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『わたしの幸せな結婚』

『わたしの幸せな結婚』
監督:塚原あゆ子
出演:目黒蓮,今田美桜,高橋努,山口紗弥加,髙石あかり,小林涼子,山本未來,小越勇輝,
   石橋蓮司,大西流星,尾上右近,前田旺志郎,津田健次郎,渡邊圭祐,火野正平他
 
109シネマズ箕面にて。
 
スルーするつもりでいました。
だって、Snow Man目黒蓮とかなにわ男子大西流星とか、顔見ても全然わからんし。
でも、わりと最近、かまいたちの『これ余談なんですけど…』に流星くんが出ていて、
やっぱり関西の子っておもろいなぁと思いました。
ジャニーズなのに、お笑いまでトレーニングに組み込まれているなんて知らんかったけど。
と言っても、スルーつもりでいたものを観に行ったのは、単にほかに観るものがなかったからです。
 
原作は、顎木あくみの富士見L文庫の同名ベストセラー小説だそうで。
富士見L文庫って、学生時代に私が書店でバイトしていた頃にはなかったと思います。
私のイメージは、富士見書房といえば富士見ロマン文庫。
こりゃもうフランス書院文庫と双璧をなすエロエロ文庫でしょう。
その富士見書房がもともと角川書店の1グループだったということは知りませんでしたが、
1990年代初めには完全に角川書店に吸収合併されたそうですね。
「富士見」という名前は事業部の名称として残り、ライトノベル系文芸作品のレーベルが富士見L文庫。
 
てな話は明らかな余談。映画化したのは主にTVドラマで活躍する塚原あゆ子監督。
思いのほか面白くて、序盤から泣いちゃって、スルーしなくてよかった。
 
異能者であることが価値ありとみなされる時代。
優れた異能を持つ名家に長女として生まれながら異能を持たない斎森美世(今田美桜)。
彼女を守ってくれた実母(土屋太鳳)は美世が幼い頃に亡くなり、
斎森家の当主・真一(高橋努)は香乃子(山口紗弥加)と再婚する。
 
真一と香乃子の間には斎森家の次女・香耶(髙石あかり)が異能を持って生まれる。
異能を持たない美世は使用人として扱われ、凄絶な虐めを受ける。
それでも美世はいっさい抵抗することなく、手をあかぎれだらけにしながら毎日を過ごす。
 
やがて香耶が幼なじみで名家の息子・辰石幸次(小越勇輝)と婚約したのをきっかけに、
美世のことを厄介払いしようと、真一と香乃子は結婚話を進める。
美世の嫁ぎ先は、文句のつけようもない名家・久堂家。
その当主・久堂清霞(目黒蓮)は若くして異能部隊を率いるエリート軍人だが、冷酷無慈悲との噂。
これまでに送り込まれた数多の婚約者は全員3日と持たずに逃げ出したらしい。
 
継ぎ接ぎだらけの着物と風呂敷包みをたったひとつ持って自力で久堂家にやってきた美世。
久堂家に長らく仕えている通いの家政婦・ゆり江(山本未來)は美世を認め、
これまでにやってきた女性たちとは違うようだと清霞に進言、つれない態度を諫める。
 
怯えながらも心の限りを尽くして清霞に接していた美世は、清霞の優しさに触れる。
ふたりはお互いに惹かれるようになるのだが……。
 
継母と異母妹の意地悪さと言ったら、「おまえら死ね~!」と叫びたくなるぐらい。
凄いですよ、山口紗弥加と髙石あかりの演技。根性悪にしか見えない顔(笑)。
一方の美世役の今田美桜の健気で可愛いこと。
朝ごはんを食べた清霞が「旨いな」とつぶやいたのを聞いて、
それまで自分が作った料理を褒めてもらったことなどなかった美世の目にみるみるうちに涙が。
このシーンでは私も一緒に泣いちゃいましたね。まさかこの映画で泣くとは(笑)。
 
能力を隠したり、陰謀を企んだり、どれもこれも子を思ってのことだと思うと複雑。
異能を持っていないと思われていた美世には当然異能があるわけで、最後にそれが発せられる。
正直なところ、これがどういう異能だったのか、説明しろと言われてもよくわからない。
わからないけれど、清霞を助けたい一心で現場に駆けつける美世、よかったなぁ。
なんか予想外に結構キュンキュンできます。やっぱり何でも観てみるもんですね。(^O^)

