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今年観た映画50音順〈か行〉

《か》
『カオス・ウォーキング』(原題:Chaos Walking)
2021年のアメリカ/カナダ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
原作はパトリック・ネスのSFヤングアダルト小説
ダグ・リーマン監督がトム・ホランドを主演に起用して映画化。
2257年、汚染された地球を去った人類が入植した惑星にある町。
エイリアンの襲撃により女性は全滅、今は男性しかいない。
この地に来てから、男性たちの心の中の声は“ノイズ”としてダダ漏れ。
首長として君臨するデヴィッドはノイズを制御することができるが、
最年少のトッドには制御することなどできず、思考が皆に筒抜け。
そんなトッドが墜落した宇宙船を発見、唯一の生存者ヴァイオラと遭遇。
トッドにとってヴァイオラは初めて見る女性で、瞬時に恋に落ちる。
ヴァイオラが本船に連絡すれば首長の座が危うくなると考えたデヴィッドは、
ヴァイオラを捕まえて殺そうとするが、トッドはそんなことはさせたくない。
なんとかヴァイオラを逃がそうと、トッドは共に町を飛び出すのだが……。
デヴィッド役には私のお気に入り、マッツ・ミケルセン
悪役も似合っているけれど、やっぱり好きな役者には善人を演じてほしい。
思考がノイズとなってダダ漏れする中ではやかましくて寝られないでしょうね(笑)。
 
《き》
『君は永遠にそいつらより若い』
2020年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
原作は芥川賞作家・津村記久子の2005年に刊行されたデビュー小説。
吉野竜平監督の作品を観るのは私は初めて。
東京の女子大生のホリガイ(佐久間由衣)は、地元で児童福祉司の職を得て卒業間近。
あとは卒論を書き上げるだけとなったとき、同大学に通うイノギ(奈緒)と知り合う。
大柄でサバサバと明るいホリガイだが、実は処女であることがコンプレックス。
ある日、酒造工場で検品のバイトをする後輩ヤスダから巨根の悩みを打ち明けられ……。
可愛い顔をしているのにデカいせいなのか性格のせいなのか、
ホリガイは周囲の男性からあまり女として見られていません。
密かに想いを寄せていたホミネが自ら命を絶ち、辛いこといっぱい。
正反対に小柄でおとなしいイノギと過ごす時間がかけがえのないものとなるけれど、
そのイノギに凄絶な過去があると知ります。
タイトルは、虐待などに遭った人にホリガイが掛けたい言葉。
加害者より君は永遠に若いんだから。加害者より君は長生きするんだから。
最後に登場するホリガイの就職先の上司役、宇野祥平がいつもながらいいなぁ。
 
《く》
『クリスマス・ウィズ・ユー』(原題:Christmas with You)
2022年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
ベテランポップ歌手アンジェリーナ・トレスは、最近は新人歌手に押されがち。
表紙を飾るはずの雑誌も人気急上昇中の新人に持って行かれたうえに、
プロダクション社長から「クリスマス向けの新曲を出さなければクビ」と言われて呆然。
マネージャーで親友のモーを連れてしばしの逃避行。
逃亡先は、アンジェリーナの大ファンだという女子高校生クリスティーナがいる町。
憧れの人が突然目の前に現れてクリスティーナは大興奮。
すぐに帰るはずが大雪に見舞われ、クリスティーナの自宅に身を寄せることに。
クリスティーナの父親ミゲルは音楽教師で、昔はバンドマン。
妻に先立たれたミゲルと共に曲を作るうち、双方に恋心が芽生えて……。
主演のエイミー・ガルシアを最初に見たとき、オバハンの妄想か!?と身構えましたが、
オッサンとオバハンの恋愛話は年相応で結構楽しめます。
15歳を祝うキンセアネーラという儀式についても初めて知りました。
エンドロールに“Angelina Chavez Torresに捧ぐ”とあり、ヒロインは実在の歌手だったのかと思ったら、
歌手でもなんでもなくて、本作のプロデューサーの母親らしい。そうでっか。
 
