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『ワース 命の値段』

『ワース 命の値段』(原題:Worth)
監督:サラ・コランジェロ
出演:マイケル・キートン,スタンリー・トゥッチ,エイミー・ライアン,テイト・ドノヴァン,
   シュノリ・ラマナタン,ローラ・ベナンティ,タリア・バルサム,マーク・マロン他
 
109シネマズ箕面にて、公開初日にレイトショーに行きました。
 
9.11アメリカ同時多発テロ事件で被害に遭った約7,000人に対して補償金を公平に分配するため、
犠牲者それぞれの命に値段を付けるという難題に挑んだ弁護士の実話に基づく。
 
同時多発テロが発生して間もないとき、弁護士のケン・ファインバーグのもとへ政府から依頼が入る。
政府は訴訟を回避するために補償基金を設立しようとしているのだが、
遺族が政府の提示する補償金をすんなり受け入れるとは思えない。
補償金を受け入れることを拒否して集団訴訟を起こしたりしないように、
犠牲者の遺族たちに補償金の申請を促すのがケンの役目。
 
ケンは犠牲者たちそれぞれの収入を基にした計算式を打ち出し、補償金の額について説明するが、
その算定方法に納得できない遺族たちの猛反発を食らう。
7,000人全員の申請を取り付けるのは無理だろうが、8割には到達させたい。
弁護士事務所の部下たちが遺族らと面談し、なんとか納得してもらおうとするのだが……。
 
犠牲者たちは年齢も違えば、事件に遭った状況も異なります。
ワールドトレードセンターに勤務していた人、消防士として現場に向かい、死んでしまった人。
個々なにもかも違うのに、収入のみで補償金を決めると言われてもそりゃ納得できない。
 
当初、ケン自身は面談しない。部下にまかせっきり。
遺族の話に耳を傾ける部下たちは、どうしても事務的には考えられなくなります。
たとえば、ゲイのカップルのうちひとりが命を落とし、彼が最期に電話をかけたのはパートナーだった。
しかしゲイを憎みすらしている被害者の両親は、それを認めようとしません。
自分の息子はストレートで、パートナーは金の亡者だ、補償金を受け取るのは私たち親だと言って譲らない。
録音された最期の電話を聴けば、誰だってパートナーの権利を認めるべきだと思うのに。
 
良き夫であり良きパパだと思われていた男性には隠し子がいたことがわかります。
隠し子の家庭にも補償金を受け取る権利があるわけで、
だけどそれをどのように妻に伝えるかがまた悩ましいところ。
 
私の大好きなハゲ俳優、スタンリー・トゥッチがここでも素晴らしい役者ぶり。
この事件で妻を亡くした身でありながら、最初の説明会でケンの話を怒号で遮る遺族らを一喝。
いま責めるべきはこの弁護士ではないから話を聴こうと。
だけど説明会後には「基金には全然納得していないから今からあなたを叩きますよ」とケンに言う。
 
ある程度事務的でなければこの問題は片付けられない。
けど、遺族の話に耳も傾けずにいては駄目。
それを気づかせてくれるのがトゥッチ演じるチャールズであり、部下たちでした。
 
集団訴訟を起こさせて儲けようという金持ちもいたりして、愕然とします。
何が正解かなんてわかることではないですけどね。こういう話がありましたということで。

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ライブ音響上映にて3本観る。

なんばパークスシネマにて、ライブ音響上映のラインナップ中3本を鑑賞。
 
もとは9回目の『RRR』を観るためでした。
その前後にも久しぶりに観たい作品が上映されるのがわかり、
ええい、翌日も仕事だけれど、この機会に観ておくかと思い。
 
1本目は『バーレスク』(2010)。
2本目は9回目の『RRR』。
 
1本目の『バーレスク』は公開当時劇場で観てテンションが上がった1本。
シェール目当てで観に行ったのを覚えています。
10年以上ぶりに観てもやはりド迫力で、画面に目が釘付けになりました。
本作で知ったクリスティーナ・アギレラの歌声にも度肝を抜かれる。
彼女が演じるヒロインのアリと恋仲になるバーテンダー役はカム・ジガンデイでした。
本作では善人の役だったけれど、どうにもあのニヤケ顔だから、
先日UPした『バイオレント・ナイト』では富豪の長女の恋人でろくでなしの役でしたねぇ。
 