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『シャザム! 神々の怒り』

『シャザム! 神々の怒り』(原題:Shazam! Fury of the Gods)
監督:デヴィッド・F・サンドバーグ
出演:ザカリー・リーヴァイ,アッシャー・エンジェル,ジャック・ディラン・グレイザー,アダム・ブロディ,
   ジャイモン・フンスーレイチェル・ゼグラールーシー・リューヘレン・ミレン他
 
109シネマズ箕面にて。
 
前作『シャザム!』(2019)を観たのはほぼ4年前です。
 
中身は子どもなのに、「シャザム」と唱えるとスーパーヒーローに変身してしまう。
“スパイダーマン”のように中身は少年で変身しても少年ならいいけれど、
“シャザム”の場合は中身は少年でも変身した姿はええ年こいた男だから、
やることなすこと子どもで、しかも几帳面な男子ではないからいい加減。
 
というところはなんとなく覚えていましたが、始まってすぐに驚く。
えっ、シャザムってこの子ひとりじゃなかったっけ!? 6人組で中身が子どものスーパーヒーローになるの!?
観ているうちにおぼろげながら思い出す。
そうそう、この子たちは孤児で、優しく厳しく愛情深い里親のもとで暮らす家族だったことを。
 
それにしたって、魔術師から神々の力を授かった少年ビリーは、みんなに力を分け与えたのだったっけな。
とにかくビリーのポリシーは全か無か。つまりスーパーヒーローになるときは絶対全員一緒。
 
本作では、魔術師に奪われた力を奪い返そうとする神の娘たちと対決。
魔術師役でジャイモン・フンスーが続投し、新キャラとして登場するのは神の娘役3人。
娘といっても若いのは三女アン役のレイチェル・ゼグラーだけ。
長女ヘスペラ役にはヘレン・ミレン。次女カリプソ役にはルーシー・リュー
アンが6千歳だそうだから、女優の実年齢で考えるとヘスペラは2万5千歳ぐらいか(笑)。
 
私はシャザム役のザカリー・リーヴァイの顔が得意じゃないんですけれど、
観ているうちに慣れてくるもんですね。
今回はついに里親に自分たちのことがバレ、里親も奮闘。なかなか頼もしい。
 
バカバカしいけど、血は繋がっていない家族の絆を感じられて、楽しい。
“ワイルド・スピード”シリーズにヘレン・ミレンが出演していたことを覚えていればそのネタも笑えます。
最後には“ワンダーウーマン”登場のおまけも。ガル・ガドット、相変わらず綺麗。
 
小ネタを楽しみながら鑑賞できます。

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『シン・仮面ライダー』

『シン・仮面ライダー』
監督:庵野秀明
出演:池松壮亮,浜辺美波,柄本佑,西野七瀬,塚本晋也,手塚とおる,松尾スズキ,森山未來他
 
仕事の後、車を飛ばして恵美須町までワインを買いに行き、滞在時間15分間で7本購入。
一旦自宅に舞い戻り、迷った末にもういっぺん家を出て109シネマズ箕面へ。
レイトショーにて本作を鑑賞しました。
 
石ノ森章太郎原作の特撮TVシリーズ“仮面ライダー”の放送開始50周年記念作品。
樋口真嗣監督の『シン・ウルトラマン』(2022)とキャストがかなりかぶっているのが面白い。
さんざん観た予告編の音楽が仮面ライダーにあるまじき切なさでしたが、さて。
 
最初に驚いたのは、血みどろのシーン。
えっ、仮面ライダーってこんなに血ぃ流れていいんだっけと思う(笑)。
しかもスパッと斬るというよりはグチャッと潰れる感じで。
 
なぜそんなことになるのかはすぐにわかります。
本郷猛(池松壮亮)がバッタオーグになると、殺人を躊躇しなくなるらしい。
 
しかしここでまた私は戸惑う。「オーグ」という言葉に聞き覚えがなかったから。
なんか知らんけど、ショッカーが昆虫×人間というオーグメントを製造していて、
本郷猛はそのうちのバッタオーグの最高傑作なんですと。
 
