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『シャザム! 神々の怒り』

『シャザム! 神々の怒り』(原題:Shazam! Fury of the Gods)
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
出演:ザカリー・リーヴァイ,アッシャー・エンジェル,ジャック・ディラン・グレイザー,アダム・ブロディ,
   ジャイモン・フンスーレイチェル・ゼグラールーシー・リューヘレン・ミレン他
 
109シネマズ箕面にて。
 
前作『シャザム!』(2019)を観たのはほぼ4年前です。
 
中身は子どもなのに、「シャザム」と唱えるとスーパーヒーローに変身してしまう。
“スパイダーマン”のように中身は少年で変身しても少年ならいいけれど、
“シャザム”の場合は中身は少年でも変身した姿はええ年こいた男だから、
やることなすこと子どもで、しかも几帳面な男子ではないからいい加減。
 
というところはなんとなく覚えていましたが、始まってすぐに驚く。
えっ、シャザムってこの子ひとりじゃなかったっけ!? 6人組で中身が子どものスーパーヒーローになるの!?
観ているうちにおぼろげながら思い出す。
そうそう、この子たちは孤児で、優しく厳しく愛情深い里親のもとで暮らす家族だったことを。
 
それにしたって、魔術師から神々の力を授かった少年ビリーは、みんなに力を分け与えたのだったっけな。
とにかくビリーのポリシーは全か無か。つまりスーパーヒーローになるときは絶対全員一緒。
 
本作では、魔術師に奪われた力を奪い返そうとする神の娘たちと対決。
魔術師役でジャイモン・フンスーが続投し、新キャラとして登場するのは神の娘役3人。
娘といっても若いのは三女アン役のレイチェル・ゼグラーだけ。
長女ヘスペラ役にはヘレン・ミレン。次女カリプソ役にはルーシー・リュー
アンが6千歳だそうだから、女優の実年齢で考えるとヘスペラは2万5千歳ぐらいか(笑)。
 
私はシャザム役のザカリー・リーヴァイの顔が得意じゃないんですけれど、
観ているうちに慣れてくるもんですね。
今回はついに里親に自分たちのことがバレ、里親も奮闘。なかなか頼もしい。
 
バカバカしいけど、血は繋がっていない家族の絆を感じられて、楽しい。
“ワイルド・スピード”シリーズにヘレン・ミレンが出演していたことを覚えていればそのネタも笑えます。
最後には“ワンダーウーマン”登場のおまけも。ガル・ガドット、相変わらず綺麗。
 
小ネタを楽しみながら鑑賞できます。

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『シン・仮面ライダー』

『シン・仮面ライダー』
監督:庵野秀明
出演:池松壮亮,浜辺美波,柄本佑,西野七瀬,塚本晋也,手塚とおる,松尾スズキ,森山未來他
 
仕事の後、車を飛ばして恵美須町までワインを買いに行き、滞在時間15分間で7本購入。
一旦自宅に舞い戻り、迷った末にもういっぺん家を出て109シネマズ箕面へ。
レイトショーにて本作を鑑賞しました。
 
石ノ森章太郎原作の特撮TVシリーズ“仮面ライダー”の放送開始50周年記念作品。
樋口真嗣監督の『シン・ウルトラマン』(2022)とキャストがかなりかぶっているのが面白い。
さんざん観た予告編の音楽が仮面ライダーにあるまじき切なさでしたが、さて。
 
最初に驚いたのは、血みどろのシーン。
えっ、仮面ライダーってこんなに血ぃ流れていいんだっけと思う(笑)。
しかもスパッと斬るというよりはグチャッと潰れる感じで。
 
なぜそんなことになるのかはすぐにわかります。
本郷猛(池松壮亮)がバッタオーグになると、殺人を躊躇しなくなるらしい。
 
しかしここでまた私は戸惑う。「オーグ」という言葉に聞き覚えがなかったから。
なんか知らんけど、ショッカーが昆虫×人間というオーグメントを製造していて、
本郷猛はそのうちのバッタオーグの最高傑作なんですと。
 
だけど、彼を製造した緑川弘博士(塚本晋也)はショッカーの過ちを悟り、
娘のルリ子(浜辺美波)と共に本郷猛を連れてショッカーのもとから脱出します。
ショッカーにとって裏切り者となった緑川博士らは、ショッカーから追われる身に。
バッタオーグ以外のオーグメントのうちクモオーグがやってきて、緑川博士を殺害。
 
