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『マイ・ボス・ウェディング』

『マイ・ボス・ウェディング』(原題:My Boss’ Wedding)
監督:アンドリュー・シーメック
出演:ホリー・デヴォー,ドリュー・シーリー,ブリジット・キングズレー,ランディ・キャノン,
   ウィニー・クラーク,レベッカ・ラマルシュ,フェイ・ダンス,サンディ・クローリー他
 
荒天大好きなんですが、そんな日に家から遠い劇場に行く気にはなれません。
絶対映画を観に行こうと思っていいたのに気分が乗らず、自宅へ直帰。
ラジオは野球中継に合わせたまま、Amazonプライムビデオでお気楽な作品を物色。
 
観終わってからもアメリカ作品だと思っていましたが、2021年のカナダ作品でした。
カナダにしては普通に明るいラブコメ。テレビ用の映画のようです。
 
アラサーのOLニコールは、昇進を狙って仕事一筋。
几帳面な性格で、1週間分の洋服を選んでおくほどの「計画」好き。
憧れの上司キムに気に入られようと、休日返上で企画書を練り上げるが、いつも空回り。
 
そんなある日、キムから呼び出されたニコールはいよいよ昇進かと喜ぶが、
結婚を決めたキムとその恋人ブラッドリーが、計画万全のニコールの腕を見込み、
ウェディングプランナーを務めてほしいと言うのだ。
 
しかし独身のニコールにとって結婚式は初めてのこと。
経験がなくて不安がるニコールのために紹介されたのは、ブラッドリーの甥っ子マイケル。
マイケルは姉4人の結婚式に出た経験があるため、何でも知っているという。
 
結婚式を成功させれば昇進も夢ではないと考えるニコール。
マイケルは好青年ではあるが、親族の中でも変わり者らしく、自由人すぎて自分とまるで合わない。
彼といれば計画が台無しになりそうで、ひとりで進めようとするニコールだったが……。
 
知っている役者はひとりもいません。
カナダ作品だと聞いてそれには納得しましたが、主演のふたりがどちらもイマイチなんだなぁ。
 
ニコール役のホリー・デヴォーは確かに可憐なところもある。
けれど印象に残る女優かと言われると全然。
マイケル役のドリュー・シーリーにいたっては、イケメンという設定だけど私のタイプじゃない。
なんというのか、若いんだか老けているんだかわからない顔つきなんです。
マイケル・シャノンを少しイケメン寄りにしたみたいな感じというのか。
 
物語も実に凡庸。合わなかったふたりが恋に落ちるのは当然のなりゆき。
ブラッドリーの浮気疑惑をキムに話すかどうかを悩むニコールにマイケルがガッカリするのも普通。
そしてその疑惑が勘違いだったというのも当たり前のオチ。
 
せめてマイケル役の彼がもう少し私のタイプだったらよかったのになぁ。
ま、でも、気楽に観られる作品であることは間違いありません。
野球中継を聴きながらでもなんら問題なし(笑)。観て損ということはない。

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『水は海に向かって流れる』

『水は海に向かって流れる』
監督:前田哲
出演:広瀬すず,大西利空,高良健吾,戸塚純貴,當真あみ,
   勝村政信,北村有起哉,坂井真紀,生瀬勝久他
 
イオンシネマ茨木にて、仕事帰りに2本ハシゴの2本目。
 
原作は『別冊少年マガジン』で連載されていた田島列島の同名漫画。
たぶん私はあまり得意ではない前田哲監督ですが、超人気者。
気楽に観られて難しくなく、でもそれなりのシリアス度だからなのかなぁ。
 
入学が決まった高校が自宅から若干遠いため、
楽して通えるようにと叔父の家に居候することになった男子・熊沢直達(大西利空)。
 
ところが居候初日、駅まで迎えに来てくれたのは叔父・歌川茂道(高良健吾)ではなく、
見知らぬ大人の女性・榊千紗(広瀬すず)だった。
叔父の同棲相手かと思ってそう尋ねると、千紗は冷ややかな顔。
 
