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『夜、鳥たちが啼く』

『夜、鳥たちが啼く』
監督:城定秀夫
出演:山田裕貴,松本まりか,森優理斗,中村ゆりか,カトウシンスケ,
   藤田朋子,宇野祥平,吉田浩太,縄田カノン,加治将樹他
 
師走の道路は本当に混みますから、仕事帰りに向かうと何時に着けるかわからない。
わからないからチケットのオンライン予約はできず、出たとこ勝負で。
 
なんばパークスシネマで2本ハシゴの2本目が本命でした。
1本目は到着時間次第で候補に挙げていたものが何本か。
その中のこれがちょうど良い上映開始時間でした。
 
原作は悲運の作家・佐藤泰志の同名短編小説。彼の著作は以前大人買いしました。
収録されている『大きなハードルと小さなハードル』はまだ積読の山の中。
最近監督に脚本執筆にと忙しい城定秀夫監督がまたしてもメガホンを取る。
 
10代で新人賞を受賞したものの、その後スランプに苦しむ作家・慎一(山田裕貴)。
同棲していた恋人・文子(中村ゆりか)に愛想を尽かされ、鬱屈した日々を送る。
しかも文子は職場の先輩・邦博(カトウシンスケ)とくっつくという最悪の展開。
 
邦博の元妻・裕子(松本まりか)とまだ幼い息子・アキラ(森優理斗)が住む場所に困っているのを知り、
慎一はこれまで文子と暮らしていた一軒家を母子に貸すことに。
自分はその隣のプレハブ小屋で小説を書くからよいのだと。
 
こうして始まった半同居生活。
両親の離婚で傷ついたアキラはやがて慎一を慕うようになるが、
もう男に振り回されたくない、余計な期待をしたくない裕子は、慎一を拒絶しようとする。
だが、夜毎アキラが就寝してから男漁りに繰り出しているふうの裕子。
アキラはより一層慎一を頼るようになり……。
 
ピンク出身の城定監督のことですから、濡れ場はしっかりありますけれど、
松本まりかを脱がせることはできなかったのか、バストトップは死守。見えねぇよ(笑)。
北村優衣さとうほなみの脱ぎっぷりが凄かったから、そこは残念か。
山田裕貴ってもう少し締まった体をしているかと思ったのに、そこも残念なような。
 
上映開始ギリギリに入ったので、いちばん前列の端っこ席に座りました。
画面が近いせいかどうかはわかりませんが、主演ふたりがあまり綺麗には見えないのです。
松本まりかのどアップも頬や首筋がつるんとしているようには見えず。
しかしそこに逆にリアリティを感じて、これがピンク出身監督の生々しさなのかとも思う。
 
お互いに頼り切りたくはない。だから適度に離れた家庭内別居。
佐藤泰志の作品は冷え冷えとして悲しくなるものが多いなか、
本作は全編暗めでも最後は明るい、珍しい作品でした。いや、やっぱり暗いか。(^^;

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『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』

『劇場版 転生したらスライムだった件 紅蓮の絆編』
監督:菊地康仁
声の出演:岡咲美保,内田雄馬,福本莉子,古川慎,豊口めぐみ,前野智昭,
     千本木彩花,M・A・O,江口拓也,大塚芳忠,柳田淳一,山本兼平,
     泊明日菜,小林親弘,山口太郎,福島潤,櫻井孝宏,木村昴他
 
前述の『ラーゲリより愛を込めて』とTOHOシネマズ伊丹にてハシゴ。
 
タダ券がなければ絶対スルーしていた作品。
だって一度も読んだこと観たことがないし、内容もまったく知りません。
だけど他に観るものがなく、亡き弟がオンラインゲームでつり上げたグッズの中にこれ関連もあったりして、
今は何でも観てみようかなという気持ちになっています。
 
原作が何なのかも知りませんでした。
WEB小説投稿サイト“小説家になろう”に連載されたWEB小説を基にしたメディアミックス作品で、
これが初の劇場版長編アニメーション作品とのこと。
原作者の伏瀬がストーリーの原案を担当し、監督と脚本家はテレビアニメと同じ人らしい。
 
観始めて数分で「こりゃ無理だ、ついていけない」と思いました。
タイトルからして転生してスライムになった少年か少女の青春物語を想像していました。
なのに古代だか未来だかわからない舞台で斬り合いがおこなわれ、
しかもメインキャラクターのひとりとおぼしき人物は頭に角が生えている。
 
まったく話がわからなくて、案の定睡魔に襲われました。
このままずっと寝ていよっかな~と思ったら、急に話が面白くなり、なんとなくわかり始める。
 
冒頭の角が生えた赤い人は瀕死の状態のところを救われた模様。
彼を助けたのは、ラージャ小亜国という国の心優しき女王トワで、赤い人のことをヒイロと名付けます。
命の恩人トワに忠誠を誓うヒイロは、鉱山毒と財政難に苦しむラージャの力になろうと、
テンペストの王リムルに助けを求めに行くのでした。
 