《け》
『ケンタウロス』(原題:Centauro)
2022年のスペイン作品。Netflixにて配信。
スーパーバイク世界選手権に出場していたラファは、
前途有望なライダーを探す某チームオーナーの娘レジーナから声をかけられる。
ほかにも何名かの候補がいるがチャレンジしてみないかとのこと。
喜ぶラファだったが、別れた妻ナタリアが麻薬売買のトラブルに巻き込まれていることを知り、
彼女を救うべく、組織を仕切る男コルテスに直談判しに行く。
コルテスは、ラファが2カ月仕事を手伝うならナタリアを無罪放免にしてやってもいいと言う。
かくしてラファはバイクに乗ってバルセロナマルセイユを行ったり来たり、
麻薬の運び屋を請け負うことになるのだが……。
パトカーをまきながら高速を走るには性能の良いバイクが必要だとして、
ラファがコルテスに求めるのはカワサキのニンジャ1000。
仲間と共にコルテスを殺すことに成功し、後は安泰のはずが警察にしょっぴかれます。
どうなるのかと思ったら、最後は警察に取引を持ちかけられ(ほとんどスカウト)、
バイクの運び屋を追いかけて捕まえる警察側の人間になっていました(笑)。
そのときに乗るバイクももちろんニンジャ1000です。
 
《こ》
『恋をするなら今宵のディナーで』(原題:Quattro Meta)
2021年のイタリア/ポルトガル作品。Netflixにて配信。
夫婦のルカとサラは、それぞれの友人ダリオとマッテオ、キアラとジュリアを誘ってホームパーティー
性格から考えて、ダリオにはキアラ、マッテオにはジュリアが合うとルカたちは想像。
そのふたり同士をくっつけようとするのだが……。
ルカとサラの考えどおりのふたりがくっついた場合と、
予想に反してダリオとジュリア、マッテオとキアラがくっついた場合はどうなるかが
パラレルワールドとして描かれています。
つきあいはじめた頃から結婚、妊娠に至るまで、いったん別れ話が出ることもあれば、
そのタイミングで浮気の告白!?みたいな瞬間まであり、
描かれているカップルがめまぐるしく変わるのが面白くて飽きません。
これらが、ルカとサラが新たに招いたカップルに半分は創作という形で語られ、
どちらの話が創作だったかについては想像に任されるのかと思いきや、
最後の最後にはちゃんとダリオとマッテオ、キアラとジュリアも招かれていて合流。
おおっ、そのカップルでしたかとわかってスッキリ。やっぱりそうだよねぇ。

—–

今年観た映画50音順〈あ行〉

21回目となりました。恒例におつきあいください。
 
23日までに劇場で観た作品についてはすべてUP済み。
ここに挙げるのは劇場鑑賞作品以外の、レンタルDVDや配信で観たものばかり。
好きだったとか嫌いだったとかは関係なし。
どれも今年レンタルあるいは配信が開始されて視聴可能となった作品です。
ネタバレ御免。
 
《あ》
『雨を告げる漂流団地』
2022年の日本作品。一部劇場にて公開と同時にNetflixにて配信。
スタジオコロリド制作の長編アニメーション映画第3弾。
小学6年生の航祐と夏芽は、航祐の祖父・安次に育てられた幼なじみだが、
安次が亡くなったのをきっかけになんとなくお互いを避けるようになる。
ある日、かつてふたりが住んでいた団地が老朽化して取り壊されることに。
懐かしさもあって友人たちと共に団地へ忍び込んだ航祐は、夏芽と遭遇。
そこで奇妙な現象に巻き込まれ、気づけば航祐たちは団地に乗って漂流していた。
元の世界に戻るため、彼らは協力して漂流生活を乗り切ろうとするのだが……。
航祐と夏芽も寂しいのに寂しいところを見せない。素直じゃない。
加えて、同級生のうちのひとり、令依菜がとてもウザイ(笑)。
そのせいでイライラして、素直に楽しめなかった私はきっと子ども。(^^;
 
《い》
『いとみち』
2021年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
原作は越谷オサムの同名小説。監督は青森出身の横浜聡子。
青森県弘前市に暮らす女子高生・相馬いと(駒井蓮)。
幼い頃に母親を亡くし、父親(豊川悦司)と祖母(西川洋子)の三人暮らし。
父親は大学で教鞭を執る民俗学者だが、東京育ちで訛りなし。
一方のいとは、皆が訛っている学校の中でもひときわ目立つ津軽弁で、
それがコンプレックスとなってしゃべれず、友だちもいない。
得意の津軽三味線からも遠ざかる日々を送っていたが、
自分を変えるべく一念発起して青森市内のメイドカフェのバイトに応募。
店長(中島歩)と先輩のメイド(黒川芽以横田真悠)のもと、働きはじめるのだが……。
「いらっしゃいませぇ、ご主人様」さえ訛りすぎて上手く言えないいと。
娘のことが心配で仕方ないのに愛想なく振る舞うトヨエツが○。
「チョモランマからお帰りですか」「ええ」の会話に笑った。
津軽三味線の演奏のあるメイドカフェには行ってみたいねぇ。
 
