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『なのに、千輝くんが甘すぎる。』

『なのに、千輝くんが甘すぎる。』
監督:新城毅彦
出演:高橋恭平,畑芽育,板垣李光人,莉子,曽田陵介,中島瑠菜,箭内夢菜,鈴木美羽他
 
イオンシネマ茨木にて。
スルーするつもりでしたが、ハシゴするにはちょうどよい上映時間だったため。
 
TVドラマを中心に活躍する新城毅彦監督は、アイドルを起用するのが上手。
原作は亜南くじらの同名人気コミックで、講談社発行の『デザート』にて連載中。
どう考えても私が観るのは恥ずかしいと思ったけれど、意外と楽しめました。
私同様に本作をまったく知らなかった方、「千輝くん」は「ちぎらくん」と読みます。
 
高校2年生の如月真綾(畑芽育)は片想いの相手・山田太郎(曽田陵介)に人生初の告白。
ところが、フラれたばかりか、「ブスに告られた、キモい」とSNSでつぶやかれる。
あまりの仕打ちに、好きだった人を嫌いになる悲しさを募らせる真綾。
 
図書委員を務める真綾がひとり図書室で沈んでいると、
そこに現れたのは陸上部のエースで、学校一のモテ男子・千輝彗(高橋恭平)。
真綾がスマホを見つめて落ち込む様子を見ていた彼は、
失恋を忘れるために自分に片想いしているつもりになればいいと、真綾に“片想いごっこ”を提案。
 
あくまでこれは“ごっこ”だから、本気で好きにはならないことが条件だったのに、
優しすぎる千輝くんに真綾はどんどん惹かれてしまい……。
 
そもそもこんな可愛い子をつかまえて「ブス」ということに無理がある(笑)。
この手の恋愛ものによくあることですよねぇ。
彼女をブスと言ったおまえ、おまえのほうがキモいんだよっ。
 
真綾に片想いしている同級生・手塚颯馬(板垣李光人)が嫉妬心を見せるところは、
なんて器のちいせぇ奴なんだと思えて、こうした男連中にイライラさせられます。
手塚も最終的にはいい奴になるんですけど。
 
こんな男連中とは逆に、真綾の親友・小原知花(莉子)の頼れる感じはいいなぁ。
あと、学校一のモテ男子・千輝くんのことだから、真綾との仲を妬むひと多数のわりに、
すっごい嫌がらせがないのはホッとしました。
千輝くんにフラれた後も彼のいちばんのファンになると決めた花咲美結(中島瑠菜)が、
真綾に続いて千輝くんに声援を送るシーンなども○。
真綾に「ブス」と言う美結の取り巻き連中には、オマエら自分の顔見てから言えと思いましたが(笑)。
 
真綾役の畑芽育は、伊藤沙莉に少し雰囲気が似ているように思う。
超カワイイわけじゃないんだけれど、コミカルな演技が上手い。
水族館に行くかお寺に行くか悩んだけど、魚を見ているより如月さんを見ていたかったから」と千輝くんから言われて、
「よっしゃ、魚に勝った!」とひそかにガッツポーズをする姿には笑ってしまいました。
 
なにわ男子のメンバー、高橋恭平は、台詞をしゃべらせると上手くはない。
というのか、下手だとは思うけど、笑顔の演技とかはイイ。
まぁ、演技が上手だろうが下手だろうが何でも許してしまえそうで、
むしろその下手さが可愛く見えたりもするのですけどね(笑)。
 
この歳で観るのはいささか恥ずかしい作品ではありますが、ちょっとキュンキュンできます

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『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(原題:Everything Everywhere All at Once)
監督:ダニエル・クワン,ダニエル・シャイナート
出演:ミシェル・ヨー,ステファニー・スー,キー・ホイ・クァン,ジェニー・スレイト,
   ハリー・シャム・Jr.,ジェームズ・ホン,ジェイミー・リー・カーティス他
 
公開初日のレイトショーを109シネマズ箕面にて。
 
監督はこれが2作目になるダニエル・クワンとダニエル・シャイナートのコンビ。
1作目の『スイス・アーミー・マン』(2016)はなんとなく設定がグロかったのと、
主演があまり好みの顔ではないポール・ダノダニエル・ラドクリフだったせいでスルーしてしまいました。
 
本作は今年度のアカデミー賞で最多ノミネートとなる10部門11ノミネートされているらしく、
たいそうな話題作ではありますが、うーむ、私はこの監督はイマイチ好きじゃないかもしれません。
ミシェル・ヨー姉御は好きなんですけど、ハリウッド映画で観る彼女はなんかちょっと違う。
 
アメリカでコインランドリーを営む中国移民の中年女性エヴリン。
善良ではあるが頼りない夫ウェイモンドには仕事を任せられず、
ただでさえ忙しいのに、頑固者の父親ゴンゴンの介護もせねばならない。
 
