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弟のこと。その6。

より少し時期を後にして闘病生活を送り、11月にもうひとり、亡くなった友人がいます。
 
弟のひとつ年下、弟とも面識がある“かしわくん”。
昨冬、体調を崩して病院に行ったときにはすでにステージ4の肺がんだったそうです。
「かしわくんもステージ4のがんやて」と生前の弟に話したら、
「えーっ、かしわくん、大丈夫かいな」。大丈夫かいなって、アンタと同じやがな(笑)。
 
弟の抗がん剤治療が始まるとき、ハゲたときのためのニットキャップを弟自身が選んでいたら、
会社の同僚たちが「ほな、俺らも同じニットキャップ買ってかぶるわ。
この部署全員で同じニットキャップかぶってたら違和感ないやろ」と言ってくれて。
弟は「バリバリ違和感ありますやん」と笑ったそうです。それを聞いて私も泣き笑い。
 
で、会社の人たちからニットキャップをプレゼントしてもらった弟でしたが、
ニットキャップをかぶる機会がありませんでした。
 
弟に遅れること数カ月で抗がん剤治療を開始したかしわくんは、抗がん剤の効果があるらしい。
ならばと「弟が会社の人からもらったニットキャップ、かぶってくれる?」と進呈しました。
「そういう経緯があるなら、より大切にかぶらせてもらいます」と言ってくれたかしわくん。
 
10月なかば、かしわくんの54回目の誕生日に会う機会がありました。
かしわくんから「ご相談があります。ちょっと面白いこと思いついたんで(^^)」と言われ、
いったい何の話だろうと思ったら、このニットキャップについてでした。
 
かしわくんがハゲた時期は夏で、ニットキャップをかぶるには少し生地が分厚かったのと、
デザインがオシャレすぎて「僕には似合わなくて(^^;」とかしわくん。
「それで、向こうで弟さんとお会いできると思うんで、持って行ってお返ししてもいいですか」。
もうやめて~、そんなこと言われたら泣くから。私、号泣。(^_^;
 
かしわくんが言うには、「親より先に子が亡くなるのは親不孝だから、弟さんと僕は同じ。
天国でか地獄でかはわからないけれど、いずれにしても会えると思うんです」。
 
確かに親不孝かもしれないけれど、私は弟を見ていてそんな思いが変わりました。
両親には自分のことをほとんどしゃべらなかった弟が、いつもどんなふうに過ごしていたかは知る由もない。
でも先に亡くなったおかげで、どんな人に囲まれて、支えられて、あるいは支えて生きていたのかがわかった。
かしわくんも弟と同じく独身だから、かしわくんのお母様にしてみれば、
息子がひとり寂しく過ごすんじゃないかと心配だったかもしれない。
でも、かしわくんがこんなにも多くの人と接してきて、受け入れられて、
温かく送り出されるところを見られてよかったとお思いなんじゃないかな。
だから絶対、親不孝じゃないよ、とかしわくんに言いました。
 
私も母とよくそんなふうに話しています。
本当なら最後に亡くなるはずのたけちゃん(=弟です)が先に逝って、みんなで送り出せてよかったやんって。
そうかしわくんに話しました。
「じゃあ私のことは誰が見送ってくれるのよって話やけどね(笑)」と付け足したら、
「ほらね、そう姉に思わせるところも含めてやっぱり親不孝でしょ」とかしわくんから笑われましたけど。(^^;
 
かしわくんの棺には弟からのニットキャップもちゃんと入れてもらえたそうです。
向こうでもう会ってるかな、かしわくんとたけちゃん。

—–

弟のこと。その5。

が亡くなって半年以上が経過し、まもなく今年が終わろうとしています。
母が「大丈夫になるもんやね」と言うので、「体が?心が?」と聞いたら「どちらも」との答え。
「そやね、寂しいけど、だんだん大丈夫になるもんやね」と私。
悲しみが消えることはないけれど、毎日泣きながらあれやこれやと片付けていたときを振り返れば、
弟よごめん、こんなに大丈夫になってしもて、と思うほど。
 
それでもいまだに見たり聞いたりするとアカン、泣きのツボがあります。
弟との連絡手段が必要になって、私は生まれて初めて持ったスマホ
できるだけ明るい着信音にしようと選んだ“ロボスピーカー”と、
弟からChatworkでメッセージが届いたときの通知音にしていた“Sticky”は、巷で耳にしても泣きそうになります。
今はあらゆる音を一新して、着信音は吉本新喜劇のテーマ曲です。
あれは新喜劇のために作られた曲ではなくて、正式名称“Somebody Stole My Gal”だとご存じでしたか。
 
弟が好きだったと知ったせいで顔や名前を見ると嬉しくも切なくもなるのが、
朝倉未来、篠田麻里子吉高由里子などなど。
“Breaking Down”は少し待てば無料配信されるところ、有料視聴しています。
ほかには闘病中の弟が気に入って飲んでいたQoo、コカコーラや三ツ矢サイダーのチビサイズ、
コーヒー牛乳を見かけるとついつい立ち止まってしまいます。
 