《う》
『ウォーハント 魔界戦線』(原題:Warhunt)
2022年のアメリカ作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
連合軍の輸送機がドイツの森の中に墜落し、乗員が行方不明に。
ブリューワー軍曹率いる12名が捜索のために現地へ向かおうとしたところ、
ジョンソン少佐から特命を受けた兵士ウォルシュが合流する。
ウォルシュの任務は輸送機に残されているはずの機密文書を回収することで……。
冒頭のシーンに『シャドウ・イン・クラウド』を思い出し、
何かフツーでないものが登場するのかなと想像していたら魔女でした。
森にある“生命の木”に兵士の血を注ぐことによって魔女たちが不死身になる。
不死身になる方法を得れば戦争に勝てるやんっちゅうことで、
ドイツ軍がそんなもんを手に入れるのを阻止したいアメリカ軍、という構図。
ジョンソン少佐役をミッキー・ロークが演じています。
B級ですが、それなりにスリリングでまぁまぁ面白かったです。とても嫌なオチ(笑)。
 
《え》
『エンド・オブ・ロード』(原題:End of the Road)
2022年のアメリカ作品。Netflixにて配信。
軍人だった夫の治療費を払い続けて一文無しになってしまった看護師ブレンダ。
家を手放さざるを得ず、娘ケリー、息子キャム、弟リジーと共に引っ越し。
途中で宿泊したモーテルで隣室から聞こえてきた銃声。
犯人とおぼしき人物の足音が過ぎ去ってからブレンダとリジーが隣室に踏み込むと、
首を撃ち抜かれた男性が息を引き取るところ。
通報者ということで一通りの取り調べを受けて解放されるが、
なんとリジーが、殺された男が持っていた大金入りの鞄を盗んできていた。
隣室の男は麻薬絡みで殺されたらしく、そのボスは皆に恐れられるクロスという人物で……。
いちばん犯人じゃなさそうな人を疑うのは鉄則だといいますが、ほんとにそうで笑った。
なんとミスター・クロスはボー・ブリッジス演じるハマーズ警部だったよっ。
しかもその妻もめちゃ怖くて、まるで『X エックス』の老夫婦みたいでした(笑)。
クイーン・ラティファはコメディのほうが似合うと思います。
こういうシリアス一辺倒の役をされると、なんだか無理している感があって乗れません。
このタイトルゆえ、観る前も観た後も私の頭の中はボーイズIIメン
 
《お》
『俺だって極道さ』(原題:Naanum Rowdy Thaan)
2015年のインド作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
警察官の母親を持つパーンディの夢は極道になること。
友人たちと極道の真似事をしては小銭を稼いでいたが、本物の極道には程遠い。
そんなある日、警察に連行されてきた聴覚障害者の美女カーダンバリに出会って恋をする。
カーダンバリがまだ幼い頃、警察官だった父親が本物の極道キッリの恨みを買い、
自宅を爆破されて母親は死亡、カーダンバリの耳が聞こえなくなった。
それでも父娘で懸命に生きてきたのに、キッリは父親までも殺しにやってくる。
両親を喪ったカーダンバリは自らの手でキッリを殺すと復讐を誓う。
パーンディはその復讐に手を貸すことにするのだが……。
残念ながら今までに観たインド作品の中でいちばんつまらなかった。
第一にパーンディがタイプじゃない(笑)。それに彼の母親に相当ムカつく。
でもこれ、巷の評価は高いのですよね。こんな母親がいる息子、嫌じゃないですか。

—–

『かがみの孤城』

『かがみの孤城』
監督:原恵一
声の出演:當真あみ,北村匠海,吉柳咲良,板垣李光人,横溝菜帆,高山みなみ,梶裕貴,
     吉村文香,藤森慎吾,滝沢カレン,麻生久美子,芦田愛菜,宮崎あおい他
 