クモオーグを返り討ちにした本郷猛とルリ子が隠れ家に行くと、
そこには政府筋の男ふたり(竹野内豊斎藤工)がいて、ショッカーを潰すのに協力せよと言われます。
 
こうして戦うことになる本郷猛はバッタオーグと呼ばれることを嫌い、
自ら「仮面ライダー」を名乗ります。
で、彼が1号で、のちに登場する第2バッタオーグの一文字隼人(柄本佑)が仮面ライダー2号を名乗る。
 
正直なところ、本作をどう見ればよいのか困ります。真面目に捉えてよいのかどうか。
長澤まさみ演じるサソリオーグなんて、笑わずにはいられません。
彼女、よくこんな役を引き受けたなぁと思いますけれど、たぶん楽しく演じたことでしょう。
普通ならこういう役は菜々緒がやりそうです(笑)。
 
最強オーグのチョウオーグ役の森山未來もこういう役者ではないように思うし、
なんだかみんな真剣に演じているけど大根役者に見えてしまう不思議。
昔は不細工だなぁと思っていた柄本佑がここ数年はぐんぐんカッコよくなり、
本作でも最後のオイシイところを持って行ったイメージがあります。
 
結局、私がいちばん盛り上がったのはエンドロールの曲。
幼い頃に聴いた曲がそのまま流れるのですから、思わず口ずさんでしまいそう。
全部歌えますもんね。
 
面白くないことはない。これもありだけど、私は1回でいいです。(^^;

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『オマージュ』

『オマージュ』(英題:Hommage)
監督:シン・スウォン
出演:イ・ジョンウン,クォン・ヘヒョ,タン・ジュンサン,イ・ジュシル他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『コンペティション』とハシゴ。
期せずして映画作りについて描かれた作品を続けて観ることになりました。
 
映画業界に身を置くジワンは、夫サンウと大学生の息子ボラムと共にソウルに暮らす。
監督として3本の映画を撮ったものの、スランプに陥っている。
公開中の監督作『幽霊人間』もまったく客が入っておらず、これが最後になるかも。
自分では稼げないから、サンウに生活費を入れてほしいと言っても無視されている。
 
そんな折、彼女に舞い込んだバイトの話。
それは、1960年代にはまだ珍しかった女性映画監督が撮った『女判事』という作品の修復作業。
フィルムは現存しているが、途中から音声が欠落しているらしい。
 
口の動きから音声を拾い、声優を雇って音声を吹き込む作業を開始したジワンは、
フィルムそのものに切り刻まれているシーンがあることに気づく。
このままでは作業を進めたところで不自然な作品になると考え、
『女判事』の監督ホン・ジェウォンや編集に関わった人々を探しはじめるのだが……。
 
本作はフィクションではありますが、『女判事』という作品は実在し、
そのモデルになった韓国で女性初の判事も実在するそうです。
 
女性監督が3本撮って業界を去ることになったことを自分と重ね合わせるジワン。
当時は女が映画を撮るなんてと思われていた時代。
また、切り刻まれたシーンには何が映っていたのかと思ったら、
女性がタバコを吸うところが映っているという理由でカットされていたんですね。
 
ジワンは『女判事』が上映されたはずの映画館に足を運ぶ。
そして廃業間際の映画館で失われたフィルムを見つけます。
 
ジワンと当時の映画編集者だった老婆が額を寄せ合って修復作業をおこなう姿が楽しそう。
モラハラかと思われる夫も、ジワンが倒れたときには優しさを見せます。
なによりよかったのは、ボラン役のタン・ジュンサン。そう、あの『愛の不時着』の。
母親に理解を示し、いつも明るい息子に救われる。
ジワンが美人じゃないところもいいですよね(笑)。イ・ジョンウン、上手い。
 
不遇の時代に生きた人たちよ、やすらかに眠れ。

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『コンペティション』

『コンペティション』(原題:Competencia Oficial)
監督:ガストン・ドゥプラット,マリアノ・コーン
出演:ペネロペ・クルス,アントニオ・バンデラス,オスカル・マルティネス,ホセ・ルイス・ゴメス,
   イレーネ・エスコラル,マノロ・ソロ,ナゴレ・アランブル,ピラール・カストロ,コルド・オラバリ他
 