現在、叔父は仕事を辞めて漫画家として食べているらしく、
住んでいるのも叔父自身の家ではなくシェアハウス
それを正直に話せば直達の父親(北村有起哉)に怒られるから伏せていたと言う。
 
そのシェアハウスには叔父と千紗以外にもあと2人同居している。
女装占い師・泉谷颯(戸塚純貴)と、千紗の父親(勝村政信)の友人・成瀬賢三(生瀬勝久)。
叔父とふたりで暮らすつもりがまさかのこんな共同生活を送ることになった直達は……。
 
いつも不機嫌で「恋愛はしない」と宣言している榊さんに直達は淡い恋心を抱きます。
榊さんがこんなふうにずっと仏頂面なのはなぜかと思えば、
10年前に彼女が高校生だった頃、母親が不倫して駆け落ち
偶然にも新しく入居者となった直達の父親がその相手だったのでした。
 
まだ子どもだった直達は親の不倫騒動のことなどつゆ知らず、
父親が駆け落ちして不在の間は叔父の家に預けられて楽しく暮らしていました。
そして父親は結局相手と別れて家に帰ってきた。
一方、多感な年頃だった千紗は何が起きているのかもわかっていたし、
彼女の母親(坂井真紀)は直達の父親のように家に戻ってくることはなかったから、
気持ちに蓋をして、何事もなかったように生きようと努めています。
 
「たぶん苦手」と言ったとおり、全体を通してなんとなくもやもやします。
広瀬すずがこの役にはイマイチ合っていない気もする。
でも魅力的なキャストではあります。こんなに明るくてバカな高良健吾は初めて。
彼の妹で直達の同級生・楓役の當真あみもめちゃめちゃカワイイ。
「このハート泥棒が!」なんてダサい台詞、女子高生は言わんと思うけど。(^^;
 
不倫相手と駆け落ちして、別れても戻って来なかった母親が、
今は再婚して新しい家庭で幸せに暮らしている。
会いに行った千紗に対する母親の態度は最低だったから、直達の仕返しは最高。
いいねぇ、カツアゲ(笑)。
 
いくら広瀬すずでも、今の大西くんには當真あみちゃんのほうがいいと思うよ。
えっ!? やっかみにしか聞こえない!?(^^;
 
売れっ子の前田監督、来週末には『大名倒産』の公開が控えています。
なんか苦手だよと思いつつも観に行かざるを得ない監督です。

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『リトル・マーメイド』〈字幕版〉

『リトル・マーメイド』(原題:The Little Mermaid)
監督:ロブ・マーシャル
出演:ハリー・ベイリー,ジョナ・ハウアー=キング,アート・マリク,
   ノーマ・ドゥメズウェニ,ハビエル・バルデム,メリッサ・マッカーシー他
声の出演:ダヴィード・ディグス,ジェイコブ・トレンブレイ,オークワフィナ他
 
どこも吹替版ばかりの上映かと思いきや、意外に両方上映している劇場が多い。
うんと面白ければ吹替版も観るとして、まずは字幕版を観たい
イオンシネマ茨木で仕事帰りに2本ハシゴの1本目。
 
きっと誰もが一度は聴いたことのあるアンデルセン『人魚姫』
発表されたのは1837年らしいので、200年近くも語り継がれているわけですね。
研究対象にもなってさまざまな解釈がされていますが、暗喩とか全然わからん。
あーだこーだ言わずに普通に楽しませてもらいます。
 
本作はディズニーのアニメ『リトル・マーメイド』(1989)を実写映画化したミュージカル
監督はこれまでにも『シカゴ』(2002)や『イントゥ・ザ・ウッズ』(2014)、
『メリー・ポピンズ リターンズ』(2018)などのミュージカルを手がけ、
いずれもヒットを飛ばしているロブ・マーシャルです。
 
人魚姫が暮らす海底の王宮
海の王トリトンの末娘アリエルは、人間の世界に強い憧れを抱いているが、
陸に上がることは厳しく禁じられており、アリエルの想いは募るばかり。
 
ある日、その想いを抑えきれずに海から顔を出したアリエルは、
嵐の中で難破した船から投げ出された王子エリックを助ける。
エリックが意識を取り戻したことを確認すると、
彼を探しにきた城の者に見つからぬよう、アリエルは海に帰る。
 