てな感じですかね。
テンペストも国の名前かと思っていたら、魔国連邦のことをそう呼ぶのですね。へ~。
そしてこのリムルがスライムだそうで。
イケてるルックスの可愛い王になることもあれば、スライムに変身していることもあります。
リムルの強いこと強いこと。誰にも負ける気がしませんし、負けません。
 
登場人物がみんな個性的で、結構笑えるシーンも多い。
そんなに巨乳である意味はないと思うんですけど、すごい爆乳の姉さんもいて、
彼女の胸の下、腹の上にスライムが抱かれているところは双方気持ちよさそうです(笑)。
いつも漫画を読んでいるお兄さんとかも可笑しい。
 
名前はとても全部覚えられず、リムルとヴェルドラとディアブロぐらい。
あと何回か観たらシュッと名前が出てくるかも。
そうそう、ラキュアがいかにも悪そうなのに、こんな奴に騙されるヒイロは阿呆なのかと思いました。(^^;
 
なんだかんだで楽しんだ1本。
やっぱり観てみなきゃわからんもんですねぇ。

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『ラーゲリより愛を込めて』

『ラーゲリより愛を込めて』
監督:瀬々敬久
出演:二宮和也,北川景子,松坂桃李,中島健人,寺尾聰,桐谷健太,安田顕,
   奥野瑛太,佐久本宝,渡辺真起子,三浦誠己,酒向芳,市毛良枝他
 
TOHOシネマズ伊丹にて仕事帰りに2本ハシゴの1本目。
 
原作を読んだのは8年前。そのときのレビューはこちら
まさかこんなキャストで映画化される日が来るとは思いもしませんでした。
原作は大宅壮一ノンフィクション賞と講談社ノンフィクション賞のW受賞作。
「感動の」という言葉を安易に使いたくはないけれど、まさに感動の実話の映画化です。
 
飢えと寒さのなか強いられる重労働に耐えきれずに死んでしまったり、
逃げ出そうとして撃ち殺されたり、次々と仲間たちが姿を消してゆくが、
山本は決して希望を捨てることなく、皆を励まし気遣う。
 
ロシア語が堪能であることから重宝がられるはずなのに、山本はロシア兵に媚びることもせず、
仲間の処遇に関して直訴し、営倉に放り込まれることもたびたび。
それでも弱音を吐かない山本は、皆の光となって人望を集めるのだが……。
 
山本は日本にいる妻・モジミ(北川景子)と4人の子どもとの再会を信じて生きています。
戦地で心に傷を負った松田研三(松坂桃李)は自身を卑怯者呼ばわりし、
相沢光男(桐谷健太)は上からの命令のみが絶対と考える冷酷な上官。
片足の不自由な新谷健雄(中島健人)は身体障害者のせいで徴兵されなかったにもかかわらず、
海で漁をしているところを捕らえられて抑留の憂き目にあった気の毒な青年。
それでも笑顔を絶やさず、読み書きを山本に習いたいと言います。
 
戦争はとっくに終わっているというのに、こんな形で囚われ続けた人々がいることが信じがたい。
劣悪な環境下で生きる気力を皆が失って行くなか、
山本は仲間たちが少しでも明るい表情を取り戻せるようにいろんなことを考えます。
 
原作では山本が句会を開く話がメインになっていましたが、
映画化するにはそれでは地味だと思ったのか、瀬々敬久監督は俳句をほとんど取り上げず。
不満の残る点のひとつですが、致し方のないことでしょうね。
 
喉頭がんに罹り、余命わずかとなった山本。
彼と懇意の原幸彦(安田顕)は山本に家族宛の遺書を書かせる決意をします。
しかし日本に紙1枚持ち帰ることも許されない。彼らはどうするか。
 
丸暗記ですよ、丸暗記。
山本が書いた遺書を数頁ずつ手分けして、ひとりずつ遺書の文言を丸暗記する。
これが泣かずにいられましょうか。
 
そりゃまぁ泣いたんですけれど、瀬々監督も泣きに走る人だから、私はあんまり得意じゃありません。
最後の寺尾聰が出てくるシーンなんて、まったく要るとは思えない。
また、北川景子が綺麗すぎて、およそ昭和顔ではないところも気になります。
鼻水垂れたぐらいで、大泣きとは行かず。原作が好きです。

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『奈落のマイホーム』、2回目だけどほぼ初見。

前述の『MEN 同じ顔の男たち』とTOHOシネマズなんばにてハシゴ。
 
おでん屋さんでひとり飲みの後、酔っぱらった状態で劇場へ行ったら、
TOHOシネマズ梅田でものの見事に爆睡しました。
 
塚口サンサン劇場で上映してくれないかな~と思っていたら、
予想どおり来月のラインナップに入っている。
そのときに観るつもりでいたのですけれど、意外とロングラン。
まだTOHOシネマズなんばで上映中ではないですか。
 