だけど、彼を製造した緑川弘博士(塚本晋也)はショッカーの過ちを悟り、
娘のルリ子(浜辺美波)と共に本郷猛を連れてショッカーのもとから脱出します。
ショッカーにとって裏切り者となった緑川博士らは、ショッカーから追われる身に。
バッタオーグ以外のオーグメントのうちクモオーグがやってきて、緑川博士を殺害。
 
クモオーグを返り討ちにした本郷猛とルリ子が隠れ家に行くと、
そこには政府筋の男ふたり(竹野内豊斎藤工)がいて、ショッカーを潰すのに協力せよと言われます。
 
こうして戦うことになる本郷猛はバッタオーグと呼ばれることを嫌い、
自ら「仮面ライダー」を名乗ります。
で、彼が1号で、のちに登場する第2バッタオーグの一文字隼人(柄本佑)が仮面ライダー2号を名乗る。
 
正直なところ、本作をどう見ればよいのか困ります。真面目に捉えてよいのかどうか。
長澤まさみ演じるサソリオーグなんて、笑わずにはいられません。
彼女、よくこんな役を引き受けたなぁと思いますけれど、たぶん楽しく演じたことでしょう。
普通ならこういう役は菜々緒がやりそうです(笑)。
 
最強オーグのチョウオーグ役の森山未來もこういう役者ではないように思うし、
なんだかみんな真剣に演じているけど大根役者に見えてしまう不思議。
昔は不細工だなぁと思っていた柄本佑がここ数年はぐんぐんカッコよくなり、
本作でも最後のオイシイところを持って行ったイメージがあります。
 
結局、私がいちばん盛り上がったのはエンドロールの曲。
幼い頃に聴いた曲がそのまま流れるのですから、思わず口ずさんでしまいそう。
全部歌えますもんね。
 
面白くないことはない。これもありだけど、私は1回でいいです。(^^;

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『オマージュ』

『オマージュ』(英題:Hommage)
監督:シン・スウォン
出演:イ・ジョンウン,クォン・ヘヒョ,タン・ジュンサン,イ・ジュシル他
 
シネ・リーブル梅田にて、前述の『コンペティション』とハシゴ。
期せずして映画作りについて描かれた作品を続けて観ることになりました。
 
映画業界に身を置くジワンは、夫サンウと大学生の息子ボラムと共にソウルに暮らす。
監督として3本の映画を撮ったものの、スランプに陥っている。
公開中の監督作『幽霊人間』もまったく客が入っておらず、これが最後になるかも。
自分では稼げないから、サンウに生活費を入れてほしいと言っても無視されている。
 
そんな折、彼女に舞い込んだバイトの話。
それは、1960年代にはまだ珍しかった女性映画監督が撮った『女判事』という作品の修復作業。
フィルムは現存しているが、途中から音声が欠落しているらしい。
 
口の動きから音声を拾い、声優を雇って音声を吹き込む作業を開始したジワンは、
フィルムそのものに切り刻まれているシーンがあることに気づく。
このままでは作業を進めたところで不自然な作品になると考え、
『女判事』の監督ホン・ジェウォンや編集に関わった人々を探しはじめるのだが……。
 
本作はフィクションではありますが、『女判事』という作品は実在し、
そのモデルになった韓国で女性初の判事も実在するそうです。
 
女性監督が3本撮って業界を去ることになったことを自分と重ね合わせるジワン。
当時は女が映画を撮るなんてと思われていた時代。
また、切り刻まれたシーンには何が映っていたのかと思ったら、
女性がタバコを吸うところが映っているという理由でカットされていたんですね。
 
ジワンは『女判事』が上映されたはずの映画館に足を運ぶ。
そして廃業間際の映画館で失われたフィルムを見つけます。
 
ジワンと当時の映画編集者だった老婆が額を寄せ合って修復作業をおこなう姿が楽しそう。
モラハラかと思われる夫も、ジワンが倒れたときには優しさを見せます。
なによりよかったのは、ボラン役のタン・ジュンサン。そう、あの『愛の不時着』の。
母親に理解を示し、いつも明るい息子に救われる。
ジワンが美人じゃないところもいいですよね(笑)。イ・ジョンウン、上手い。
 
