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『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(原題:Pinocchio)
監督:ギレルモ・デル・トロ
声の出演:ユアン・マクレガー,デヴィッド・ブラッドリー,グレゴリー・マン,ジョン・タトゥーロ,
     ロン・パールマン,ケイト・ブランシェットン,クリストフ・ヴァルツ,ティルダ・スウィントン他
 
先週金曜日にNetflixで配信開始となりました。
一部劇場では配信に先立って公開されていましたが、観に行く機会なく。
風邪をひいて家から一歩も出なかった土曜日、おとなしく鑑賞。
 
イタリア出身の作家カルロ・コロディは19世紀を生きた人。
今なおこうして語り継がれる『ピノッキオの冒険』は1883年に出版されました。
映像化作品もたくさん。最近では『ほんとうのピノッキオ』(2019)など。
それを今度はギレルモ・デル・トロ監督がストップモーションアニメで映画化したという。期待大。
 
おもちゃ職人のゼペットには、目の中に入れても痛くない息子カルロがいました。
しかしカルロは教会で空襲に遭い、亡くなってしまいます。
 
悲しみに暮れるゼペットは何もする気になれず、酒浸りの日々を送りますが、
ある日つくった木製の人形が命を宿す。人形は自ら“ピノッキオ”と名乗ります。
 
最初は気持ち悪がるゼペット。「パパ、パパ」と慕うピノッキオを遠ざける。
しかしそれでも自分のもとを離れようとしないピノッキオにやがて愛情を抱くように。
 
大筋では従来の『ピノッキオ』と同じなのでしょうが、やはりギレルモ・デル・トロの手にかかると違う。
そもそも舞台がムッソリーニに支配されているファシズム時代のイタリアで不穏そのもの。
オリジナルの『ピノッキオ』のストーリーをつぶさには覚えてはいませんが、
そこに感じたファンタジーとは異なり、アニメで恐ろしい時代を再現されているかのよう。
 
語り手は、ゼペットじいさんにゴキブリ呼ばわりされるコオロギ、セバスチャン・J・クリケット。
彼の声を担当するのがユアン・マクレガーなのが嬉しい。
ギレルモ・デル・トロ作品常連のロン・パールマンも市長の声役で出ています。
 
と、書いてみましたが、実は途中睡魔に襲われてしばし寝ました。
風邪ひいて家にいるのに、酒飲みましたからねぇ。
たぶんもう一度観ると思います。Netflixだもん、いつでも何度でも観られるし♪

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『マスク 巨額詐欺はこうして起きた』

『マスク 巨額詐欺はこうして起きた』(原題:The Masked Scammer)
監督:ドミニク・シヴァー,イヴァン・ヤグチ
12月1日に配信開始となったNetflixオリジナル作品。
イギリスのドキュメンタリーです。
こんな世界的な詐欺事件があったことを知りませんでした。
犯人はイスラエル系フランス人のジルベール・シクリ。
全部で1億ユーロ(140億円以上)稼いだというのですから凄いです。
彼が最初におこなったのはCEO詐欺。
CEOを騙って大手企業の中間管理職に「テロの資金源を突き止めるために送金の流れを知りたい」と電話をかけます。
もちろんこれは特命で秘密の仕事だからと言って。
電話だけで誰が信じるんだと思うけど、信じてしまうものなんですね。
フランスでつかまりかけるとイスラエルへ亡命し、ここでも堂々と詐欺を働く。
電話だけでは騙せないかもしれないと思い始めると、
政府の要人のシリコン製マスクを作り、ビデオ通話で相手の信頼を得ます。
当時フランスの国防相を務めていたルドリアン大臣になりすまし、
世界に名だたる富裕層にコンタクトして見事に金をだまし取る。
テロリストから人質を解放するための金だからと言われるとみんな断れません。
騙された中にはイスラム教シーア派の分派イスマイル派の指導者などもいます。
超有名なワインシャトーのペトリュス氏も電話がかかってきたひとり。
シクリの電話を嘘だと見抜いたおばちゃんが実にいい感じ。
詐欺師を騙し返して見せたところ、素晴らしいです。
富裕層しか騙していないとシクリは怪盗ルパンを気取っているけれど、
ある企業の中間管理職だった男性は、家族を亡くしてうつ病に陥った後に送信係を請け負ってしまい、
会社はクビになり、ショックでしばらく仕事に就けなかったそうです。
人質を解放するためだなんて、善意につけ込んだ悪質な詐欺には違いない。
彼の悪事を知っていながら賞賛する妻たちも欲の塊に見えます。
痩せて見えるように撮ってって、その体型で無理に決まってるやろ!(^^;