今年はいろんなことがありました。弟が亡くなったからこんなにもあれこれあったと思うのか。
 
弟の死後ほぼひと月後に安倍晋三氏が撃たれ、旧統一教会問題が大きく取り上げられるように。
佐々木朗希が完全試合を達成した4月は弟はまだ元気で、「凄いことになってるよ!」と連絡をくれました。
 
同じく4月。6月におこなわれる羽生結弦のフィギュアスケートショーに友人から誘われて迷っていたとき、
弟は「僕がどうなっているかに関わらず行ってきたらええ」と言ってくれました。
弟が亡くなって2週間後、観に行きました。
 
弟が楽しみにしていた大谷翔平は今シーズン投打ダブル規定到達。
それでもMVPを取れなかったことは弟も残念がっているかも。
 
11月には442年ぶりに皆既月食と天王星食が同時に起こる。
私は適当にしか見なかったけど、弟は空の上からちゃんと見ていたのかな。

—–

『Dr.コトー診療所』

『Dr.コトー診療所』
監督:中江功
出演:吉岡秀隆,柴咲コウ,時任三郎,大塚寧々,高橋海人,生田絵梨花,蒼井優,神木隆之介,
   伊藤歩,堺雅人,大森南朋,朝加真由美,富岡涼,泉谷しげる,筧利夫,小林薫他
 
でも同じ劇場ではなくて、109シネマズ大阪エキスポシティから箕面へ移動して。
 
ハシゴの1本目同様、何の思い入れもないシリーズです。
2003年から2期に渡って放送され、間には特別編もあった人気TVドラマ。
吉岡秀隆は良い役者ですが、どれも同じ演技に見えなくもない。
いつも泣きそうなあの顔は、「情けない顔」三人衆に加えてもよいかも。(^^;
 
沖縄の八重山列島のうちのひとつである離島・志木那島(架空の島)。
19年前にやって来たドクター・コトーこと五島健助(吉岡秀隆)は、
島にたったひとりの医師として島民のために奔走し、絶大な信頼を得ている。
数年前に結婚した看護師の彩佳(柴崎コウ)は現在妊娠中。
 
コトーと彩佳、コトーを長年支えてきた市役所職員の和田一範(筧利夫)、
島出身の西野那美(生田絵梨花)が看護師となって診療所を切り盛りしてきたが、
実家が病院だという新米医師・織田判斗(高橋海人)が研修医として東京から赴任し、
5人体制で島民を守ることに。
 
と、まぁこれだけの話ですよね。
なんて言い方をすると身も蓋もなくて、ファンの方には怒られそう。
もちろん出来事はいろいろあります(笑)。
 
今回はコトー先生自身が白血病に罹っていることがわかり、そりゃもう大変。
自分の治療をしなあかんのに、コトー先生は島民優先。
そうこうしているうちに島に台風がやってくる。
現実の離島もそうなのかもしれないけれども、パターンやなと思って引き気味。
 
コトー先生は立っているのもつらいほどなのに、息をしていない患者を蘇生しようとするわ、
緊急手術を要する患者の手術までしようとするわ。
時折意識を失うほどの状態でありながらメスを持つ!?
患者に突き刺さるかもしれんやんと怖い怖い。ないわ~とついつい思ってしまうのでした。(^^;
 
伊藤歩神木隆之介がいつ頃から出演していたのか知りませんが、
子役の頃からの彼らを知っている人はその成長を見るのも楽しいでしょうね。
シリーズ未見の私ですら、伊藤歩を見ると『スワロウテイル』(1996)を思い出して嬉しくなります。
 
で、何!?
彩佳の隣で亡くなったんかと思ってたコトー先生、生きとったんかい!
シリーズのファンには感慨深いものがあると思いますが、
未見だった私みたいな者は「オイッ」と叫んでしまうこと多々。
これはこれで楽しいからええのかしらん。

—–

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(原題:Avatar: The Way of Water)
監督:ジェームズ・キャメロン
出演:サム・ワーシントン,ゾーイ・サルダナ,シガーニー・ウィーヴァー,スティーヴン・ラング,
   ケイト・ウィンスレット,クリフ・カーティス,ジェイミー・フラタース,ブリテン・ダルトン他
 
なんと、前作『アバター』(2009)を未見です。
 
忘れもしない、前作公開当時のこと。
わが家から車で5分のところある109シネマズ箕面にIMAXシアターが入り、
友人から「関西初のIMAXシアターができたから『アバター』を観よう」と誘われたにもかかわらず、
もともと車酔いする私は3Dを観るなんて絶対無理だと思いました。
そんなわけでせっかくのお誘いを断ったまま今に至る。
 
その後、何の映画だったか忘れてしまいましたが3Dは体験し、大丈夫だと判明。
だけど、特に3Dで観たいとは思いません。
本作も前作すら観ていないことだし、2D版で結構。
 
それにしても192分とは。あの『RRR』より長い。
当然109シネマズ箕面では駐車サービスが足りないので、109シネマズ大阪エキスポシティへ。
 
上映開始後しばらくして睡魔に襲われました。
話がまったくわからないうえに、全員同じ顔に見える。名前もなんとなくややこしい。
そもそも“アバター”がなんたるや知らないし。
3時間寝続けてしまうのではと不安に駆られましたが、途中なんとか持ち直し、最終的には面白かった。
 