目覚めたエリックは、自分を助けた女性の美しい声が忘れられない。
命の恩人だからと徹底的に捜索を続けるが見つからず。
 
一方のアリエルもエリックに会いたくてたまらない。
そこに目をつけたのが、トリトンの妹で王宮から追放された身の魔女アースラ。
アースラはアリエルにある取引を持ちかける。
 
それは、「3日間だけ人間の姿に変えてやる代わりに、アリエルの声を預かる。
もしも3日のうちに王子と心からのキスをすることができれば永遠に人間になれるが、
キスすることができなければ、アリエルはアースラのもの」。
 
人間の姿に変わったアリエルはエリックと再会するが、
声を失ったままでは彼を助けたのが自分だと言えないばかりか、
エリックもアリエルがあのときの彼女だとはわからず……。
 
黒人女優が人魚姫を演じる時代になりました。
ハリー・ベイリーがアリエル役に決定したときは論争が巻き起こったそうです。
まぁそりゃいつの時代もいろんなことを言う人がいる。
アリエルのみならず、エリックの母親である女王役も黒人女優のノーマ・ドゥメズウェニ。
また、最後に登場する人魚たちも男女さまざまな人種が入れ混じり、
今の映画だということを実感できます。
 
個人的には誰が演じても違和感はありません。美しければそれでいい。
人種がどうとかいうよりも、美しい役を美しいひと可愛いひとが演じてくれないとヤダ。
ルッキズムが取り沙汰されていますが、映画ですよ映画。
カネ払ってタイプじゃない人を見たくないっちゅうの。(^^;
 
男性の人魚姿というのも私にとってはじゅうぶん衝撃的。
トリトン役のハビエル・バルデムにはいかなるメイクが施されているのか、
いつもの彼よりずっと美しく見えました。デカい鼻にも威厳があるし。
 
しかしなんですね、メリッサ・マッカーシー演じる魔女のやり口って思いっきり詐欺ですやん。
「カネ貸したるから身分証を預からせろ」的なやり方となんら変わらんのに、
それにホイホイ乗っちゃうのってどないなんですか。
本作から「うまい話には裏がある」という教訓をみんな頭に叩き込まねば。

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『M3GAN/ミーガン』

『M3GAN/ミーガン』(原題:M3GAN)
監督:ジェラード・ジョンストーン
出演:アリソン・ウィリアムズ,ヴァイオレット・マッグロウ,エイミー・ドナルド,
   ロニー・チェン,ブライアン・ジョーダン・アルバレス,ジェン・ヴァン・エップス他
声の出演:ジェナ・デイヴィス
 
TOHOシネマズ西宮にて、前述の『ウーマン・トーキング 私たちの選択』の次に。
 
ホラー苦手です。人形ものも苦手です。でも予告編を観るかぎりでは大丈夫なような気がして。
しかもブラムハウス・プロダクションの製作なので、面白さは期待できる。
入場してビックリ、ほぼ満席ではないですか。大半は若いカップル。まぁそうなるか。
 
8歳の少女ケイディは、両親と共に車で出かけた雪の日、事故に遭う。
ケイディは軽傷で済んだものの、両親は死亡。母親の妹ジェマがケイディを引き取ることに。
 
ジェマは大手おもちゃ会社“ファンキ”に勤める優秀なロボット工学者
ファンキではライバル会社に勝つべく成長型のペット玩具の改良に力を入れていたが、
ジェマは以前から考案していたAI(人工知能)人形“M3GAN(ミーガン)”を完成させたい。
なかなか心を開いてくれないケイディのためにも一念発起、密かにミーガンの開発を進める。
 
試作品として完成したミーガンをケイディとペアリングすると、
ミーガンはジェマや同僚の期待を遙かに超える動きを見せる。
ジェマをどやしつけてばかりだったパワハラCEOもプレゼンの場で愕然、驚喜する。
ライバル会社に察知される前に売り出そうと急ぐのだが……。
 
