MENU
ChatGPT-Image01
ChatGPT-Image02
ChatGPT-Image03
ChatGPT-Image04
ChatGPT-Image05
previous arrow
next arrow

『ヒトラーのための虐殺会議』

『ヒトラーのための虐殺会議』(原題:Die Wannseekonferenz)
監督:マッティ・ゲショネック
出演:フィリップ・ホフマイヤー,ヨハネス・アルマイヤー,マキシミリアン・ブリュックナー,マティアス・ブントシュー,
   ファビアン・ブッシュ,ヤーコプ・ディール,リリー・フィヒトナー,ゴーデハート・ギーズ,ペーター・ヨルダン,
   アルント・クラヴィッター,フレデリック・リンケマン,トーマス・ロイブル,ザシャ・ナータン,
   マルクス・シュラインツァー,フレデリック・シュミット,ジーモン・シュヴァルツ,ラファエル・シュタホヴィアク他
 
体力の衰えを感じつつ、スタートダッシュをかけるべく新年も観まくるつもりでした。
ところが、仕事帰りに寄りやすい箕面、エキスポシティ、茨木ではもう観るものがない。
前週は水~土曜日まで1本も観なかったので、この週は月曜日から遠出。
なんばパークスシネマへと向かいました。パークス駐車場は平日の最大料金1,000円というのがありがたい。
 
キャストの誰を省いたらいいのかわからないので(笑)、全員挙げてみました。
1942年1月20日にドイツ・ヴァン湖畔で開かれたヴァンゼー会議の様子を描いています。
ヴァンゼー湖という湖なのかと思ったら、ドイツ語で「湖」は「ゼー」というのですね。
ベルリンの高級住宅地、ヴァン湖畔にあるナチスドイツが所有する邸宅で開かれたのがヴァンゼー会議。
まったく、どういう思考でこんなことになるのか仰天するのみ。
 
議長は国家保安本部(ゲシュタポ)長官ラインハルト・ハイドリヒ。
「ユダヤ人問題」の「最終的解決」について議論するために招集されたのは、
ハインリヒ・ミュラー、アドルフ・アイヒマンなど、本部に所属する親衛隊や、
ポーランドやラトビアにいる親衛隊の面々と、各省のお役人たち。
 
「ユダヤ人問題」っていったい何なのよ。聞いた瞬間に不快感が募る。
こんな問題のために高官たちが首を揃えて話し合うって、何かもう前提が変。
ユダヤ人がこんなことしましたあんなことしましたという話ではなくて、
ユダヤ人をとにかく絶滅させましょうという話。
「最終的解決」なんて言葉を使って直接的表現を避けているけれど、つまりは殺す。
銃殺には時間がかかるからもっと手っ取り早く大人数を殺す方法はないか、そういうことです。
 
ハイドリヒに楯突いてみせるお役人もいますが、虐殺に反対しているわけではありません。
自分を無視して話を進められるのが気にくわないだけ。
殺すのは時間がかかるし、騒動も起きるかもしれないから、断種のほうがいいとか。
女子供まで殺めるのはどうなんだという意見も出ますが、
どっちみち男親は殺すんだから、親がいなくなった子供を生かしておくほうが可哀想とか。
 
無茶苦茶な討議をしているのに、殺戮前提の話については誰も変だと思っていない。
「2分の1ユダヤ人や4分の1ユダヤ人をどうするか」なんて話を真顔でされたら唖然とするしかありません。
少しでも多くのユダヤ人を殺した親衛隊が褒められてドヤ顔をする。
 
会議に出席していた皆さん、80年が経過した今、どうですか。
何百万人というユダヤ人を殺したけれど、殺し損ねたユダヤ人がいることを後悔しているんですか。
どう思っていますか。

—–

『REVOLUTION+1』

『REVOLUTION+1』
監督:足立正生
出演:タモト清嵐,岩崎聡子,高橋雄祐,紫木風太,前迫莉亜,森山みつき,イザベル矢野,木村知貴他
 
安倍晋三元総理が近鉄奈良西大寺駅前で選挙の応援演説中に撃たれたのは2022年7月8日のことでした。
それから3カ月も経たないうちに公開に至った本作。
なんとなく嫌な印象を受けて、観に行く気は起こらず今まで来ました。
しかし近所のシネコンでは観るものがなくなり、観なきゃ文句も言えないからナナゲイへ。
 
監督は元日本赤軍のメンバー、足立正生。観に行く気になれなかった理由はここにもあります。
『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)を観て「総括」という言葉が大嫌いになった私は、
連合赤軍リニューアルメンバーだった監督が撮った映画を好きになれるとは思えない。
……という下げ下げ状態からの鑑賞です。
 
