でありながら、タレントの藤沢なつ(穂志もえか)と浮気中。
妻のゆきの(志田未来)には気づかれていないと思っているが、
ゆきのは何カ月も前から気づいていて……。
 
相手が不倫中の2組の夫婦です。どちらもバレていないと思っているけれどバレている。
妻に浮気されている男は妻の浮気を知ってもなんとも思わず、
夫に浮気されている女は気も狂わんばかり。
どちらも元サヤに戻る話ならつまらなかったけど(笑)、これはこれでまぁありか。
 
しかし正嗣の相手=なつがあまりにいい子なだけに、この展開では彼女が気の毒にも思います。
彼女は正嗣のことが本当に好きで、正嗣のほうもただの体目当てではない。
悩み事があれば妻より先に相談できる相手。
なつには不倫が悪いことだという認識があるし、正嗣に不倫は似合わないとも思っている。
別れを彼女のほうから切り出すけれど、好きなときに連絡をくれていいと正嗣に言います。
でも、友だちとしてお茶を飲みに行くだけ。最大限でも焼肉止まりね。
こんないい子なのに、あの気のつえぇ妻のもとに正嗣が戻って終わりかよと思ったりも。
 
一方、紗衣の相手=円も、紗衣のことを本気で好きですが、こっちはなぜかあまり切なくない。
実は優れた物書きで、なのに自ら筆を折ってしまった茂巳。
売れっ子作家の円はおそらく茂巳に勝ちたいと思っているのに、
書こうとしない作家相手には勝負できないですよね。死人と張り合うようなもの。
茂巳が紗衣のことを書かなかった理由を、自分が紗衣のことを書いてみてわかったという円。
書いた時点でその人とのすべてが過去になってしまうというのは少し切ないけれど。
 
と、こうして書いてみると結構面白かったのかな。
でも、今泉監督の作品としてはピカイチではありません。
そうだ、切なさが足りない。

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『犯罪都市 THE ROUNDUP』

『犯罪都市 THE ROUNDUP』(英題:The Roundup)
監督:イ・サンヨン
出演:マ・ドンソク,ソン・ソック,チェ・グィファ,パク・ジファン,ホ・ドンウォン,
   ハ・ジュン,チョン・ジェグァン,ナム・ムンチョル,パク・ジヨン他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて。
 
公開をめっちゃ楽しみにしていたやつ。
『犯罪都市』(2017)を未見であったとしてもじゅうぶん楽しめる続編です。
俳優のイ・サンヨンが本作で監督デビュー。
デビュー作でマ・ドンソクを起用できるなんて、幸運このうえないことなのでは。
 
まず、毎年どれほど多くの韓国人観光客がベトナムを訪れ、
どれほど高い確率で行方不明になっているかがテロップで流れます。
自らの意思でベトナムに居着くことも多いけど、
誘拐等の犯罪に巻き込まれることも多いそうです。
 
ベトナムで罪を犯したユ・ジョンフンという男が自首したとのこと。
ソウルの衿川(クムチョン)警察強力班の副班長マ・ソクトと班長チョン・イルマンは、
ホーチミンの韓国領事館で拘留中のジョンフンを引き取りに向かう。
 
ジョンフンの態度を不審に思ったソクトが少し手荒に問い詰めると、
ジョンフンは、ある誘拐に手を貸したがリーダー格のカン・ヘサンという男がヤバすぎ、
稼ぎを山分けするはずだった仲間が次々と殺されたらしい。
ジョンフンも身の危険を感じて逃げてきたのだと言う。
ヘサンが自分を探しているだろうから、早く韓国へ戻らせてほしいと。
 
ソクトは衿川警察の後輩たちに連絡、ヘサンとその周辺について調べさせると、
ソウルで大企業相手に高利貸しをするローン会社の社長チェ・チュンベクが、
ベトナムに渡った放蕩息子の誘拐をプロに依頼していたことがわかり……。
 
なんぼ強いソクトでも、今回の敵ヘサンはほとんどサイコパスで敵わんのじゃないかと思うほど。
けれど我らがマ・ドンソクが負けるわけがありません(笑)。
ヘサン役のソン・ソックはえらくいいガタイで、善人役なら惚れそうな。
でも本作ではナイフ使いの達人で、ブサッブサッと刺しまくる。えげつない。
 
マ・ドンソク出演作品はどんなに血みどろであろうが笑えるのがいいところ。
チェ・グィファ演じる班長とのやりとりも可笑しいし、
前作でソクトに痛い目に遭わされたチンピラが上手く使われるのも笑えます。
ソクトの後輩たちはみんなカワイイですしねぇ。
このシリーズはまだまだ続いてほしいなぁ。
 
