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『首』

『首』
監督:北野武
出演:ビートたけし,西島秀俊,加瀬亮,中村獅童,木村祐一,遠藤憲一,
   勝村政信,寺島進,桐谷健太,浅野忠信,大森南朋,六平直政,
   大竹まこと,津田寛治,荒川良々,寛一郎,副島淳,小林薫,岸部一徳他
 
TOHOシネマズ伊丹にて。
 
もともと私はあんまり気分が乗らない北野武監督作品。
ビートたけしのことは嫌いでも何でもないけれど、演技は上手くないと思っています。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017)に俳優として起用されている彼を見たときも、
日本語がわからない人ならば、彼の台詞の言い方に違和感はおぼえないのだろうと思いました。
しゃべりのプロにいちゃもんつけるなんて私は何様!?ですが。(–;
 
だから、彼が出演はしていない監督作品のほうがまだ好きです。
でもこれは彼の監督作であり主演作。それでも嫌な予感までは持たなかったのに、げげ~っ。
 
天下統一を目指す織田信長(加瀬亮)のもと、家臣の荒木村重(遠藤憲一)が謀反を起こす。
しかし村重は援軍を得られないまま惨敗し、逃げ出すはめに。
怒り心頭に発する信長は羽柴秀吉(ビートたけし)、明智光秀(西島秀俊)ら家臣を集めると、
村重を見つけ出した者に自らの跡目を相続させることをちらつかせ、捜索を命じる。
 
やがて村重を見つけた光秀は、信長にはその事実を伏せて匿う。
秀吉の軍師として仕える黒田官兵衛(浅野忠信)や秀吉の弟である秀長(大森南朋)の策により、
光秀と村重の様子を探りに忍び込んだ曽呂利新左衛門(木村祐一)は、
信長の疑いの目が徳川家康(小林薫)に向くように算段していることを知って秀吉に報告。
 
また、信長が家臣たちに跡目相続をちらつかせておきながら、
実は跡目は息子にしか譲るつもりがないことをしたためた書簡を新左衛門が入手。
秀吉はこれらの情報を使い、それぞれが反目しあうように仕向けるのだが……。
 
名だたる役者ばかりで見応えはありますし、最後まで飽きることもありません。
だけど、これだけ男色まみれにされるとドン引き。
しかも真面目に描かれているとは思えなくて、これはギャグなのかと思ってしまうような扱い方。
序盤に村重が「おまえが俺を最初に抱いてくれた夜」と光秀に言うシーンは怖気が走りました。
遠藤憲一が西島秀俊にそんなことを言うシーンは見たくないし、
ふたりの裸体が絡み合うシーンも断じて見たくない。申し訳なくも気持ち悪いとしか言えません。
加瀬亮演じる信長が蘭丸(寛一郎)のカマを掘るシーンも目を覆いたくなるばかり。
 
ビートたけしの笑いを取りたげな台詞は笑えず、キム兄だけは「らしい」から良いかな。
いつもは大阪弁を喋ると妙なイントネーションになるのが気になる桐谷健太服部半蔵役でほぼ台詞なし。
台詞がない彼の殺陣は様になっていて格好よかった。
 
駄目だと一刀両断するつもりはないけれど、私には気持ち悪さが募る作品でした。
なんというのか、美しくない。

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