主人公は銃撃事件の犯人・山上徹也をモデルとした川上達也(タモト清嵐)。
母親(岩崎聡子)の実家の建築業を継いだ父親(高橋雄祐)は自殺。
逹也の兄(紫木風太)は小児がんに罹って失明。
母親が統一教会にのめり込み、多額の献金をおこない続けるせいで極貧生活に。
達也の妹は日々の貧相な食事に耐えきれず、「せめて週1でハンバーグを食べたい」と訴えるが駄目。
 
貧乏ゆえに大学進学もあきらめざるをえなかった逹也は母を恨み、
これは母が信じる統一教会と、教会と深い関係にある安倍元総理のせいだと考え、
安倍元総理を殺害すべく機会を探り、爆弾づくりを始める。
 
モノローグ形式で、舞台演劇っぽい。
先入観があるからでしょうが、台詞、仕草、表情、音、何もかも好きになれません。
そもそも事件が起きてから映画が撮られるまで時間がなかったから、取材不足は否めず、
「話題になりそうな題材で素早く撮りました感」があるのです。
 
安倍元総理のことは大嫌いでしたけど、だからって犯人に肩入れした本作を好きになれるわけじゃない。
主人公の妹の「民主主義の敵だった安倍さんを殺したお兄ちゃんを尊敬する」みたいな台詞がありますが、
安倍さんって、「民主主義の敵」というほどの人でしたかね。
 
あ~、政治的な作品の話をするのはやっぱり苦手です。(^^;

—–

『そして僕は途方に暮れる』

『そして僕は途方に暮れる』
監督:三浦大輔
出演:藤ヶ谷太輔,前田敦子,中尾明慶,毎熊克哉,野村周平,香里奈,原田美枝子,豊川悦司他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『ひみつのなっちゃん。』の後に。
 
やっぱり言わずにはいられない、ハマの番長と同姓同名の監督、三浦大輔
原作は、劇作家でもある三浦監督自身のヒット舞台。
舞台版と同じく藤ヶ谷太輔(Kis-My-Ft2)を主演に起用して映画化。
 
フリーターの菅原裕一(藤ヶ谷太輔)は鈴木里美(前田敦子)と5年間同棲中。
毎日真面目に出勤する里美を横目に自堕落な生活を続けていたある日、浮気がバレる。
里美は話し合いたいと言っているのに、すかさず逃げ出す裕一。
 
頼った先は、同郷北海道出身の親友・今井伸二(中尾明慶)。
快く迎え入れてくれた伸二だったが、転がり込んできた分際で態度がデカすぎる裕一にイラッ。
ついに我慢できずに裕一を非難すると、またしても裕一はすぐに逃げ出す。
 
次に訪ねたのはバイト先の先輩・田村修(毎熊克哉)。
里美に言われたことを参考に家事一般を引き受けたところ、修は大喜び。
しかし酔っぱらった修と一悶着あって怒鳴りつけられた裕一はまたまた飛び出す。
 
次は誰に泊めてもらおうか。
学生時代の後輩・加藤勇(野村周平)を面白い話があると言って呼びつける。
映画の助監督を務める勇は、裕一の話を映画のネタになると受け止める。
喜んで聴いてはくれたものの、裕一が「次はおまえの家に泊めてくれ」と言おうとした矢先に
「次はどうするんですか」と勇から勢い込んで言われ、言い出せなくなってしまう。
 
恋人、友人、先輩、後輩と渡り歩いて頼る人がいなくなった裕一は、
ついに今まで避けていた姉・菅原香(香里奈)に連絡をするのだが……。
 
初めの頃の裕一はとんでもないクズ。
里美といるときも伸二の家に転がり込んだときも、自分は居候の身でゴロゴロしているだけなのに、
「トイレの電球切れてたよ。買って付け替えといて」とか「出かけるとき、音を立てないでくれるかな、
俺、起きちゃうから」とか、「俺の布団敷いといて」とか。アホぼけカス。
 
まったく好きになれなかった彼が逃げ出すたびに、少しずつ可哀想になってきます。
彼の振る舞いは何も考えていないゆえのことで、マウント取ったり嫌がらせをしたりしているのではない。
それが人にどんな思いをさせているのか、まったくわかっていません。
指摘されれば悪いことだったのだと気づく。変わろうと思うけど変われない人。
 
郷里の母親(原田美枝子)はリウマチを患っているというのに父親(豊川悦司)に捨てられ、
その父親もこの親にしてこの子、逆もまた然りというようなクズ。
でもなんというのか、憎めないんですよねぇ、トヨエツ演じるクズ男は。
 
大晦日、団らんとも言えない団らんの様子にちょっぴりホロリ。いいよトヨエツ。
ホロリときたところでそのオチって。
アンマリだと思ったけれど、「面白くなってきたじゃねえか」。そう感じられたら前に進めるかも。