とっても楽しゅうございました。客は私を含めて3人だったけど。(^^;

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『ブラックアウト 記憶の彼方に』

『ブラックアウト 記憶の彼方に』(原題:Blackout)
監督:サム・マカローニ
出演:ジョシュ・デュアメル,アビー・コーニッシュ,オマール・チャパーロ,
   ニック・ノルティ,エルナン・デル・リエゴ,ホセ・セファミ他
 
ウィキペディアの「Netflixオリジナル映画の一覧」というページを愛用しています。
しかし本作に関してはそれを観て選んだのではなく、Netflixの新作で目にとまって観ました。
鑑賞後に詳細を調べようとしたら、同名の別作品が日本での独占配信未定となっているだけ。
作品紹介の英語ページでは10月22日に配信開始とあります。
そりゃまぁ、特に紹介するほどでもない駄作だけど、どないよこの扱い。(^^;
 
駄作ではありますが、ジョシュ・デュアメル主演です。
私が「存在感のないイケメン」と思っていた2大俳優がポール・ウォーカーと彼。
でも久しぶりに見たら彼も歳を取って、普通にオッサンになっていた。(T_T)
 
さて、そんなわけで作品の詳細がさっぱりわからないのですが、
2022年のアメリカ作品であることは間違いないようです。
 
ジョシュ・デュアメル主人公が目覚めたのはメキシコの病院。
医師によれば彼は自動車事故に遭い、こうして一命を取り留めたものの記憶障害に陥っている。
傍らにアンナという女性がいて、彼の妻だと言う。
さらには彼と兄弟のように育ったエディなる男性がやってくるが、何も思い出せない。
彼の名前はジョン・ケインというらしい。
 
こんな場面で始まるのですが、もう展開が丸わかり。
ジョンはDEA(麻薬取締局)の捜査官で、5年にわたってカルテルへの潜入捜査をおこなっています。
何の説明もなくてもこんなことがすぐわかってしまう。
 
ジョンの上司イーサンを演じるのがニック・ノルティ
ジョンの亡き父親とも親しかった彼は、実の父親以上にジョンのことをわかっている。
とかなんとか言うけれど、いちばん悪い奴はきっとこいつやろ、と思ったらやっぱりそう。
ドンデン返しにもならんところがつらすぎる。(^^;
 
アビー・コーニッシュ演じるアンナは最後まで敵か味方か不明ですが、
彼女までジョンの敵に回ったら何も面白くないですからね。はい、味方です。(^O^)
 
記憶障害のせいで自分がどこにいるかもわからないジョンの行方を捜すDEAの面々。
そのときのイーサンの台詞だけは一瞬ニヤリとさせられました。
部下たちが「どこを捜せばいいのかわからん」と言うのに対し、
「このド田舎で、身長190センチの色男がそんなにおるわけないやろ。捜せ」ってね。
わぉ、ジョシュ・デュアメル、身長192センチもあるんや。やっぱり色男。

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『テイクオーバー』

『テイクオーバー』(原題:The Takeover)
監督:アンネマリー・ファン・デ・モンド
出演:ホリー・ブロート,ゲーザ・ワイズ,フランク・ラマース,ノーチェ・ヘルラール,
   ローレンス・シェルドン,ワリード・ベンバレク,スーザン・ラデル他
 
11月1日に配信開始となったNetflixオリジナルのオランダ作品。
インド作品1本分より短そうな短尺88分に惹かれて選択。
オランダ人俳優に馴染みはないし、どうかなぁと思いながら観始めました。
 
空軍基地が毎日同時間に必ずハッキングされる事件が発生。
依頼を受けた天才ハッカーのブディが突き止めた犯人は、なんと16歳の少女メル。
 
10年後、メルは数名の仲間と組み、ホワイトハッカーとなっていた。
(って、私はこの方面にまったく詳しくないのですが、
イメージとしては、良いことをするハッカーが「ホワイトハッカー」で、
悪いことをするハッカーは「ブラックハッカー」だったり「クラッカー」と呼ばれるそうな。)
 
ある日、世界初の自動運転バスを始動する会社に最終システムチェックに訪れたところ、
何者かのハッキングを検知。仲間と共に追跡し、逆にハッキングしてぶっ壊す。
 
その夜、メルの自宅に武装した男たちが侵入。
寸前に気づいたメルはなんとか逃げ出すが、ニュースではメルが殺人犯として指名手配されていた。
致し方なく、メルは前夜にデートした冴えない相手トーマスを頼るのだが……。
 