よくわからないままなので、とっても適当なあらすじになりますけれども。
 
ジェイク夫婦には4人の子どもがいます。森に住まう部族らしい。
かつてジェイクと戦ったとおぼしきマイルズが部下を引き連れてジェイクを捕らえるために飛来。
ジェイク一家は身を隠すために海の部族に救いを求めます。
 
森の部族と海の部族では呼吸の仕方も何もかも異なり、
ジェイクたちは新生活に馴染むために悪戦苦闘。
海の部族の若者から嫌がらせを受けたり喧嘩したりしながらも順応していきます。
 
ジェイクの居場所を突き止めようとしていたマイルズは、
森の部族と共に暮らしていた人間の少年スパイダーを拉致。
スパイダーを使ってジェイクを探します。
 
海の部族と固い絆で結ばれている海洋生物トゥルクンは人間以上の知能と感情を保有しており、
そこに目をつけた学者がトゥルクンを狩っている。
マイルズは学者が駆るトゥルクン狩猟船に同乗してジェイクを探すのでした。
         
そして始まる大バトル。
マイルズの卑劣なところは、トゥルクンに攻撃を仕掛けてジェイクを煽るところ。
群れからのけ者にされているパルカンという名前のトゥルクンと、ジェイクの息子ロアクが親しくなり、
マイルズや学者たちから攻撃を受けるほかのトゥルクンやアバターたちを助けるシーンは感動的。
マイルズ以上に腹立たしいのは、トゥルクンから髄液を抽出して金儲けに使おうとする学者かも。
 
ジェイク夫妻に子どもは4人いると書きましたが、スパイダーは夫妻の養子なのですね。
そして実父はマイルズですと。これは鑑賞後に知ったこと。
 
それから、私はこうしてここに書くまで、ジェイクの妻はサリーという名前だと思っていました。
違った。ジェイクのファミリーネームがサリーだったじゃあないか。
そっか、サリー一家はって何度も言ってたような。(^^;
 
そして今も“アバター”が何たるかは不明のまま。
とりあえず前作を配信で観て、それからもう一度観るかどうか検討します。
でも何度観てもキリ以外は同じ顔に見えると思うの。

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『マスター 見えない敵』

『マスター 見えない敵』(原題:Master)
監督:マリアマ・ディアロ
出演:レジーナ・ホール,ゾーイ・レネー,アンバー・グレイ,タリア・ライダー,タリア・バルサム,
   エラ・ハント,ブルース・アルトマン,ジェニファー・ダンダス,ジョエル・デ・ラ・フエンテ他
 
2022年のアメリカ作品。
Amazonスタジオの制作で、Amazonプライムビデオにて配信中。
『ゲット・アウト』(2017)や『アンテベラム』(2020)がお好みだった方は楽しめると思います。
いや、「楽しめる」という言い方は語弊があるでしょうか。
 
ニューイングランド のエリート大学、アンカスターカレッジ。
黒人女性で初めて学寮長(=マスター)として就任したゲイルは、希望を胸に現地に乗り込む。
 
一方、黒人女子ジャスミンも地元の高校を首席で卒業して入寮するが、
新入生を歓迎すべく近寄ってきた寮生たちは、ジャスミンが302号室に入ると言うと嘲笑。
302号室に入った学生は自殺する運命にあるらしい。
 
学生たちの前で挨拶する新学寮長ゲイルは、マーガレット・ミレットの話をする。
マーガレットはその昔この地で魔女呼ばわりされて絞首刑に処された女性。
そのせいでアンカスターカレッジは呪われていると学生たちは信じており、
魔女への生け贄として毎年女学生が差し出されるのだという噂を知るジャスミン。
 
やがてジャスミンは英文学の黒人女性教授リヴから不当に扱われている感じるように。
レポートに酷い点数を付けられたジャスミンは、リヴのことをゲイルに訴える。
リヴとは友人のゲイルは、どのように対応すればいいものか悩むが、
本学でのリヴの終身雇用権を検討する学長たちにジャスミンの申し立てを伝えるのだが……。
 
ホラーはホラーなのですが、噂の魔女が姿を現すわけではありません。
ただ、ゲイルが住まう屋敷で妙な音がしたり、虫が涌いたり、そんな程度。
どれも屋敷の老朽化が原因に思えなくもないし、単なる風の音にも思えます。
だけど、そんな程度と言いつつ、それがめちゃくちゃ気味悪い。
 
何が起こっているわけでもないのに悪夢を見続けて苦しむジャスミン。
ルームメイトの白人女子アメリアとその仲間たちはジャスミンのことを笑い、
みんなで食べるピザ代を請求しても知らん顔。ケチくさいと言わんばかり。
あからさまな虐めではないけれどのけ者にされているのは明らかで追い詰められて行きます。
 
魔女の影に怯えるジャスミンに、ゲイルは言います。
敵は魔女じゃない、アメリカだと。
どこにいても同じだし、いつの時代も変わらないアメリカ。
悲惨な結末。アメリカは今もこうなのか。

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