なんといっても素晴らしいのは、シェール演じるテスを支えるショーン役のスタンリー・トゥッチ
あ、顔はジェイソン・ステイサムのほうが好きですけど。
ま、いくらライブ音響上映で観ようとハゲはハゲですから、
歌とステージあってこそのライブ音響上映。
6割ぐらいの客入りでしたが、めちゃくちゃよかった。
 
大人気の『RRR』は満席。これについては説明もう要らないでしょ(笑)。
エンドロールが終わるとあちこちで拍手が起こりました。
最近『RRR』を観ると必ず拍手が沸き起こります。なんか嬉しい。
 
ここで帰ってもいいはずでしたが、当時劇場鑑賞はしていないドイツ作品がどうにも気になる。
レンタルDVDで観た『ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア』、
これは遅い時間からの上映だったこともあり、2割ぐらい客入りでしたが、
ジワジワと来る名作で、観てよかったと心から思えた1本。
 
病院の同室に入院したふたりの男は真逆のタイプ。
一方は見るからにワルで、列車内でも病院内でもプカプカ喫煙。
女にモテそうではあるものの、明らかに手が早そう。
もう一方は地味で冴えない奴で、気も弱い。
このふたりがどちらもあと数日の余命だというのですから、
自然との姿と重なることもあり、私はちょっと涙目モード。
生まれてから一度も海を見たことがないふたりは、最期に海を観に行きます。
 
ワルのほうの役のティル・シュヴァイガーが脚本も担当しています。
この人は演じるだけの人だと思っていたから、ちょっとビックリ。
本作の後はたいして話題になった作品もなく、TVシリーズに出ているぐらい。
でもこの1本があればじゅうぶんなようにも思います。
 
コロナで開催されなくなってしまった爆音映画祭ですが、
こうしてライブ音響上映があるというのはありがたいものです。

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『アントマン&ワスプ:クアントマニア』

『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(原題:Ant-Man and the Wasp: Quantumania)
監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド,エヴァンジェリン・リリー,ジョナサン・メジャース,ミシェル・ファイファー,
   マイケル・ダグラス,キャスリン・ニュートン,ケイティ・オブライアン,ビル・マーレイ他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『シャイロックの子供たち』とハシゴ。
 
いや~、覚えてないよ、前編『アントマン&ワスプ』(2018)の内容。
スコットにこんな娘いたっけなと思って当時自分が書いたブログ記事を読み直しましたが、
そうか、彼の一人娘キャシーはまだ幼かったから、演じる女優も替わっているのですね。
 
あれ!?『アントマン&ワスプ』よりさらに前編『アントマン』(2015)があったのか。
忘れているにもほどがある。(^^;
 
ミシェル・ファイファー演じるジャネットが量子世界へ行ったまま帰ってこなくて、
ジャネットの夫ハンクとその娘ホープが助けようとしているところへ
なぜかスコットが協力することになったのでしたっけ。
ということは何?キャシーってホープの実の娘じゃないの?もう全然わからん。
けどどうでもええわ。血縁関係の有無がわからなくても話にはついていける。
ハンクを誰が演じていたのかも忘れていましたが、そうでしたね、マイケル・ダグラスでした。
 
たぶんこんな感じ。
 
ジャネットが量子世界から生還して、平穏な毎日を送っていたスコットたち。
しかし娘のキャシーは量子世界への興味が増すばかり。
それはスコットの妻ホープと義父ハンクも同じこと。こっそり研究を続けていた。
 
ある日、キャシーが量子世界に信号を送り続けていたことを知り、スコットは仰天。
ジャネットも驚愕して直ちに信号の送信を停止するように言うが時すでに遅し。
一家全員量子世界へと吸い込まれてしまう。
 