主演が凄い美女というわけでもなく、彼女に手を貸す男もイケメンとはいえません。
おそらくマッチングアプリで知り合った者同士。
料理上手な男性の自宅に招かれて初デートだから、腕をふるってくれるのかと思いきや、
出てきた料理は中華のデリバリー
とっとと帰ったメルは、「中華のデリバリーなんてありえない」と同僚に愚痴ります。
これはデリバリーがあり得ないんですか。それとも中華のデリバリーが駄目なんですか。
 
メルとトーマスの仲はこれっきりで終わりかと思いきや、
謎の武装集団と警察双方から追われるはめに陥ったメルは、誰に匿ってもらおうかと考えたとき、
そうだ、あのイケてない兄ちゃんや!と思いつくわけですね。
トーマスが実はメルの上を行くハッカーかもとか一瞬思いましたが、全然(笑)。
 
悪い奴を懲らしめるはずのハッキングで某国を敵に回してしまったとしたら。
こんなこともホントにあるかもしれません。
それと自動運転。やっぱり最後は人間の頭が必要なのでした。
 
想像していなかったハッピーエンド。観終わったあとの気分は良いです。

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『ムンバイ・ダイアリーズ』

『ムンバイ・ダイアリーズ』(原題:Dhobi Ghat)
監督:キラン・ラオ
出演:アーミル・カーン,モニカ・ドグラ,クリッティ・マルホトラ,プラティーク・バッバル他
『RRR』を観たらすっかりインドづいてしまい、劇場に行く時間は作れない今、Netflix頼み。
2010年のヒンディー語作品で、日本公開は2011年初春。
その頃はまだあまりボリウッドに興味がなかったように思います。
本作は大スター、アーミル・カーンも製作に名を連ねています。
インド作品を観ると、いつもそこそこの時間に「インターミッション」の表示が出る。
だけど日本公開時は表示が出るだけで休憩時間なし。
3時間程度なら日本人はトイレにも行かずに耐えられるということなのか(笑)。
本作はインド作品としてはめちゃめちゃ短い102分。
本国で休憩時間なしに上映された初めての映画なのですと。
画家アルンは超売れっ子だというのに人づきあいが苦手。
特に妻子と別れてからは殻に籠もって生きてきたが、
ある日の個展でアメリカ在住の女性銀行家シャイと出会う。
シャイは職場から与えられた特別休暇を過ごすために帰国中。
アルンと意気投合してひと晩を過ごすが、
翌朝、アルンは誰ともつきあう気はないと言って目を合わせようともしない。
怒ったシャイは即部屋を出る。その後、アルンは引っ越し。
ところが偶然にもアルンとシャイのもとへ通う洗濯人が同じ。
その男性ムンナはシャイに一目惚れ。
ムンナがアルンの部屋にも通っていると知ったシャイは、
アルンの引っ越し先をムンナから聞き、様子を探るように。
一方のアルンは、引っ越し先で前の住人の忘れ物を見つける。
管理人を通じて返したいと思うが、行き先はわからないと言われる。
忘れ物の中に含まれていたビデオテープを再生してみると、
そこにはヤスミンという女性が映し出され、
彼女が誰かに向けて日々の思いを綴ったらしい動画が入っていて……。
もしも本作を公開後すぐに観ていたら、私はボリウッド好きにはならなかったかも。
つまらないというわけではなく、むしろおもしろいですが、
爽快さ痛快さ、豪胆さはなく、切なくなってしまう群像劇です。
シャイは世界を股にかけて活躍する女性で、もちろん英語も堪能。
以前なら不思議に思ったものでした。
今ならそういうものだとわかります。
ムンナは職を求めてムンバイに出てきた最下層の青年で、
イケメンではあるけれど、知的ではない。
俳優になる夢を持ったまま実現するあてもなく洗濯人を続け、
シャイと良い関係になれるかもしれないと期待しています。
そのシャイにも、夜はネズミを殺す仕事をしているとは言えません。
ヤスミンはアルンが視聴するビデオテープの中だけに出てくる女性。
この部屋に入居した当時は幸せいっぱいだった様子なのに、
夫が戻ってこなくなった部屋で寂しい思いをしながら暮らしているのがわかります。
この辺りは体よりも心を虐げられているふうに感じます。
ヤスミンがどうなったかをアルンが知るシーンは絶望的。
ムンナがシャイとの恋が叶わぬと知って取る行動はとてつもなく切ない。
よかったけど、辛く悲しい作品です。
やっぱりこうじゃないほうがインド映画はいいなぁ。

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