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『スクロール』

『スクロール』
監督:清水康彦
出演:北村匠海,中川大志,松岡茉優,古川琴音,水橋研二,莉子,
   三河悠冴,MEGUMI,金子ノブアキ,忍成修吾,相田翔子他
 
TOHOシネマズなんばにて2本ハシゴの1本目。
この日は2本とも別館で上映している作品でした。
 
原作は橋爪駿輝のデビュー小説。
北村匠海中川大志の主演コンビ目当てで観に行きました。だってふたりともかわいいでしょ。
 
大学を卒業して就職した“僕”(北村匠海)は上司コジマ(忍成修吾)のパワハラに遭い、
いつしか死ぬことばかり考えるようになっていた。
自分の思いを書き綴ってフォロワーなどいないSNSに投稿していたが、
ある日そこに書いた、誰も知る由もないはずの「コジマ、マジ死んでほしい」という言葉を、
同僚の女性“私”(古川琴音)がコジマ本人に向かって吐き、そのまま退職する。
 
そんな折、“僕”のもとへ大学時代の友人ユウスケ(中川大志)から連絡が入る。
卒業式当日の写真に一緒に映っている森(三河悠冴)が自殺したらしいが、
ユウスケは森のことをまったく覚えていない。
しかしテレビ局に入社したユウスケは森のことを番組で取り上げたいと考えて……。
 
冒頭、夢かうつつか、“僕”が入った建物の中には誰もいないレストランがあり、
そのウェイトレスが地下アイドルのようだけど、さっぱり意味わからず。こりゃ寝るなと思いました。
 
ところが段々おもしろくなってきた。
 
“僕”が死にそうな顔をしているところは、まるで『ちょっと今から仕事やめてくる』(2017)。
あのときの福士蒼汰と北村匠海の表情がかぶります。
コジマの人でなしぶりに、いつかこいつに天罰が下ればいいと思っていたら、そのとおりになってスッキリ。
 
“私”の友人・菜穂(松岡茉優)にもイライラさせられっぱなし。
“私”の男性への接し方を重いと笑う菜穂が実はいちばん重い。
彼女の場合もコジマと同じでその心をへし折ってやれなどと思っていたら、これまたそのとおりに。
 
なんというのかこんなふうに、イライラさせられて、腹立たしく思わされて、
こいつをなんとかしてくれと思ったらそのとおりにしてくれる、そんな作品なんです。
だからって痛快というわけではない。自分の嫌なところも見せられている感じで。
 
森の母親(相田翔子)が自殺した息子の勤務先を責めて「社会が問題だ」と言ったときに、
「その社会にはあなた自身も含まれているのか」とユウスケが問うたシーンはグサリと来ます。
ユウスケの上司(水橋研二)はコジマと違って良い人に思えるけれど、
「死ね」と言うのと「生きてる意味あんのか」と言うのは結局同じことなのでしょうか。
 
ひとつ、文句を言いたい。金子ノブアキ演じる教授だかなんだかの台詞。
「的を得ているね」はやめて。的は射る、得るのは当やて、前から言うてるでしょうが!(笑)

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『FALL/フォール』

『FALL/フォール』(原題:Fall)
監督:スコット・マン
出演:グレイス・キャロライン・カリー,ヴァージニア・ガードナー,
   メイソン・グッディング,ジェフリー・ディーン・モーガン他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、公開初日の21:35からの回を鑑賞しました。
この時間にしては人が多いなと思ったら、同日から『鬼滅の刃』のワールドツアーとやらが公開になっていて、
おそらくそれ目当ての客。相変わらず人気があるのですねぇ、私もそのうち観に行きますけれど。
 
スコット・マン監督のことは知りません。
過去の監督作の出演者を見ると、ロバート・カーライルだとかロバート・デ・ニーロだとか、
ケイト・ボスワースだとかピアース・ブロスナンだとか、結構知名度の高い役者ばかり。
しかし本作には著名な役者は見当たらず。
ただ、“海底47m”シリーズの製作陣が関わっているとのことだから、期待できます。
なんといっても私の大好きなシチュエーションスリラーだし♪
 
ベッキーと夫ダンとベッキーの親友ハンターは、3人でフリークライミングに出かけた折、
ダンが滑落して亡き人となってしまう。
悲しみに暮れるベッキーは1年以上経ってもまったく立ち直れず、酒浸りの日々を送っている。
ベッキーの父親から相談を受けたハンターは、ベッキーを連れ出すことに。
 
SNSに“デンジャーD”の名前で自分の危険な挑戦動画をUPしているハンターは、
地上600メートルの旧テレビ塔にベッキーと共に登りたいのだと言う。
ベッキーはとても無理だと断ろうとするが、ハンターに乗せられて挑戦。
 
テレビ塔の真下まで車で行くつもりが、数キロ手前の門扉には鍵がかけられていた。
仕方なく車を置いてテレビ塔まで歩きはじめるふたり。
ようやく目の前に登場したテレビ塔。梯子を伝って慎重に登る。
 