そこには量子世界の征服者カーンがいた。
彼に故郷を奪われて虐げられている人々を救うべく、立ち上がる一家。
 
これで合ってるんかいな、ほんまに。
 
すみません、実はちょっと睡魔に襲われてしまったのです。
だって全然意味がわからないでしょ、量子世界のことなんて。
しかもカーン役のジョナサン・メジャースがイケメンでもなければ好きなタイプでもなく、
見ていてつまらないと感じてしまって。
ポール・ラッドのことは昔から大好きなんですけどねぇ。
 
画面に好きなタイプが映っていない場合、余程ストーリーが面白くないと集中力が途切れます。
しかも序盤のキャシーって、なんだかいけ好かないじゃないですか。
正義をふりかざして、自分が弱き者を助けると息巻いているところが好きじゃない。
 
最後はなんだかんだで楽しく観ましたが、「カーンは帰ってくる」と言われても。
憎たらしくてもロキのほうがまだいいな~。
 
個人的にはビミョー。
それにポール・ラッドはこういうスーパーヒーローものよりも普通の男を演じているときのほうが好きだし。

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『シャイロックの子供たち』

『シャイロックの子供たち』
監督:本木克英
出演:阿部サダヲ,上戸彩,玉森裕太,柳葉敏郎,杉本哲太,佐藤隆太,渡辺いっけい,
   忍成修吾,木南晴夏,酒井若菜,森口瑤子,徳井優,柄本明,橋爪功,佐々木蔵之介他
 
109シネマズ箕面にて、2本ハシゴの1本目。
 
どうも私は本木克英監督のことを本広克行監督と間違いがち。
本と克が氏名に入っているというだけなんですけれどねぇ。
どちらも一般受けがよさそうなわかりやすい作品をお撮りになる。
しかし本木監督は以前はもう少し硬派な作品も撮っていた気がします。
ここのところ、エンタメ路線まっしぐらな感じで、
より本木・本広両監督のイメージがダブってきました。
 
それはそれで良しとして。池井戸潤原作ですもの、わかりやすく面白いに決まっています。
 
メガバンクである東京第一銀行の長原支店。
支店長・九条(柳葉敏郎)の機嫌を取る副支店長・古川(杉本哲太)から、
融資先を見つけろと尻をたたかれまくっている部下たち。
営業成績の上がらない課長代理・遠藤(忍成修吾)は精神の崩壊寸前。
一方、赤坂支店から異動してきたばかりの滝野(佐藤隆太)は早くもエースに。
 
ある日、滝野は赤坂支店時代の顧客・石本(橋爪功)から呼び出される。
石本は自分が譲り受けた会社が危うくなっていることを滝野に伝え、
立て直すために10億円を融資してほしいという。
しかもトンズラしたその会社社長に石本がなりすまし、書類もすべて偽造だというのだ。
 
石本に弱みを握られている滝野がなんとか話を作り上げて融資にこぎつけたものの、
いざ10億円が支払われると石本が返せないと言い出す。
上司にバレると困る滝野は、石本に代わってその月の利息分を工面しなければならず、
長原支店で無造作に置かれていた900万円のうち100万円を盗む。
 
100万円が消えた長原支店は大騒ぎに。
総動員で探していると、ちぎられた帯封がお客様係・北川(上戸彩)のロッカーから出てくる。
無実を訴える北川をかばうその上司・西木(阿部サダヲ)は、本件に関する陰謀を嗅ぎ取り……。
 
ちょっと話を詰め込みすぎのきらいはあります。
冒頭では佐々木蔵之介演じる何者かわからない人が出てきて、
意味深に「金は返せばいいというものじゃない」というモノローグ。
その意味がわかるのはずいぶん後になってから。
 
ロッカーから帯封が出てきて気の毒な上戸彩については、女子社員同士の嫌がらせが原因で、
いつもは比較的明るくお茶目なキャラの木南晴夏がまさかのめちゃくちゃ陰険な奴。
三角巾が似合いそうな男子だと私が思っている玉森裕太ですが、今回に限っては給食のおばちゃんぽくない(笑)。
阿部サダヲ演じる西木は西木で兄弟の借金を抱えていたりと大変で、
みんながみんないろいろとありすぎて、群像劇のようになっています。
 