封切り日だった先週金曜日、実家で母と晩ごはんを食べた後、109シネマズ大阪エキスポシティへ。
21:15からのレイトショー狙い。あまりの寒さにくじけそう。駐車場からが遠い(泣)。
 
原作は辻村深月本屋大賞受賞作。上下巻の厚さに怯んで未読です。
でも本作を観たら原作を読んでみたくなりました。
監督は“クレしん”の中でも特に名作の呼び声高い『嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲』(2001)の原恵一
 
中学生の安西こころはある同級生とその取り巻きたちから嫌がらせを受け、学校に居場所がない。
登校しようとすれば腹がしくしくと痛み出す。
見かねた母親は、フリースクール“心の教室”にこころを連れて行くが、
今のこころにとっては学校に通うのもフリースクールに通うのも同じこと。やはり腹痛が起こる。
ただ、フリースクールのカウンセラー、喜多島先生だけはほかの先生と違う気がする。
 
その日もひきこもっていたこころは、自室の姿見が突如として光を放つのを目にする。
近づいて触れてみると、全身が姿見の中に吸い込まれてしまう。
 
目覚めるとそこは城。
狼の面を着けた少女らしき人物が現れ、呆気にとられるこころを城内へと引っ張って行く。
 
城の中にはほかに6人の男女がいて、いずれも中学生。
そして全員こころと同じ中学の生徒であるか、あるいはそうなるはずだった生徒らしい。
ハワイの中学に通っているという少年リオンを除き、
こころと5人は学校や家庭に問題を抱えて登校できずにいて……。
 
辻村深月は、好きではないのに読んでしまう作家のうちのひとりです。
あからさまな描写はなくとも、主人公がいじめに遭っていると思われることが多い。
もしかすると辻村さんご自身がそういう目に遭ってきた人ではないかと思えます。
 
かくいう私も幼稚園時代はいじめられっ子だったから、こういうじめっとした感じや、
いじめられっ子の主人公がかまってちゃんに見えると悲しくなるんです。だから好きになれない。
その一方で、いじめられた経験のある人しかわからないだろうと思えることもあり、
つらくなるのについつい読んでしまうのです。
 
本作も、主人公に対してイライラしつつ、何も見えていない教師にも腹が立つ。
まったく生徒の気持ちを考えていない無神経な男性教師にキレそう。
最初は娘の味方だと思えなかった母親が俄然頼り甲斐を見せるところなどは嬉しい。
 
何年たっても何十年経っても、いじめはなくならない。
でも、同じ悩みを持つ人が、傷の舐め合いではなくて助け合える。
こんな気持ちを持てたらいいなと思います。
ひとりじゃないから。

—–

弟のこと。その6。

より少し時期を後にして闘病生活を送り、11月にもうひとり、亡くなった友人がいます。
 
弟のひとつ年下、弟とも面識がある“かしわくん”。
昨冬、体調を崩して病院に行ったときにはすでにステージ4の肺がんだったそうです。
「かしわくんもステージ4のがんやて」と生前の弟に話したら、
「えーっ、かしわくん、大丈夫かいな」。大丈夫かいなって、アンタと同じやがな(笑)。
 
弟の抗がん剤治療が始まるとき、ハゲたときのためのニットキャップを弟自身が選んでいたら、
会社の同僚たちが「ほな、俺らも同じニットキャップ買ってかぶるわ。
この部署全員で同じニットキャップかぶってたら違和感ないやろ」と言ってくれて。
弟は「バリバリ違和感ありますやん」と笑ったそうです。それを聞いて私も泣き笑い。
 
で、会社の人たちからニットキャップをプレゼントしてもらった弟でしたが、
ニットキャップをかぶる機会がありませんでした。
 
弟に遅れること数カ月で抗がん剤治療を開始したかしわくんは、抗がん剤の効果があるらしい。
ならばと「弟が会社の人からもらったニットキャップ、かぶってくれる?」と進呈しました。
「そういう経緯があるなら、より大切にかぶらせてもらいます」と言ってくれたかしわくん。
 
10月なかば、かしわくんの54回目の誕生日に会う機会がありました。
かしわくんから「ご相談があります。ちょっと面白いこと思いついたんで(^^)」と言われ、
いったい何の話だろうと思ったら、このニットキャップについてでした。
 