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『フォーリング・フォー・クリスマス』

『フォーリング・フォー・クリスマス』(原題:Falling for Christmas)
監督:ジャニーン・ダミアン
出演:リンジー・ローハン,コード・オーヴァーストリート,ジョージ・ヤング,
   ジャック・ワグナー,オリヴィア・ペレス,ショーン・J・ディリングハム他
 
これも先月半ばに配信が開始されたNetflixオリジナル作品です。
リンジー・ローハン9年ぶりの主演作との触れ込みで、
きっとアカンやろと思いながら、でも観なきゃ文句も言えないし。
 
冒頭だけで観るのをやめようかと思ったぐらいです。
とにかく久しぶりに見るリンジー・ローハンが痛々しい。
いったいいくつになったのか、40代かなと思ったら36歳らしい。
こんなお嬢の役をするなら、せめて20代じゃないとキツイでしょ。
彼女が20代に見えるかというと、到底ムリ。
 
雄大なスキー場に建つ、大人気の高級リゾートホテル
社長のボーリガード・ベルモントの娘として生まれたシエラは、ビジネスセンスゼロ。
致し方なくボーリガードは彼女のために無理矢理つくった肩書きを与える。
 
彼女の恋人はインフルエンサーのタッド・フェアチャイルド。
ある日、タッドはシエラを誘い、ひと気のない雪山でプロポーズ。
喜ぶシエラだったが、強風で体勢を崩してタッドと共に滑落してしまう。
 
別々に転がり落ちたふたりのうち、シエラを見つけて救出したのは、
麓の安宿“スノースターロッジ”を切り盛りするシングルファーザーのジェイク・ラッセル。
病院に運ばれたシエラは意識を取り戻したものの、記憶喪失を起こしていた。
 
シエラがこんな目に遭っているというのに、
タッドと旅行していると思われているから、数日帰らなくても誰も探しに来ない。
彼女が誰なのかを知る由もないジェイクは、しばらく彼女の世話をする。
 
記憶は失っていようともお嬢様気質が抜けず、最初はわがままだったシエラだが、
ジェイクや彼の一人娘と過ごすうち、段々と馴染んできて……。
 
展開丸わかりですよね(笑)。
シエラとジェイクがいい感じになったときに父親と婚約者がやってきて、
お嬢は元のお嬢生活に戻るけど、最後はジェイクとハッピーエンドという。
そうです、その予想と1ミリも違いません。
 
しかし、お嬢を演じるにはきついリンジー・ローハンをいつしか見慣れ、
相手役のコード・オーヴァーストリートも地味よなぁと思いつつ好青年ぶりを発揮していて、
まぁ観られないこともないよなぁという感じになってきて、
不覚にも途中泣いてしまったじゃあないですか。こんな「あるある」な展開なのに。
 
つまり私は結局、雪とクリスマスとロマコメに弱いってことでしょうかね。
おヒマな方はどうぞ。明るい気分にはなりますから。
『フォーチュン・クッキー』 (2003)のリンジーはどこへ行ったのやらだけど、
一応応援したいです。さんざん挫折は味わったはず。もう道をそれないで。

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『聖なる証』

『聖なる証』(原題:The Wonder)
監督:セバスティアン・レリオ
出演:フローレンス・ピュー,トム・バーク,カイラ・ロード・キャシディ,ニアフ・アルガー,
   キアラン・ハインズ,トビー・ジョーンズ,エレイン・キャシディ,ダーモット・クロウリー他
 
先月半ばに配信開始となったNetflixオリジナルのイギリス作品です。
 
映画の撮影スタジオのシーンから始まり、語り手(のちにニアフ・アルガーであると判明)の
「俳優たちは真摯に演じているからどうかこの物語を信じてほしい」みたいなナレーションが。
“ドグマ95”のような何か実験的な作品なのかしらと思いましたが、そうではなく。
場面が切り替わって普通にスタート。
 
1862年。クリミア戦争に従軍した英国人看護師のエリザベスは、アイルランドの田舎の村へ。
4カ月間断食をしているという少女アナを監視する任務を果たすためだ。
 
エリザベスが診たところ、アナは健康そのもの。
親は、アナが自ら食べたいと言うまでは何も与えないことに決めたという。
何も食べずに生きていられるわけがない。
ほぼ見世物のようになっているアナがペテンを働いていないか調べるため、
エリザベスと修道女のシスター・マイケルが昼夜交代で監視に当たるのだが……。
 