そんな折、IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁=いわゆる国税庁)から納税申告の不備を指摘される。
一人娘で同性愛者のジョイがいきなり恋人のベッキーを連れてきたものだから、
苛立ちを隠せないエヴリンは、国税庁での通訳を買って出てくれたベッキーのことをスルー。
 
IRSの監察官ディアドラに詰め寄られてうろたえていると、
突然ウェイモンドに「別の宇宙の夫」が乗り移り、エヴリンに救いを求める。
ウェイモンドによれば、強大な悪の存在によって宇宙が危機に直面している。
そしてエヴリンこそが全宇宙を救える人物なのだと。
 
マルチバース(多元宇宙)にはそれぞれエヴリンがいて、
あるバースではカンフーの達人、またあるバースでは料理人だったり歌手だったり。
そして巨悪の正体はなんと娘のジョイらしい。
ジョイの暴走を止めるため、マルチバースのエヴリンが戦うのだが……。
 
ほかのバースへジャンプするためには、思いっきり変なことをしなければなりません。
鬼の形相のディアドラに心から愛していると言ったり、おしっこを漏らしたりすることを強要されます。
もうなんか、最初から話がぶっ飛びすぎていて、ついていくのが大変。
この「変なことを強要される」辺りからどうでもよくなり、どうでもよくなったら寝てしまった(笑)。
 
話にいろいろ詰め込まれすぎていて、かつ長い。
『RRR』の179分に比べれば40分も短い139分だけど、冗長に感じてしまいます。
わー!キャー!言うてあちこち飛び回っているうちに過ぎて行きました。
 
とはいうものの、ミシェル・ヨー演じるエヴリンとステファニー・スー演じるジョイが
ラストで「素」で対面して言葉を交わすシーンにはホロリ。
だからなおのこと、ここまで詰め込まなくてもせめて120以内になんとかならんかと思ってしまう。
2時間かそれ以上かって、分にすれば数十分のことだけど、
集中力を2時間以上保つにはよほど楽しくないと無理なんです。
 

—–

10回目の『RRR』もライブ音響上映にて。

9回目の『RRR』はなんばパークスシネマにて鑑賞しました。
10回目はその翌週、ライブ音響上映の最終日。
9回目の鑑賞時は祝日だったこともあって満席。
 
10回目は平日の20時からの上映で、がらがらかなと思ったら、これも9割の入り。
こんなに人気が出てロングランになるとは想像もせず。
ようみんな3時間超の映画なんて観に来るわと、自分のことを棚に上げて思う。
 
相変わらずツッコミどころ満載で、何度観ても「ないないない」の連続で笑う。
 
過去にも書いていますが、マッリのお母さん、最初に絶対死んでますよね(笑)。
本作を初めて観た人は、最後に必ず「おかん、生きとったんかい!」と驚くことでしょう。
 
ジェーンからお茶に誘われたアクタルことビームがマッリの歌声を聞き、
腹を空かせたふりをするビームにジェーンが食事の用意をすると言います。
ジェーン自身が食事をつくるわけでもないのに、あんな長時間、ビームは席を外せんちゅうの。
見回りに来るロバート、怖いですよねぇ。
でかい声で泣くマッリ、それをなだめようと歌うビーム、絶対バレるってば。
 
で、もう我慢ならぬとマッリ奪還計画を立てるビームたちだけど、
英語がわからんのにどうしてスコットの屋敷に乗り込む日を決められるねん。
虎とか狼とか鹿とか、あんなたくさんの動物を隠しておける場所なんてない。
 
ビームに三本爪みたいなやつで刺されるラーマ。あれ、絶対心臓に刺さっとる。
なんで生きてられるねん。そのほかにも、ラーマは何遍も死んでそうやし。
 
ビームがラーマを肩車して見晴台に登るシーンがありますよね。
クルッと回って見晴台にいた看守を蹴って落とすでしょ。
あの反動でふたりも落ちないのは確実におかしくないですか。
 
ラーマとビームの目と手による会話、あんなん通じるわけないやん。テレパシーかよっ。
と思いつつも、あの仕草までカッコええねんな~。
 
エンドロールが完全に終わるまで誰も立ち上がりません。そして拍手の渦。
拍手が沸き起こる映画はそうそうないもの、楽しいなぁ。
 
ついに10回とキリのいいところまで来たから、当分観ない。きっと。たぶん。
でもまた観に行くかもしれない。
しばらく観ないと観たくなるビョーキに罹っています。困った。

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『レッドシューズ』

『レッドシューズ』
監督:雑賀俊朗
出演:朝比奈彩,市原隼人,佐々木希,森崎ウィン,観月ありさ,松下由樹他
 
なんばパークスシネマにて、前述の『少女は卒業しない』とハシゴしました。
 
レッドシューズって、赤い靴。
赤い靴と聞けば必然的に思い出す、それを履いて踊り出したら止まらないバレリーナの話。
本作はバレリーナではなくて女性ボクサーの話です。
 