かしわくんがハゲた時期は夏で、ニットキャップをかぶるには少し生地が分厚かったのと、
デザインがオシャレすぎて「僕には似合わなくて(^^;」とかしわくん。
「それで、向こうで弟さんとお会いできると思うんで、持って行ってお返ししてもいいですか」。
もうやめて~、そんなこと言われたら泣くから。私、号泣。(^_^;
 
かしわくんが言うには、「親より先に子が亡くなるのは親不孝だから、弟さんと僕は同じ。
天国でか地獄でかはわからないけれど、いずれにしても会えると思うんです」。
 
確かに親不孝かもしれないけれど、私は弟を見ていてそんな思いが変わりました。
両親には自分のことをほとんどしゃべらなかった弟が、いつもどんなふうに過ごしていたかは知る由もない。
でも先に亡くなったおかげで、どんな人に囲まれて、支えられて、あるいは支えて生きていたのかがわかった。
かしわくんも弟と同じく独身だから、かしわくんのお母様にしてみれば、
息子がひとり寂しく過ごすんじゃないかと心配だったかもしれない。
でも、かしわくんがこんなにも多くの人と接してきて、受け入れられて、
温かく送り出されるところを見られてよかったとお思いなんじゃないかな。
だから絶対、親不孝じゃないよ、とかしわくんに言いました。
 
私も母とよくそんなふうに話しています。
本当なら最後に亡くなるはずのたけちゃん(=弟です)が先に逝って、みんなで送り出せてよかったやんって。
そうかしわくんに話しました。
「じゃあ私のことは誰が見送ってくれるのよって話やけどね(笑)」と付け足したら、
「ほらね、そう姉に思わせるところも含めてやっぱり親不孝でしょ」とかしわくんから笑われましたけど。(^^;
 
かしわくんの棺には弟からのニットキャップもちゃんと入れてもらえたそうです。
向こうでもう会ってるかな、かしわくんとたけちゃん。

—–

弟のこと。その5。

が亡くなって半年以上が経過し、まもなく今年が終わろうとしています。
母が「大丈夫になるもんやね」と言うので、「体が?心が?」と聞いたら「どちらも」との答え。
「そやね、寂しいけど、だんだん大丈夫になるもんやね」と私。
悲しみが消えることはないけれど、毎日泣きながらあれやこれやと片付けていたときを振り返れば、
弟よごめん、こんなに大丈夫になってしもて、と思うほど。
 
それでもいまだに見たり聞いたりするとアカン、泣きのツボがあります。
弟との連絡手段が必要になって、私は生まれて初めて持ったスマホ
できるだけ明るい着信音にしようと選んだ“ロボスピーカー”と、
弟からChatworkでメッセージが届いたときの通知音にしていた“Sticky”は、巷で耳にしても泣きそうになります。
今はあらゆる音を一新して、着信音は吉本新喜劇のテーマ曲です。
あれは新喜劇のために作られた曲ではなくて、正式名称“Somebody Stole My Gal”だとご存じでしたか。
 
弟が好きだったと知ったせいで顔や名前を見ると嬉しくも切なくもなるのが、
朝倉未来、篠田麻里子吉高由里子などなど。
“Breaking Down”は少し待てば無料配信されるところ、有料視聴しています。
ほかには闘病中の弟が気に入って飲んでいたQoo、コカコーラや三ツ矢サイダーのチビサイズ、
コーヒー牛乳を見かけるとついつい立ち止まってしまいます。
 
今年はいろんなことがありました。弟が亡くなったからこんなにもあれこれあったと思うのか。
 
弟の死後ほぼひと月後に安倍晋三氏が撃たれ、旧統一教会問題が大きく取り上げられるように。
佐々木朗希が完全試合を達成した4月は弟はまだ元気で、「凄いことになってるよ!」と連絡をくれました。
 
同じく4月。6月におこなわれる羽生結弦のフィギュアスケートショーに友人から誘われて迷っていたとき、
弟は「僕がどうなっているかに関わらず行ってきたらええ」と言ってくれました。
弟が亡くなって2週間後、観に行きました。
 
弟が楽しみにしていた大谷翔平は今シーズン投打ダブル規定到達。
それでもMVPを取れなかったことは弟も残念がっているかも。
 
11月には442年ぶりに皆既月食と天王星食が同時に起こる。
私は適当にしか見なかったけど、弟は空の上からちゃんと見ていたのかな。

—–