最近、シネ・リーブル梅田に行くときはいつも車だったので、電車で向かうのは久しぶり。
阪急茶屋町出口から梅田スカイビルへの道がかなり変わっていてびっくり。
あちこちに「うめきた」の文字もあるけれど、全容をわかっていない私にはいまいちピンと来ない。
ただただ、劇場へ抜ける道が遠くなりませんようにと思うばかり(笑)。
 
アルゼンチン出身のガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督コンビによるスペイン/アルゼンチン作品。
同監督といえば『ル・コルビュジエの家』(2009)が強烈でした。
本作もそれに負けず劣らずのヘンテコぶりで、かつそれ以上にシニカル。
終盤のあるシーンでは声に出して「マジか!」と言ってしまいました。
 
一代で製薬会社を築き上げた大富豪ウンベルト・スアレスは、老いた今ふと考える。
自分には金はあるが、世間の目に自分はどう映っているのだろう。
世の中に貢献しているというイメージがほしい。そのために映画の製作資金を出そうと。
 
ノーベル文学賞の受賞作家の作品の映画化を一流監督に任せたい。
スアレスの秘書が推す監督は、変人だが天才肌の女流監督ローラ・クエバス。
ローラは主演に実力派の舞台俳優イバン・トレスと華のある映画俳優フェリックス・リベロを指名。
このふたりが因縁のある兄弟役を演じることに決定する。
 
リハーサルの初日。
本読みの1行目から細かい指示を出すローラにイバンとフェリックスは困惑気味。
ふたりのライバル意識とプライドも相まって先行きが心配されるのだが……。
 
金持ちの老人は、自分のイメージをよくできるものであれば何にでも金を出すつもり。
映画を作ると言い出した彼に秘書は「監督したいんですか」と尋ねます。
すると「監督できるわけがないだろ。資金を出すんだよ!」と怒鳴る。
そうか、一応、自分に映画監督ができると思っているわけじゃないんだ(笑)。
 
しかし、ウンベルトは自分が原作に選んだくせに、その本を読みもしていない。
ノーベル賞を取った作家の本だから大丈夫でしょ、僕は読んでないからさ、
アンタどんな話か説明してよと平然とローラに言います。
 
なんたら賞の受賞作品だから良いに決まっている。世間の評価はきっとそんなもの。
ウンベルトは自分のイメージアップのために、まさにイメージに囚われた作品選びをしているんですね。
 
主演の3人はいずれも実際にそういった賞の受賞歴がある人だから、
映画の中とはいえ、それを皮肉る台詞や行動てんこ盛りで大丈夫かと思うほど。
ローラ役がペネロペ・クルス、イバン役がオスカル・マルティネス、フェリックス役がアントニオ・バンデラスですからね。
 
ローラからリハーサル現場にトロフィーをいくつか持ってきてよと言われて、
イバンとフェリックスが厳選したトロフィーを持参したのに、
ぐるぐる巻きにされて身動き取れなくなったふたりの前でローラはトロフィーを粉砕。
そればかりかローラ自身が受賞した国際映画祭のトロフィーもぶっ壊します。
ヴェネツィアやらカンヌやら、ちゃんと映画祭の名前も出てきます。
 
可笑しいのは、「この映画でオスカーを取るかもね」とフェリックスから言われたイバンが
「あんな大衆的な賞に関わるのはごめんだ。金を貰っても要らん」みたいな返事をしつつ、
ひとりのときにこっそり受賞を妄想したスピーチの練習をしていること。
もしかすると多くの俳優が「賞をやると言われたら断るけれど、賞から無視されるのは嫌だ」と思っているのかも。
 
終始皮肉に満ちていて面白かった。この後どうなるかを観てみたいぐらい。
でも、ミニシアターでは映画を観ない人は「何この映画!?」となるはず。
私はこんなのもあんなのも、何でも楽しみたい。

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『有り、触れた、未来』

『有り、触れた、未来』
監督:山本透
出演:桜庭ななみ,碧山さえ,鶴丸愛莉,松浦慎一郎,高橋努,宮澤佑,舞木ひと美,高品雄基,
   谷口翔太,岩田華怜,金澤美穂,原日出子,仙道敦子,杉本哲太,手塚理美,北村有起哉他
 