太田真名美(朝比奈彩)はチャンピオン目前で事故死した父親の影響でボクシングを始めた。
彼女の試合を観戦した仁志(森崎ウィン)と知り合って結婚するが、仁志は病で他界。
シングルマザーのボクサーとしてまだ幼い娘のエミ(野田あかり)を育てている。
 
自身かつてはチャンピオンだった谷川拓巳(市原隼人)のジムに所属しているが、
保育園の送迎にスーパーでのパートにトレーニングと多忙すぎる日々。
金がないからエミにろくに食事を取らせてやることもできず、
心配する仁志の母親・葉子(松下由樹)と養育権をめぐって争う事態に。
 
真名美のいちばんの理解者は、拓巳の妹で弁護士の由佳(佐々木希)。
なんとか真名美の養育権を勝ち取ろうと奔走する。
 
老人介護施設に勤めはじめた真名美だったが、
女性職員を触ろうとする入居者・佃(せんだみつお)を突き飛ばしたせいで、留置所に入れられてしまう。
その間に葉子がエミを引き取ることに。
真名美は半年以内にチャンピオンになってエミを迎えに行くと誓い……。
 
雑賀俊朗監督は北九州市の出身で、オール北九州市ロケらしい。
北九州市のご当地ムービー的なところがありそうで、応援する人が多いのでしょう、
映画レビューサイトでの評価がやたらめったら高い。
 
おそらく、北九州市よりもボクシングに興味のある人が観ると、
こんなに打たれた傷が翌日すっかり治っているなんて信じられんと思うから、
そこですでにリアリティなしだと感じてしまいそうです。
そりゃもう『ケイコ 目を澄ませて』のほうがずっとリアル。
「シングルマザーボクサー」と連呼されるのも少々興ざめです。
確かに凄いことだけど、そんなに強調されてもと思ってしまう。
 
しかし、市原隼人がカッコイイ。『ボックス!』(2010)のときの彼を思い出しますねぇ。
朝比奈彩単独でよりも、市原隼人とのトレーニングシーンが嬉しい。
これを見られたらそれでいっかという気になりました。
 
松下由樹がすごくおばちゃん化していたのにはたまげる。
トレンディドラマで意地悪な妹役をしていた頃などが懐かしいなぁ。
 
『鬼ガール!!』(2020)を観たときと似た気分。
ご当地ムービーはこれでいいんだと思います。

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『少女は卒業しない』

『少女は卒業しない』
監督:中川駿
出演:河合優実,小野莉奈,小宮山莉渚,中井友望,窪塚愛流,佐藤緋美,宇佐卓真,藤原季節他
 
近所の劇場では観るものがなくなって、なんばパークスシネマまで遠征しました。
道が少々混んでいたせいで上映開始に間に合わず。
許しがたいことですが、最初の15分ほどを見逃しています。
 
原作は朝井リョウの同名小説。
校舎を取り壊すことになった理由は鑑賞後に知りました。
そうか、これが見逃した15分間に起きていたことだったのか。
 
他校との合併で廃校が決まった地方の高校。
明日に控えた卒業式が終われば、校舎は取り壊される。
 
卒業生を代表して答辞を読むことになっているのは山城まなみ(河合優実)。
料理部の彼女は、毎日昼休みに佐藤駿(窪塚愛流)と密会し、一緒にお弁当を食べている。
 
女子バスケ部の後藤由貴(小野莉奈)は男子バスケ部の寺田賢介(宇佐卓真)と交際中だが、
進路のことで年末に喧嘩して以来、口をきいていない。
 
卒業式後に体育館で開催するコンサートをめぐり、軽音楽部では議論中。
どのバンドがトリを務めるか、全校生徒で人気投票をおこなった結果、
あろうことか森崎剛士(佐藤緋美)が口パクボーカルのヘヴィメタバンドが1位になったから。
冗談としか思えないと怒る他バンドのメンバーをなだめる部長の神田杏子(小宮山莉渚)。
 
おとなしすぎて友だちがひとりもいない作田詩織(中井友望)の居場所は図書室
3年間通い詰めた図書室で、唯一話せる相手が教師の坂口優斗(藤原季節)。
 
こんな4人の視点で描かれています。
 
高校生のときってこんなだったかなぁと思う。
杏子が中学から同級生だった森崎に向かって、
「6年一緒だったんだよ。人生の3分の1だよ」という台詞があります。
6年間が人生の3分の1だった頃なら、今のように、3年と思ったら5年、
5年と思ったら10年経っていたなんてことはなかったかなぁ。
 
純粋で、透き通っていて、楽しいけど切ない青春。
朝井リョウの著作は数冊読んだきり。これは久しぶりに読みたいと思える物語でした。

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