エッフェル塔の高さは300メートル。そこから塔のてっぺんまであと半分もある。
恐る恐る足を踏み出しながら、なんとか頂上まで到達して万々歳。
しばし喜びを分かち合ってから地上に降りようとすると、なんと梯子が崩落して……。
 
もう嫌な予感しかないわけです(笑)。
車を駐めてからテレビ塔下まで歩く途中にはハゲタカがいる。
まだ生きている鹿か何かに嘴を突き立てて。怖っ。
 
テレビ塔に登り始めると、さびついたネジが外れかけていたり、外れて飛んで行ったり、
でもそれに気づいていないふたりの様子にこちらの不安は一層大きくなります。
 
不安はそのまま形になり、すぐにネジが飛んでハシゴが滑り落ちて行きます。
怪我をしたせいで血のにおいを嗅ぎつけたハゲタカが寄ってきますし。
そうか、海ならばサメに狙われるけど、地上ではハゲタカか。これは新しい。(^O^)
 
この手のシチュエーションスリラーで必ず起こるのが仲違い。
いやいや、喧嘩している場合やないんやけど、相手の恋人と浮気していましたっちゅうのが絶対パターン
本作でもハンターのタトゥーを見てベッキーは浮気に気づく。
信じてたのに~。好きになっちゃったんだからしょうがないでしょ~。というパターンですね(笑)。
そして必ず浮気していたほうが死ぬ。ま、あくまでもヒロインはあっちだから。
 
海とか陸なら何かしら食べるものがあるかもしれませんが、どうします?空の上だったら。
でもあるもんですねぇ、食べるもの。
 
もう笑うぐらい次から次へと不幸に見舞われるし、ムリムリムリと思うことの連続。
高所恐怖症の人は絶対に観られない作品です。
そうでなくてもおしっこチビりそうになりますから。足すくむすくむ。
 
ところで、ベッキーの父親役のジェフリー・ディーン・モーガンって、博多華丸に似てません!?

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『ケイコ 目を澄ませて』

『ケイコ 目を澄ませて』
監督:三宅唱
出演:岸井ゆきの,三浦誠己,松浦慎一郎,佐藤緋美,中島ひろ子,仙道敦子,三浦友和他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『母の聖戦』とハシゴ。
 
原案は、聴覚障害者としては日本初の女性プロボクサー・小笠原恵子さんの自伝。
監督は『きみの鳥はうたえる』(2018)の三宅唱。
 
東京都荒川区にある小さなボクシングジム
老舗の由緒正しいジムではあるが、このところ練習生が減り、
会長(三浦友和)は存続について考えている。
 
そんなジムで黙々とトレーニングに打ち込む小河ケイコ(岸井ゆきの)。
生まれたときから感応性難聴で両耳とも聞こえない。
地道な努力を重ねてプロボクサーとなり、初戦を勝利で飾っていた。
 
プロのリングに上がり続けるも、取材に愛想よく対応できるような性格ではなく、
実直にしか生きられない彼女は、いつしか不安に押しつぶされそうになり……。
 
キャストがとても良い。
会長役の三浦友和は言わずもがな、温厚な彼の分まで練習生たちに厳しいジムのスタッフに三浦誠己
私は彼はすごいバイプレイヤーだと思っています。
可笑しかったのは、この前日に観た『あつい胸さわぎ』で関西弁にダメ出しされていた彼が、
本作では完璧な関西弁をしゃべっていること。しゃべれるやんとツッコミ入れそうになりました(笑)。
もうひとり、印象に残ったのは、『あつい胸さわぎ』でター坊役だった佐藤緋美
字面からは女性みたいな名前だけど男性で、そのまま「ひみ」と読みます。
彼は浅野忠信CHARAの息子。イケメンというわけではないけれど、味がある。
本作ではケイコと同居する弟役で、いい加減っぽいけれど、姉のよき理解者に思えます。
観ていて腹立たしかったのは、彼女に職質をかけようとした警官2名。
聴覚障害者だとわかったのに、マスクも外さずに大声で話しかけるだけ。
そんなんでは「気をつけて」という言葉も届かない。
同情とかではなくて、人の立場になって考えることの難しさ。
岸井ゆきののイメージが変わりました。
聴覚障害者で、プロボクサーというのは一見特殊ではあるけれど、
一女性としての彼女の葛藤は共感できる部分が大いにあります。

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『母の聖戦』

『母の聖戦』(原題:La Civil)
監督:テオドラ・アナ・ミハイ
出演:アルセリア・ラミレス,アルバロ・ゲレロ,アジェレン・ムソ,ホルヘ・A・ヒメネス,
   ダニエル・ガルシア,エリヒオ・メレンデス,バネサ・ブルシアガ,マヌエル・ビジェガス他
 
シネ・リーブル梅田で18:05上映開始。
仕事帰りに行くには間に合いそうにない時間だと思いましたが、あらら、余裕。
職場から30分かからずに到着。コンビニで恵方巻まで買う時間ができました。
 