ケイディを護ることを第一にプログラミングされたミーガンの怖いこと。
敵と見なせば殺すことも厭いません。躊躇うどころか嬉々として痛めつける。
電源をオフにすらさせないところは恐ろしい(笑)。
 
寂しそうな姪っ子のことは気になるけれど、自分は仕事で忙しくてなかなかかまってやれない。
ミーガンを使えば、姪っ子の遊び相手になってくれるばかりか、躾までしてくれる。
叔母の言うことはなかなか聞かない姪っ子もミーガンの言うことになら従うのです。
どんどん賢くなる人形に子どもの躾まで任せた結果、どうなるのか。
 
巷ではチャットGPTが人類を滅ぼす可能性もなくはないと言われています。
こんなホラーの中にもその懸念が窺えますよねぇ。
なんでも覚えて知識が増える一方のロボットにいつのまにかマウントを取られ、
人間は要らないものになってしまうのでした。
 
あ、怖そうだからやめておこうかなぁと迷っている人、たぶん大丈夫。
私の基準ではありますが、映像的にはホラー度はそれほど高くありません。

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『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(原題:Woman Talking)
監督:サラ・ポーリー
出演:ルーニー・マーラ,クレア・フォイ,ジェシー・バックリー,ジュディス・アイヴィ,
   ベン・ウィショー,フランシス・マクドーマンド,シーラ・マッカーシー他
 
とても観たかったのにタイミングを逃していた作品。
最近とても遠く感じるTOHOシネマズ西宮へ、休日早起きした勢いで向かう。
 
原作はカナダ人作家のミリアム・トウズによる全米ベストセラー小説。
メガホンを取るのは、監督としても抜群の手腕を発揮する女優サラ・ポーリー
本作では脚本も自身が担当し、第95回アカデミー賞の脚色賞を受賞しています。
 
実話が基って、いつの時代の話かと思ったら2010年だというではないですか。
100年前の話と聞けば納得できるけど、21世紀にこんな村があるとは。
 
人々が自給自足の生活を送るあるコミュニティで、レイプ事件が発生。
今に限ったことではなく、ずいぶん前から起きていたこと。
女性が家畜用の鎮静剤を打たれて眠っている間に被害に遭い、
妊娠して誰の子だかわからぬまま出産という状況が日常化している。
 
女性の妄想だとか悪魔の所業だとして片付けられてきたが、
ある日ようやく現場から逃げ去ろうとする犯人を取り押さえ、
共犯者の名前も明らかになり、コミュニティの男たちが次々と連行される。
しかしじきに彼らは釈放されて戻ってくるだろう。
 
女性たちは選択を迫られる。
このまま何もしないか、徹底的に闘うか、ここから出て行くか。
投票の結果、何もしない派は少数で、残り2つから選ぶことに。
全員で話し合っても埒が明かないからと、選択は3家族の女性に任されるのだが……。
 
鑑賞後に調べたところによると、“メノナイト”というキリスト教の一派に属するコミュニティだそうですね。
こんな差別的な宗教があっていいのかと思うほど、男尊女卑がはっきりしています。
女性は読み書きを学ぶことも許されず、だから投票するのも大変。
自分たちが出て行くのではなくて、男性たちに「出て行って」とお願いする選択肢もあるはずだけど、
今まで男性に何か頼んだことなどないから、最初で最後のお願いがそれだなんてと自虐的に笑う。
 
そんなコミュニティでは男性に刃向かえば神が許さないと思う人も多い。
自分も、自分の娘までもレイプされているというのに何も言えないなんて、そんなことがありますか。
 
女性たちの話し合いの場で中心となるルーニー・マーラが落ち着いていて美しい。
彼女もまたレイプされて、出産の日も近い。だけどお腹の子は憎くない。大事に大事に想う。
彼女と違う意見を持つクレア・フォイジェシー・バックリーとのやりとりも見ものです。
また、この話し合いに男性で唯一、筆記係として参加するベン・ウィショーも素晴らしい。
彼を見ていて泣いてしまいました。
 
話して、話して、話して、彼女たちがたどり着いた結論。
「逃げる」ことと「出て行く」ことは違う。
世界のどこかで常に起きている戦争にサラ・ポーリーが物申しているようにも思えます。

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