Netflixならば鑑賞中に爆睡しても料金を払わずにまた観ることができますが、
劇場鑑賞した場合は再度料金を払わないと観られない。
 
いや~、面白かった。
いくら酔っぱらっていたとはいえ、こんなに面白いのになぜ私は寝たのか。
 
ソウルのマンション事情もわかりました。
地方から出てきた人がソウルにマイホームを持つのは夢で、
ドンウォンは11年かかって3億ウォン貯め、この夢を叶えました。
3億ウォンは、日本円にすると2800万円前後ですかね。
 
勤務先では課長を務めるドンウォン。
さまざまな境遇の部下がいて、すでにマイホームを持っている者、
自分はこの先も賃貸暮らしだとあきらめている者、
今はインターンの身でワンルームにひとり暮らしの者などなど。
分譲の男の彼女が好きなのに、賃貸の男は告白すらできない。(^^;
 
上映開始後だいたい40分ぐらいのときにマンションが沈下しますが、
その迫力といったらたいしたもの。ベキベキベキバリバリズッドーン。
 
こんな状況であるのに、壊れていないか心配するのはロッキングチェア。
よかった無事だと安心したのも束の間、
生存者が暖をとるための薪として使われるシーンは笑えます。
 
反抗期にある息子の寝顔を久しぶりに見られて、
マンションが崩落しても悪いことばかりじゃないなぁなんて会話も。
マンションの住人に10回会ったら10回挨拶する少年スチャンが可愛い。
泣きながらマンスに「アニョハセヨ」という姿にもふいた。
 
皆の会話や行動に時には笑い、時には泣かされ、大いに楽しんだ約2時間。
これで寝るなんて、飲んだら観るな、観るなら飲むな、てか!?

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『MEN 同じ顔の男たち』

『MEN 同じ顔の男たち』(原題:Men)
監督:アレックス・ガーランド
出演:ジェシー・バックリー,ロリー・キニア,パーパ・エッシードゥ,ゲイル・ランキン
 
今月いっぱい有効の株主優待券をいただいたので、
師走はいつも以上に夕刻混み混みの新御を走り抜けてTOHOシネマズなんばへ。
1時間あれば到着できると思ったのにアウト。
本編開始からおそらく10分経過していて券売機ではもう買えない時間。
スタッフのお兄さんに今からでも入場したい旨を伝えました。
ほかのお客さんの前を通らないで良い前方通路際の席なら販売してくれます。
 
アレックス・ガーランド監督によるイギリス作品。
鬼才の呼び声高いけれど、なんとなくしんどそうで私は避けてきました。
上記の理由で最初の10~15分は見逃していますが、じゅうぶんに推察可。
めちゃめちゃ怖くてグロかった。こんな作品だとは思わなんだ。
思いっきり画面に近い席に座っていたせいで余計に。
 
夫婦喧嘩の途中で夫ジェームズから殴られた妻ハーパーは、激怒して夫を部屋から追い出す。
その結果、上階から転落したか飛び降りたか、ジェームズはハーパーの目の前で惨死する。
 
傷心のハーパーは、気持ちを落ち着かせるためにしばらく都会を離れることに。
東イングランドのハートフォードシャーにある小さな町コットソンに赴き、
緑あふれる庭に林檎の木が植わる豪奢な屋敷を借りる。
 
親友ライリーと電話しながら、町を散策するハーパー。
美しい景色と澄んだ空気に心が洗われるのを実感していたが、誰かがこちらを見ている。
帰り着いた屋敷では、さっき見かけた裸の男が庭から覗いているではないか。
怯えるハーパーは警察に連絡するのだが……。
 
親切そうな管理人ジェフリー、謎の裸の男、牧師、警察官、少年、パブの常連客、
みんながみんな同じ顔。彼ら全員をロリー・キニアが演じています。
もう薄気味悪いのなんのって。直視するのも辛くて、久々に震え上がりました。
 
ネタバレしてもいいですよね?
 
屋敷に彼らが侵入してきてハーパーと対決。
ひとりの腕をナイフで切り裂くと、次に現れる同じ顔の男も裂かれた腕がぶらんぶらん。
死なないうえに、最後は誠におぞましい展開で、男たちが次々に出産。
といっても赤ちゃんが生まれてくるわけではなくて、同じ顔の男が生まれるんです。
 
腕を裂かれて血まみれになった状態が、夫ジェームズが亡くなったまさにそのときと同じ。
最終的に男の「穴」から生まれてきたのはジェームズで、喋りますからね。
 
これまでアレックス・ガーランド監督を避けてきて正解だと思いましたが、
『エクス・マキナ』(2015)と『アナイアレイション 全滅領域』(2018)は観てみたいと思いました。
奇天烈でおぞましいのに好奇心を刺激されるというのか。
 
「あなたは私にいったい何を望むの?」「愛してほしい」。
愛せるわけないっちゅうのよ。
マジで不気味で怖かった1本。これがこの日最後の映画鑑賞じゃなくてよかった。

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