不遇の時代に生きた人たちよ、やすらかに眠れ。

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『コンペティション』

『コンペティション』(原題:Competencia Oficial)
監督:ガストン・ドゥプラット,マリアノ・コーン
出演:ペネロペ・クルス,アントニオ・バンデラス,オスカル・マルティネス,ホセ・ルイス・ゴメス,
   イレーネ・エスコラル,マノロ・ソロ,ナゴレ・アランブル,ピラール・カストロ,コルド・オラバリ他
 
最近、シネ・リーブル梅田に行くときはいつも車だったので、電車で向かうのは久しぶり。
阪急茶屋町出口から梅田スカイビルへの道がかなり変わっていてびっくり。
あちこちに「うめきた」の文字もあるけれど、全容をわかっていない私にはいまいちピンと来ない。
ただただ、劇場へ抜ける道が遠くなりませんようにと思うばかり(笑)。
 
アルゼンチン出身のガストン・ドゥプラット&マリアノ・コーン監督コンビによるスペイン/アルゼンチン作品。
同監督といえば『ル・コルビュジエの家』(2009)が強烈でした。
本作もそれに負けず劣らずのヘンテコぶりで、かつそれ以上にシニカル。
終盤のあるシーンでは声に出して「マジか!」と言ってしまいました。
 
一代で製薬会社を築き上げた大富豪ウンベルト・スアレスは、老いた今ふと考える。
自分には金はあるが、世間の目に自分はどう映っているのだろう。
世の中に貢献しているというイメージがほしい。そのために映画の製作資金を出そうと。
 
ノーベル文学賞の受賞作家の作品の映画化を一流監督に任せたい。
スアレスの秘書が推す監督は、変人だが天才肌の女流監督ローラ・クエバス。
ローラは主演に実力派の舞台俳優イバン・トレスと華のある映画俳優フェリックス・リベロを指名。
このふたりが因縁のある兄弟役を演じることに決定する。
 
リハーサルの初日。
本読みの1行目から細かい指示を出すローラにイバンとフェリックスは困惑気味。
ふたりのライバル意識とプライドも相まって先行きが心配されるのだが……。
 
金持ちの老人は、自分のイメージをよくできるものであれば何にでも金を出すつもり。
映画を作ると言い出した彼に秘書は「監督したいんですか」と尋ねます。
すると「監督できるわけがないだろ。資金を出すんだよ!」と怒鳴る。
そうか、一応、自分に映画監督ができると思っているわけじゃないんだ(笑)。
 
しかし、ウンベルトは自分が原作に選んだくせに、その本を読みもしていない。
ノーベル賞を取った作家の本だから大丈夫でしょ、僕は読んでないからさ、
アンタどんな話か説明してよと平然とローラに言います。
 
なんたら賞の受賞作品だから良いに決まっている。世間の評価はきっとそんなもの。
ウンベルトは自分のイメージアップのために、まさにイメージに囚われた作品選びをしているんですね。
 
主演の3人はいずれも実際にそういった賞の受賞歴がある人だから、
映画の中とはいえ、それを皮肉る台詞や行動てんこ盛りで大丈夫かと思うほど。
ローラ役がペネロペ・クルス、イバン役がオスカル・マルティネス、フェリックス役がアントニオ・バンデラスですからね。
 
ローラからリハーサル現場にトロフィーをいくつか持ってきてよと言われて、
イバンとフェリックスが厳選したトロフィーを持参したのに、
ぐるぐる巻きにされて身動き取れなくなったふたりの前でローラはトロフィーを粉砕。
そればかりかローラ自身が受賞した国際映画祭のトロフィーもぶっ壊します。
ヴェネツィアやらカンヌやら、ちゃんと映画祭の名前も出てきます。
 
可笑しいのは、「この映画でオスカーを取るかもね」とフェリックスから言われたイバンが
「あんな大衆的な賞に関わるのはごめんだ。金を貰っても要らん」みたいな返事をしつつ、
ひとりのときにこっそり受賞を妄想したスピーチの練習をしていること。
もしかすると多くの俳優が「賞をやると言われたら断るけれど、賞から無視されるのは嫌だ」と思っているのかも。
 
終始皮肉に満ちていて面白かった。この後どうなるかを観てみたいぐらい。
でも、ミニシアターでは映画を観ない人は「何この映画!?」となるはず。
私はこんなのもあんなのも、何でも楽しみたい。

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