予告編で阿部サダヲが「ハッキリと詐欺だな」と話していたのは、
てっきり上戸彩と玉森裕太との会話の中での台詞だと思っていたら、違うのか。
そこでその台詞が出るとは。大笑い。これはよかった。
 
柄本明はさすがですね。付近にいくつか物件を持つ爺さんの役。
タヌキ親父ばかりいるなか、彼と阿部サダヲが組んでタヌキたちに一杯食わせるのは痛快です。
 
“半沢直樹”で堺雅人演じる半沢の妻役だった上戸彩がこんな役で出演していたり、
本作のTVドラマ版で九条役を演じていた前川泰之がここでは司法書士役で出演していたりと、
ちょっとゲスト出演的なところがあるのも面白いと思います。
 
それにしても池井戸潤原作の作品を観ていると、毎度銀行不信に陥る。(^^;
つい先日も行員が5千万円着服していたというニュースがあったところ。
見えるところに金があるとついつい手が出てしまうのか。ほとんどの人はそんなことないのでしょうけれど。

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『BLUE GIANT』

『BLUE GIANT』
監督:立川譲
声の出演:山田裕貴,間宮祥太朗,岡山天音他
 
イオンシネマ茨木にて、前述の『別れる決心』の次に。
『別れる決心』は客席に私ひとりでしたが、21:30より上映の本作は20人くらいは客がいたかな。
 
原作は石塚真一の同名コミック。大ヒット作なのだそうですが、私は初耳ですみません。
『ビッグコミック』にて2013年から3年少しにわたって連載されていたとのこと。
予告編に魅入られて、ぜひとも観たいと思っていたアニメです。
 
仙台の高校生・宮本大は、数年前にジャズの演奏に触れて以来、その虜に。
世界一のジャズプレーヤーになると決意し、河原で毎日テナーサックスを吹き続ける。
高校卒業を機に上京すると、同級生だった玉田俊二のアパートへアポなし突撃。
断れないことがわかっている俊二に頼んで同居させてもらう。
 
バイトでいくらかの金を貯めた大が向かったのは、“TAKE TWO”というバー。
ここで夜な夜なジャズライブがおこなわれていると思いきや無し。
意気消沈気味の大を見たママは、「ここへ行ってみるといい」とライブハウスを教えてくれる。
すぐにそこへ足を運んだ大は、凄まじい腕前のピアニストに驚く。
 
そのピアニスト・沢辺雪祈はなんと大と同い年だという。
物怖じしない大からバンドを組もうと言われた雪祈は嫌な顔を見せるが、
大のサックス演奏を聴かされて考えを改める。
ママの厚意で“TAKE TWO”を借りて練習を始めるふたり。
 
一方、大学のサッカーサークルを訳あって辞めた俊二は、
たまたま手持ち無沙汰だった折に、大からドラムもどきのことをさせられてシビれる。
大と雪祈のバンドに入りたいと思い、懸命に練習。
3人はバンド名を“JASS”と決めて活動を開始するのだったが……。
 
音楽はほぼジャンルを問わず好きですから、ジャズももちろん聴きますが、
特にジャズ好きだというわけではありません。
しかし本作を観ると、俊二じゃないけど本当にシビれる。
ジャズはゴールがないからずっと上を目指せる、どこまででも行けるという大の言葉が胸に刺さる。
 
母親が音楽教室を開いていたために幼い頃から音楽に触れ、音楽家になるのが必然だった雪祈。
4歳のときにはもうピアノを弾き始めていたと言います。
大のほうはまだほんの3年か4年。なのにその演奏に雪祈は圧倒される。
好きこそものの上手なれと言いますが、どんなに暑い日も寒い日も、大は楽しんで練習する。
一生懸命というよりは、まさに一所懸命
 
本作で演奏を担当されている人たちがどういう人なのだか私は知らないし、
プロの音楽家が本作を観てどう感じるのかも知りませんが、音楽っていいなぁと思う。
まぁ、雪祈が事故に遭って右手を潰すのは要らない話だと思わなくもない。
感動を煽る話になってしまった気がするから。でもそのほうが一般的には受けがいいかしら。
 
情熱は赤じゃなくて、赤を通り越して青なんですね。

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