ベルギー/ルーマニア/メキシコ作品。
実話が基になっているというのですから驚きです。
 
中年女性シエロは、メキシコ北部の町で年頃の娘ラウラと二人暮らし。
ある日、恋人のリサンドロとデートだと言ってラウラが出かける。
ひとりで買い物に赴いたシエロを遮るように停まった車から降りてきた見知らぬ青年は、
娘を返してほしければ身代金15万ペソを明朝までに用意しろと言う。
 
ラウラは誘拐されてしまったらしい。
シエロは別居中の夫グスタボのもとを訪ね、金を用意するように頼む。
警察に話すべきだろうかと考えるシエロに、グスタボと同棲中のロシは、
そんなことをすればラウラは即刻殺されると断言する。
 
15万ペソの半額ほどを工面したグスタボとシエロは、翌朝あの青年と面会。
しかし青年はラウラを返そうとしないばかりか、無事も確認させてくれず、
自分は上から命じられただけで、これで撤収すると言って立ち去ってしまう。
 
グスタボは頼りにならず、シエロは考えた末に警察に駆け込むが、相手にしてもらえず。
致し方なくたったひとりで組織の情報を集めると、
路上で見かけたメキシコ軍のラマルケ中尉に協力を求めるのだが……。
 
メキシコでは誘拐ビジネスが蔓延していて、行方不明になっている若者が大勢いるそうです。
『ニューオーダー』(2020)のような富裕層を狙うならともかく、
シングルマザーで小さな家に住み、絶対お金があるようには見えない、
実際持っていない家庭の子どもを誘拐するとは、いったいどういうことなのでしょう。
 
15万ペソっていくらぐらいなのかなと思ったら、35万円ぐらいなんですよね。
その程度の額のために誰かをさらい、売ったり殺したり。
そしてその程度の額なのに、親はどうしても工面できない。
払ったって子どもの命はまず救えないわけですから、どうにもなりませんけれど。
 
本作では警察は当てにならず、軍人は親身になって協力してくれたものの、
実際には汚職まみれの軍人だって多いはずで、誰を頼ればいいのか。
 
仮に死んでいたとしても帰ってきてほしい。
母親の執念を感じます。
 
それにしてもあのラスト。誰、誰、誰~!?(^O^;

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『あつい胸さわぎ』

『あつい胸さわぎ』
監督:まつむらしんご
出演:吉田美月喜,常盤貴子,前田敦子,奥平大兼,三浦誠己,
   佐藤緋美,矢柴俊博,春田純一,恵水流生他
 
109シネマズ大阪エキスポシティで『BTS: Yet To Come in Cinemas』を観たあと、
帰る方向とは違うイオンシネマ茨木に向かい、
スタバで1時間つぶして本を1冊読み終えてから本作を鑑賞。
 
今年2度目の“おひとりさま”かと思いきや、予告編が始まってから3人来場。
客はたった4人で鑑賞することになりましたが、すごく心に残る作品でした。
 
武藤千夏(吉田美月喜)は大学生になったばかり。
父親を早くに亡くし、母親の昭子(常盤貴子)と二人暮らし。
昭子と同じ職場で働く花内透子(前田敦子)は良き相談相手だが、
子どもの頃から想いを寄せている川柳光輝(奥平大兼)のことは言えない。
 
大学の健康診断でひっかかった千夏が昭子に付き添われて精密検査に行くと、
まさかの乳がんとの診断。
今まで誰ともつきあったことがない、誰にも触られたことのない乳房なのに、
医者(矢柴俊博)から触られてなんだかショック。
ステージは低く、手術も急がないそうだが不安でいっぱい。
 
娘が乳がんとのことで落ち着かない昭子は、
職場に係長としてやってきた木村基晴(三浦誠己)と親しくなる。
誰にも相談しないつもりが、つい木村には打ち明けてしまい……。
 
生まれは関東、育ちは関西の常盤貴子がポンポンしゃべる関西弁が気持ちいい。
つまらないオヤジギャグで職場に溶け込もうとする木村に、
「それだけ毎日スベりまくっていてよう心折れませんね」と呆れるシーンにはふきました。
木村と昭子がいい感じにつきあいはじめると思ったらそうじゃなくて、その裏切られ感も○。
 
登場人物のひとりひとりが悩みを抱えていて、共感できたりできなかったり。
共感できずともそれぞれの心の裡を探りたくなります。
 
何よりよかったのは、佐藤緋美演じるター坊。
知的障害を持つ彼に、いつもいつもは優しくできない千夏。
「おっぱいなくなったらどうしよう」と悩む彼女に、崇が差し出した一枚の紙。
このシーンには泣きました。100点満点を付けたいぐらい。
 
エキスポシティで映画を観て、茨木まで行ってもう1本って、
さすがにこのハシゴはしんどすぎるでしょと思ったけれど、観に行ってよかった。

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