以下、ネタバレ全開です。
 
四六時中一緒にいても、アナは何か食べているようには見えません。
しかしエリザベスが「本当に何も食べていないのか」と尋ねると、
アナは“天のマナ”のみ与えられていると答えます。
母親が朝晩の挨拶のキスをするときに口移しで食べ物を与えていることに気づくエリザベス。
 
母親にも誰かを騙すつもりはなくて、
こうすることで亡くなった長男=アナの兄が天に召されると信じている。
そうしないと地獄に墜ちるようなことを長男はしていたらしい。
この辺りははっきり描写されるわけではないけれど、察すれば驚愕。
 
つまり長男はアナに性的虐待をしていて、その後、病死してしまった。
長男が病死したのはアナのせいだと母親は言い、アナもそうだと思い込まされて、
償いのために「口に入れるのは天のマナのみ」という状況を受け入れているのです。
 
何にも悪くないのに、不幸が訪れたのは自分のせいだと言われ、洗脳される。
どこぞの宗教かと思われるような話で恐ろしい。
そして嘘だとわかっていながらその家族の呪われた気持ちを解くことなく、
神の御心だとして崇めるように行動する地元の名士たち。最悪。
 
フローレンス・ピュー演じるエリザベスの選択は如何に。
相変わらず面白い女優です。
 
それにしても最初と最後のスタジオを見せるシーン、要りますかね。
あんなシーンを入れる意味が私にはわからない。

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『月の満ち欠け』

『月の満ち欠け』
監督:廣木隆一
出演:大泉洋,有村架純,目黒蓮,伊藤沙莉,田中圭,柴咲コウ,菊池日菜子,
   小山紗愛,阿部久令亜,寛一郎,波岡一喜,安藤玉恵,丘みつ子他
 
TOHOシネマズにて、前述の『THE FIRST SLAM DANK』とハシゴ。
 
1年間になんぼほど撮っとるねん、廣木隆一監督。
観ますよ、観ますけど、私はやっぱりこの監督が苦手なようです。
 
原作は佐藤正午による直木賞受賞作
同じ原作者の作品ならば、私は圧倒的に『鳩の撃退法』(2021)のほうが好き。
たぶん一般的には逆なのでしょうけれど。
 
青森県八戸市出身の小山内堅(大泉洋)は、同じ町出身の梢(柴咲コウ)と東京の大学で出会い、
恋を実らせて結婚。娘の瑠璃(菊池日菜子)と幸せな日々を送っていた。
しかしある日、梢と瑠璃が交通事故に遭って亡くなってしまう。
 
失意のまま東京の会社を退職して郷里に戻った堅を訪ねてきたのは、三角哲彦(目黒蓮)と名乗る男性。
哲彦は「梢と瑠璃が自分に会いに来る途中に事故に遭った」と言うが、ふたりも哲彦とは面識がないはず。
なぜ見知らぬ男に妻子が会いに行こうとしたのか、堅には理解できない。
 
すると哲彦は、かつて自分が深く愛した女性(有村架純)が堅の娘と同じ“瑠璃”という名前で、
堅の娘はその女性の生まれ変わりなのではないかと言い出す。
そんな馬鹿げた話は到底信じられないと哲彦を帰らせる堅だったが……。
 
演技派が揃っているはずなのに、序盤はなんだかとても拙い演技に思えます。
どうして私が廣木監督の作品を苦手に思うかというと、たぶん「あざとさ」なんですね。
泣かせること前提で作っているように見えて、一滴の涙もこぼれない。
 
もしもこんなふうに、自分の妻が、娘が、誰かに生まれ変わったとします。
生まれ変わりの女児が、子どもらしいとはいえない仕草をしたり、
自分のことを何でも知っている素振りで妻のような話し方をしたりしたら、怖くないですか。
 
堅の娘“瑠璃”の親友・緑坂ゆい(伊藤沙莉)の娘役の子は怖いと思わなかったけど、
ほかの女児役の子は女を感じさせる演技が怖かった。
哲彦の彼女“瑠璃”のモラハラDV気質の夫・正木竜之介(田中圭)もめちゃくちゃ怖い。
彼はこの後いったいどうなるのか。
 
生まれ変わりだとわかった後は、彼女にどのように接すればよいのですか。
最後のほうはほとんどオカルトを観るような気持ちになりました。
堅の母親の介護に当たる女性役の安藤玉恵にだけは救われると思うものの、
彼女だって自分の娘があの人の生まれ変わりだと知っているわけだし。
 
私にとってはじゅうぶんにホラーです。怖っ。

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