—–

『ひみつのなっちゃん。』

『ひみつのなっちゃん。』
監督:田中和次朗
出演:滝藤賢一,渡部秀,前野朋哉,カンニング竹山,豊本明長,本多力,岩永洋昭,
   永田薫,市ノ瀬アオ,生稲晃子,菅原大吉,本田博太郎,松原智恵子他
 
北摂の劇場で上映しているのはイオンシネマ茨木だけ。
 
ドラァグクイーンロードムービーといえばなんといっても『プリシラ』(1994)。
人数もそれと同じ、3人です。
 
ドラァグクイーンのバージンこと坂下純(滝藤賢一)はステージに立たなくなって長いが、
今でも毎日、自宅でひそかに踊りの練習を欠かさずにはいられない。
この日もひとりで踊っていたところ、後輩のモリリンこと石野守(渡部秀)から電話が入る。
 
モリリンは“なっちゃん”(カンニング竹山)が店主を務めるバーの従業員。
行き場のないモリリンを新宿2丁目の伝説のドラァグクイーンだったなっちゃんが拾い、
以来、モリリンはなっちゃんのもとで水を得た魚のような日々を送ってきたが、
そのなっちゃんが急逝したのだと言う。バージンもすぐに病院に駆けつける。
 
なっちゃんの亡骸を前に悲しむふたりに、葬儀屋(本多力)があれこれ質問。
なっちゃんの住まい、家族はいるのか、出身地はどこなのかなどなど。
あれだけ世話になったなっちゃんについて、何も知らないことにふたりは愕然。
やがてなっちゃんが家族にカミングアウトしていなかったことがわかる。
 
この界隈の住人なら誰かがなっちゃんの住所を知っているのではないか。
ドラァグクイーン仲間でテレビでも活躍中のズブ子こと沼田治彦(前野朋哉)も同行し、
あちこち回った末、ようやくグローリーこと下田信之介(本田博太郎)にたどり着く。
 
グローリーから受け取ったなっちゃんの履歴書を頼りに現住所を訪ね、
なっちゃんがドラァグクイーンであったことを墓場まで持っていくため、
家族がここへやってくるまでにその痕跡を消そうとするのだが……。
 
惹きつけられる作品です。なんだかんだで楽しかった。
 
前野朋哉の声がやかましすぎて途中で耳を塞ぎたくなったほどですが(笑)、
徐々に慣れて大丈夫になりました。
モリリン役の渡部秀は“仮面ライダー”上がりらしくイケメン。
彼(彼女というべきか)のドラァグクイーン姿はめちゃめちゃ綺麗です。
脇毛ボーボーなのはどうかと思うけれど。(^^;
 
男性の格好をしていてもなんとなくそれをわかってしまう3人の歩き方や仕草は、
白い目で見られることもあれば、男を誘っているように見られることもあります。
偏見はあるはずなのに彼らを家に招いてもてなす菅原大吉が○。
ドラァグクイーンのダンスも郡上八幡踊りも、キラキラしていて一緒だって。
 
なっちゃんの母親役の松原智恵子の可愛いことと言ったら。息子のことなんてお見通し。
でもお母さんが知っていたことは空の上の息子に内緒です。ひみつのなっちゃん。

—–

7回目の『RRR』はシアタス心斎橋のグランシアターで。

もうええやろっちゅう感じですが、今年初めての『RRR』です。
 
各地でまだまだ上映中。7回目となるとどこで観てもいいわけではありません。
決め手となったのは、シアタス心斎橋で上映が始まったこと。
3時間の長尺作品であるにもかかわらず、1日に何回かかかっています。
そのうち1回がグランシアターでの上映。
そうです、30回目の『トップガン マーヴェリック』もここで観ました。
 
どうかな~、混んでるかな~と思ってオンラインチケット予約ページにアクセスしたら、
9席のうちの8席まで埋まっていて残り1席。
最後列(といっても3列しかないんですが)のドア寄りの席が空いていてラッキー。
これならもしも飲酒しても途中でトイレに行きやすい(笑)。
 
グランシアターはドリンクとおつまみ付きで4,000円。
今回はビールとミックスナッツ(結構な容量です)を選択し、ナチョスも追加。
ナチョスって食べるときにバリバリ音がしますよね。
これ、鑑賞中に食べるのは迷惑でしょ。上映前に完食。
 
1回目2回目は面白いとは思っていても、涙ぐむことはありませんでした。
でも回を増すごとに泣けてくるシーンがあります。
少年時代のラーマが父親を撃たざるを得なくなったシーンはツボ。
大人のラーマもカッコイイけど、少年ラーマもめちゃカワイイ。
 
前日はワイン会で飲み過ぎ、寝不足だったため、7回目はさすがに寝たところも。
でもとりあえず1回グランシアターで鑑賞できて大満足です。
このシアター、家にほしい。無理だけど(笑)。

—–