109シネマズ箕面にて。
 
何の前知識もなく観に行きました。他作品はすでに観たものばかりだったから。
そうしたら、東日本大震災で大切な誰かを亡くした人が多く登場する作品でした。
原案は斎藤幸男の『生かされて生きる 震災を語り継ぐ』。
 
震災だけではなく、事故で亡くなった誰かや病で死にゆく誰かを想う人たちの群像劇です。
10年前の当時と
 
佐々木愛実(桜庭ななみ)は、一緒にバンドを組んでいた恋人・安田和樹(松代大介)を交通事故で失う。
10年後、保育士として働いている彼女は、中学教諭の吉田悠二(宮澤佑)と婚約中。
捨てられずにいた和樹の遺品をようやく処分することにしたが、
パソコンの中に和樹が作詞作曲した新譜を見つけ、この曲を演奏したいと考える。
過去のことを何もかも知っている悠二は、自分たちの結婚式で演奏するよう、愛実に提案する。
 
悠二は自分が担任を務めるクラスの女子生徒・里見結莉(碧山さえ)のことが気がかり。
三者面談の希望日を教えてほしいと伝えているのだが、
どうやら結莉の家庭はそれを相談できるような状況ではないらしい。
 
結莉は父親の健昭(北村有起哉)、祖母の文子(手塚理美)と三人暮らし。
震災で母親と兄、祖父をいっぺんに失って以来、健昭は仕事にたまに行く程度で後はずっと酒浸り。
このままだと自分が進学できないかもしれないと結莉は思っている。
 
愛実と結莉を軸に、さまざまな繋がりがあることが私たちにはわかってきます。
 
愛実の両親は離婚していて、父親は居酒屋を営む本堂真治(杉本哲太)、母親は佐々木有美子(仙道敦子)。
末期癌に冒されている有美子は、今も頼れる元夫を訪ねます。
なんとか愛実の結婚式には元気な姿で参列したいと思いながら。
 
悠二とその兄・光一(松浦慎一郎)は震災で両親を亡くし、光一は悠二にとって兄であり親でもある存在。
仕事をしながらボクシングを続ける光一は、ランキングほぼ最下位に近いプロボクサーですが、
妻・若菜(金澤美穂)の理解を得て、自分の拳が誰かに届くまではやめないと誓っています。
 
愛実の親友・大島蒼衣(舞木ひと美)は地元の小さな劇団に所属し、
「魂の物語」を演じるため、団員たちと意見を戦わせながら奮闘中。
そんな彼女がふと見かけたのは、今にも電車に飛び込もうとしている結莉でした。
 
和樹を轢き逃げした犯人で、その後はヤクザになった男性・須藤昇降(高橋努)。
泥酔して路上で倒れていた健昭を起こしてやるのが彼。
何があったか知らねえけど、人間転がり始めたら止まらねぇよと健昭を諫めます。
 
震災を絡めた話は少し苦手だったりします。
偽善であっても何もしないよりはいいとわかってはいるけれど、偽善に思えてしまうことも多くて。
 
でも本作はいろいろなシーンが心に沁みました。
北村有起哉演じる健昭のダメ男っぷりが凄いのに、強くは叱らない彼の母・文子。
甘いよなぁなんて思っているときはまだ震災の傷だなんてわかりません。
ついに結莉が学校から呼ばれ、文子が同行して赴いたとき、
淵上泰史演じる学年主任の口から発せられる信じがたい言葉。
愛情不足だとか、家族みんなで頑張ってとか、よくもそんなことを。
それに対して、文子は結莉をその場から帰らせ、震災の日のことを語り始めます。
生きているだけで、頑張っていることになるんですよと。
 
立ち直れない父親を見て、自分が死んでしまえばよかったと結莉。
ようやく前を向いた父親に結莉が抱きつくシーンでは涙がこぼれました。
 
バーのママ役に麻生久美子、光一のトレーナー役に萩原聖人、和樹の母親役に原日出子
ほとんどカメオ出演ですが、何気なく豪華なキャストです。
 
北村有起哉といえば、実の奥様である高野志穂と共演したAmazonプライムのCMが、
キモいなどと言われて不評だったという話を聞いたとき、
そりゃ確かにイケメンには程遠いけどさぁ、凄い役者なのよ北村さんは。
キモいなんて言うのは役者としての彼を知らん人だよねぇと心を痛めた私です。(^^;

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